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「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part4 (1002レス)
「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part4 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318689302/
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521: DKGとファントムさん ◆lzXMjKhUPM [sage saga] 2011/11/08(火) 00:33:34.89 ID:/lhZiKFL0 短かくてごめんなさい。 しかも前半は花子さんの人のを抜粋しているという……。 さて、薫の機動戦士の攻撃を受けながら土下座を死に行きます。 シャドーマンの人か花子さんの人、後は任せます。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318689302/521
522: シャドーマンの契約者 ◆7aVqGFchwM [sage saga] 2011/11/08(火) 00:53:09.04 ID:d6hheEgk0 DKGとファントムさんの人乙です〜 タコで萎えるなwwwwwwww気持ちは分かるけどwwwwwwwww 照れるかおるん可愛すぎる、やっぱりこの子は純粋なツンデレキャラだわ >>521 >しかも前半は花子さんの人のを抜粋しているという……。 クロスは大体抜粋になっちゃうので仕方ない 俺も自キャラ視点書く時は、台詞とかはコピペしますし >シャドーマンの人か花子さんの人、後は任せます。 花子さんとかの人が先に動くと見た 俺はその後書くとしよう(ぁ ところで寝るって言っておきながらPCやってる俺を見てくれ、そして罵ってくれかおるんorz http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318689302/522
523: 鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ [sage] 2011/11/08(火) 01:35:26.67 ID:8zrwiMFAO >幼少期に菊と一緒に風呂入った事ある龍一とか悠里なら おっきくなってもいっしょにおふろにはいるといいの! DKGの人乙です〜 薫ちゃんたら良いツンデレ > 今度学校の中にでも会ったら、若ぁ!! とでも呼んでやる事にしよう。 無茶しやがって…いやするのはこれからだけど http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318689302/523
524: DKGとファントムさん ◆lzXMjKhUPM [sage saga] 2011/11/08(火) 19:44:44.82 ID:/lhZiKFL0 >>522 >照れるかおるん可愛すぎる、やっぱりこの子は純粋なツンデレキャラだわ >>523 >薫ちゃんたら良いツンデレ 薫「だから、俺はツンデレじゃない」 雄介「ユーデレです」キリッ >無茶しやがって…いやするのはこれからだけど したら斬撃飛ばしてきそうだな……誰にも見えない感じで辺りをスパっと。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318689302/524
525: 花子さんとかの人 ◆nBXmJajMvU [sage saga] 2011/11/08(火) 19:59:18.27 ID:bb9WdvN60 DKGの人様乙ですの だよね、タコ苦手だよね!(わかってて水城向かわせた人 >>517>>521 >いつか瑠璃ちゃんが何かの拍子に俺に対してデレてくれるって信じてるぞ! 【それはない】(赤文字宣言 >しかも前半は花子さんの人のを抜粋しているという……。 問題ないんだぜ、特にセリフ面 セリフはどうしても抜粋になっちゃうから、それ以外のところを以下に自分の文章で書けるか それが、クロスの時、書き手に求められる技量な予感がしないでもないの >>518>>522>>524 >雄介「たこ焼きにしましょう」 菊「…タコ焼き」(包丁用意 水城「新鮮なら刺身でもいいんだが」 紫苑「あんた達、人食ったタコを食べる事前提で見るの止めなさい」 >花子さんとかの人が先に動くと見た >俺はその後書くとしよう(ぁ HAHAHA、こやつめ >したら斬撃飛ばしてきそうだな……誰にも見えない感じで辺りをスパっと。 龍一「……そこまではしない」 >>523 >おっきくなってもいっしょにおふろにはいるといいの! 龍一「……そんな歳ではない」 悠里「二人で入れるような広い風呂が家になくてね」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318689302/525
