[過去ログ] 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part4 (1002レス)
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(1): 花鳥風月 † 風は薫る:前 ◆7aVqGFchwM [sage saga] 2011/10/24(月)23:33 ID:TTBUcfBr0(11/12) AAS
「ふーん、じゃあ都市伝説は、強くなったり長生きしたりしたいから、人間と契約するの?」
「うん、凡そそんな考えで大丈夫かな」
「何よそれ、あたしが子供っぽいみたいじゃない
 誰が幼女体型よ!?」
「ま、まだ何も言ってないし思ってもいないから;」
「…そ、そう? なら良いけど」

キノ爺との戦闘があった日の翌日、紅坂家の百花の部屋にて
百花は、自分よりも都市伝説に詳しそうだった白鷺 玄鳥に、都市伝説や契約についてのレクチャーを受けていた
実はこの2人、自宅がかなり近い、どころではなく隣同士なので、会うのはそれ程苦にならない
幼い頃は互いの部屋の窓を開けて話したりもしていたのだが、高校生にもなってそんな事出来る筈もなく
喫茶店などに行って友人に見つかると色々ややこしくなることもあって、渋々彼女は玄鳥を家に呼んだのだった
親の冷やかしを受けながら

「と、ところで、なんかごめんね、うちのお父さんとお母さんがあんなこと言って…気ぃ悪くした?」
「ううん、気にしてないよ」
「そう? なら良いけど…」
「それより、ちょっと嬉しかったかな」
「え?」
「ほら、子供の時はこうしてよく遊んだけど、大きくなってから話す機会も少なくなって
 ちょっと昔を思い出したっていうか」
「ッバ、バカじゃない!? べ、べべべべ別に、都市伝説に詳しかったら玄鳥じゃなくても良かったんだから!
 で、でも……ま、まぁ、久しぶり、だしぃ? ゆゆっくりしていけば?」
「うん、そうする」

にこっ、と微笑みかける玄鳥を見て、思いっきり顔を赤らめて目をそむける百花
因みにこの部屋にいるのは、百花と玄鳥の2人だけである
玄鳥の相棒であるコロとモッケは、今頃学校町の空を悠々と飛び回りながら喧嘩している事だろう
密室空間で2人きり―――その事実が、百花の心臓を高鳴らせる
その時、携帯電話の着信音が鳴り響く
漫画では胸からハートマークが飛び出したのだろう、びくんっと大きく飛び上がりながらそれを取り出したのは、百花だった

「………風音から? どうしたんだろ………もしもし?」
《あ、萌黄野 風音です、百花ちゃんお願いします》
「はい分かりましたー、おーい百花ちゃッってあんた今あたしのケータイにかけてるでしょうがぁ!?」
《そうだった、おはよー百花》
「もうお昼過ぎてるけど」
《そっちに向かってるんだけど、今大丈夫か知りたいんだぞ》
「え? 今?」
「どうかしたの?」
「ん、風音がこっちに来るみたいなんだけど、どうしy」
「お邪魔しまーす」

がらっ、と部屋の窓が開け放たれる
現れたのは、現在進行形で百花と通話している筈の萌黄野 風音だった

「ってあたしに決定権は無いのかいっ!? てかいつもいつも何処から来てんのよあんたはっ!?」
「え、何処って、俺の家からだけど」
「分かっとるわ! わざわざ窓から入らなくてもいいでしょうが!」
「えー、屋根伝いに走ってくる時は着地すると脚に響くから窓からの方が良いんだぞー」
「屋根伝いに来ることが根本的におかしいのよ!!」
「萌黄野さん、こんにちは」
「ッ!? し、白鷺…………ご、ごゆっくりだぞっ!!」

ぴしゃり、窓が勢いよく閉められた

「待てやこのド天然ンン!? 誤解よ誤解! というか何と誤解してんのよ!?」
「いや、あの、まさか白昼堂々とそんなことするなんて思ってないんだぞ」
「隠し事出来ない奴かい!?
 …良いから、用事あるんでしょ? 上がりなさいよ」
「改めてお邪魔しますだぞー」
「Just a minuts!! 土足土足!!」
「え?……あ、そっか、雑巾無いか?」
「そこまでして土足でいたいの!?」
「…あ、ごめん、アメリカと間違えたぞ」
「あんた未だに日本の海越えた事無いでしょうが!!」

……とまぁ、見ての通り
風音は少し頭があったかい子である
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