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「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part4 (1002レス)
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607: 毒に紛れる毒 ◆W5H6Y5Rl3M [sage] 2011/11/12(土) 01:03:12.50 ID:7jRkyw2Oo たまたま都市伝説や契約者の足が向かなかった場所に たまたま都市伝説を認識しやすい一般人が踏み込んでしまった場所に たまたまジャガー人間達の足が向けられていた事を それは、始まりは一枚の枯れ葉だったり 一つのひしゃげた空き缶だったり 路上に転がる小さな石ころだったり 小さな小さな一匹の虫だったり 一迅のそよ風だったり ほんの僅かないらつきだったり ほんの少しの悲しみだったり そういったものが積み重なって、ドミノ倒しのように訪れた結果の一つ ――― 「さて、と」 あちこちで戦端が開かれている様子を、マンションのベランダから眺めながら 羽鳥はペットボトルのお茶を手に、楽しそうに笑っていた 「ご機嫌だね、羽鳥」 羽鳥の後ろ、リビングのソファに座った『友達』も、つられたように楽しそうに微笑む 「ああ、ご機嫌だとも、僕の『友達』」 人間と都市伝説を引き合わせる『友達』と、本当の意味で友達である男は、視線を町から逸らさずに囁く 「まだ地球も人類も滅びないだろうけどね。個々の人間という世界は、いくつも滅びていくんだ。その為にたくさんのドミノ牌を並べてきたんだしね」 「原稿もいっぱい書いたしね」 「そりゃ勿論。1999年のアレは本当に羨ましかったからね。僕も色んなところに寄稿して、今日という日を世に知らしめるために頑張ったんだから」 頑張って夏休みの宿題を終わらせた小学生のように、屈託のない笑顔で自慢するように語る羽鳥 「あれは色々派手だったからねぇ」 その時、向かいのマンションの屋上から跳ね、葉鳥に迫るジャガー人間 ちらりと視線を向けただけで、まるで気にした様子もない葉鳥に、『友達』はやれやれと肩を竦める 「ねえ、知ってる? 『ノストラダムスの大予言』って話」 ソファに座っている『友達』が、ジャガー人間の耳元で囁いた 次の瞬間、飛来した自動車ほどの大きさの隕石がジャガー人間に直撃して挽肉にすると、地面に落ちる前に消滅する 「終末思想好きだよね、人間って。聖書の頃からあるじゃない」 「世の中は不満を持った人間ばっかりだからね。世界を全部巻き込んで滅びたいって傍迷惑な思考は心の奥底に満ち満ちているのさ」 「年がら年中世も末だねぇ」 「そんな人達に滅亡論を知らしめれば、その力はきっと強くなる。まあそれでも未然に防がれるんだろうけど……それでも、何処かで誰かの世界を終わらせられる可能性は高くなる」 「君が終わらせたいのは、あの逢瀬佳奈美っていう娘の人生だけだろ?」 「それは心外だな」 視線は外の騒乱に向けたまま 「逢瀬佳奈美は、一番食べたいとても美味しいデザートみたいなものさ。でもデザートを一品食べるだけじゃ、お腹一杯にはならないだろ?」 楽しそうに とても楽しそうに 待ちわびたデザートを口にできる事を待つ少年のように 期待に満ちた顔で微笑んでいた http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318689302/607
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