526: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(北海道) [sage saga] 2011/11/08(火) 20:03:20.49 ID:bb9WdvN60 (レスミスに気付いたが見なかったことにする) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318689302/526
527: 悪党と改造人間 ◆W5H6Y5Rl3M [sage] 2011/11/08(火) 22:57:42.39 ID:bmabbc04o 「Z-No.592が探索に向かってから既に三日が経過しておりますが、完全に音信が途絶えています。返り討ちに遭ったと考えるのが妥当かと」 「そうか」 Z-No.0、漸賀斬九郎は眉を顰めて溜息を漏らす 「無理にでも何人か連れていかせるべきだったか」 「そうでもないと思うわよ」 斬九郎の机に腰掛けて、足をぷらぷらと揺らしていた小夜が呟く 「あの子の能力は、一種の占い。心の奥底では察知していたはずよ……何人で行っても無駄だって」 「ならば何故、一人で行った?」 「解決できる可能性があったかもしれないから、でしょ。他人の平穏のためにわかっている無茶をするのが、うちの組織に多いタイプなのよね」 小夜は、きしりと苛立たしげに爪を噛む 「私が万の幸運を与えたところで、億の不運が被さればどうしようもない。誰か一人を兆の幸運で守ったところで、他の多くが百の不運で命を落とす。一か全かの能力なんて使い勝手が悪いといったらありゃしないわ」 「それでも、無いよりはずっとずっと多くの奴らを守っていられるのだろう?」 斬九郎の手が、そっと小夜の頭を撫でる 「やはりお前は、昔から何も変わらず優しいな」 「掬い上げたものを一粒も零したくない、欲張りなだけよ」 斬九郎からぷいと顔を逸らした小夜は、報告に来ていた黒服とばっちりと目が合った 頭を撫でられて嬉しそうにはにかんでいた顔がぴしりと固まり、羞恥の真紅に染め上げられる 「あなた、まだいたの!? というか、いつまでいるのよ!?」 「いえ、まだ報告が残っていまして」 「だったらさっさと済ませなさいよ! 暢気に駄話を聞いている余裕のある状況なの!?」 わたわたと手を振り、斬九郎の手を払い除けて佇まいを取り繕う小夜 「で、残る報告というのは?」 顔色一つ変えずに続きを促す斬九郎に、黒服はぺらりと書類を捲る 「彼の……Z-No.592の消息について、当事者のメイ・ゴスリング嬢と沙々耶・マイツェン嬢から経過報告の要請が」 「研究資料の奪還を依頼をされた身だからな。失敗の報告はせねばならんだろう……後で俺が直接診療所に報告する」 「よろしいのですか?」 「責任者は俺だ。部下が戻らない以上は、俺が報告しなければいかんだろう」 そう言って関を立ち、執務室を出て行く斬九郎 依頼の失敗そのものよりも、部下を亡くした事や、依頼者の苦悩や恐怖に心を痛める上司の顔に、報告に来た黒服は首を傾げる まだ番号もついてない、自分が何の都市伝説に呑まれて黒服になったかも、まだよく思い出せずに事務仕事をこなしている、黒服になったばかりの彼女には、そういった心の機微は理解できない 「小夜さん」 「なぁに?」 一人机に座ったまま、傍らに置かれていた湯飲みに口をつけている小夜に、黒服が問い掛ける 恥ずかしい顔を見られたせいか、どこか仏頂面で無愛想に答え 「No.0のどの辺りが異性として好意的なのでしょう」 「ぶぷっ!?」 小夜の口から毒霧のように緑茶が噴霧された 「げほっ……あんた、ねっ……下っ端黒服のくせに……どうしてそういう……」 「Zナンバーズ及び、小夜さんの存在を知る各種部署の黒服諸氏から、No.0への報告任務から戻る度に様子を尋ねられるので、少々気になりまして」 「……一度、運気の供給カットどころか、全部利息つきで回収してやろうかしらこの『組織』」 涙目で咽る小夜の背中を、優しくさする黒服 「失礼しました。