[過去ログ] 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part5 (1002レス)
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150: プラモデルの人 ◆s4UBML4lLM 2011/12/28(水)00:09 ID:F2H6Pvi60(1/7) AAS
※この物語は、ガンプラ達を愛するとある少女の非日常的な日常を描いたものです。過度な期待はしないでください。
※後、作者は基本いきあたりばったりです。設定を今回もかなり変更しましたので、大目に見てくださいお願いしますorz。

それでは外伝【「R-No.」の若き彗星】プロローグをお送りいたします。

『初めまして。早速ですが、研究・戦闘(現象・使役・物品)・事後処理・防衛・偵察・物資調達・支援・救護班…………以上、10班。
この中よりお好きな部署をお選び下さい。尚、「マヤの予言」事件(2011年10月28日)以降に編入される為もれなく雑用班も選択できます』

『……「殺人鬼」さんは戦闘向きな都市伝説ですけど、母さんは「私には向いてない」って……
でも、やっぱり直接話し合わないと分かり合えないことも有ると思うんです!だから、使役担当希望でお願いします!』

『戦闘(使役)担当を希望、と……では、こちらが「組織」に現在所属する班の一覧です』

『えーっと……赤い、幼星……!?この班!この班でお願いします!』

『穏健派の「R-No.」に多大な興味……「組織」については現在「過激派」におられる万理様からも聞かされておられなかったようですが?』

『……はい。今まで母さんがそんな危険な仕事についていたなんて……父さんも……』

『……お父様の事についてはお察しいたします。それで、何故そこまでの興味を?』

『あの……その、名前が……私の……名前元になった人の二つ名に、似てるんです……』

『…………………………は?』

『後はここに印鑑を……はい!押しました!』

『ありがとうございます。後日、担当の黒服を手配致します。また、「組織」間の会話において本名は極力伏せてください。
R-No.所属決定後、任務の際は“R”で始まるコードネームで名乗って頂きます。それでは宜しくお願い致します……《     》さん』

『は、はい!こちらこそ、これからよろしくお願いします!』

――――――これが、もう一ヶ月も前の事になろうとしている。

私が小学生ぐらいの時に父さんが『不慮の事故』で死んでから、母さんは殆ど家にいることはなくなった。
帰ってくるのは月に一、二回か、『ここでやるべきことは終わった』と新しい街へ引っ越す時だけ。
何度友達が出来ても、いつかはお別れしなくちゃならない。私は自然と、一人でいることが多くなった。
暇な日も、家にこもることが多くなった。ガンプラやアニメで気を紛らわしてたら、視力が少し落ちて眼鏡をかけた。
よく観るアニメは、父が遺してくれたもの。「赤い角付き」に乗って戦う、私の名前の元になった公国の軍人。
周りを惹きつけるカリスマ性。自信に満ちた言葉とそれに見合う高い実力。自分の意思を貫き通す、強い心。
いつしか私は、彼と彼の愛機達に対して……憧れに近い物を抱くようになった。
そして、中学二年生の夏。私と母さんがこの町……学校町に引っ越してすぐのこと。
誤ってカバンに入ってた、赤いゲルググの頭が。教室に入った際にクラスメイトに見つかり、
その場で皆に「ガンプラオタク」とからかわれていた時があった。

自分の好きなガンプラを否定されることが。
父さんの遺してくれた思い出が汚されることが。
俯いたまま何も言い返せない自分自身が…………嫌で、惨めで、情けなくて、消えてしまいたくなった時―――

『いや、それなら俺はいわゆるゾイドオタになるんだが。文句ある?』

思わぬ言葉に顔を上げた。私を囲んでいたクラスメイトの輪が、サッと開いた。
扉の近くにいる、今来たばかりの様な数人の男子……その中の一人が、ゆっくりこちらへ歩いてきた。
そしておもむろに自分のカバンに手を突っ込むと、

『ほら。今日も昼休みに、いくらか進めようと持ってきてるんだ』

ニッパー。ランナーについたプラモデルのパーツ。サイコロのような銀色の六面体(後に「コアブロックス」という物だと知った)。

『お前、いつも一人でじっと座ってるからさ、どう言う奴かよくわかんなかったんだ。さっきもあいつらと「誰が最初に話しかけるか」
って話してたんだが…………なんだよ、結構いい趣味してるじゃん。この頭部だけでもわかるぜ、きれいにバリも取ってあるし』

初めて、だった。ガンプラを認めてくれた子も、こんな親しげに話しかけてくれる子も。
その男子はしばらくゲルググの頭部を眺めていたが、『あ、そうだ』と言って…………右手を、差し出してきた。

『……え?』

『握手だよ、握手。俺、《有間 出井》っていうんだ。よろしくな』

私は微かな胸の鼓動を感じながら、彼……有間君の手を取って、答えたのだった

『私は…………《古田 紫亜》っていいます。こちらこそ、よろしく…………!』

【「R-No.」の若き彗星】プロローグ   終わり
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