【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 (1002レス)
【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/
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965: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/07/15(月) 17:31:55.86 ID:biT3SkuF0 ―冒険者ギルド ミュージア支部 受付嬢「依頼達成おめでとうございます! こちら、報酬になります!」 金袋「」チャリン ローガン「うむ。確かに受け取った」 受付嬢「お仕事をお探しの時はまたいつでもどうぞ!」 エバンス「おう……」 * ―大通り ワイワイ ガヤガヤ ローガン「ふう……。お疲れ様だ、エバンスくん」 エバンス「おう……。ローガンの旦那も、お疲れ……」 ローガン「浮かない顔だな」 エバンス「いや……そんなことねえよ」 ローガン「そうか?」 エバンス「……」 ローガン「……」 エバンス「……いや……そんなこと、あるな……」 ローガン「そうか」 エバンス「ああ……。前だったら……こんな獣退治なんかしても、何も感じなかったのにな……」 ローガン「それは……」 エバンス「……クロシュちゃんたちと一緒に来て、スライムの生き方とか、妖精の昔話とかを聞いたりしたせいかさ……。ああいうオオカミたちも俺たちと同じで、今を必死に生きてる奴らなんだって、わかるようになっちまったっつーか……」 ローガン「うむ……」 エバンス「わかってるよ。だからって情けなんかかけたら、俺たち人間の生活が危なくなる。畑を荒らしたんだから、退治されんのは自然の成り行きだ」 ローガン「そうだな。これも、生存競争の一つだ」 エバンス「ああ……。ったく、二十歳を越えていっぱしの傭兵を気取ってたつもりなんだがな……。俺、まだこんなに青臭かったのか……」 ローガン「戦士には不要どころか、持っていない方が良い感覚だろうな。戦場で、敵の生に思いを馳せてしまうなど」 エバンス「だよなあ……。はあ、こんなんでやっていけんのかな俺……」 ローガン「だが他者と共に生きていくなら、決して失ってはならぬ感覚でもある……と私は思う」 エバンス「……」 ローガン「フッ……それに恐らく我がパーティの女性陣は、そういう優しさを持った人物の方が好みであると思うぞ」 エバンス「ははっ、そうかもな」 ☆ローガンとエバンスの剣技経験点が[3/4]になりました ☆ほどほどの収入を得ました ◆ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/965
966: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/07/15(月) 18:14:26.08 ID:biT3SkuF0 ―工芸店 カランカラン 木彫りのマグロ「」 美しい意匠の木製チェスト「」 ガラス細工のザリガニ「」 お洒落なランプ「」 テントウムシのブローチ「」 イリス「わあ……!」 芸術妖精「ここでは最高の技術力を持った職人たちの工芸品を扱ってるんだよ〜」 ミスティ「おしゃれなインテリアからかわいい装飾品まで、色とりどりね……」 妖精「クロシュ……一人で大丈夫かな……」 芸術妖精「大丈夫だよ! 一人で考えたいって言ったのはクロシュちゃんだし、自分自身を見つめるには一人の方が良い時もあるもん!」 妖精「そうだけど……思い詰めすぎてデロデロに溶けてないかなあ……」 芸術妖精「あはは、そうなったらそれもまた芸術だよ! 前にも後ろにも進めなくなってデロデロになるなんて芸術家にとっては日常茶飯事!」 ミスティ「そういうものなの……」 イリス「芸術家って難しいんだなあ……」 ↓1自由安価 何か買う? http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/966
967: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2024/07/15(月) 18:23:18.97 ID:IsS2qb1EO ザリガニ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/967
968: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/07/15(月) 19:47:50.46 ID:biT3SkuF0 ガラス細工のザリガニ「」キラキラ イリス「これは……ガラスのザリガニ……!!」 芸術妖精「見事な一品! ガラスでここまで精巧に美しいザリガニを創り上げるなんて、この職人はタダ者じゃない!」 ミスティ「でも本当にすごく綺麗……。それに、今にも動き出しそうな気迫を感じるわ……。これも、ぱわーというやつなの……?」 芸術妖精「そうだね! こういうお土産屋で売る商品はぱわーを控えめに抑えられることが多いんだけど、これは全くそんな手心を加えてる様子がない。真のザリガニを創り上げようっていう強烈な熱意が籠もってる……!」 妖精「すごいな……。でも、そんな大切なものを売り物にしちゃって良いの?」 芸術妖精「芸術家にもいろんなタイプの人がいるんだよ。自分の出来上がった作品に何の興味も関心も抱けない人とかさ。これの作者もそういう人なのかも」 ミスティ「ええ……? どういうこと……?」 芸術妖精「創ってる最中は、何よりもその作品に情熱を注いでるんだよ。でも出来上がった途端にどうでもよくなっちゃうんだってさ。作品そのものじゃなくて、作る過程に意味を見出してるのかもね」 妖精「全く理解できない……」 ガラス細工のザリガニ「」キラキラ イリス「……これ、微かに川の魔力を感じる……。見た目だけじゃない、魔力的にもザリガニに迫ろうとしてるんだ……!」 妖精「ほ、本当だ……。並々ならぬこだわりを感じる……」 イリス「そして川の魔力と言えば……」ゴソゴソ ザリガニのお守り「」ポン! ミスティ「それは……魔族国の工芸店で買ったザリガニのお守り!」 イリス「うん……。なんだか、とても偶然とは思えないんだよね」 妖精「いや、偶然だと思う……」 イリス「もー! 妖精さんは運命ってやつがわかってないなあ!」 妖精「ええ……」 イリス「というわけで、私買うね! このザリガニ細工!」 芸術妖精「おおー!」パチパチ ☆ガラス細工のザリガニを購入しました ◆ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/968