以後この質問に関しては禁則事項として判断いたします」 「そうしといて……あとこれについて質問してきた奴について、リスト作っておいて」 「了解しました。明朝までには仕上げます」 「……明朝まで掛かるような分量なの?」 「他の雑務を六時間以内に終わらせれば深夜までには」 「……急がないから、本職を優先しなさい」 「了解しました」 深々と一礼した黒服が退室するのを確認してから、小夜は机の下に置いてあったぬいぐるみに、八つ当たりの拳をぽすぽすと叩き込むのだった ――― 「目が覚めましたか?」 ぼんやりとしていた意識が、その一言で急激に現実に引き戻される 即座に身を起こそうとしたのだが、腕、足、腹にがちりと硬い感触があり、拘束されているという事が容易に想像できた http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318689302/527
528: 悪党と改造人間 ◆W5H6Y5Rl3M [sage] 2011/11/08(火) 22:58:13.66 ID:bmabbc04o 「何故……生きている」 「私がですか? それともあなたがですか?」 「両方、だ」 鼻歌混じりに、手術道具に見えなくもない奇妙な器材をがちゃがちゃと片付けているのは、ヴィッキー 硬い感触の手術台のようなものに拘束されているのは、Z-No.592 「まず私について。私は別に一人じゃありませんでしたから。お出迎えは5人ぐらい出したはずですが」 「……なるほどな。事前に数も確認しておけば良かったよ」 「ちょくちょく増やしてますから、事前の調査はあまり意味が無いですよ」 死の淵で思考がまともに回っていなかったらしい、とZ-No.592は舌打ちする 例えあの場に居たものを皆殺しにしたところで、沢山居るのであればどこかしらに予備がいるのは当然である 「次に、あなたについて。私が、私や怪人の残骸を回収調査に来た折にあなたも見つけましたので。ついでに回収しました」 「何故、敵である俺を治す?」 「死体に敵も味方もありますか? 死体は私にとって、須らく『材料』ですよ」 がちゃりと器材を作業台の上に置いて、ヴィッキーは拘束されたままのZ-No.592に近付いてくる 「ちゃんと直したら魂が戻ってきちゃって蘇生しちゃいましたけれど。まあ頼まれた事に対しては上手くいったので結果オーライです」 「もう一つ質問だ……誰に、何を、頼まれた?」 ぺたり、と Z-No.592の頬に、ヴィッキーの冷たい手のひらが触れる 「あなたの契約している都市伝説に、あなたを直してくれと」 禍々しい、期待に満ちた笑顔がヴィッキーの顔に浮かぶ 「あなたを直してくれるのなら、なんでもするというから」 眼前に差し出された結晶体は、白色、栗色、黄金色が綺麗に混ざり合った斑模様で その色は、いつも周りではしゃいでいた、彼女達の毛並の色と同じで 「その構成エネルギーを差し出してもらいましたよ」 胸中にあった空虚感で、契約が失われている事には気付いていた 目の前に居る女の研究内容も、語られた分は理解していた 拘束されていなければ、即座にヴィッキーを殴り掛かっていただろう 「力を……都市伝説を取り出した後に残る『魂』をどうするか、お前は言ってなかったな」 「おや、そちらに出向いた私達は説明してませんでしたか。質にもよりますが、大抵はそのまま破棄しますがね」 結晶をちらつかせたまま、開いた手でZ-No.592の身体を艶かしく撫で回す 「都市伝説存在の構成エネルギーではなく、魂のエネルギーでも人体構成使えるか。そういう実験をやってみたわけです。結果はご覧の通り」 ぎしりと手術台に上がり、Z-No.592の上に馬乗りになるヴィッキー 「記憶だの意識だの、そういう不純物の除去に手間は掛かりましたが……人体の基礎部分があれば充分に使える事が判りました」 脇腹の辺りに手をついて、唇が触れ合いそうなほどの距離まで顔を近づけて 「というわけで、彼女達の『魂』はもう何処にも存在しません。あなたの身体を再構成し魂を引き戻すための燃料のなって燃え尽きて、煤ほどの滓すらも残っていません、完全消滅です」 興奮の混じった吐息に鼻腔をくすぐられ Z-No.592は首を僅かに捻り、その稼動域を確認すると 頭を思い切り振り上げて、ヴィッキーの顔面に額をめり込ませた 無様にひっくり返り、そのまま手術台から転げ落ちるヴィッキー 「いい反応です。やはりそれぐらい元気でないと、ここから先で困りますからね」 「……先……だと?」 