【安価】男「俺が『言霊遣い』だって？」 (35ﾚｽ)
【安価】男「俺が『言霊遣い』だって？」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1629207586/
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1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 2021/08/17(火) 22:39:47.27 ID:OSjuhLzr0 言霊とは言葉に宿る霊の力 言霊遣いとは言霊の霊を従え、使役する者のことである SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1629207586 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1629207586/1
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 2021/08/17(火) 23:00:55.23 ID:OSjuhLzr0 学校 男「好きです！ 付き合ってください！」 女「……」ﾌｲ 男「あ……」 クラスメート「まーたフラれた！ おんなじ相手に何度告白すりゃ気が済むんだよ」 男「女さん！ 俺、諦めませんから！」 女「」ｽﾀｽﾀ… クラスメート「我が校が誇る無口ビューティー、『女』さんにお前は釣り合わないって」 男「でも昔は俺のこと好きって言ってましたし！」 クラスメート「幼なじみとはいえ昔のことだろ。諦めろって」 男「いーや、次こそ良いとこ見せて告白を成功させます！」 男「『好き』って言ってもらうぞー！！」 クラスメート「やれやれ……女さんも大変だな」 クラスメート（男も女さんへの変な執着がなければ勉強もスポーツもそこそこできて顔も……まあ悪くないんだから他の女の子が寄ってくると思うんだけどな） http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1629207586/2
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 2021/08/17(火) 23:13:05.40 ID:OSjuhLzr0 夕方 公園 幼女「わーん！ ふうせんが木にひっかかっちゃったよぉ」 幼女の母「もう、手を離しちゃうから。諦めなさい」 幼女「でも……」 幼女の母「ほーらっ、行きましょ」 幼女「……うん……『あきらめr」 男「待ってください！」 幼女「！」 男「これしきの木……」ﾖｼﾞﾖｼﾞ 男「」ﾊﾟｼｯ 幼女「わあ！」 男「ほらっ！ どうぞ」 幼女「ありがとう！」 幼女の母「どうもありがとうございます」 男「いえ！ 俺、諦めが悪いので！ こういうの見ちゃうと居ても立っても居られなくなっちゃって」 男「おっと、もう時間だ。またね！」 幼女「ばいばーい！」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1629207586/3
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 2021/08/17(火) 23:20:31.14 ID:OSjuhLzr0 病院 男「面会時間ぎりぎりセーフ！」 祖父「おお、男か」 男「具合はどうですか？」 祖父「ま、ぼちぼちじゃな。で、どうじゃ。鍛錬の方は」 男「はいっ！ 毎日かかさずやってます！」 祖父「よろしい。明日はお前の16の誕生日じゃったな」 男「はいっ！」 祖父「『約束の日』が訪れるということか……」 男「はい……教えてください、おじいさん。女さんの『無口』を治す方法を――！」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1629207586/4
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 2021/08/17(火) 23:26:58.86 ID:OSjuhLzr0 男の幼き日 幼少期女「はい！ これ！」 幼少期男「シロツメクサの指輪？」 幼少期女「けっこんゆびわだよ！ 大人になったらけっこんしようね！ だいすきだよ！」 幼少期男「え……えへへ……」 ぬら… 幼少期男「！」 幼少期女「どうしたの？」 幼少期男「う、うしろに！ しろいおばけ！」 幼少期女「え？ どこにいるの？」ｷｮﾛｷｮﾛ 化物「ぅ ま そ」 幼少期男「あぶない！」 化物「ぃ た だき まぁ す」ぐぁん ぱくっ 幼少期女「あ」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1629207586/5
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 2021/08/17(火) 23:31:06.11 ID:OSjuhLzr0 幼少期男「女ちゃん！ 女ちゃん！」 幼少期女「」ﾑｸ 幼少期女「……！」ﾊﾟｸ ﾊﾟｸ ﾊﾟｸ 幼少期男「どうしたの？ なにか言いたいの？」 幼少期女「……！ ……！」ﾊﾟｸ ﾊﾟｸ 幼少期女「」ﾎﾟﾛ…ﾎﾟﾛ… 幼少期女「」ﾀｯ 幼少期男「女ちゃん！」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1629207586/6
