異界堂シリーズ 棺 (2レス)
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1: 硯 2016/03/19(土)23:59 ID:3AspWDRg0(1) AAS
僕が大学2年生のころの話である。僕は当時、とある古物店でバイトをしていた。そこの店長が変わった人である。この人の出会いは、次回で。
さて、そんなある日、僕は段ボールの中身を整理していた時だった。ガサゴソと中身をかき回していると、中から千沙な棺桶みたいなものが出てきた。僕は、
「竜さん、なんか変わったものが出てきたんですけど。」と僕が言うと、
「ん、あーそれかぁ。そいつは、いわくつきのある品だぞ。」と言ってきた。
「どんないわくがあるんですか。」と訊いてみた。
「たしか、悪夢を見るとか、指のない霊体が夜に枕元に立っているとか。」
「持っているだけでですか。」「うん、たしか。」
僕は背筋が震えた。いわくがある品は、たくさん置いてあるが、こんなものまで置いてあるとは、ますますわからないところだ。
怖いと改めて思った。
「この棺には、なにが入っているんですか。」と訊ねてみた。
「人の眼球、髪の毛、爪、指、へその緒、カサブタ、耳、鼻かな。」
「見たんですか。」
「見たよ、おもしかった。」
どこがだよと言いそうになった。こんな持っているだけで呪われそうなものを持っているなんて。
僕は、やっぱりこの人はおかしいと思った。
「大事に扱えよ、それ、売るから。」
「買う人いるんですか。」
「ああ、いるよ。死川さんが買うって。」
あの人かと僕は思った。あの人は、ヤバイ。根本的に普通とはかけ離れている人だ。
殺人現場の土や写真を持ち帰ったり、胎児でできた指輪を眺めたり、死刑囚の腕を買ったりしている、きわめて怖い人だ。
竜さんは、
「ここの常連さんだから、俺は何も言わない。あの人は、もう長くないし、好きにさせとけば。」と言っていた。
僕は、あの死山氏が苦手であった。怖いのだ。僕は人のオーラを見ることができるんですか。その人のオーラは、どす黒い色をしていた。
正直関わりたくない人物である。
「買ってくれるんだから文句はない。」
と竜さんがつまらなそうな声でそう言ったのが、印象に残っていた。
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