「それも説明してませんでしたか、私達は。都市伝説の構成エネルギー結晶を、消費する事なく力を引き出し、換装が可能となる改造人間の製作ですよ」 歪んだ鼻骨を直しながら、ヴィッキーは笑う 「あなたを直す傍ら、試しに人間でやってみたんですが……どうも人間は結晶体と混ざりやすくて。適度に都市伝説存在である『黒服』の方が、濃度というか浸透率というか、そういう意味で丁度良さそうなんですよ」 手にしたままの結晶体を、その手のひらの上で弄びながら 「大人しく従っていてくれれば……彼女達の力だけは、存在を確かなものとする最後の一欠片だけは、手元に残りますよ?」 人のかたちをした悪意は 嬉しそうに 楽しそうに そう囁いた http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318689302/528
529: 三面鏡@ドクター ◆W5H6Y5Rl3M [sage] 2011/11/08(火) 23:02:50.52 ID:bmabbc04o 前回までのお話は >>335,337-339をご参照下さい 更に前は過去ログまたはまとめWikiにてどうぞ うちの子らもジャガーさん戦線に巻き込まれた話を書こうかと思ったけど 決着ついてない話ばっかりで秋口にどうなってるかわからん奴ばっかりだという罠 誰を普通に戦えるキャラが少ないともいうけどな!(爆) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318689302/529
530: シャドーマンの契約者 ◆7aVqGFchwM [sage saga] 2011/11/08(火) 23:32:54.31 ID:d6hheEgk0 三面鏡の人乙です〜 わぁい、今日も三面鏡の人は平常運航だったzっていやああああああああああああああああああああああ!? 何故「こっくりさん」殺たし、何故殺たし!?(殺してねぇ 小夜たんだけが唯一の安らぎ……あぁ俺もぽふぽふしたい、斬九郎もげろ千切れろ掘られろ(マテヤ >>529 >誰を普通に戦えるキャラが少ないともいうけどな!(爆) 久しぶりに 呂布さんとかどうですかね?(ぁ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318689302/530
531: 三面鏡@ドクター ◆W5H6Y5Rl3M [sage] 2011/11/09(水) 00:13:26.02 ID:d/HNRgoKo >>530 > 何故「こっくりさん」殺たし、何故殺たし!?(殺してねぇ あのこっくりさんの能力だけ結晶化して残ってて意思や記憶の類は一切残ってませんから 死んだというか消えて無くなったというかそんな感じ? > 小夜たんだけが唯一の安らぎ……あぁ俺もぽふぽふしたい、斬九郎もげろ千切れろ掘られろ(マテヤ 斬九郎は庇護対象としか思ってませんけどな!ww うちの野郎どもはこんなのばっかりです > 呂布さんとかどうですかね?(ぁ あいつはわざわざ描写しなくても騒ぎが収まるまでずっとどっかで無双してるだろうしww 適度に酷い目に遭わせられるキャラじゃないと面白くないじゃないですか(待てコラ) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318689302/531
532: 鳥居を探すの人 ◆12zUSOBYLQ [sage] 2011/11/09(水) 01:31:32.99 ID:jdhyRwhAO 三面鏡の人乙ですー >死んだというか消えて無くなったというかそんな感じ? あーん三面鏡の人のキチクー ヴィッキーの憎まれ役っぷりが光りすぎてるよ! http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318689302/532
533: 葬儀屋 ◆yeTK1cdmjo [sage saga] 2011/11/09(水) 01:45:56.74 ID:L9yUhapzo 皆さん乙です。 近頃の話題はジャガー人間戦線(三面鏡の人命名)ですねわかります。 そんなわけで自分も投下します。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318689302/533
