[過去ログ] 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part4 (1002レス)
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492: 鬼の血筋と人食いタコ ◆nBXmJajMvU [sage saga] 2011/11/06(日)16:59 ID:EkRQHJqN0(1/2) AAS
 ぺふ
 頭に触れた、手の暖かさ

「……ん」

 ぺふぺふ
 菊が、あの馬鹿デカイメイスを持っているのとは反対の手で、こちらの頭を撫でてきているのだと、水城は気づいた
 …慰めようとしているのかもしれない、こちらを
 こんな状況でこんな行動をとるか、と思うが…菊の考えなど、どうせ自分は読めないのだ
 菊は、さまざまな意味で、「普通」とは少し違うらしいのだ
 もっとも、水城本人も、「普通」など、よくわからないが…

「って、菊、危な…」
「……ん」

 横から飛び掛かってきたジャガー人間
 それを、菊は片手でメイスをぶん!と振るい、叩き落とした
 そちらを、見てすらない
 飛びかかってきた気配に、殺意に反応して攻撃しただけだろう
 …そして
 菊はちらり、視線を、先ほど助けた相手に向けた
 高校生らしい二人
 が、一方はマスクをかぶっているし、もう一方は、今、菊が持っている巨大なメイスを出した相手だ
 どちらも、都市伝説か、都市伝説契約者なのだろう

「…若、の、後輩」

 ぼそり、菊が呟く

「………助ける」

 ごぅん、と、轟音が鳴り響く
 周囲のジャガー人間を、菊は片っ端から殴り飛ばし続けている
 …うっかり、周囲の塀とかも壊れているが、まぁ、この程度問題ないだろう
 どうせ、後で「組織」が直すのだ
 少なくとも、水城はそう告げられている

 菊の力任せの戦いを、半ば呆れて見ていた、水城に…一体のジャガー人間が飛びかかった
 獣が人を襲う時のように、その牙が、爪が、水城の首元に迫って

 −−−−−じゅるり

 その攻撃は、ぬめぬめとした、柔らかいものに受け止められた
 水城の、軽く開いたコートの喉元から……巨大なタコが、溢れ出していて
 それが、ジャガー人間の攻撃を体で受け止めたのだ
 じゅるじゅると、巨大なタコはそのままコートから這い出て、ジャガー人間の体を絡め取り、貪り食いだした

「ありがとうな」
「うん?」
「菊が扱える武器を、出してくれて」

 あの怪力のせいで、並の武器は耐えきれずにすぐに破壊されてしまうのだ
 菊の怪力に耐えられるだけの武器、強度は十分だ…それでもって菊の力で殴り飛ばされるのだから、ジャガー人間達はひとたまりもないだろう
 そんな武器を出してくれた少女………DKGに、水城は礼を告げた
 己の恩人の、あそこまで嬉しそうな姿を見る事ができたのだ
 先ほど、存在に気づかれていなかった事など、苦にならない

「本家の若君に似ていると言われて、菊もうれしいようだし」

 −−−−−−じゅる
 じゅるり
 水城のコートから、次々と人食い蛸は這い出てくる
 菊が取りこぼし多分のジャガー人間に、タコ達は次々と襲い掛かって行っていた

「菊が手助けすると言ったのだから、俺もお前達を助ける」

 「組織」からの命令は、ジャガー人間達を倒せと言う事だが
 この二人を助ける事と、その命令とは矛盾しないだろう
 そう考えて、水城は改めて、菊のサポートに入ったのだった

to be … ?
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