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「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part5 (1002レス)
「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part5 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324651745/
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607: プラモデルの外伝 ◆GsddUUzoJw [sage] 2012/01/20(金) 02:12:06.00 ID:u/S7Tk5X0 「……何だよ、今の叫び声……!」 「絶対普通じゃない、あれは……おい!誰か出てくるぞ!」 ……やがて断末魔が途絶えた頃、一人のトンカラトンが何者かの足音を捉える。 その足音の主は応接室とロビーを結ぶドアをくぐり、その姿を現した。 淡い水色の瞳に同じ色の長い髪。小・中学生くらいに見える身長とは裏腹に、発育は悪くないようだ。 《女の子》特有の身体のラインがうっすらとわかる。 「……!遅かったか……!」 「……え?誰?」 「女の子だと……やばい
、結構好みかも」 「黒服を着ているという事は、「組織」の人間か?」 「おい女、さっきの悲鳴は一体何だ!?それに、何故隊長たちがボロボロに……!」 戸惑いを隠せないトンカラトンたちを気にする事なく、少女は彼らを一人ずつ指で指しながら 「21、22、23……うに、さっきのと合わせて26体いるね」 そう呟くと、その場の全員に聞こえるような声で、こう言い放った。 「初めまして、ο-No.所属【消化処分】のο-No.2です。早速だけど、皆さんは美味しい?」 「「「「「…………は?」」」」」 「だから、皆さんは美味しいのかと聞いているの。私まだ食べたこ
とないからわかんないし」 「……どういう、意味?」 意味不明な言葉に、思わず反応してしまったトンカ裸トンちゃん。彼女に目を向けたο-No.2は、興味深そうに目を細める。 「君が噂の……ふーん、本当に女の子なんだ。さしずめ《トンカ裸トン》ちゃんかな?」 「………答えて」 「さっきの言葉はね、そのままの意味だよ。だって私―――“トンカラトンを食べた”事、まだ無いから―――」 その言葉と共に、彼女の両腕がぐにゃりと崩れ…………近くにいたトンカラトンたちに向かって伸び、その全身を飲み込んだ。 「「「………!?……!…!
!…………」」」 「んっ……はぁ……中の上、かな?食べられる人数も多いし、今日は当たりに入りそう……♪」 飲み込まれた彼らはしばらく藻掻いていたが……やがて、包帯と日本刀のみを残して跡形も無く消え去った。 あまりの出来事に、言葉を失うトンカ裸トンちゃんたち。やがて、我に帰った数人がο-No.2に切りかかる。 「てっ……てめぇぇ!よくも同士たちを……!」 「さっきの悲鳴……まさかお前、自分の仲間まで!」 トンカ裸トンちゃんも走り出そうとするも、隊長にガシッと片手を掴まれてしまう。 「……!?隊長、何で……」 「いかん、皆下
がれ!そいつに刃物は―――!」 隊長の制止も空しくο-No.2に数本の日本刀が降り下ろされる。彼女は微動だにせず、それらを全て受けきり……… 「な……!刀が、突き抜け……」 「ば、化物……うわぁぁぁぁっ……!」 ………刀ごと、切りかかってきたトンカラトンたちを飲み込んだ。 「ふぅ……はい、後20人。次は誰から食べられたい?」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324651745/607
608: プラモデルの外伝 ◆GsddUUzoJw [saga] 2012/01/20(金) 02:13:09.14 ID:u/S7Tk5X0 「……何で……何で、こんな酷い事……」 思わず溢れたトンカ裸トンちゃんの呟きに、ο-No.2は事もなげに答える。 「ん?いや、だってこれがゼロりんからの命令だし。《廃墟ニ巣食ウ集団とんからとんヲ殲滅セヨ》って、今朝早くメールで」 「嘘……だって、隊長が「話し合い」だって……皆仲良く、なれるって」 「皆仲良く、か…………トンカ裸トンちゃん、それ凄い勘違い」 「勘、違い……?」 「この世のルールはたった一つ…………【強者は食べ、弱者は
食べられる】…………これだけだよ」 ο-No.2がそう言い終えた瞬間、彼女の腕がトンカ裸トンちゃんに向かって伸びた。 「……!お嬢ーーー!」 「ぁ……(早―――よけられ、な―――)」 「うぉぉぉぉぉぉぉ!」 ザシュッ 【トンカ裸サイド】 「……ガハッ……!」 ―――嘘だ。こんなの、嘘だ。 「あ、外れた」 ―――何で。何で私がなんともなくて、 「たい……ちょう……?」 ―――隊長が、あいつに、貫かれてる、の? 「お前たち、彼女を連れて、早く……ぐぁぁっ!」 「隊長ぉぉぉ!」 「……いい、か……誰も、恨む……な……」 そう最後に