534: 葬儀屋 ◆yeTK1cdmjo [sage saga] 2011/11/09(水) 01:46:29.72 ID:L9yUhapzo 幼少の頃に見たテレビの、特撮ものというジャンルの中で。 人型の肉食獣。――彼らは怪人と呼ばれた。 学校町に放たれたジャガー人間もまた、怪人の部類に入るのだろうか。 ジャガーよりも速く、ジャガーよりも硬く、ジャガーよりも強く、ジャガーよりも残忍に夕闇が迫る学校町を疾る。 彼らは人の知能を持つのか否か。 本来群れることのないジャガーとは違い、ジャガー人間は数体から十数体の群れで行動をしていた。 鋼鉄をも容易に切り裂くその爪が狙うは「ただの」人間。 未だかつて見たことのない脅威に足が震え腰が砕け、その場に立つことすらかなわないのは子供を連れた母親。 ごくり、とジャガー人間の内の一体が唾を飲み込んだ。 土の中から生まれた彼らは知っている。 目の前の人間は餌であることを本能で理解している。 何体かのジャガー人間が黄色の風となり、母親とその手に抱かれた赤子を襲う。 何が起こったかわからぬまま、強い衝撃を受けて転がる母親と手から落ちた赤子。 泣き叫ぶ赤子を守ろうと手を伸ばしたのが母親の本能によるものならば、ジャガー人間の行動は本能からは遠いところにあった。 口元に獰猛な笑みを浮かべて、赤子に向かって伸びる手をその足で踏みつけた。 ぶつり。 鉄をも切り裂くその爪で母親の手足の腱を切る。 四肢を封じた上で母親を仰向けに転がし、ゆっくりと服を縦に切り裂く。 喉元に鋭利な爪を当てると滲み出てきた血はぷつぷつと赤い玉を作り出す。 獰猛な笑みが淫靡な笑みに変わる。 彼らはこの状況を楽しんでいた。 それまで聞こえていた赤子の泣き声が不意に止まる。 別のジャガー人間が揃えた五指を赤子に突き立てていた。 母親の視線のその先で。 母親の絶叫。 いっそ狂えたら良かっただろう。それができないのは自身の体に刻まれる爪の痕。鋭利な痛みが母親の精神を繋ぎ止めていた。 発狂しそうなほどの叫びが心地良いのか恍惚の表情を浮かべ、喉元の爪を真っ直ぐ下に正中線に沿わせるかのように下ろす。 皮膚がめくれ、裂ける血管、流れる血、収縮する臓器。 ピンク色の「中身」に舌舐めずりさえする姿は人のものでも獣のものでもなかった。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318689302/534
535: 葬儀屋 ◆yeTK1cdmjo [sage saga] 2011/11/09(水) 01:47:26.02 ID:L9yUhapzo 母子の身に突如起こった理不尽な出来事。 しかし、ジャガー人間は知らない。 己の身にも理不尽な出来事が起こる可能性があることを知らない。 先刻まで、この場でのピラミッドの頂点は彼らジャガー人間だった。――先刻までは。 黒服の男が、母親を切り裂いていたジャガー人間を左足の蹴りのみで吹き飛ばした。 いつの間に現れたのか、突然そこに現れた黒服に、驚くジャガー人間の群れ。 「ザオリク、ベホマ」 わずかな言葉で赤子を蘇生させ、母親を完治させた男は、ふたりを庇うようにジャガー人間の前に立ち塞がった。 「赤ん坊を抱いてこの道を走って逃げろ」 「え? で、でも」 「逃げてる最中に黒服に会ったら助けを求めろ」 「でも、あなたは、え、でも」 「ここには応援が来る。――赤ん坊にまた死んで欲しくなかったらさっさと行け」 「は、はい!」 黒服を気にしつつ何度も振り返りながら、母子は走り去った。 母子は知らない。黒服のピオリムという呟きを受けて自身の速度が向上したことも、ジャガー人間が黒服から放たれる殺気によって動けなかったことも。 ともあれ、この場においてのピラミッドの頂点は入れ替わり、一方的な殺害劇が幕を開けた。 「動かないなら勝手にやらせてもらう」 動けぬジャガー人間の間を恐れることなく悠々と通り、一体の右手を掴んで下に引いた。 ぶちり。 肩から下が一気に引き抜かれ、血が噴出する。 やや遅れて左腕が引き千切られる。 「アアアアアアアァァァァアアァァァァァアァァァァァァ!!」 悲鳴を上げ、逃げ出すジャガー人間。 だが、ジャガー人間は間違っていた。悲鳴を上げる暇があるなら逃亡すべきであった。 逃亡の二歩目を踏み出すべく前に出した脚も引き千切られ、転倒。 黒服は容赦せず、残る片脚を両手で掴み、立ち尽くすジャガー人間に叩きつける。 動き出したジャガー人間の懐に飛び込み、正中線に沿って手刀。 体に刻まれた線に両の指を当て、そのまま左右に開くとどれだけの力が込められていたのか容易にジャガー人間は真っ二つに裂かれた。 膝を砕き、バランスを崩したジャガー人間の両脚を抱えてそのままジャイアントスイング。 