[過去ログ] 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part4 (1002レス)
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330: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県) 2011/10/31(月)22:34 ID:pxExe36E0(2/7) AAS
月の光が照らす住宅街の裏手、昼間はそれなりに人が通るものの夜になるとめっきり人が通らなくなる

「はぁ、今日も疲れた、アイツのせいで全く持って不愉快な一日だった」

この一体には巷で有名な不審者や怪物が出るらしい等と何時から誰が口走ったのか、街灯が数本しかない為そんな噂話ができても仕方が無い

「あの変態教師、何故選りにも選って何故私に近づいてきたのか、学校が終わるたびに毎日毎日強化合宿だの課外授業だのふざけた事ばかり・・・
他の奴らに愛想が良いから益々質が悪い、周りの奴も周りの奴よ優しいだの何だの言いながら、良い評価を付けてくれるだの優しいだの、裏でやってることを知る奴なんて居ない」

その裏道に一人、中学生だろうか、にしては背が高い、普通ならばこの暗闇の中、少なからず恐怖心を抱き無意識にでも避けるのが比較的安全で堅実な人間だ
ましてや闇に飲まれる対象の主である子供が、恐れではなく怒りを抱きながら夜道を歩く
セーラー服のスカーフタイを皺くちゃになるほど握り締め、喧しく歯軋りを立て、明かりが眼鏡に反射し表情を隠した
そんな女子学生であったが、唐突に行為を止め、落ち着いたように立ち止まる

「でもそんな事はもう良い、そろそろアイツも熟れ時、私のご馳走になる・・・それまでの辛抱」

先程までと打って変わって不適に笑う、まるで何かを待つように

「おぉやっと来た、やっと有り付ける、この前のは邪魔が入ったせいで巧く行かなかったけど」

背後から物音がし、物陰から大きな体躯をした巨大な蜥蜴が姿を現す、蜥蜴は徐々に彼女に近づいて行くも女子学生を襲うような真似をせず、傍まで来るとそのままひれ伏した
蜥蜴は大きな人のような体躯をしており、強靭な鱗を備え鋭い爪牙を持ち、蜥蜴というよりは恐竜のそれに近い顔つきをしている、首元には大きな緋色の結晶が刺さっているが蜥蜴はぴんぴんしている
腕や足には内側から引き裂いたような敗れ方をした質の良い布切れが、窮屈そうに締め付けられていた

女子学生は胸倉に有るネクタイの残骸らしき紐を掴み、耳であろう穴に息が当たる程度まで手繰り寄せる

「やっぱり限界が近い・・・さっきから疼いてしょうがない・・・あぁ全くあの取り囲んでいた奴といい、なんであの街付近にはこうも変なのしかいないのか、あぁ腹立たしいッ」

前にもこのような事をしていたのだろうか、失敗したであろう前回のこの行為に腹を立てながらも、自身を落ち着かせる
抵抗もしない蜥蜴の喉元の結晶に噛み付くと、結晶は光を放ち崩れながら塵になり、彼女の中に吸い込まれて行き無くなってゆく
それに比例するよう蜥蜴の体が縮んで行き、全裸の中年男性が跪きながらその場へと倒れた

「これで済むと思わないことだ、貴方は葱を背負った有用な鴨なんだから、このあと無事に帰れればの話だけれど」

女子学生は、動かない男性を気の済むまで踏みつけ甚振ると唾を吐き捨て、月明かりに照らされた白髪を揺らし立ち去る
後には、月の照らす闇の中伸びたスーツの切れ端を体に被せた男性が夜道に残るのみだった

夜空に浮かぶ丸い丸い月、月の光は生物を魅了し祭事や生活の糧としての役割
精神を狂わせる一因としての危険な一面をも持ち合わせ、果ては世界滅亡の時期を探り出すのにも使われている場合も有る
今宵の月は、誰の為に照らされるのか






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