言い残して。私たちの隊長は、あいつの中へと消えた。 その後の事は、よく覚えていない。 あいつに隊長が食べられるのを見た私は、身体中の力が抜けて動けなくなったらしい。 そのまま放って置かれても可笑しくなかったのに、皆は私を抱えて廃墟の中を逃げ回ってくれた。 外に出ようにも、何か大きな物が置いてあって出られなかった。アレもあいつがやったんだろうか。 そして私は、地下にあった食料貯蔵庫の中へ隠された。他の皆がどうなったかは……大体、想像がつく。 あいつは一旦私がいる場所の真上まで迫ったが、「あれ?何だ、もう26体食べて
るじゃん♪」と言ってそのまま立ち去った。 少し経って大きな揺れと共に、何かが崩れるような音が頭の上でした。怖かったけど、そっと貯蔵庫の扉を開けて周りを見た。 「………何、これ………皆……皆、どこ……!?あ、あぁ………」 何も、無かった。応接室も、ロビーも、食堂も、訓練場も、寝室も………何もかも全部、ただの瓦礫になっていた。 その瓦礫のあちこちに、見慣れた包帯や日本刀が―――――― 「ぃゃ……いやぁ…………ころ、す……!あいつ、絶対殺…………ぁ」 『誰も、恨む……な……』 「………たい、ちょう……私、どうすれ
ばいい……うぁぁぁぁぁぁぁ………」 あいつは嫌い。大嫌い。皆の敵を討ちたい。でもそれをすれば、隊長の言葉を裏切ってしまう。 その時の私に出来たのは、ただただ涙を流す事だけだった…………。 (終わり) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324651745/608
609: シャドーマンの ◆7aVqGFchwM [sage saga] 2012/01/20(金) 02:32:00.55 ID:J/lFuC7b0 ぐはぁ、俺の心臓がぁ(ヤメレ トンカラレンちゃん……ぐすん でも鬼畜なロリも好きだぜハァハァ プラモデルの人乙でした〜 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324651745/609
610: プラモデルの外伝 ◆GsddUUzoJw [saga] 2012/01/20(金) 03:21:31.59 ID:u/S7Tk5X0 >>609 自分も書いてて辛かった…… あとこの娘は鬼畜というよりあれです、【全ての感情が“食事”へと繋がる】感じ 『人生美味礼賛』とか『ダブアク牙王』とか聞いてたらいつの間にか出てきてたキャラでもあります おまけ【ο-No.サイド】 (ο-No.2>やっほーゼロりん、久しぶり。集団トンカラトン計26体の殲滅任務、無事完了したよー。 (ο-No.0>〔ご苦労でした、ο-No.2。その様子だと、満足できたようですね〕 (ο-No.2>うん、お腹一杯♪
……でさ、ちょっと気になる事があるんだ。ゼロりんから貰った資料によるとあいつら、人助けとかしてたんだっけ? (ο-No.0>〔ええ。その途中で穏健派の一部と接触し、自分たちの集団を「組織」の保護下に置こうとしていたようです〕 (ο-No.2>まあ、弱い群れが自分らの身を守るため強い集団に媚びるのは当たり前だ、として。この任務、何で私だったの? (ο-No.2>正直味の割には、大した事なかったよあいつら。いくら数が揃ってても、あの程度ならもっと下のο-No.でも問題ないよね? (ο-No.0>〔……最近、トンカラトンによる『一般人
への被害』が増えてきていたのは知っていますか?〕 (ο-No.2>黒服中心に襲ってたトンカ裸トンちゃんとは別件だっけ?……そういや、あの子も一緒に食べちゃったのか私。もったいない。 (ο-No.0>〔え?〕 (ο-No.2>ああいや、こっちの話。で、その事件がどうしたの?まさかそっちもあいつらの仕業でしたーなんて落ちじゃ……。 (ο-No.0>〔似たようなものです。その事件を起こした個体たちは“正義の集団トンカラトン”を偽り、被害者たちに接触したのですから〕 (ο-No.2>…………はい? (ο-No.0>〔手口はこうです。まず
貴方が食した方を○グループ、事件を起こした方を×グループとします〕 (ο-No.0>〔×グループのトンカラトンたちは各地へ散らばり、○グループを見つけるとそのまま彼らのすぐ後ろに付きます〕 (ο-No.0>〔決して離れず、されど向こうに気づかれず。あたかも『やや遅れ気味の集団の一人』と見られるように〕 (ο-No.0>〔そうして被害者たちとの距離を詰めていき、向こうが警戒心を解いたところで「大事な話がある」と誘い出す〕 (ο-No.0>〔または「トンカラトン」の合図をわざと聞かず、ルールを破ったのが被害者のように仕立て上げ……
次々と凶刃にかけていったのです〕 (ο-No.2>えーっと……要するにその○グループが善行で勝ち得た信頼を、逆にそいつらが利用したって事? (ο-No.0>〔ええ。一応何度か説明をして、人助けを一時止めるよう忠告したのですが……〕 (ο-No.2>聞き入れてもらえ無かったわけか。でもこんな作戦、よく穏健派が了承したよね……先走ってた馬鹿もいたけど。 (ο-No.0>〔赤き幼星を初めとする穏健寄りの皆様には、説明と共に資料を配布しました。『害がないと思って声をかけた一般人の被害数』を、ね〕 (ο-No.2>一般人にはトンカラトン
