[過去ログ] 安部菜々「北欧に来たので北極を見に行きますよ」佐藤心「ちょ、遠い☆」 (38レス)
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3: [sage saga] 2016/12/03(土)00:27 ID:PQdpF37u0(2/29) AAS
はぁとたちは撮影で北欧に来てた。
プロデューサーが『もうシーズンだし、北欧の地を踏んでサンタコスで撮影しようか』なんて思いつきみたいに言っちゃって、
スケジュール的にも無理があるむちゃくちゃな仕事でここに来たまではよかったんだ。
うん、来るまではよかった。機内で映画観れたし☆
「めっちゃさむくねーか☆あと外暗すぎ☆何時なの今☆」
「冬の北欧ですから極夜なんじゃないですかねぇ。
今の時刻は……えーっと15時20分……日本だと22時20分ですね。暗いので時差の違和感を感じませんね」
「撮影スタッフとかいないじゃん……ここについてもう1時間経ってるんだけど☆」
「明らかにおかしいですよね。待ち合わせの場所も時間も正しいはずですが。連絡ミスでしょうかね?」
何のせいかわからないけど、はぁとたちと合流する予定だった
省5
4: [sage saga] 2016/12/03(土)00:28 ID:PQdpF37u0(3/29) AAS
「はぁとちょっと通訳さんに電話するねー」
「お願いします。ナナは国際電話でプロデューサーさんに連絡入れてきます」
「おっけー」
そう言って菜々は、待合室に設えてあった国際電話対応の公衆電話へ向かった。
はぁとはこの日のために支給されたフィンランドで通じる携帯電話で通訳さんの番号を探した。
「えっと、あったあった、通訳さん……っと」
「あっちは夜中だけど通じますかね……あ、すぐ出た。
もしもし、夜分遅くすみません。プロデューサーさんですか?安部ですー。あの、今回の撮影の件なんですけど……」
こっちは繋がるかな……?
10秒くらい呼び出し音が鳴って、やがて初老の女性の声が聞こえた。
省2
5: [sage saga] 2016/12/03(土)00:30 ID:PQdpF37u0(4/29) AAS
「もしもし、通訳さんですか?」
「あ、あぁ。日本の方ね。初めまして、エヴェリーナです。電話越しにごめんなさいね」
もっと事前打ち合わせしとくべきだったろ、とか、他に謝ることあるだろ、とかいろいろ言いたくなるのを堪えて、はぁとは尋ねた。
「346の佐藤です、初めまして。もうこちら空港に着いてるんですが、そちらどうなってます?」
「日本、346、佐藤さんね……ちょっとまってね」
少しの沈黙と、通話越しに聞こえる紙をめくる音。
「あら……?撮影は来週だったはずよ?」
「……え?」
「打ち合わせが急だったからねえ。連絡ミスよね、ごめんなさい」
「うそ……こちらこそごめんなさい、連絡ミスだったなんて……」
省5
6: [sage saga] 2016/12/03(土)00:31 ID:PQdpF37u0(5/29) AAS
……帰国したら覚えてろ、プロデューサー☆
はぁとの電話が済むと、プロデューサーとの連絡を終えた菜々が話しかけてきた。
すっかり気の抜けて、少しげんなりした顔をしてる。たぶんはぁとも同じ顔してると思う。
「ホテルが手配されてるようなので一旦そこで待ちましょう。なんて連絡しました?」
「同じく別の場所で待ってるって伝えといた。ホテルに着いて、それからなんかあったらまた連絡するって言って切ったよ」
「出国したあとにスケジュールミスに気づかれたそうです……まったく。まさか1週間後だったなんて」
「ほんとだよ……はぁとたち1週間フィンランド暮らしじゃんか……」
「……いまから帰国します?」
「えーチケットまたとっていろいろやってーって正直今からやるのダルいー寝たいー☆」
「ですよね……明日以降にしましょうか」
省8
7: [sage saga] 2016/12/03(土)00:32 ID:PQdpF37u0(6/29) AAS
「外もっと寒っ!?」
「わー……これは防寒着選択ミスりましたね」
「やっばー……行こ、行こ。風邪ひいちゃうよ」
「行きましょう」
ターミナルの連絡通路から出てすぐとはいえ、
大きい道路を挟んでいるから目の前にホテルがあるのになかなかたどり着けない。
10分くらいかけてどうにかエントランスに入り込む。
チェックインを済ませて、予約の部屋に入る。
入るやいなやはぁとは荷物を放り投げてベッドに崩れ落ちる。
「もがー……」
省8
8: [sage saga] 2016/12/03(土)00:34 ID:PQdpF37u0(7/29) AAS
「……ナナもちょっとめんどくさくなっちゃいました。寝ましょうか」
「んんー……」
「……んまぁ、どっちみち本来の撮影場所はここからだいぶ北のロヴァニエミって所らしいですから、
帰るにしたったって早めの現地入りするにしたったって、どのみちチケットはとらないといけないわけですが」
「がぁぁぁー……」
「奇声出してないで、ほら、とりますよチケット」
「はぁい……」
文明の利器のおかげで、指先だけでチケットは取れるというものの、
慣れない手続きのせいでものすごく面倒臭く感じてしまう。
「明日の9時の便でいい?」
省10
9: [sage saga] 2016/12/03(土)00:36 ID:PQdpF37u0(8/29) AAS
