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「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part4 (1002レス)
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939
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単 発
[saga] 2011/12/21(水)02:39
ID:Imu9N/Zm0(2/3)
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939: 単 発 [saga] 2011/12/21(水) 02:39:00.81 ID:Imu9N/Zm0 「この町で、かつて猟奇的な事件が立て続けに起こった 犯人は、『ハーメルンの笛吹き』と名乗った。彼は強い都市伝説使いでもあった訳だ」 知ってるだろ、と中年は尋ねてくる 黒スーツが答える間も無く、男は再び話し始めた 「彼は一般の人々に恐怖と不安を与えた。都市伝説の能力を存分に利用してね 罪もない多くの人を殺し、人々の日常を破壊した。時には策謀で何も知らない者を陥れた 君たち『組織』だって彼による痛手を被った。その害は決して小さなものじゃ無かったはずだ にも関わらず、聞く所によると、彼は今もこの町でのうのうと生きているそうじゃないか ささやかな幸せも手に入れた、そういう話も耳に入ったよ」 黒スーツは自分の手が震えている事に気付いた もう一方の手で震えを掴み、抑えこもうとした 粘っこい唾を熱を持った喉の奥へとムリヤリ送り込む この男は先程と同じ笑みを浮かべている それだけだ。それだけなのに、異常だった 何故こうも重圧を感じるのか。目の前の男は黒く、重いものを放っている 黒スーツはそれが何であるのかを知っていた。駆除の任務に従事した時、嫌でも感じる重圧――殺気 「何故、『組織』は『ハーメルンの笛吹き』を駆除しようとしない?」 中年の男は一歩、黒スーツへ歩み寄る 黒スーツの若者は目の前が真っ白になる錯覚を覚えた 心臓が打ち鳴らされた早鐘のように暴れているのが分かる 「私の息子は、『ハーメルンの笛吹き』に殺された 高校に入学した春の夜だったよ、複数の惨殺死体と一緒に発見された」 気付けば中年は真正面に立っていた いつの間にか、その顔からは笑みが消えている 表情の拭い去られた眼が、黒スーツに突き刺さった 「何故『組織』は『ハーメルンの笛吹き』を見逃した? 何故、私の息子を殺し、罪のない子を殺し、多くを陥れた彼は、今もなお、のうのうと生きていられる?」 「え、あ、あ……、え、そ、それは、あ……」 酷く上ずった声だ 自分の出したものとは思えない 麻痺しかけた黒スーツの思考は、辛うじて過去の『組織』の通達を思い出した 『上層部』は、『ハーメルンの笛吹き』を捕殺対象から取り下げたのだ 知っているのはそれだけだ、理由など分かるはずもない 場を沈黙が支配した 中年の眼差しに射抜かれたように黒スーツは硬直していた 「まあ、いいさ」 中年が口を開いた。黒スーツから離れる 場を支配していたはずの殺気は消えていた 黒スーツは自分が荒い呼吸を繰り返しているのに気付いた 「『組織』が何故『ハーメルンの笛吹き』を見逃したのか ま、『組織』と協力している内に、そこの所は見えてくるだろう もしかすると、『組織』と彼は協力関係にあるのかもしれないしな」 中年は黒スーツににっこり笑いかける 「さ、じゃあ『組織』を案内してもらおうか」 「あ、え、も、勿論でございます え、えー、では、まずですね、この廊下の向こうへ……」 中年の言葉にビクついたかのような反応をした黒スーツは、上ずった声のままギクシャクした足取りで歩き始める 中年も笑ったままの顔でそれに続いた。やがて二人は、長い廊下の続く闇の向こうへと消えて行った 終 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318689302/939
この町でかつて猟奇的な事件が立て続けに起こった 犯人はハーメルンの笛吹きと名乗った彼は強い都市伝説使いでもあった訳だ 知ってるだろと中年は尋ねてくる 黒スーツが答える間も無く男は再び話し始めた 彼は一般の人に恐怖と不安を与えた都市伝説の能力を存分に利用してね 罪もない多くの人を殺し人の日常を破壊した時には策謀で何も知らない者を陥れた 君たち組織だって彼による痛手を被ったその害は決して小さなものじゃ無かったはずだ にも関わらず聞く所によると彼は今もこの町でのうのうと生きているそうじゃないか ささやかな幸せも手に入れたそういう話も耳に入ったよ 黒スーツは自分の手が震えている事に気付いた もう一方の手で震えを掴み抑えこもうとした 粘っこい唾を熱を持った喉の奥へとムリヤリ送り込む この男は先程と同じ笑みを浮かべている それだけだそれだけなのに異常だった 何故こうも重圧を感じるのか目の前の男は黒く重いものを放っている 黒スーツはそれが何であるのかを知っていた駆除の任務に従事した時嫌でも感じる重圧殺気 何故組織はハーメルンの笛吹きを駆除しようとしない? 中年の男は一歩黒スーツへ歩み寄る 黒スーツの若者は目の前が真っ白になる錯覚を覚えた 心臓が打ち鳴らされた早鐘のように暴れているのが分かる 私の息子はハーメルンの笛吹きに殺された 高校に入学した春の夜だったよ複数の惨殺死体と一緒に発見された 気付けば中年は真正面に立っていた いつの間にかその顔からは笑みが消えている 表情の拭い去られた眼が黒スーツに突き刺さった 何故組織はハーメルンの笛吹きを見逃した? 何故私の息子を殺し罪のない子を殺し多くを陥れた彼は今もなおのうのうと生きていられる? えああえそそれはあ 酷く上ずった声だ 自分の出したものとは思えない 麻しかけた黒スーツの思考は辛うじて過去の組織の通達を思い出した 上層部はハーメルンの笛吹きを捕殺対象から取り下げたのだ 知っているのはそれだけだ理由など分かるはずもない 場を沈黙が支配した 中年の眼差しに射抜かれたように黒スーツは硬直していた まあいいさ 中年が口を開いた黒スーツから離れる 場を支配していたはずの殺気は消えていた 黒スーツは自分が荒い呼吸を繰り返しているのに気付いた 組織が何故ハーメルンの笛吹きを見逃したのか ま組織と協力している内にそこの所は見えてくるだろう もしかすると組織と彼は協力関係にあるのかもしれないしな 中年は黒スーツににっこり笑いかける さじゃあ組織を案内してもらおうか あえも勿論でございます ええーではまずですねこの廊下の向こうへ 中年の言葉にビクついたかのような反応をした黒スーツは上ずった声のままギクシャクした足取りで歩き始める 中年も笑ったままの顔でそれに続いたやがて二人は長い廊下の続く闇の向こうへと消えて行った 終
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