の違いはわかんないしね。下手に無害だと信じられても困るって事か。 (ο-No.2>……って、ちょっと待って?私が選ばれた理由について、まったく触れられてないよね今までの話!? (ο-No.0>〔いえ、ちゃんと触れましたよ?というか、貴方が触れました。『先走った馬鹿』……つまり、「組織」の意向を無視した裏切り者〕 (ο-No.0>〔そんな彼らと病原菌共を、跡形もなく綺麗さっぱり消し去ってくれる人…………これが貴方が選ばれた理由です〕 (ο-No.2>……………………あはっ♪ (ο-No.0>〔これからも頼みましたよ、ο-No.2……
……貴方の望みを叶えるために〕 (ο-No.2>はいはーい、ゼロりんの命ずるままにー! (ο-No.2>(……レジーヌさん、待っててくださいね……この私が、“今度は”貴方を食べちゃいますから……!) (終わり) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324651745/610
611: プラモデルの外伝 ◆GsddUUzoJw [saga] 2012/01/20(金) 03:22:16.58 ID:u/S7Tk5X0 投下は以上になります……やっと、寝れる(バタッ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324651745/611
613: シャドーマンの ◆7aVqGFchwM [sage saga] 2012/01/20(金) 08:07:03.66 ID:J/lFuC7b0 プラモデルの人またまた乙です〜 これは良い野望、何故だか俺も燃えてきたぜ!(真っ白に燃え尽きました 一方その頃R-No.は、っていう話書いてみたいな…OK出たら書いてみようかしら >>610 > 『人生美味礼賛』とか『ダブアク牙王』とか聞いてたらいつの間にか出てきてたキャラでもあります > 『ダブアク牙王』 話が合いそうだ、飲もうぜ(清涼飲料水 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324651745/613
614: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage] 2012/01/20(金) 08:30:51.47 ID:e8mRJtqDO プラモの人乙でした 空が綺麗だから、今日は機嫌が良いから、憎たらしいから、暇だから、気になってた映画が封切りだら だから食べる 言ってみただけですごめんなさい ついそんな感じかなあと妄想しただけですごめんなさいゲンジバンザイ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324651745/614
616: プラモデルの外伝 ◆7amcKXBrf. [saga] 2012/01/20(金) 11:09:46.82 ID:u/S7Tk5X0 Cに追記・彼女の見た目は元々>>583です。食べた黒服は男性でしたから。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324651745/616
617: ソニータイマー/携帯 [sagesaga] 2012/01/20(金) 21:57:10.67 ID:4l4KUfyDO >>610 >あとこの娘は鬼畜というよりあれです、【全ての感情が“食事”へと繋がる】感じ 廻女「えへへ、私と気が合いそうだね! 今度バイキングに行こうよ!」←学生会『七つの大罪』暴食担当、大抵何でも食べる悪食で雑食な総食系幼女 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324651745/617
618: プラモデルの外伝 ◆7amcKXBrf. [saga] 2012/01/20(金) 22:15:22.58 ID:u/S7Tk5X0 >>617 >廻女「えへへ、私と気が合いそうだね! 今度バイキングに行こうよ!」 (ο-No.2>え、いいの?ありがとう!あ、バイキングの後は貴方も食べていいかな?←組織【消化処分】担当、食事でしか物事感情を表現できない見た目ロリ少女 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324651745/618
619: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga] 2012/01/20(金) 22:46:39.14 ID:anxrkRAc0 【鴉〜魔界剣客譚〜 第一話「運命の夜」】 千葉県夜刀浦市。 人口は60万人、海に面した土地で名門飯綱大学を抱えるベッドタウン。 特産品は佃煮、ピーナッツ、等々。 白い髪、浅黒い肌、ラフな服装の少女がその街の繁華街を駆ける。 少女を追うのは数名の黒服。 その瞳に意思は感じられず、彼らが十把一絡げの量産品であることをはっきりと示していた。 「はぁっ、はぁっ……」 狭い路地裏を抜け、少女はなおも走り続ける。
