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576
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以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします
2014/02/09(日)00:56
ID:m9hAvWq0o(5/9)
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576: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします [sage] 2014/02/09(日) 00:56:07.64 ID:m9hAvWq0o そして、 「……提督。その、ありがとうございます」 そう。 赤城の失踪で一番堪えていたのは姉妹の加賀だ。 赤城が消えてからの彼女の有様については……私の拙い語彙と想像力では上手く表現することはできない。 元々加賀は感情を表にあまり出さない艦娘だった。それも赤城や隊の皆に囲まれて少しずつ感情豊かになって行ったのだ。 そんな彼女の中で赤城はどれだけ大きな存在だっただろうか?それを失った悲しみはそれこそ私には想像もつかない域だ。 あの時───撤退時に殿を引き受けた赤城が帰還していない事を聞かされ、加賀はその場に崩れ落ちてしまった。 それ以来、加賀は演習にすら出していない。精神と神経に限界が来ているのだろう、 誰かが肩を貸さないと一人では歩けないほどに衰弱しているのだ。今も提督の肩を借り、壁に寄りかかってなんとか倒れこまずに済んでいる。 正直なことを言うとこの催し自体、半分は彼女への慰安のためにあるようなものだ。 「提督……」 「どうした、加賀?」 「明日……赤城の事をよろしくお願いします。赤城は……私のたった一人の……」 最後まで言わせず、加賀の頭を子供にするみたいに、くしゃくしゃに撫でる。 そして、告げる。 「ああ、任せておけ。そしたら二人まとめてサボってた分の訓練を覚悟しておけよ?」 加賀はくすりと笑って、「はい」と返事をしてくれた。 それからは酒に酔い私に絡んできた足柄を加賀が口先だけで大破轟沈させたり、何故か脱ぎだした愛宕を片足の足払いで沈黙させたり、 相も変わらず瑞鶴を挑発して翔鶴と二人係りで鎮火したり、と楽しい時間が続いた。 そう、侵入者を知らせる警報がけたたましく鳴り響くまでは。 流石にこっそり戻ってきて堂々と騒ぎの中に入っていくほど私も肝が据わっては居ない。 だからお酒やご馳走などを手に取ったりすることもなく、ただ廊下から浮かれ騒ぐ皆の声を聞くだけ。 それでも長い長い時間を静寂のうちに過ごしてきた私にとって、それは両手に納まりきらないほどの、世界にも匹敵する幸福だった。 楽しい。嗚呼、楽しい。こんなに幸せでいいのだろうか?世界中の幸福を独り占めしてしまってもいいのだろうか? 今この瞬間、この地上で一番幸福なのは間違いなく私だろう。今この瞬間だけ、世界は私を中心に回っているのだ。 私は頬を伝う涙を指で拭おうとするが、やはり指を引っ込める。 こんな幸せに直面して流した涙だ。拭う気にはなれなかった。 むしろ、どんどん涙よ出ろ、涙よ溢れろと思いながら一人呟く。 「こんな時間が、今度こそずっと続くといいな……」 しかしそんな無垢なる願いは無情にも叩き斬られる。人々の崇高な感情を知らぬ、無垢なる刃によって。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1380039074/576
そして 提督そのありがとうございます そう 赤城の失で一番堪えていたのは姉妹の加賀だ 赤城が消えてからの彼女の有様については私の拙い語と想像力では上手く表現することはできない 元加賀は感情を表にあまり出さない艦娘だったそれも赤城や隊の皆に囲まれて少しずつ感情豊かになって行ったのだ そんな彼女の中で赤城はどれだけ大きな存在だっただろうか?それを失った悲しみはそれこそ私には想像もつかない域だ あの時撤退時に殿を引き受けた赤城が帰還していない事を聞かされ加賀はその場に崩れ落ちてしまった それ以来加賀は演習にすら出していない精神と神経に限界が来ているのだろう 誰かが肩を貸さないと一人では歩けないほどに衰弱しているのだ今も提督の肩を借り壁に寄りかかってなんとか倒れこまずに済んでいる 正直なことを言うとこの催し自体半分は彼女への慰安のためにあるようなものだ 提督 どうした加賀? 明日赤城の事をよろしくお願いします赤城は私のたった一人の 最後まで言わせず加賀の頭を子供にするみたいにくしゃくしゃに撫でる そして告げる ああ任せておけそしたら二人まとめてサボってた分の訓練を覚悟しておけよ? 加賀はくすりと笑ってはいと返事をしてくれた それからは酒に酔い私に絡んできた足柄を加賀が口先だけで大破轟沈させたり何故か脱ぎだした愛宕を片足の足払いで沈黙させたり 相も変わらず瑞鶴を挑発して鶴と二人係りで鎮火したりと楽しい時間が続いた そう侵入者を知らせる警報がけたたましく鳴り響くまでは 流石にこっそり戻ってきて堂と騒ぎの中に入っていくほど私も肝が据わっては居ない だからお酒やご馳走などを手に取ったりすることもなくただ廊下から浮かれ騒ぐ皆の声を聞くだけ それでも長い長い時間を静寂のうちに過ごしてきた私にとってそれは両手に納まりきらないほどの世界にも匹敵する幸福だった 楽しい呼楽しいこんなに幸せでいいのだろうか?世界中の幸福を独り占めしてしまってもいいのだろうか? 今この瞬間この地上で一番幸福なのは間違いなく私だろう今この瞬間だけ世界は私を中心に回っているのだ 私は頬を伝う涙を指で拭おうとするがやはり指を引っ込める こんな幸せに直面して流した涙だ拭う気にはなれなかった むしろどんどん涙よ出ろ涙よ溢れろと思いながら一人く こんな時間が今度こそずっと続くといいな しかしそんな無垢なる願いは無情にも叩き斬られる人の崇高な感情を知らぬ無垢なる刃によって
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