タイトルを書くと誰かがストーリーを書いてくれるスレ part8 (713レス)
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: [saga] 07/08(月)20:27
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578: [saga] 2024/07/08(月) 20:27:23.23 ID:UdB39gfM0 >>11「グリーン・マイケル」 膝くらいの高さの草むらのなかを、マイケルは駆ける、駆ける、なだらかに傾斜する、どこまでも同じような青さがつづく草原を走り抜ける。 とうにヘルメットは捨てた。通信機器も、役に立たないし邪魔だから手放した。 護身用の武器も、ナイフを除いてすでに彼の手元にはない。 あとは軍のユニフォームと水筒、そしてマイケルの肉体のみが残る。 朝焼けがどんどん薄くなり、空は青に変わっていく。 湿度も上がってくる。 「操作利きません! 制御不能、制御不能!」 森林地帯での訓練中、マイケルの乗る訓練機がコントロールを失った。彼はひとりで乗っていた。 無線をとった教官は怒鳴って報告を求めた。 「各種計器!」 「異常なし!」 「燃料!」 「異常なし!」 「油圧!」 「異常なし!」 「密閉!」 「異常なし!」 「回路!」 「異常なし!」 教官が苛立ちながら言った。 「じゃあ何が異常なんだ!」 「何ら以上ありません!」 マイケルは報告した。 「一切のアラートも、数値の異常も異音も振動もありません! だめなのは、ただ操縦不能なことだけです!」 教官は檄を飛ばし、マイケルは何とか体勢を立て直そうと努力した。 しかし訓練機はどんどんバランスを崩し、深い森のなかへ消えてしまった。 マイケルからの通信が途絶すると、教官および同じグループの訓練生たちは絶望に似た感情を覚えた。 マイケルが消息を絶った森は深い。いちど迷いこめばまず出られない、広大で暗い森だ。 調査隊も入る気配のない、世界最大の陸の孤島。そこにマイケルは消えたのだ。 もうあいつは帰ってこない、そう全員が確信していた。 しかしマイケルは気丈だった。訓練機は巨木の間に突っ込んで壊れたが、奇跡的にコックピット部分はほとんど無傷だった。 そこからマイケルは転げ落ちると朽木の根に頭をぶつけ、しばらく昏倒していた。 目を醒ますと、彼はすぐ立ちあがった。そして、薄暗い森のなかをすたすた歩きはじめた。 諦めたから、そうしたのではない。むしろ、なんとしてでも生き延びてやるぞ、と信じていたから、早々に歩きはじめられたのだ。 彼は水のにおいを頼りに歩いた。しかしなかなか水源は見つからない。 だんだんと、携帯食料と水筒の中身が減ってきた。懐の軽くなるのを、彼は汗をかきながら感じていた。 このままおれは死ぬのか、と何度か頭を予感がよぎった。しかしそのたび、彼はわずかに感じる水のにおいを希望にした。 きっと、この先に、水が、生きる希望があるんだ。そこには生き物もいる、食えそうなものもたぶんある。そこに至るまでは死ねない。 一昼夜、二昼夜、さらに何日も歩いた。 もう自分の身体に、自由があると思えなくなってきたころ、彼はようやく開けた場所に出た。 そこには無限の曠野があった。青々と、草の群叢が風に揺れる。まだ夜は明けきっていなかった。 だから相当暗い。だが、彼の目はかつてないほどらんらんと輝いていた。というのも、草原のなか、 正確に測れないが結構な距離のところに、植物とは違う、粘り気のある光を放つエリアがあったからだ。 水だ! あそこに水場があるぞ! マイケルは疲労も忘れて駆けだした。朝露が脛にかかった。背の低い草を蹴散らしながらマイケルは草原を突っ切る。 近づくごとに、その水場の様相が察せられるようになる。びっしりと苔が繁茂しているらしい。 柔らかい線上のものが、そのなかで揺れている。 しかし知ったことか! 墜落してからおれはずっと、あれを求めてきたんだぞ! マイケルはさらに力を振り絞った。スピードをあげ、なだらかな草原を駆け抜ける。 希望などもう彼の頭から吹き飛んでいた。すべてこれで解決だ、危機は過ぎた、 もはや何も異常はない、おれはオール・グリーンだ! 延々と続く森と草原を、緑の深いカーキ色の迷彩服のマイケルが、一心不乱に突き進んでいる。 ちょっと長いな http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1657890120/578