周囲の人間は何故かこの異常事態にったく気づいておらず、少女を助けようなどとはしない。 無表情で彼女を追いかける黒服。 逃げて、逃げて、逃げて、彼女の身体でしか通れない狭い建物の隙間を抜けて別の通りに出る少女。 しかし 「こちらNo.3452、補足対象を発見しました」 「発見しました」 「発見しました」 「発見しました」 「発見しました」 先回りされていた。 「応援を要請、これより捕獲行動に移ります」 「……ここまで、か。君たちはどこまで愚かなんだい?」 歯をギリギリと食いしばり、黒服達を睨みつける少女
。 幾つもの光線銃の銃口が彼女に向けられる。 絶体絶命、その時だった。 「お前ら何やってんだあああああああああああああああ!」 黒服の一人を殴り倒しながら突如として現れる青年。 片手には出前用の岡持ち、ラーメン屋のお兄さんといった風情である。 殴られた黒服は立ち上がり、まるで何かと連絡をしているかのようにブツブツと喋り始める。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324651745/619
620: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga] 2012/01/20(金) 22:47:03.24 ID:anxrkRAc0 「こちら捕獲部隊、一般人が乱入してきました」 「任務の障害とみなし……」 「これでもくらえ!」 抵抗も無く蹴り飛ばされ、食べ残しのラーメンをかけられる黒服。 「さっさと逃げるぞ嬢ちゃん!」 「え?え?ちょ、ちょっとまて!巻き込まれるぞ!」 青年は少女の手を引いて走りだす。 ゆっくりと遠ざかる二人の影。 「任務の障害とみなし、排除をします」 「許可が降りました」 「「「「「発射」」」」」 号令と同時に青年
だけを光線銃の光が容赦なく貫いた。 「え?」 信じられない、といったような顔で青年は自らの胸元を見る。 穴が空いていた。 心臓の拍動に合わせるリズムで血が流れていた。 「あーあ……嘘だろ?しかたねえなあ……」 青年は少女の手を離し 「嬢ちゃん、逃げろ」 その場に倒れた。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324651745/620
621: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga] 2012/01/20(金) 22:47:31.65 ID:anxrkRAc0 「障害排除、任務を継続いたします」 「くっ……なんでこんなことに!? 組織は私と話しあう予定が有ると聞いていたぞ!」 「その質問には我々下部の黒服ではお応えいたしかねます」 逃げようと振り返った少女。 「応援要請を受理しました」 「受理しました」 「受理しました」 「受理しました」 しかしそこにはまた別の黒服。 少女は足元に転がる青年の死体を見下ろす。 「貴女には我々と共に来ていただきます」 「同意し
ていただけない場合は強制的に連行させていただきます」 「……すまない、関係ない君を死なせてしまった」 少女は懐から心臓に似た形の肉塊を取り出す。 「―――――そして私はもっと酷い真似をする」 彼女はそれを青年の胸に空いた風穴に差し込んだ。 「許してくれなどとは言わない、でもせめて」 ビクン、と青年の体が大きく震える。 「蘇れ」 何も言わずに青年は起き上がる。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324651745/621
622: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga] 2012/01/20(金) 22:48:35.98 ID:anxrkRAc0 「障害復活、排除を開始します」 「「開始します」」 「「「開始します」」」 「開始します」 「「開始します」」 「―――――――――鴉!」 少女の悲痛な叫びが谺する。 「――――――――――御意」 まるで黒服のように感情を押し殺した青年の声がそれに応える。 続いて黒服たちが光線銃の引き金を引く。 しかし、青年は少女を抱えると空中に飛び上がり光線を回避し、黒服たちの後ろを取るような位置に着地する。
「君はここに」 「……うん」 青年の右手に光が集まり、漆黒の刀とも剣とも判別のつかない刃物――小烏丸――に姿を変える。 青年は左腕を腰に当て、右手の甲を見せるように天へと突き上げる。 腕で隠れていない顔からチラリと覗く右目が凍てつくほどに冷たかった。 「小鴉丸、限定解除」 少女の声と共にいつの間にか青年の腰についていた鞘が分解、変形、合体を繰り返して青年の身体を纏う鎧となる。 顔まで覆う鴉を模したその甲冑の、目に当たる部分が紅く光ると同時に、青年と黒服は動き出した。 http://ex14.vip2ch.com/test/rea
