くーちゃん「しょくぶつさんとおはなししてたらびょういんにつれていかれました」 (425レス)
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304: [saga] 2024/02/14(水)21:35 ID:Lds9YMgP0(10/17) AAS
そこからハナちゃん、ずっと泣いてました。

なにがどう、だめなのか、それをくーちゃんは聞きたかったですけど、

きっとハナちゃんには泣く時間が必要でしたし、

くーちゃんもいつの間にか泣いてたので、

二人ともそういう気分だったんです。
省1
305: [saga] 2024/02/14(水)21:37 ID:Lds9YMgP0(11/17) AAS
くーちゃん(けっきょく、げんじつのせかいです)

くーちゃん(ゴール、ちかかったんですけどね)

くーちゃん(このまま目、閉じれば、きっと戻れます)

くーちゃん(くーちゃんの、いきたかった、ゴールです)

くーちゃん(げんじつなんかより、おおくすさんとの沼、よいなと思ってたんですけど)
省2
306: [saga] 2024/02/14(水)21:39 ID:Lds9YMgP0(12/17) AAS
お母さんの顔が浮かびました。

あんなに必死でくーちゃんが行くのを止めてて。

きっと、くーちゃんにとってのハナちゃんみたいに、

ほんとにくーちゃんを大切にしてくれてたんだなと、今更ながら思いました。

校長先生の顔が浮かびました。
省5
307: [saga] 2024/02/14(水)21:39 ID:Lds9YMgP0(13/17) AAS
鹿のお兄さんの顔が浮かびました。

自信をもって何かを続けること

それが何につながるか、そんな大層なことを考えるのは横に置いておいて

ただ続けること。

きっとそれが大切だって、伝えてくれました。
省6
308: [saga] 2024/02/14(水)21:42 ID:Lds9YMgP0(14/17) AAS
くーちゃん(あれ、さいごの、だれのことでしょう)

くーちゃん(顔も思い出せません)

くーちゃん(でも、そのぬくもりがあったから)

くーちゃん(くーちゃんは、くーちゃんな気がします)

くーちゃん(沼の底にいったら、おわかれです)
省7
309: [saga] 2024/02/14(水)21:43 ID:Lds9YMgP0(15/17) AAS
くーちゃん「ハナちゃん」

ハナ「……天野さん?」

くーちゃん「ちがいます」

くーちゃん「くーちゃんです。ハナちゃん」

くーちゃん「それが、くーちゃんの名前です」
省2
310: [saga] 2024/02/14(水)21:44 ID:Lds9YMgP0(16/17) AAS
何度も何かを確かめるように、ハナちゃんはくーちゃんの名前を呼びました。

呼ぶたびに、ハナちゃんの両腕が、くーちゃんを強く、強く、

ぎゅうううっと、抱きしめてくれます。

くーちゃんはハナちゃんが大好きでしたが、

どうやらハナちゃんもくーちゃんのこと、好きだったみたいです。誰かにこんなにも好かれるなんて思ってませんでした。嘘ばかりついて、くーちゃんは自分のことを嫌いになりそうだったですけど。どうやらハナちゃんだけは何があってもくーちゃんのこと、嫌いにならなさそうです。
省3
311: [saga] 2024/02/14(水)21:45 ID:Lds9YMgP0(17/17) AAS
また明日ノシ

だいぶ冒険も終盤です。

みなさんしばらくお付き合いください。
312: [saga] 2024/02/15(木)19:15 ID:DcOEz2F40(1/21) AAS
海の男「なに寝転んでんだクソガキども」

くーちゃん「あ」

くーちゃん「びちょびちょですね」

海の男「そりゃ、泳いできたからな」

くーちゃん「さすがです、海の男」
省4
313: [saga] 2024/02/15(木)19:24 ID:DcOEz2F40(2/21) AAS
海の男「で、トンネルは見つかったのか?」

パンパン

くーちゃん(大楠さんに、合掌してます)