周囲のジャガー人間はおろか、電柱、壁に頭部を叩きつけてもその勢いは止まることのない超回転。 頭部が砕け散り、脳漿が散らばり、回転が止まる頃にようやく別のジャガー人間達は行動を開始した。 耳を切り飛ばし、眼を抉り、鼻を削ぎ、肉片が飛び散ったのは全て別々のジャガー人間だ。 「お前達はあの親子を意味もなく弄び殺し傷付けた。同じことをされても文句は言えないな――もっとも、畜生如きが言葉を話せるわけもないが」 周囲に漂う血臭に惹かれたのか、どこからともなく現れるジャガー人間の群れ。 彼らへの黒服の行動はシンプルなものであった。 殺害。 斬殺であり、殴殺であり、焚殺であり、扼殺であり、暗殺であり、射殺であり、毒殺であり、縊殺であり、抹殺であり、撃殺であり、格殺であり、 圧殺であり、謀殺であり、要殺であり、必殺であり、禁殺であり、磔殺であり、誅殺であり、捕殺であり、轢殺であり、密殺であり、屠殺であり、 絞殺であり、爆殺であり、銃殺であり、刺殺であり、撲殺であり、薬殺であり、畜殺であり、焼殺であり、虐殺であり、鏖殺であった。 徹底的に殺して殺して殺して殺して殺し尽くした。 逃げるものも立ち向かってくるものも何もできないでいるものも押し並べて平等に殺した。 自らの行動は善でも悪でも構わない。 ジャガー人間は母子を理不尽に傷付け殺した。 その瞬間、ジャガー人間は彼の敵となった。 辺り一面が赤黒い血で塗り潰される頃、ようやくジャガー人間の群れはいなくなった。 「後始末ぐらいは〈組織〉がやるだろ」 母親へ告げた応援云々は母子をこの場から立ち去らせるために吐いた嘘だ。 最初からひとりで現れた黒服は誰も当てになどしていない。 「っと、メールか……拡散希望? ――知るか阿房が」 見知らぬアドレスから送られてきたチェーンメールを中身を読むことなく削除して、黒服――江良井卓は帰路へと着いたのであった。 →夢幻泡影に続く http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318689302/535
536: 葬儀屋 ◆yeTK1cdmjo [sage saga] 2011/11/09(水) 01:59:57.86 ID:L9yUhapzo 投下終了。 シャドーマンの人に土下座! 土下座を超えた土下座中の土下座!真・土・下・座! ただの江良井無双でした。 ジャガー人間を無駄に残虐に変えちゃうし、一体何匹殺したんだこれ。 ちなみに江良井は暴れるだけ暴れて家に帰りました。 シャドーマンの人のお邪魔はしませんのでご安心ください。 母子に関してはお任せします。黒服による記憶消去でも出番なしでも構いません。お好きにどうぞ。 それにしてもクロスは緊張するなあこれ。 これから先クロスする時も今回みたく誰とも絡まないようにひっそりと参戦させます。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318689302/536
537: シャドーマンの契約者@Xperia [sage saga] 2011/11/09(水) 09:41:21.88 ID:969CwSNV0 葬儀屋の人乙です〜 卓さんかっけぇ…… お母さんと赤ちゃんが助かってよかったの 丁度今『赤い幼星』書きかけなんで、そっちで保護致しますわ 俺もいい加減ジャガー人間殺したい(←実は作中3匹しか殺してない http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318689302/537
538: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) [sage] 2011/11/09(水) 14:40:44.94 ID:OZbJ0vrDO あにきーどうしよー ここ最近諸事情のためスレに来てなくて流れがわかんねーよ… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318689302/538
539: シャドーマンの契約者@Xperia [sage saga] 2011/11/09(水) 14:51:35.80 ID:969CwSNV0 >>538 10月28日から、「マヤの予言」をネタに偽クロスやってます そういやまだまとめてないけど…夢の国の時と比べて規模小さいからなぁ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318689302/539