d.cgi/news4ssnip/1324651745/622
623: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga] 2012/01/20(金) 22:49:08.27 ID:anxrkRAc0 「目標が死体を用いて抵抗を開始、射殺します」 光線が少女に向けて飛ぶ。 しかし青年は瞬時に少女の目の前に現れると飛んできた光線を鎬で反射し刃で切り裂き受け流していく。 一瞬、黒服たちの攻撃が止む。 それと同時に青年は剣を高く投げ上げ、陸上選手のようなクラウチングスタートの構えに入る。 投げられた剣は高速で回転し、黒服たちの群れの中に飛び込んでいく。 瞬く間に積み上げられていく死体、否、肉塊。 一人の黒
服が仲間を犠牲にしながら何とかそれを受け止める。 しかし、その瞬間黒服の顔面を青年の足が踏みつける。 青年は小烏丸を奪い返すとその黒服の頭を踏みつぶしながら跳躍。 この時点で数名の黒服が逃走を開始する。 「小烏丸、変形」 少女がそう呟くと中に入っている筈の人体の構造など無視して漆黒の鎧が変形を始める。 まずは背中から翼のようなパーツが生え、それがゆっくりと降りてきて腕と一体化。 次に足だった場所は外れて翼の真ん中に装着される。 頭の部分の鴉を模した兜は九十度方向を転換して完全に鳥の頭の形となった。
漆黒の戦闘機、SR-71“ブラックバード” それを小さくした機械に青年は変貌していた。 「行け、小烏丸。一人も生かして帰すな」 「御意」 少女の声に反応して戦闘機と化した青年は真夜中の空を飛ぶ。 人ごみをかき分けて走る黒服。 逃げる、逃げる、逃げる。 人ごみを抜けて左右を見回し、後方を確認した黒服が前を振り返ると……居た。 眼の前に、戦闘機の姿をした青年が、ハチドリのように空中で静止していた。 悲鳴をあげる暇さえなく、黒服たちは蜂の巣にされた。 蜂の巣にされた黒服は、周囲の人々に気づかれることもなく光
の粒として消滅したのである。 「小烏丸、停止」 命令と同時に戦闘機から人の形に戻り、鎧が鞘に変形し、最後には光の粒になって青年の身体の中に入っていく。 そこで青年は我に返り、辺りを見回す。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324651745/623
624: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga] 2012/01/20(金) 22:49:35.93 ID:anxrkRAc0 「あれ?さっきのやつらは?逃げきったのか…… 無事だったみたいでなにより」 良かった、と本当に嬉しそうな顔で青年は微笑む。 「ありがとう」 少女は小さな声で青年にお礼を言った。 「礼には及ばないさ」 「本当に……ごめんなさい」 少女は深く頭を下げた。 何のことだか分からない青年はあわてて少女に頭をあげるように言う。 「でも、その……」 その時、少女のお腹が大きな音で鳴る。 「あれ?お腹へってるの?」
「え、あ、これは……!」 「じゃあ家に来なよ!俺の家、ラーメン屋やってるんだ!」 「でも……」 「良いから良いから!ほらこっちだ!」 「あの、名前は?」 「俺は鷲山九郎、君は?」 「私は……トト」 「ふーん、やっぱ外国の人か。なんか色々あったみたいだけどまあ……」 とりあえず食べてからってことで、そう言って青年は笑った。 とりあえず食べてから、彼女もまずは彼についていくことを決めたのだった。 【鴉〜魔界剣客譚〜 第一話「運命の夜」 続】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324651745/624
625: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage] 2012/01/20(金) 22:51:04.97 ID:anxrkRAc0 とりあえず夜刀浦市で書いてみた 続くかどうかは分からない 鷲山九郎(スヤマクロウ)→マクロス 秘密だぞ! http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324651745/625
626: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) [saga sage] 2012/01/20(金) 22:52:19.72 ID:anxrkRAc0 タイタス・クロウから取ったのも秘密だぞ! ちなみに戦闘機形態だけじゃなくてバイク形態もあるぞ! モデルはブラックバードをモデルに作られたバイクであるスーパーブラックバードだぞ! http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324651745/626
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