[過去ログ] 「都市伝説と戦う為に都市伝説と契約した能力者達……」 Part5 (1002レス)
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690: プラモデルの人◆GsddUUzoJw 2012/01/23(月)23:07 ID:W9kjmnvD0(2/4) AAS
ο-No.2がその指令を受け取ったのは1月某日。
恐らく生まれて初めてであろう「組織」の外で出来た友達と、バイキングへ出かけた帰りの事だった。
「《夜刀浦市ニテ這イ寄ル混沌ノ化身ヲ複数目撃……今後ノタメニ一体捕獲、モシクハ喰ライテ成分ヲ報告セヨ》……這い寄る混沌って何?」
まあ、食べてもいい物ならばきっと新型の都市伝説か何かだろう。左手の再生はまだだけど、さっと食べて帰れば問題ないか。
―――後に。ο-No.2ことつーちゃんは、この時の楽観的な考えを後悔する事になる。
「がぁっ……ぐぅぅぅぅぅぅ……負ける、もん、か!ぜっ、たい……」
『『ギギギギ……おのれ、小娘ぇ……!』』
「絶対に…………消化して、やる…………!」
夜刀浦市ホラースポットの一つ・《虎臍反吐論の洞窟》。
現在、この洞窟の中で文字道理『喰うか喰われるか』の激闘が行われていた。
『無駄だと言うのがまだ分からんか、小娘!』
『氷のごとき暗黒の塊であるこの【ル・ラグ】を喰らうなど不可能だというのに……』
「だ、まれ……お前は、私が、食べるん、だ……」
『這い寄る混沌が化身の一人たる我を喰らおうとするとは……』
『ククク、クハハハハハハハ!何たる悪食!何たる暴食ぅ!』
ο-No.2の全身は、【スター・ゼリー】の消化能力をフル回転させ、体内の【ソレ】を取り込もうとするのだが、先程から一向に消化が進む気配すらない。
姿形は『髑髏のような頭が二つ』付いていること以外は、ただの気持ち悪いコウモリだ。動きは素早かったものの、片手で捉え切れる程度でしかなかった。
にも拘らず。この【ル・ラグ】とか言うコウモリは、全力消化に耐え……あろうことか、内側から彼女の精神を侵そうとしているのだ。
「(や、やばい……そろそろ、バイキング分の体力が切れそう……!)」
『(ちっ……なまじ『喰う』事しか頭にないせいか、精神汚染が思うように進まん……!)』
『ならば、これはどうかな!』
「えっ……?な、熱、熱いぃぃぃ!!」
突如として、ο-No.2の体内で音も無く羽ばたき始めた【ル・ラグ】。
何事かと考える暇も無く、彼女は燃えるような高熱を感じ絶叫した。全身からうっすらと水蒸気が上がっている。
これは―――まさか。
『クハハハハ……やはりその身体、熱や乾燥に弱いようだな!』
『どうだ、我が翼から放たれし【不浄の黒き火の粉】の味は!』
「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
軽口に答える余裕もなく、ただただ叫び続けるο-No.2。スライム系の都市伝説共通の弱点を完全に突かれたのだ。
さらに、絶え間ない不浄の火の粉はそれ自体が【ル・ラグ】の一部……すなわち、あの【這い寄る混沌】の一部でもある。
周りの水分によって火種は消えても、その中に内包された邪悪なる混沌は少しずつ、しかし確実に彼女の身体と心を蝕んでいった。
絶え間ない苦痛と熱に耐えていたο-No.2だったが……やがて熱気で頭が朦朧としたのか、フッと全身の力を抜いてしまった。
「ぁっぃ…ぁっぃょぅ…(……あ、れ?何で私、頑張ってたんだっけ……)」
『ふぅ、ようやく限界を迎えたか……だが人の身でありながら』
『この我を、本気で喰らわんとするとはな』
無防備となったο-No.2の精神と肉体を、混沌が這い寄り侵食していく。
自分の全てが作り替えられるような恐怖に……彼女はただただ怯える事しか出来なかった。
「ぁ……ぁぁぁ……」
『さあ小娘、我と一つとなるがいい……残念だな、もし仮にお前が―――』
ただし、それは。
『―――例えば【ショゴス】のような、同じ邪神の一族であったのなら。この化身ごときではあるいは、違う結末であったのやもしれんな』
・・・・・・・・・・・・・・・
その単語を聞くまではの話だった。
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