高森藍子「加蓮ちゃんたちと」北条加蓮「生まれたてのカフェで」 (45レス)
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32: [sage saga] 2020/12/25(金)20:59 ID:mOMWMpAw0(32/45) AAS
藍子は立ち上がり、勝手口の方へ。入り口と同じ、甘みがかかった茶色のドアを開けてから手だけを外に出して。

うんしょ……

軽いかけ声と共に持ち上げたのは……ものすごく大きな袋?
中が見えない白袋は何重かにされているようで、藍子のつけている前かけの、シワができたせいで仙人レベルの老け顔になった白ひげおじいさんとも相まって、絵本に出てくるサンタクロースを彷彿とさせる。それはいいんだけど……その大きすぎる袋は何? しかも、藍子が片手どころか両手でも運ぶのに苦労するほどの重さ。今日の立場を忘れて、つい私まで持ってくるのを手伝っちゃった。

「プレゼントだ!」
「……!!」
「あいこちゃん、サンタさんだったんだ! かれんちゃんが、言ってたよねっ」
「そうなんですよ〜。今日は、藍子サンタがプレゼントをお渡ししちゃいます」
「ほっほっほー!」
「……ふぇ?」
「あれっ、あいこちゃん、サンタさんなのに知らないの? サンタさんって、こうやってわらうんだよね! ほっほっほー!」
「ほ、ほっほっほ〜っ。……こうでいいのかな?」

上ずった声で笑ってあげると、そーちゃんは満足げに頷いた。こうで良かったみたい。

「この中から、そーちゃんと、しろちゃんの好きな物を見つけて、私……藍子サンタに、教えてくださいね」
「おしえればいいの?」
「はいっ。そうしたら、それをプレゼントにして、そーちゃんとしろちゃんにお届けしますっ」
「わかった! しろちゃん、いっしょに探そ!」

きつく縛ってある開け口を緩めると、早くもいくつかのプレゼント箱が転がり落ちてしまう。藍子はそっと、プレゼントの口の部分を床へと寝かし、1つ1つを手に取るちびっこ2人を見つめ、目を細めていた。

「これ、リボンがかわいい! こっちのも、かわいいね! すごい、すごいっ」
「ええと、わ、わたし、これがほしいです……っ! あ、やっぱり、こっちのが、でも……!」
「時間は、まだまだありますから。ゆっくり考えていいですよ」

プレゼント箱はどれも子供が両手で持つくらいの大きさで、よく見ると中身が透けて分かるようになっていた。それらをそーちゃんは目を細めて、まるでにらめっこをするみたいに。
しろちゃんは、相変わらずのわがまま攻撃を発動させていた。
でも、藍子はなんでこんな迷わせるようなことをするんだろ……? 何が欲しいか分からなかったのなら、聞いてあげてから渡せばいいのに。
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