儒烏風亭らでん「寿限無(ホロライブ)」 (33レス)
上下前次1-新
1: [saga] 01/21(日)10:38 ID:Dy4lKuRPo(1/3) AAS
らでん「どうぞ、しばらくの間、お付き合いお願い申し上げますが」
らでん「この世の中には色々と『迷い事』というものがございまして」
らでん「例えば、買い物ですね。服屋に入り、色々と見て回り、気に入った服をようやく見つけたと思ったら、お値段がなーんと思ってたよりも二倍は高い。そんな経験、一度はした事がございませんか?」
らでん「さて、どうしたものか、とですねえ。財布と相談致しまして。頭の中で計算を巡らしまして。特に意味もなく他の服を見ながら店内をウロウロ致しまして。悩みに悩む訳でございます」
らでん「本当なら、もう少しお財布に余裕がある時に買いたいとは思うのです。ですが、お気に入りの物との出会いは、往々にして一期一会になる時が多いのもまた事実」
省8
2: [saga] 01/21(日)10:39 ID:Dy4lKuRPo(2/3) AAS
らでん「この様にですねえ、日常の中でさえ、迷い事というものは沢山ございます。数え上げればキリがございません」
らでん「どんな話をしようか、どこの美術館に行こうか、いつ先輩方をコラボに誘おうか、誰の配信を見ようか、何のお酒を飲もうか、どうやったら破天荒枠でいられるのか」
らでん「らでんも、常々悩んでいます。この可愛い可愛い声を生かして、遅まきながらキャラ変してしまおうかなーなんつって」アハハハハ
らでん「もちろん、冗談ですよ。皆様方、ここ、笑うところですからね。笑ってくれないと困るまでありますからね。冗談と受け止めてもらえないと洒落にならないので、遠慮せず笑って下さいよ」
らでん「…………えー」
省2
3: [saga] 01/21(日)10:41 ID:Dy4lKuRPo(3/3) AAS
らでん「さてさて、この数ある悩み事ですが。これが決断力のある人であれば、そんなに困る事はないはずです」
らでん「仮に悩んだとしてもですね、ええい気にするなー、どうせなるようにしかならんとよ、とビシバシ決断を致しまして」
らでん「まるで高層ビルをなぎ倒して進む某映画の怪獣のようにですね、迷う事なく真っ直ぐ突き進んでいくのですが、しかし優柔不断な人はそうもいきません」
らでん「そんなに悩む必要のない事であっても、どうするべきかー、どの選択がベストなんだー、ってアレコレ考えてしまってね、一向に決断出来ない」
らでん「これはそんな男の話でございます」
4: [saga] 01/21(日)10:43 ID:ArP/9c3no(1) AAS
らでん「時は令和五年の事です。とあるところに『八五郎』という名の男がおりまして」
らでん「令和の時代では多分珍しい名前だと思いますが、これが落語だとかなり聞く名前ですね。『八五郎』と『熊五郎』、そして『与太郎』は落語界では全然珍しくありません。一般的まである名前です」
らでん「ちなみに、馬鹿げた話や出鱈目な話の事を『与太話』なんて言いますが、これは落語の『与太郎』からきています。与太郎のする話が出鱈目だったり適当だったりするんで、与太話という言葉が生まれたんですね」
らでん「えー、話が逸れてしまいましたので戻しましょう。この八五郎には奥さんがいまして、今回は名前を『お富』と致します」
らでん「本来の寿限無ですと、『八五郎の女房』みたいな感じで名前が出てこなかったりしますが、でも、今回の寿限無は令和のホロライブ版ですので、名前を御用意致しました。古典落語そのままではないものですから、時代に合わせる為に他にも色々と改変しております。御承知下さい」
省5
5: [saga] 01/21(日)10:45 ID:EyrdmHtxo(1) AAS
らでん「えーと、えーと、確か八五郎夫婦のところまで話しましたよね。うん、そう。そこまで話したはず。間違いありません」
らでん「では、続けます。この夫婦なんですが、二人揃って大の猫好きでして。でも、これまで住んでいた家がペット禁止のマンションだったので、猫を飼う事が出来ず歯がゆい思いをしてたんです。YouTubeで猫動画を見るだけに留めていたんですよ」
らでん「ですが、この年、八五郎夫婦はとうとう念願の一軒家を買いまして」
らでん「しかも、お富の友人が飼っている猫に子供が七匹も産まれ、貰い手を探しているとの情報が入っていたんです」
らでん「こんな好機を見逃すはずもなく、八五郎夫婦は即座にお富の友人と連絡を取りまして」
省1
6: [saga] 01/21(日)10:46 ID:VqxSJYKNo(1) AAS
らでん「とはいえ、この八五郎。最初に言った通り、優柔不断な男ですから」
らでん「他の事は良いんです。仕事も熱心ですし、きっぷも良く、人情にも溢れている」
らでん「なのに、決断力は皆無でして。いわゆる玉に瑕というやつでございます」
らでん「猫を飼うために必要なもの一式は即座に購入したのですが、肝心の仔猫の名前が決まらない。命名というのは難しいものでございます。八五郎は悩みに悩みまして」
らでん「お富とも相談はしました。しかし、お富は八五郎が猫好きなのを十分承知しております。ここは出来る女の本領発揮」
省2
7: [saga] 01/21(日)10:48 ID:B0V2Gpo/o(1) AAS
八五郎「御隠居、御隠居、実は教えて頂きたい事がありまして」
御隠居「おお、なんじゃ、八五郎。一体、どうした。何を教えてほしいんじゃ?」
八五郎「はい、御隠居。おいらに何か縁起の良い言葉を教えて頂けないでしょうか。御利益のありそうな言葉を」