540: 鬼の血筋と人食いタコ ◆nBXmJajMvU [sage saga] 2011/11/09(水) 17:30:20.04 ID:RFQqgOwh0 獄門寺 菊は、どちらかと言うと無口な部類に入る人間である 必要な事以外は口にしない……どころか、必要な事すら、口に出さない事も多い 考えるより先に行動すると言う面が強いせいもあるのか、口に出すよりも先に行動に移してしまう場合が多いのかもしれない 顔半分が長い前髪で覆われているのと、元々わりと無表情なのとが手伝い、その感情は他者に伝わりにくい そんな菊が、普段より饒舌になっている それだけ、菊が機嫌がいい事がよくわかる …わかるからこそ、水城は余計に、菊の力になりたいと願う 一応、水城は今回、「組織」の命令でこの現場に来ている 今、水城を動かしているのは「「組織」からの命令」と、「菊への忠誠に似た感情」の二つだ 水城の「組織」と菊への依存度は高い そもそも、水城は生きていく上で、何かに依存してしまう度合いが強いのだ 自分を拾ってくれた存在に捨てられたくない、ただただ、その一心で行動する 「組織」から見捨てられたくない だから、与えられる命令に従う…彼の所属が強行派や過激派であったならば、とうの昔に使い潰されている事だろう、そうでないのは、ちょっとした幸運だ だから、菊の力になろうとする、自分のような存在に、家族のように接してくれる菊に そうやって強く依存する反面、依存対象以外への興味が極端に薄い、と言うのが、水城の欠点だろう 事実、水城が産み出す人食いタコを見て苦笑いを浮かべているDKGの様子に、彼は一切気づいていない (……戦わなければ) 一匹でも多く、ジャガー人間を葬らなければ (役に、立たないと) 強迫観念のように、水城は己に言い聞かせる だから、見落としてしまう 己の体力の、限界と言う物を …水城の、「蛸は水死者を食べる」の能力は、そのタコにさらに生きた人間すら食らわせると言う能力を附属し、それを生み出すと言う能力だ 無から生み出すのではなく、己の肉体から生み出す…どのように生まれているのかに関しては、水城は話したがらない ただ、常に水城が丈の長いコートを纏い、素肌を露出したがらないのには、体中に負った傷を診せたくないと言う理由以外に、タコを生み出す様子を診せたくない、というのもあるようで、見ていて気持ちのいい生まれ方ではないのだろう …その生まれ方はさておき、タコを生み出す際、水城の体に負担はかかっているのか否か? ……負担は、かかっている 一匹生み出すたびに、体力を消耗しているのだ 能力を扱いなれているおかげで、かなりの数を生み出しても問題はないのだが、やはり限界はある 限界を超えれば体は動かなくなるだろうし、それでも無理をしてタコを生み出し続ければ命に係わるだろう だが、水城はその限界を忘れてしまうことが多い 己の身をないがしろにしがちな点も、水城の弱点なのだろう 「………」 その、水城の弱点を 決して、付き合いが長い訳でもない菊は、既に気づいていた だからこそ、戦いながらも、ちらちらと水城を気にする …まだ、大丈夫そうだ が、このペースでタコを生み出し続けていては、危ないだろう その事実を、どう水城に伝えるか? …前述したが、菊は必要な事すら、口に出さない事も多い 単に、言葉で物事や感情を表すのが苦手だ、と言うせいもある 今の菊も、どう伝えるのが水城を一番無理させずにすむだろうか、水城の心を傷つけずに済むだろうか、その答えがわからない ……よって 菊は、もっともシンプルな答えに到達する 自分が、一匹でも多く、ジャガー人間を葬ればいい、と 「……ん」 ずんっ!と いったん、メイスを置いた菊 手身近にたまたまあった、「それ」に手を伸ばす 「…危ない、から、下がって」 「え?」 菊に言われ、ファントムはDKGと共に、菊の後ろの方へと下がって… ……菊が手を伸ばした「それ」を確認し、強い疑問を覚えた 「それ」で、何をするつもりなのか、と 「なぁ、何を」 「よいしょ」 ひょい ……はっきり、言おう 「それ」は「よいしょ」などと軽い掛け声とともに持ち上げるようなものではない ついでに言うと、ひょい、なんて言う、可愛らしい音と共に持ち上げられるものでもない 菊が持ち上げた物、それは ………大型の、バイク それを持ち上げ、菊が視線を向けた先 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318689302/540
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