[過去ログ] 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part5 (1002レス)
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463(1): 単発ネタ◆W5H6Y5Rl3M [sage saga] 2012/01/14(土)21:12 ID:bxxIIiSso(1/3) AAS
小さなマンションの一室
仏壇の前に置かれた写真立て
そこに収められた少女の笑顔は、とても朗らかで
その前に座る夫婦の沈痛な面持ちを、悲痛な程に際立たせていた
「あなた達に頼る事は、もう何一つありません。帰って下さい」
少女の父であった男は、はっきりとそう告げる
「娘が不安を訴えた時。我々が捜査をお願いした時。あなた方、警察は何もしてくれませんでした」
その喉から絞り出される声は、犯人への憎悪と等しいほどに恨みに満ちており
「あなた方がやったのは……ただ私達夫婦を、娘の死に様を、マスコミと共に晒し上げて、無様に犯人を取り逃がした。それだけです」
少女の母であった女は、夫が糾弾する様をただ黙って聞いている
目の前に平伏する老刑事に視線を向けたまま
「あの時は、私は捜査から外されていました」
「だから、責任が無いと?」
「いいえ……無理を通してでも現場に捻じ込むべきでした。そうしていれば、報道が過熱しているうちに手を打てたかもしれなかった」
老刑事は顔を上げて、真っ直ぐに男の顔を、目を見詰める
「どうか、私を。いや……警察を、今一度信用して下さいませんか。犯人の逮捕にはあなた達の協力が必要なのです」
「そうやって、私達をまたマスコミの晒し者にするつもりですか」
「犯人の逮捕に、今一度必要な事なのです。大々的な報道がもう一度あれば、必ず犯人を逮捕してみせます」
老刑事の真剣な顔と声に、男は僅かにたじろぐ
だが
「……帰って下さい。もう、事件の事を大っぴらにしてもらっては、困るのです」
「それは、どういう」
「俺が犯人探しを引き受けたからだよ」
玄関口にいつの間にか立っていた青年が、薄笑いを浮かべながら靴を脱いで部屋に上がり込む
「この事件に関する報道が途絶えて、今日で丁度一年」
青年は、人差し指を突き立てて、にやりと笑う
「今日からきっかり一週間後に、あんた達が探してる犯人は死体で見付かるよ。死体発見の通報をくまなくチェックしてな、その中に必ず奴の死体がある」
くくっと喉を鳴らせて笑う青年
夫婦はそれに動じた様子もなく、ただ俯くだけ
老刑事は鋭い眼光を青年に向ける
「お前さん、殺し屋でも気取ってるのかね?」
「くっ……くはは! 詐欺師呼ばわりは何度もされたが、殺し屋扱いは初めてだな!」
青年はさもおかしそうに笑いながら、どかりと老刑事の前に座り込む
「半分正解だが、半分ハズレだ。殺し屋ってのは依頼を受けて金を貰うもんだろ? 俺はこっちから殺させてくれと頼みにきて、金は一銭も取らないからな」
刑事の前で殺すという事を口走ったせいか、青年は誤魔化すように首を振る
「ああ、殺させてくれってのは正確じゃないな。別に俺が手を下すわけじゃないし、誰かに頼んだりするわけでもないんだからな」
「お前さん……『契約者』か」
老刑事の言葉に、青年はひゅうと口笛を吹く
「あんた、知ってるんだ。警察にそういう部署とかあったりすんの?」
「あるわけが無い。警察ってのはね、常識と平穏を守るためにあるんだから……ただ、私が知っているだけだ」
その眼光が、青年を射竦める
「お前さん、何をするつもりだ?」 アンタタチ
「別に、悪い事はしねぇよ。不甲斐ない警察の尻拭いさ」
青年はそう言って、またくくっと喉を鳴らす
「全国放送規模の報道が一年以上続けられ、その報道が途絶えてから一年以上が経過した者をターゲットにして、だ。狙いを定めてから更に一週間の間、ターゲットに関しての全国放送規模の報道が一切無ければ……そいつは死ぬ」
自らの能力を説明してから、青年は念を押すように老刑事の目を見詰める
「言っておくが俺は、この能力を罪の無い者や、罪のはっきりしない者にも使った事はない。恨まれていようが逮捕され刑に処された者にもだ」
「我々警察が捕らえる事ができず、公の場に出ずに逃げ遂せている者のみを対象にしているという訳か」
「それも、被害者や遺族に意思確認をした上でな。どうしても法で裁きたい、警察を信用したいと言われりゃ、すっぱり引き下がるのが信条さ。元々は殺しのための能力じゃ無ぇしな、俺の『志○けん死亡説』は」
「……犯罪者は、法の下で裁かれるべきだ」
「俺もそう思うよ。だが、実際のところ裁けてないから仕方ないじゃん?」
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