グリーンマイケル 膝くらいの高さの草むらのなかをマイケルは駆ける駆けるなだらかに傾斜するどこまでも同じような青さがつづく草原を走り抜ける とうにヘルメットは捨てた通信機器も役に立たないし邪魔だから手放した 護身用の武器もナイフを除いてすでに彼の手元にはない あとは軍のユニフォームと水筒そしてマイケルの肉体のみが残る 朝焼けがどんどん薄くなり空は青に変わっていく 湿度も上がってくる 操作利きません 制御不能制御不能 森林地帯での訓練中マイケルの乗る訓練機がコントロールを失った彼はひとりで乗っていた 無線をとった教官は怒鳴って報告を求めた 各種計器 異常なし 燃料 異常なし 油圧 異常なし 密閉 異常なし 回路 異常なし 教官が苛立ちながら言った じゃあ何が異常なんだ 何ら以上ありません マイケルは報告した 一切のアラートも数値の異常も異音も振動もありません だめなのはただ操縦不能なことだけです 教官はを飛ばしマイケルは何とか体勢を立て直そうと努力した しかし訓練機はどんどんバランスを崩し深い森のなかへ消えてしまった マイケルからの通信が途絶すると教官および同じグループの訓練生たちは絶望に似た感情を覚えた マイケルが消息を絶った森は深いいちど迷いこめばまず出られない広大で暗い森だ 調査隊も入る気配のない世界最大の陸の孤島そこにマイケルは消えたのだ もうあいつは帰ってこないそう全員が確信していた しかしマイケルは気丈だった訓練機は巨木の間に突っ込んで壊れたが奇跡的にコックピット部分はほとんど無傷だった そこからマイケルは転げ落ちると朽木の根に頭をぶつけしばらく昏倒していた 目を醒ますと彼はすぐ立ちあがったそして薄暗い森のなかをすたすた歩きはじめた 諦めたからそうしたのではないむしろなんとしてでも生き延びてやるぞと信じていたから早に歩きはじめられたのだ 彼は水のにおいを頼りに歩いたしかしなかなか水源は見つからない だんだんと携帯食料と水筒の中身が減ってきた懐の軽くなるのを彼は汗をかきながら感じていた このままおれは死ぬのかと何度か頭を予感がよぎったしかしそのたび彼はわずかに感じる水のにおいを希望にした きっとこの先に水が生きる希望があるんだそこには生き物もいる食えそうなものもたぶんあるそこに至るまでは死ねない 一昼夜二昼夜さらに何日も歩いた もう自分の身体に自由があると思えなくなってきたころ彼はようやく開けた場所に出た そこには無限の野があった青と草の群叢が風に揺れるまだ夜は明けきっていなかった だから相当暗いだが彼の目はかつてないほどらんらんと輝いていたというのも草原のなか 正確に測れないが結構な距離のところに植物とは違う粘り気のある光を放つエリアがあったからだ 水だ あそこに水場があるぞ マイケルは疲労も忘れて駆けだした朝露がにかかった背の低い草を蹴散らしながらマイケルは草原を突っ切る 近づくごとにその水場の様相が察せられるようになるびっしりと苔が繁茂しているらしい 柔らかい線上のものがそのなかで揺れている しかし知ったことか 墜落してからおれはずっとあれを求めてきたんだぞ マイケルはさらに力を振り絞ったスピードをあげなだらかな草原を駆け抜ける 希望などもう彼の頭から吹き飛んでいたすべてこれで解決だ危機は過ぎた もはや何も異常はないおれはオールグリーンだ 延と続く森と草原を緑の深いカーキ色の迷彩服のマイケルが一心不乱に突き進んでいる ちょっと長いな
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