[過去ログ] 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part4 (1002レス)
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766: 夢幻泡影 † 粛清の炎、裁きの光、断罪の剣:後 ◆7aVqGFchwM [sage saga] 2011/12/06(火)00:18 ID:pw05vpOn0(2/3) AAS
「…温いよローゼ君、あの程度で僕を仕留めたつもりだったのかね?」
「こ……これ、は…………裂邪、さん…何故………」
「「ティルヴィング」は主人の願いを3つだけ叶え、全てが叶うと滅びを迎える…最初の願いは君に捧げよう
 それと、もう一つプレゼントだ……細胞を焼いてしまえば、再生はできない」

「ティルヴィング」の切っ先を動けぬローゼの胸部に向け、紫の光条を解き放った
胸を貫かれた彼女は苦悶の表情を浮かべ、血を吐きながら赤い髪を乱して再び倒れた
僅かに呼吸する声だけが聞こえ、ぴくん、ぴくんと小さく痙攣している

「無様だ…君の驕りが君自身の破滅を生んだんだよ
 あの時、僕を生かすつもりで技を放った結果がこれさ
 その甘さが、戦場で命取りになる……言っただろう? 殺すつもりで来い、と」

ばきっ、と嫌な音を響かせ、倒れた彼女の胸を踏む裂邪
悲痛な叫びと共に、赤黒い血が飛び散る

「……カハッ………ぁ、ぁぁ…………」
「…ちっ、茶番にすらならなかったな……まだ満たされないよ、こんなものじゃ」

そう呟くと、裂邪は「ティルヴィング」の切っ先をローゼの喉元に向けた
輝く刃は、一歩間違えれば喉を切り裂いてしまうだろうという距離

「チャンスをあげよう…さあ、僕を殺すつもりで来たまえ
 この間のように、放射線を使えば僕程度の人間は殺せるだろう?
 …それくらいの覚悟はしている筈だろう!?」
「…………け、ない………」

咳き込みながら、震える手で刃を退け、弱々しい声を振り絞る
首を傾げる裂邪に構わず、彼女は続ける

「殺、せる………わけ、が……ない………」
「まだ言うか…! 君はそれでも「組織」のNo.0か!?
 人間の一人や二人、殺せる覚悟もなく君は―――――」
「あな、た、は………ミナワちゃん、が…………殺せる、と…仰るの?」
「………は?」
「貴方は…………自分が、愛している人を…………殺すことができるとおっしゃるの………?」

つぅ、と一筋の涙が流れた瞬間
一瞬にして洞窟内から紫の炎が消え、裂邪が元の姿に戻った
と同時に、ローゼを蹂躙していた脚を退け、一歩、また一歩と後退した
からん、からん、と金属音が2つ…得物を落としたようだ

「………嘘だ………嘘だ………」

ここは光が一切差し込まない洞窟
相手の表情すら分からないこの常闇の空間でも、ローゼは理解していた
裂邪が今、泣いている事に

「お…俺は……俺はぁ…………!!」
「れ、つや、さん……あなた、もしかして――――――」
「ローゼちゃん!!」

突如差し込んだ光に、裂邪は思わず目を押さえた
光の向こうに見えたのは、6つの影
その内の二つ、先頭に立っているのは

「……正義………来やがったか」

彼の弟である黄昏正義と、その契約都市伝説「恐怖の大王」
正義は裂邪を強く睨み、黙ってそこに立っていた
その姿は、これ以上ローゼに手を出させまいと、守っているようにも見えた
ぐったりとしたローゼの元に、勇弥、奈海、楓、コインが駆け寄る

「ローゼさん!」
「くっ、酷い怪我だ……放っておくとまずいぞ」
「…勇弥くん、能力で外まで脱出できる?」
「え?……あぁ、外へならいつでも行けるぜ」
「ローゼちゃんを連れて先に戻ってて。僕も後で行くから」

何かを決意したような、真っ直ぐな言葉
納得がいかないのか、抗議しようとした奈海を勇弥が宥め、
彼等は暗闇の中から忽然と消え、再び洞窟に闇が戻る

「……お兄ちゃん」
「やっとこの時が来たな、正義」

裂邪は足元に落とした2つの剣を拾って、
とても嬉しそうに、笑いながらそう言った

   ...To be Continued
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