[過去ログ] 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part4 (1002レス)
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(1): 悪党と怪人◆W5H6Y5Rl3M 2011/10/31(月)23:09 ID:FfnJa8Gwo(2/6) AAS
「あんたがヴィクトリア? ああ、あんた『達』かな?」
「ええ、近しい方々からはヴィッキー、もしくは教授と呼ばれています。以後お見知り置きを」
「んで、後ろの毛色の違う連中は?」

 Z-No.592が放った十円玉を叩き割った何者か
 その姿は、人間の造形に昆虫の外殻を貼り付けたような、不気味な姿
 戦闘に立つ一人は、すらりとした赤い鞘翅を背負った女性のような姿をしており
 大きな複眼に覆われた頭部と、人の面影を残した頬から顎のラインを隠すように覆う甲殻が、僅かに震える

「ネエ」

 感情の篭らない声が、二の句を告げる

「ワタシ、キレイ?」
「『口裂け女』みたいな文言だな。まーフォルムは綺麗だと思うぜ、嫌いじゃない」
「キレイナノ? コレデモカ!」

 口元を覆っていた甲殻がばくんと開き、昆虫らしい大きな顎がぎちりと開く
 床を蹴り滑るように迫り来る赤い昆虫人間
 その腕を覆う甲殻が変形し、蟷螂のような鎌が、蟹のような鋏が現れる

「オマエモオナジカオニシテヤロウカ!」
「まるっきり『口裂け女』じゃないかこいつ。お前、何しやがった」

 視線はヴィッキーに向けたまま、赤い昆虫人間の刃を掻い潜り懐に潜り込み
 普段は腕を支点に弓のように開くこっくりさんの台紙型の力場を、親指と人差し指の間に展開して、パチンコのように十円玉を番える

「こっくりさんこっくりさん、虫っぽいこいつの装甲薄いのはどこだ?」

 ぽつぽつと、赤い昆虫人間の腹部に浮かび上がるいくつかの『お』『な』『か』の文字

「悪いが、手加減できそうなほど余裕のある力量差じゃなさそうなんでな」

 ずどん、と
 鋭い衝撃音と共に赤い昆虫人間の身体が浮いて、突っ込んできた勢いそのままに空中に放り投げられ、通路に叩きつけられ転がったまま動かなくなった

「もう一回聞くが……こいつらは何なんだ?」
「我々の悲願ですよ」

 ヴィッキーは笑顔のまま、苦労して作り上げたものを見せびらかすように、興奮を隠さず語る

「『悪の秘密結社』には、やはり怪人が必要でしょう?」
「今まで作れてなかったのかよ」
「殺して、死体から自分を模した『フランケンシュタインの怪物』を作ってはいたんですが……それはただの死体人形ですからね」

 ねー、と顔を見合わせて肩を竦め合うヴィッキー達

「やっと私の趣味に合う方法で怪人を作るための技術を手に入れて、もう嬉しくてたまらないんですよ」
「随分と趣味が悪いこったな」
「そりゃあもう、『悪の秘密結社』のプロフェッサーたる者が、趣味が悪くないとダメでしょう?」

 そう言うとヴィッキーは、きらきらと淡く輝く結晶体をポケットから取り出す

「これ、何だと思います?」
「俺に質問をするかね」

 するりと十円玉を取り出し、腕に展開した台紙の上に置く

「こっくりさんこっくりさん、あれ何だ?」

 その言葉に反応して、十円玉の上に手を置いた少女達が、やや戸惑いを浮かばせながら十円玉を動かしていく
 十円玉が指し示した文字は『と』『し』『で』『ん』『せ』『つ』

「都市伝説?」

 続けて少女達が指し示したのは『は』『な』『こ』『さ』『ん』という文字

「花子……さん」
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