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「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part5 (1002レス)
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507: 葬儀屋 ◆yeTK1cdmjo [sage saga] 2012/01/16(月) 01:33:17.50 ID:HbMfoumWo 「なあ。あんた、〈ゲーム王国〉の人間だろ?」 至村賢が声をかけられたのは陽が落ちるか落ちないかというくらいの夕方。 彼らの仲間が死に、ひとりで火葬を終えたリーダーの下へと向かう最中のことであった。 「〈組織〉所属の契約者って言えば用件はわかるな?」 やや恰幅の良い男――年齢は三十代であろうか――は口元にどこか野卑な笑みを浮かべて至村の前方に立っている。 「……用件はわかった」 「そりゃ良かった。場所はここでいいな?」 「かまわない」 「そう固くなるなよ。俺は金堂摩沙彦。能力は――自分で判断してくれ。〈ゲーム王国〉さんよ」 黒の手袋をはめる金堂。 その指先からは白い筋のようなものが見える。 「……〈ゲーム王国〉じゃない、俺は至村賢ってんだよ」 「ちなみにあんたの能力は?」 「企業秘密だ」 前方の金堂へと同じくらいの警戒心を後方にも向ける。 金堂の武器はほぼ間違いなく手袋に装備された斬鋼線だろう。となると警戒すべき都市伝説は『首なしライダー』か『ピアスの穴から出る白い糸』だ。 どちらかが囮で油断したところをもうひとつの本命での攻撃に繋がるはずだ。微かに聞こえてくるバイクの駆動音は味方か、都市伝説か。 「俺はお前さんだけを倒せばいいのか?」 「あんたらの敵は沢山いるが、あんたの敵は俺ひとりだ。――俺の能力、見当は付いたようだが甘く見てるとあっさり死ぬぜ」 「そいつは怖いな」 ゆっくりゆっくりとふたりの距離が縮まる。 金堂の射程距離がどれだけのものなのか、至村の射程距離がどれだけのものなのか、どちらも間合を計りつつ近付く。 至村の間合まであと一歩のところで金堂が動いた。 「いくぜ、至村賢!」 「来い、金ど――え、あ……」 「一丁あがり」 血も噴かず傷もつかずその場に崩れ落ちたのは至村であった。 見るまでもなく、その顔は死の色に染まっている。 あっけなく決着は付いたのだ。 「ご苦労様でした」 「これで契約破棄っと」 「契約を続けなくていいのですか?」 「使いどころのない都市伝説だって説明したのはあんただぜ? こうして結果が出ただけ良しとしてもらいたいな」 「まあいいでしょう。十分とは言えませんが『志村けん死亡説』のデータが取れたのは僥倖でした」 どこからともなく現れた黒服から渡された契約書にサインし、彼が元々契約していた都市伝説との再契約を済ませる。 このためだけに本来契約していた都市伝説との契約を破棄し、『志村けん死亡説』と契約していたと知れば至村は何を思うだろうか。 〈ゲーム王国〉と戦闘後、〈組織〉がしたことは戦闘時にいた〈ゲーム王国〉の面子の徹底的な調査と監視であった。 電話の盗聴は元より、彼らが使用した通信の徹底的な監視。彼らの能力全てを知ることは出来なかったが、彼らのメンバーは調べ終えた。 メンバーは全部で六人。うち、江良井が殺した新居を除くと五人。 その上で立てられた作戦――〈ゲーム王国〉メンバーの殺害。 金堂摩沙彦を受け持つ黒服、A-107に割り当てられたのは至村賢の殺害であった。 A-107が入手できたのは顔写真と名前、身長、体重――表層的な情報のみであり、何と契約しているのかは全く不明。 そこで利用したのが使いどころのない都市伝説『志村けん死亡説』である。 都市伝説の中で使い道のないものは多々存在するが、『死亡説』もそのひとつ。――何しろ、使うにあたって相手が同姓同名でなければ意味がない。 だから己の担当する嘱託契約者、金堂に契約させて拡大解釈により同音異語でも発動可能にした。 元から契約している都市伝説を契約破棄させたのは多重契約で金堂が飲まれるのを危惧したためだ。 「俺の仕事は終わりだな?」 「今回の報酬です」 「はいどうも。――それじゃ、また何かあったら呼んでくれ」 「どちらへ?」 「ソープ。人ひとり殺した金が泡風呂一回分ってのは悲しいなあ。今度からもうちょっとイロつけてくれよ」 ぶつくさと言いながら立ち去った金堂へ答えることも見送ることもせず、横たわる至村の遺体を少し調べたA-107もまた現れた時と同じように姿を消した。 ただ遺された至村を見つけたのは他の誰でもない江良井であった。 一般人がするのと同じように至村に近付き声をかける。 とはいえ、至村の顔色を見て事切れていると判断できたのは、数多くの敵を屠ってきたからであり、葬儀屋として数多くの遺体を見てきたからである。 このまま放置するか否か――この町では人死は珍しくない。ただの殺人であれば警察の管轄だが、少しでも都市伝説が絡んでいれば事情は変わる。 江良井は至村の死因が何に拠るものか見当が付かないでいた。 「人、殺し……?」 その迷いがあったから――少年と『人面犬』に出遭った。 続 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324651745/507
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