……まあ、早起きしちゃうよね。
「ふぁ……あふ。今何時……?」
「あ、おはようございます心ちゃん。5時ですよ。朝の」
「えぇ……はぁと10時間も寝てたの」
「大変お疲れだったようですね。
寝息も立てないものですから先に何処かいかれてしまったのかと焦りましたよ」
「パイセンいつ起きたの?」
「ほんのついさっきですよ。50分くらいです。
何もありませんからね、何して暇潰そうかって……」
「あぁ……そういえば……」
省7
10: [sage saga] 2016/12/03(土)00:37 ID:PQdpF37u0(9/29) AAS
というわけで、朝の諸々や支度、
チェックアウトを済ませてはぁとたちはヘルシンキ空港へと戻り、フライトまでの時間を空港見学に費やした。
「おぉ……とは言っても、空港ってあまりどこも変わらないものですよね」
「書いてある文字のほとんど、英語以外もはやまったく読めねぇけどな☆」
「こういうところに来ると、英語が書いてあるのを見るだけで安心しますよね」
「わかるー☆」
「ナナもフィンランド語はあまりわからないので……」
「少しはわかるの?」
「ま、ヒュヴァーフオメンタ……おはようございます、しかわかりませんけどね」
「だめじゃん☆」
11: [sage saga] 2016/12/03(土)00:37 ID:PQdpF37u0(10/29) AAS
「Rovaniemi……これロヴァニエミですね。ちょっと読んでみましょう……か……」
「物の見事にフィンランド語でしか書いてねーな☆せめて英語でなんか書いてないのかよ☆」
「あ、これなんかどうでしょう」
「いやフランス語じゃねーか☆」
「ま、フランス語くらいなら……」
お、マジか。菜々パイセンの意外な一面。
「千夏ちゃんフレちゃんにちょっと教わってましたからね」
「ちょっとだけでそんなに読めんの☆」
「意外と」
「マジか☆」
12: [sage saga] 2016/12/03(土)00:38 ID:PQdpF37u0(11/29) AAS
ガイドブックによると、ロヴァニエミ空港の近くにサンタクロース村があり、たぶんはぁとたちはそこで撮影することになる。
「もうちょっと素朴で地味な感じをイメージしてましたが、割と派手に観光名所として打ち出してますね」
「ど田舎かと思ったらそうでもなかったぞ☆」
「おっと、読んでたらもうこんな時間ですか」
午前7時40分。フライトまでは時間あるけれど、暇をつぶすには短すぎる。
はぁとたちは昨日降りたターミナルとは別のターミナルで手続きを済ませて搭乗口に来た。
やっぱそんなに暖房効いてなくて、寒い。
13: [sage saga] 2016/12/03(土)00:40 ID:PQdpF37u0(12/29) AAS
「うー、ここで待つのキツいぞ☆」
「寒いですものね……」
「……パイセン、くっついてもいい?てかくっつかせて☆」
「えっちょ」
「照れんなってー☆」
「あぁ、もう」
「あったかー☆」
「ほっぺはまずいですって……んにゅ!」
「んー♪すうぃーてぃー♪」
めっちゃ痛い目線が言葉の壁を乗り越えて突き刺さってくるけど、日本だろうが世界だろうがそんなの関係ねぇ☆慣れた☆
省1
14: [sage saga] 2016/12/03(土)00:41 ID:PQdpF37u0(13/29) AAS
「乗れるみたいですね、行きましょうか」
「はーい☆」
成田からヘルシンキまでの長旅と違って、ものの1時間ほどでロヴァニエミに到着した。
「もっとさむっ!?ナニコレ!?てかまだ10時なのに夕暮れみたい!?」
「ヘルシンキよりも高緯度ですからね……
くぅー……これはだいぶ厳しいですね。ヘルシンキの時点で上着新しく買っておくべきだったかもしれません」
「ちょ、無理寒い」
「だからってくっつかないでください歩きづらいです」
「早くターミナル、ターミナル!」
「わかってますから、あっ、やっ、ちょ転びますって!」
15: [sage saga] 2016/12/03(土)00:41 ID:PQdpF37u0(14/29) AAS
空港の近くで厚めの防寒着を新調して、改めてはぁとたちはサンタクロース村へと赴いた。
ロヴァニエミ空港の近くには宿泊施設がなく、サンタクロース村で直接宿泊する形となる。
フィンランドといえばサンタクロース……
と、連想するレベルで有名なはずなので、部屋が取れないと思ったけど、運良く取れたみたい。
しっかしこの防寒着、結構たけーな☆
「経費で落とせないのー?」
「予定外ですから流石に手が回せないと思います。とはいえ、後々落としてもらえると思いますが……」
「スケミスなんだからこれくらいは負担してくれてもいいよねー」
「まあまあ。その分だけナナたちも撮影がんばりましょうよ」
「パイセン張り切ってるなぁ」
省3
16: [sage saga] 2016/12/03(土)00:43 ID:PQdpF37u0(15/29) AAS
サンタクロース村では気さくなおじさんがはぁとたちを案内してくれた。アウリスさんっていうらしい。
このまま赤い服と帽子を着せたらサンタクロースになりそうなおじさんだった。
英語がなんとか通じたので、身振り手振りを加えながら、
はぁとたちが日本から来たこと、(一応)芸能人なこと、ここで撮影させてもらうこと、をなんとか伝えた。
「Vaude! SygäSygä☆Miin! あれだろ? "もうはなさなーい"のヤツだろ?