くーちゃん(てっきりさっさと連れ戻されるかと思いました)

くーちゃん「はい、みつかりました」
省2
314: [saga] 2024/02/15(木)19:25 ID:DcOEz2F40(3/21) AAS
くーちゃん「とても長い間、さみしがってました」

くーちゃん「ただ、そこに生えてただけなのに、いろいろ勘違いされて」

くーちゃん「持ち上げられて、勝手に絶望されて、もううんざりしてる感じがしました」

海の男「お前のトンネルに入る力ってのは、眉唾じゃねえみたいだな」

海の男「お前の言う通りだよ」
315: [saga] 2024/02/15(木)19:27 ID:DcOEz2F40(4/21) AAS
海の男「大昔は、この島にも人がいた」

海の男「この大楠も、御神木として崇められた」

海の男「たくさんの人が崇拝したよ。だけどな」

海の男「土砂崩れで、木の半分や、島民の家やらが埋まっちまった」

海の男「言われちまったよ。大楠の祟りだってな」
省6
316: [saga] 2024/02/15(木)19:38 ID:DcOEz2F40(5/21) AAS
海の男「で、だ」

海の男「満足したか?」

くーちゃん「微妙です」

くーちゃん「もう1回いってきます」

海の男「」
省6
317: [saga] 2024/02/15(木)19:39 ID:DcOEz2F40(6/21) AAS
くーちゃん「あとハナちゃん」

くーちゃん「ちょっと雰囲気変わりましたね」

ハナ「え、そう?」

くーちゃん「では」

くーちゃん「いってきます」
省3
318: [saga] 2024/02/15(木)19:46 ID:DcOEz2F40(7/21) AAS
くーちゃん(…しずかですね)

くーちゃん(あ、でも、そんなにさむくないです)

くーちゃん(あったかいです)

くーちゃん(沼も、こんなに近くなかったです)

くーちゃん(それに)
省1
319: [saga] 2024/02/15(木)19:47 ID:DcOEz2F40(8/21) AAS
くーちゃん「大楠さん。呼んでくれてうれしかったです」

くーちゃん「でもくーちゃん、もう少しあっち側、います」

大楠さんは何も言いません

引き留めても来ませんし、応援もしてません。

でもそれでよいんです。
省2
320: [saga] 2024/02/15(木)19:48 ID:DcOEz2F40(9/21) AAS
このトンネルでは、何も聞こえません。

他のトンネルなら、不思議な音がたくさん響いてて、メロディになってることが多いんです。

トンネルの植物さんが歌いたいから、きっとそんな音が流れてたんです。

だからきっと大楠さんは、歌いたい気分じゃなかったんでしょう。

でもくーちゃんは、歌いたくてたまりませんでした。
省5
321: [saga] 2024/02/15(木)19:49 ID:DcOEz2F40(10/21) AAS
気が付けばくーちゃんは、トンネルから現実に戻ってました。

沼の香り、さみしい風は、もうありません。

お日さまの光、気持ちよかったです。

そして、歌の続きを寝そべったまま歌います。

空に溶けてくみたいに、歌は、高く高く響き渡ります。
省3
322: [saga] 2024/02/15(木)19:50 ID:DcOEz2F40(11/21) AAS
すると、ハナちゃんは、地面に落ちている枝を、突然手に持ちました。

そして、湿った土を、絵具みたいにつけて、

地面に置かれたトンネルの絵に、枝をふれさせて、

そのまま何かを描き始めました。

丸、三角、不思議に枝分かれした線、ぐるぐるうずまき、
省9
323: [saga] 2024/02/15(木)19:52 ID:DcOEz2F40(12/21) AAS
海の男「ほら、お前らロクなもん食ってねえんだろ」

海の男「これでも食え」ごそごそ

くーちゃん「おにぎり」

くーちゃん「手作りですか?」

海の男「ああ、海の男特性おにぎりだ」
省7
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