【ゆるゆりSS】ふたりの距離 (33レス)
上
下
前
次
1-
新
19
: [sage saga] 2023/09/07(木)21:42
ID:I2AyKHWk0(19/32)
AA×
[240|
320
|
480
|
600
|
100%
|
JPG
|
べ
|
レス栞
|
レス消
]
19: [sage saga] 2023/09/07(木) 21:42:09.04 ID:I2AyKHWk0 花子は、今も薄暗い部屋で勉強を続ける櫻子のことを思いながら、向日葵の言葉に耳を傾けた。 ずっと見えてこなかった向日葵の思惑が、ずっと不思議に思っていた櫻子のすべての行動が、腑に落ちていくような気がした。 今のこの状況が、なるべくしてなったどうしようもない現実だということが、やっとわかった。 「だから私は決めましたわ。あの子のしたいようにさせてあげようって」 「……」 「受験結果の出るそのときまで、あの子が自分を律するためにとる方法がそれなのだとしたら……そのとおりにしてあげたいって、思ったんです」 櫻子の気持ちを尊重する。 あの子のために、なるべく静かにしていよう。 あの子の邪魔にならないように、遠くから遠くから配慮してあげよう。 向日葵が今も櫻子から距離を取り続けている理由は、それだった。 「そうこうしていたら、いつの間にか三年生になって……とうとうクラスまで別になってしまって。でもよかったのかもしれませんわ。あの子の歩くスピードは落ちていないようですから……きっとそれが答えなんでしょう」 「……そうかもしれないし」 「ごめんなさいね……花子ちゃんからしてみれば……私のことはずっと、冷たく映っていましたわよね」 「っ……」 「櫻子になるべく関わらないようにしなきゃって……そのためには、花子ちゃんに会ったりするのも控えなきゃって、思ってました。本当にごめんなさい」 「……いいんだし、そんなことは」 「でも私は……本当は今もずっと、あの子のことばかり考えてしまっているんですわ」 「わかってる……」 「ふふっ。ばかみたいに思うかもしれませんけど……本当に、あの子のことばかり」 花子の髪を優しく撫でながら、向日葵は自虐気味に笑った。 やっぱり向日葵は、いつまでも自分の知っている向日葵だった。花子は向日葵の左肩にぽすんと体重を預けた。 ――ああ、この人は本当に櫻子のことが好きなんだ。 櫻子のことが大切で仕方なくて、いつだって櫻子のことを想ってくれていて。 こんなに距離をとっているように見せかけても、本当は気になって気になって仕方ないんだ。 「退会届については、正式に受理してませんわ。だからあの子は今でも、うちの生徒会の一員です」 「えっ……」 「もともとあの子がいなくても、普通に回ってるような組織ですし。それにあの子のぶんの仕事をしていると、私もなんだか落ち着くんですわ。櫻子のためにしてあげられることが、まだあるんだって思えて」 放課後の生徒会室は、今は自分にとっての仕事部屋兼、勉強部屋兼、「櫻子との帰宅時間をずらすための待合室」。 そしてあの部屋が一番、櫻子のことをこっそりと感じていられる場所だった。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1694089135/19
花子は今も薄暗い部屋で勉強を続ける子のことを思いながら向日葵の言葉に耳を傾けた ずっと見えてこなかった向日葵の思惑がずっと不思議に思っていた子のすべての行動がに落ちていくような気がした 今のこの状況がなるべくしてなったどうしようもない現実だということがやっとわかった だから私は決めましたわあの子のしたいようにさせてあげようって 受験結果の出るそのときまであの子が自分を律するためにとる方法がそれなのだとしたらそのとおりにしてあげたいって思ったんです 子の気持ちを尊重する あの子のためになるべく静かにしていよう あの子の邪魔にならないように遠くから遠くから配慮してあげよう 向日葵が今も子から距離を取り続けている理由はそれだった そうこうしていたらいつの間にか三年生になってとうとうクラスまで別になってしまってでもよかったのかもしれませんわあの子の歩くスピードは落ちていないようですからきっとそれが答えなんでしょう そうかもしれないし ごめんなさいね花子ちゃんからしてみれば私のことはずっと冷たく映っていましたわよね っ 子になるべく関わらないようにしなきゃってそのためには花子ちゃんに会ったりするのも控えなきゃって思ってました本当にごめんなさい いいんだしそんなことは でも私は本当は今もずっとあの子のことばかり考えてしまっているんですわ わかってる ふふっばかみたいに思うかもしれませんけど本当にあの子のことばかり 花子の髪を優しく撫でながら向日葵は自虐気味に笑った やっぱり向日葵はいつまでも自分の知っている向日葵だった花子は向日葵の左肩にぽすんと体重を預けた ああこの人は本当に子のことが好きなんだ 子のことが大切で仕方なくていつだって子のことを想ってくれていて こんなに距離をとっているように見せかけても本当は気になって気になって仕方ないんだ 退会届については正式に受理してませんわだからあの子は今でもうちの生徒会の一員です えっ もともとあの子がいなくても普通に回ってるような組織ですしそれにあの子のぶんの仕事をしていると私もなんだか落ち着くんですわ子のためにしてあげられることがまだあるんだって思えて 放課後の生徒会室は今は自分にとっての仕事部屋兼勉強部屋兼子との帰宅時間をずらすための待合室 そしてあの部屋が一番子のことをこっそりと感じていられる場所だった
上
下
前
次
1-
新
書
関
写
板
覧
索
設
栞
歴
あと 14 レスあります
スレ情報
赤レス抽出
画像レス抽出
歴の未読スレ
AAサムネイル
ぬこの手
ぬこTOP
0.059s