ハッハー!スターの子たちがここまで来てくれるなんてねえ!
ありがとう、歓迎するよ!小さい村だけど、自然はたくさんあるよ!
ちょっと案内するよ。ついて来てくれ!」
「もう離さない」のところだけやたら流暢な日本語だったのがおかしくてつい笑みが溢れる。
一応、それははぁとたちの公式曲じゃないんだけどね。
省3
17: [sage saga] 2016/12/03(土)00:44 ID:PQdpF37u0(16/29) AAS
宿泊する小屋からすこし歩くと、凍った湖と、それを取り囲む森が見えて来た。
「天気と運がいいと、夜にはオーロラと星が同時に見れるんだ!
今日は曇りらしいから難しいかもしれないけどね!」
そこから諸々練り歩いて、2時間くらいで全ての名所を見て回った。
北極圏の境界を表す線、ここから諸外国に向けてサンタクロースからの手紙を送ることができる郵便局。
などなど、さっきのガイドブックには書いてなかったことをいっぱい見聞きできた、新鮮な2時間だった。
18: [sage saga] 2016/12/03(土)00:46 ID:PQdpF37u0(17/29) AAS
「さ、遅いけどそろそろお昼にしようじゃないか」
「ちょうどパーティをやってるようですね」
「え、これ飛び入りオッケーなの?」
「オッケーなんじゃないですかね?」
「当然オッケーさ!アイドルって聞いたらみんな驚くぜ!」
「んじゃお邪魔するか☆」
パーティに参加していた人たちは一部の地元の人を除いてみんな観光客で、
みんながみんな、それぞれ初対面のようだった。
フィンランドの人達ってすこし内向的なイメージがあったから、こういうパーティをするのは意外だった。
空席に2人して腰掛けると、向かいの席の男の人が目を見開いて。
省11
19: [sage saga] 2016/12/03(土)00:46 ID:PQdpF37u0(18/29) AAS
「やりましょうか、心ちゃん」
「あれ一度もリハしてないんだけどな。持ち歌じゃないし」
「サビのフレーズ以外では私たちの持ち歌の振り付けをアレンジしてぶっつけで合わせましょう。いけますよね?」
「……おっけー、いっちょかましちゃうぞ☆」
有名な、あのフレーズを繰り返すイントロを口ずさむと会場みんなそれに合わせてコールし始めた。
日本人ならわかるかもしれないけど、此処はフィンランドなのにすごいな。みんなよく知ってるなぁ。
20: [sage saga] 2016/12/03(土)00:49 ID:PQdpF37u0(19/29) AAS
〜〜〜〜〜〜
飛び入り参加のパーティでの小さなライブはコールとも歓声ともつかない熱狂の大盛り上がりの中でクライマックスを迎えた。
「フゥー!Kiitos!」
「ありがとー!」
「.a.FUfn! .a.FUfn! ki'ecai!」
「サイコーだったよ!!しゅがみんはクールだぜ!」
パッションとキュートなんだよなぁ。
ステージを降りて、熱狂の席に戻る。
「握手はオッケーだけどお触りははぁとアタック(物理)だぞ☆」
「すみませんちょっと席に戻りたいので……」
省13
21: [sage saga] 2016/12/03(土)00:49 ID:PQdpF37u0(20/29) AAS
そのあとに続いて、ポルカとか、ボイスパーカッションとか、
やたらとノリのいい人たちによるちょっとした音楽祭になっていた。
観客側に回ったはぁとたちも、その場に合わせて踊ったり、唄ったりしてはしゃいだ。
ロヴァニエミは日の入りが早いから、あたりはもうすでに真っ暗。それでもしばらくはパーティが続いた。
「さて、料理もあらかた終わったところだし、そろそろお開きにするぞ!みんな、手伝っておくれ!」
「終わりみたいですね」
「たのしかった〜☆」
「これは翌日の筋肉痛が怖いですね」
「言うな☆」
みんなが積極的に協力したからか、パーティ会場はもうすっかり片付いてしまった。
省1
22: [sage saga] 2016/12/03(土)00:50 ID:PQdpF37u0(21/29) AAS
s/若干二の腕が/二の腕が若干
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