台湾 現在の情報 3 [無断転載禁止] (695レス)
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226: [age] 2023/09/09(土)20:44 AAS
 
つづき

こんな風に、街を歩くと日本由来のユースカルチャーをあちこちで見かける。

台北市の中心部のオシャレな店などは、店のつくりも若い店員もまるで日本のよう。「武蔵野のロールケーキ」「札幌の薬局」といった謎なブランドを見かけたりもするが、そこは置いとくとして、若者の振る舞いには途上国っぽさがぜんぜんない。

そして苛烈な受験戦争。台湾の大学進学率は95%で、あちこちにこういう塾が存在する。

教育にかける費用は相当のものだろうし、それは子どもの心理的成長にとってプレッシャーとなるだろう。

もし親たちが共働きで捻出したお金が若者に注ぎ込まれ、親の愛という名目のもと、子どもに高学歴たれ、立身出世たれと命じるとしたら。考えるだに怖ろしい。

そのように子育てにお金がかかり、ジェネレーションギャップもきっと大きく、稼ぐ親と勉強を強いられる子どもがすれ違いそうな台湾において成人が子育てをためらうのは、ごく自然なことのように思える。

台湾の住宅地には保育園があちこちにもうけられていて、上の写真も、とある準公立保育園に掲げられていたものだ。

台湾では子育て支援が進んでいて、たくさんの子どものいる世帯の支援が一層厚くなるようになっている。

また、台湾の地下鉄などにはファミリーシートなるものがあり、妊婦や家族連れが優先とされている。

街中の公園には子ども向け遊具がたくさん整備され、実際、結構な数の子どもが遊んでいた。

急激な発展とジェネレーションギャップは何を生むのか
私から見た台湾という地域をひとことでまとめると、「古くて新しい」、これに限る。

統計的にみた台湾は典型的な東アジアの新興国のそれだ。

一人当たりGDPは2022年の段階で32000ドルを突破し、日本を猛追している。合計特殊出生率や大学進学率については日本より未来に到達してしまった。

東アジアの新興国(や新興地域)はどこもそうだが、若い世代の教育事情・配偶・子育てについては全世界で最も進んだ(?)状況にある。

発展が急速だからこそ、人心が追い付いていない。人口社会学者の落合恵美子は、そうした「人心が追い付いていない」点が東アジアの新興国で起こっている急激な少子化に関連していると論じたが、今回もそれは強く感じた。

建築物やテクノロジーは先進国化しているし、若者世代はどんどん先進国然とした習慣を、いや世界で最も進んだ東アジア然とした状況を生きている。

だけど発展があまりに急速だったために、中年〜老年世代の生活習慣がそれに追い付いていない。考え方も追いついていないだろう。そうした古さが運転の荒さや「恰幅の良い男性は豊かさの象徴」といった点に現れている。

中年〜老年世代が昭和で時が止まったままで若者が令和どころかもっと未来を生きている社会は、きっとジェネレーションギャップが大きかろうし、新旧の家族観のすり合わせに要するコストも大きいだろう。

台湾の旧世代からみて今どきの台湾の若者はどんな風にうつるのだろうか? そして新世代からみた中年や高齢者の旧態依然とした考え方や生活習慣は、どんな風にうつるのだろうか?

日本はイギリスやフランスに比べれば発展が急速だったし、ジェネレーションギャップが盛んに語られたものである。低成長時代となった今でも、世代間の確執や誤解は珍しくない。

しかし台湾の場合、発展の急峻さは日本の比較にならない。韓国や中国沿岸部などもそうだろう。

そうした、あまりにも急激に発展してしまった国において、親子とは、世代とはどのような状況にあるのだろう? そして家族病理や社会病理にどのような影を投げかけているのだろうか?

古くて新しい国、台湾。そして東アジアの国々。

もっと知りたい、もっと人に会って話を聞いてみたいと思った。そして彼の地でどのような悩みや家庭問題が噴出しているのか、現地の同業者としゃべってみたいとも思った。

その機会が巡ってくるのかはまだわからないけど、巡ってきたら掴んでみたい。
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