御隠居「御利益のありそうな言葉だと?」
八五郎「へい。おいらも自分で色々と調べてみたんですがね。それがどうにもピンとこなくて」
省5
8: [saga] 01/21(日)10:50 ID:vGF8ibXVo(1) AAS
御隠居「しかし、八五郎。お前がさっき言った言葉は確かに縁起の良い言葉ばかりだな。どれも長生きに関係する言葉だが」
八五郎「そう、そこなんですよ、御隠居。いくら縁起が良かろうと、御利益があろうとも、長生きばかりでは良くないでしょう」
八五郎「なにせ、今は多様性とスピードが求められる時代ですからね。もちろん、長生きも良い事ですけど、そればかりってのは令和の時代にそぐわないとおいらは思うんですよ」
御隠居「なるほど。一理あるかもしれないな。確かに昔は平均寿命が短かった。だから誰もが長生きを願った。そういう時代だったが、今はそうではないか」
八五郎「そうですとも、御隠居。だから、長生き以外の有り難い言葉というのをおいらに教えて頂けないでしょうか。どうかお願いします。この通りです」
9: [saga] 01/21(日)10:51 ID:bN89aiKlo(1) AAS
らでん「八五郎は深く頭を下げて、藁をも掴むような必死さで頼み込みます。事情はよくわかりませんが、御隠居も断る訳にはいかず、何か良い言葉はないかと、しばらくの間、考え込みました」
御隠居「ふうむ……御利益のある言葉か……。そうだな……。これなど良いかもしれぬな」
八五郎「おお! 何かありましたか!?」
御隠居「うむ。『ラミィ』という言葉はどうだ」
らでん「この御隠居に頼ったのが間違いの始まりでした」
10: [saga] 01/21(日)10:52 ID:UN2pY+rYo(1) AAS
八五郎「『ラミィ』ですか。初めて聞く言葉ですが、一体、それは何ですか?」
らでん「ホロライブを知らない者からしたら当然の疑問です。御隠居がそれに答えます」
御隠居「うむ。ラミィというのはだな、天女の名だ」
らでん「またも適当な事を言います」
11: [saga] 01/21(日)10:54 ID:kzPDppKLo(1/5) AAS
御隠居「この天女は、二百十二歳でな。とても長生きをしているのだが、それだけではない」
御隠居「若いおなごの様に、肌に艶があり、皺など一つもない。いつまでも若い絶世の美女だ」
御隠居「また、愛が強い事から、浮気阻止の象徴などとも呼ばれ、チベットでは各家庭に一体、必ずラミィ像が置かれ祀られているとか」
御隠居「非常に有り難い天女様の名前だ。必ずや御利益があろう」
らでん「そんな事はございません。年齢と容姿以外は全くの出鱈目でございます」
省3
12: [saga] 01/21(日)10:55 ID:kzPDppKLo(2/5) AAS
八五郎「それで、御隠居。他にも何か御利益のある言葉はありますか?」
御隠居「無論、あるとも」
らでん「自信満々な顔で頷きまして」
御隠居「『スバルの絶叫』という言葉がある。これも御利益がある」
らでん「このらでん、今日は全方位に喧嘩を売っていくスタイルでございます。狂人としては正しいのですが、心が、心がキツいです! 胃がキリキリします! やめておけば良かったと今更ながら後悔もしています!」
13: [saga] 01/21(日)10:56 ID:kzPDppKLo(3/5) AAS
御隠居「これは昔な、ハピエン村という場所にスバルという明るく元気な女性がいたんじゃが」
御隠居「このスバル、非常に驚きやすいおなごでな。何かある度にすぐ悲鳴を上げる」
御隠居「その叫び声は、鶏の鳴き声よりも大きく、虚空を貫いて遙か十里先のお城にまで届いたとか」
御隠居「じゃが、そのあまりに大きな叫び声がしょっちゅう聞こえるおかげで、魑魅魍魎はこの地を恐れ、決してハピエン村には近寄ろうとはしなかった」
御隠居「つまり、『スバルの絶叫』とは、魔を退け、邪を祓う力を表した言葉だ。魔除けの効果がある。覚えておくが良い」
省1
14: [saga] 01/21(日)10:57 ID:kzPDppKLo(4/5) AAS
八五郎「なるほど。世の中にはまだまだおいらの知らない有り難い言葉があるもんですねえ。勉強になります」
らでん「まあ、らでんが言うのもアレですが、勉強にはなりません。諺や故事成語とは違って、一般社会では全く通用しない言葉ですから」
らでん「とはいえ御隠居の方はそう言われて悪い気はしなかったのでしょう。得意気に」
御隠居「まだまだあるぞ。『どす恋いろは』というのも御利益のある言葉だ」
らでん「まこと、止まらないホロライブでございます。らでんもここまで来たら止まりたくても止まれません」
15: [saga] 01/21(日)10:59 ID:kzPDppKLo(5/5) AAS
八五郎「その『どす恋いろは』というのは、どういった意味があるんですかい?」
御隠居「これは、豊満で包容力のある女性を褒め称える時に使う言葉だ。ただ、優しいだけではなく、全てを受け止め包み込んでくれそうな、そんな女性に贈る言葉だな」
御隠居「どす恋は良いぞ。母の愛を感じられる。我が子を身を挺して守る母のような、深い愛の御利益があるだろう」
八五郎「なるほど、なるほど」
らでん「趣味嗜好というのは人それぞれでございますから。というか、らでんはこれ以上、あまり喋りたくありません。何を言っても地雷を踏みそうで怖いです」
上下前次1-新書関写板覧索設栞歴
あと 18 レスあります
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル
ぬこの手 ぬこTOP 0.006s