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 2021/08/17(火) 23:41:54.49 ID:OSjuhLzr0 病院 男「――言葉を失った女さんは俺をだんだんと避けるようになった」 祖父「化物に『言葉』を喰われた、か」 祖父「その化物の正体を今、教えてやろう」 祖父「奴らの名は『黙（だんまり）』。人の言葉を喰らう怪異じゃ」 祖父「お前には霊力があり、あの娘が食われるところを目撃できた」 男「霊力……？」 祖父「そう、黙に対抗できる唯一の力、『言霊』の霊力じゃ」 祖父「お前はその『言霊』を操る力を持つ『言霊遣い』じゃ」 俺「俺が言霊遣いだって？」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1629207586/7
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2021/08/17(火) 23:44:33.09 ID:IjjEvGVU0 期待してあげないこともないんだからねっ！ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1629207586/8
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 2021/08/17(火) 23:52:00.83 ID:OSjuhLzr0 祖父「16になる今、肉体が安定し『言霊』を安定して使うことができるようになっている」 男「鍛錬もそのためのものだったんですね」 祖父「飲み込みが早いな」 男「ええ。全ては女さんを救う為に、ですから」 男「そして女さんにもう一度『好き』って言ってもらいたいんです！」 祖父「フフ……俗っぽいな。じゃが、それでいい」 祖父「『諦めるなよ』ッ！」ﾊﾞｼｯ 男「あ痛っ！ それでその『言霊』の使い方とは？」 祖父「」 男「おじいさん？」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1629207586/9
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 2021/08/17(火) 23:57:38.09 ID:OSjuhLzr0 葬儀場 男（結局、おじいさんは俺が『言霊遣い』であることだけしか教えてくれなかった） 男（それにしてもおじいさんの葬式にこんなに人が集まるなんて） 眼鏡「……」 長髪「……」 髭「……」 帽子「……」 男（変な格好した人たちもいる……若いし……おじいさんの何の知り合いだろう） 女「……」 男「女さん！ 来てくれてありがとうございます！」 女「……」ﾍﾟｺ 男（こうしておじいさんの葬儀はしめやかに行われる――） 男（はずだった） http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1629207586/10
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 2021/08/18(水) 00:01:57.13 ID:cXwL11zj0 僧侶「〜〜〜」 男「……」 男「」ｿﾞｸｯ 男「なんだこの感覚！」 男「あっちか！」ﾀﾞｯ! 葬儀場の人「あっ！ 喪主が席を立っては――！」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1629207586/11
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 2021/08/18(水) 00:18:10.81 ID:cXwL11zj0 葬儀場前 だんまり「ぁ ぅまそ なの みぃっ け」 男「これが……だんまり！ なんでここに！」 だんまり「ぃただ き まぁす」ﾊﾞｸｧｯ ｼｭﾊﾞｯ 男「危な……っ！」 男（鍛錬が役に立った） 男「！」 男（駐車場のコンクリートを抉っている！ 食べるのは人間の『言葉』だけじゃないのか！？） だんまり「ぅまそ ぅまそ」ﾋﾞｭｯ!! ﾋｭｯ!! ｶﾞﾌﾞﾘｯ!! 男「ぐ……離……せ！ 腕……千切れ……る……」ﾌﾞﾁﾞ…ｭ だんまり「くゎせ ろォ」 男「こんな時『言霊』が使えれば……！」 ｶｧ……ｯ!! 男「手……熱っ……！！ これは――ッ！！」 ↓1 男が掴み取った言霊（五十音）は http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1629207586/12
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2021/08/18(水) 00:21:24.57 ID:4jwvwL2b0 わ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1629207586/13
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 2021/08/18(水) 00:35:33.36 ID:cXwL11zj0 男「熱い……これが『言霊』か？」 ｼﾞｭｳｯ!! だんまり「ぃ ぃだぃ！！」ﾊﾞｯ 男（だんまりが言霊の熱に灼かれた！ この力は確かに『効く』！） 男（それに胸に湧き上がってくるこの『文字』は――） 男「これに従えばいいんですね、おじいさん！」 男「『開（カイ）』！ 『立（リツ）』！ 『外つ空二つ座の国より来たれ、言霊』！」 男「『わ』！」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1629207586/14
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 2021/08/18(水) 01:06:40.95 ID:cXwL11zj0 ﾌﾞﾁﾞｭ…ｽﾞ… 男（だんまりに噛みつかれた腕の肉が治っていく） 男（これが『わ』……『和』の力か！） 男（それにこの拳に纏った『言霊』の気のようなもの。これで殴ればだんまりを倒すことができそうだ） 男（『わ』の力は治癒の力……怪我は気にする必要はない） 男「うおぉぉぉッ！！」 ｺﾞｯ だんまり「ぎゃ」 だんまり「ぉおぉ」ｶﾞﾌﾞｩｯ 男「好きなだけ噛みつくといい……俺はその程度では諦めない」 だんまり「ぐ ぅうぅ」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1629207586/15
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 2021/08/18(水) 01:20:53.83 ID:cXwL11zj0 だんまり「ヒィッ！！」ﾋﾞｬｯ 男「逃がさないッ！」 男「言霊が声を伝うなら――俺の声は『弾丸』にもなるはず！」 ｽｩ…ｯ 男「……『破』ッ！！」 だんまり「」ﾊﾟﾝｯ だんまり「」ﾄﾞﾁｬ 男「……はあ、はあ……勝った、のか？」 男「いけない！ 葬儀場に戻らないと！ うわ、喪服がぼろぼろだ！ 服までは直らないか！」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1629207586/16
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 2021/08/18(水) 01:30:07.06 ID:cXwL11zj0 男（だんまりを倒しても女さんの無口は治ることはなかった） 男（俺が倒した個体と昔、女さんを襲った個体は別らしい） 男（俺はこれからも女さんの言葉を返すために戦っていこう） 男（絶対に諦めない必ずやり遂げてみせる） 男（そして告白を受け入れてもらうんだ……） 僧侶「〜〜」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1629207586/17
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 2021/09/03(金) 18:21:12.72 ID:kLj0gAus0 学校 屋上 男「女さん！」ｶﾞﾗｯ 女「！」 男「こんなところにいたんですね。ひとりで……なにしてたんです？」 女「……」 男「皆と話せないからですか？」 女「……」 男「さびしく、ないんですか」 女「……」 男「俺が必ず助けますから。必ず皆と楽しく話せるようにします」 女「……」 男「だから―」 男「俺の愛の告白を！」 女「」ﾌﾟｲ 男「やっぱりだめか」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1629207586/18
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 2021/09/03(金) 18:29:08.01 ID:kLj0gAus0 教室 担任「今日は皆さんに新しいクラスメイトを紹介します」 眼鏡「眼鏡だ、以上」 男「あっ！（おじいさんの葬式に来てた人！）」 担任「男くんの隣の席が空いてるので、そこに座ってね」 眼鏡「はい」 眼鏡「」ｽﾀｽﾀ 男「……先日はども」 眼鏡「……」 男（無視されちゃった） http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1629207586/19
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga] 2021/09/03(金) 18:33:40.89 ID:kLj0gAus0 放課後 男「あれ、女さんがいないぞ」 クラスメート「また告白か？」 男「もちろん！ 受け入れてくれるまで何度でもやりますよ！」 クラスメート「お前自分が異常なの分かってる？」 男「もちろん！ でも僕は……」 男「守りたいから……守れなかったから……」 クラスメート「闇が深そうだからもう聞かないけど程々にな」 男「おーい、女さーん」 クラスメート「オレが友達でいることに感謝しろよな、って聞いてないか」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1629207586/20
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