969: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/07/15(月) 19:49:13.09 ID:biT3SkuF0 ―絵空の家 アトリエ クロシュ「……」 真っ白なキャンバス「」 クロシュ「……」 クロシュ(わたしが……描きたいもの……) クロシュ(フメイちゃん……スライム……カタツムリさん……これも、わたしが描きたくて描いたもの……。でも……あのおじいさんが言ってたのとは、少し違う気もする……) クロシュ(描きたいもの……) クロシュ(わたしの、見たい景色……。願い……祈り……) クロシュ(わたしは――――) ↓1コンマ 01-10 全てが溶け合った世界(??) 11-50 あの日に帰りたい……(望郷) 51-90 みんなと、一緒に――(希望) 91-00 全てが溶け合った世界(??) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/969
970: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2024/07/15(月) 19:52:50.99 ID:anJXC2twO クリティカル http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/970
971: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2024/07/15(月) 20:07:54.18 ID:1cIZXyWDo うおおおお!! http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/971
972: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/07/15(月) 20:38:58.15 ID:biT3SkuF0 デロデロ… モニョモニョ… 色付いていくキャンバス「」デロデロ デロデロ… デロデロデロ… ◆ レーティア「クロシュちゃん、ずっと籠もってますね……。少しお茶菓子でも差し入れしてあげましょう」スタスタ レーティア「ちょっと失礼しますよ、クロシュちゃ――」ガラッ スライムとインクの飛び散ったアトリエ「」デロデロ スライムクロシュ「」デロロ… レーティア「クロシュちゃん!?」タタッ 何かが描かれたキャンバス「」デロデロデロ… レーティア「ううっ!? こ、これは……一体……!?」 レーティア(そこに描かれていたものは、人間の私に理解可能なものではなかった) レーティア(だが……そこに迸っている、尋常ならざる情念は……クロシュちゃんの、内なる意思の具現そのもので――) レーティア(……キャンバスだけでなく、このアトリエや、見ている私までもが――クロシュちゃんのように、溶けてしまいそうで――) レーティア(私たちは……とんでもない怪物を、目覚めさせてしまったのかもしれない……) ☆クロシュのぱわーが[☆]になりました ◆ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/972
973: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/07/15(月) 20:41:14.43 ID:biT3SkuF0 ―夜 絵空の家 アトリエ 何かが描かれたキャンバス「」デロデロデロ… 芸術妖精「わお……わお、わお、わおおおおお!!!」キャッキャ イリス「こ、これは……!?」 ミスティ「い、一体……何が描かれているの……!?」 妖精「クロシュ……これ、何……?」 半スライムクロシュ「んゅ……わかんない……」デロ… 芸術妖精「すごい!! クロシュちゃんすごいよおお!!! わたしこんなの見たことない!! こんな美しい絵、今までに一度も見たことないよおおお〜〜!!」キャッキャ イリス「芸術家の妖精さんがおかしくなっちゃった……」 レーティア「いえ、でも……私もここまで凄まじい絵は見たことがありません……。彼女がおかしくなるのも無理はないかと……」 芸術妖精「だって、すごいんだよ!!? これはさ! 世界!! 世界だよ!!! 全てが溶け合い、混じり合い、一つになった――完全なる世界の形なんだよ!!!!」キャッキャ ミスティ「わ、わけがわからないわ……」 イリス「クロシュちゃん、そうなの……?」 クロシュ「……たぶん……そう、かも……?」 妖精「クロシュ……あなたは……」 妖精(もし、この絵が今あいつが言ったように、全てが溶けて混じり合った世界の姿だというのなら……。それが、クロシュの願いだということ……?) 妖精(でもそれは……まるで、魔王のようだよ……。世界全てを溶かして、一つにしたいと願うなんて……) 妖精(クロシュ……) パシンッ 妖精「え……」ヒリヒリ 芸術妖精「悲観してないでもっとよく見てあげてよお〜!! この絵を!! この絵が持つぱわーを!!」 妖精「……」 何かが描かれたキャンバス「」デロデロデロ 妖精「……!」 芸術妖精「わかった? クロシュちゃんはクロシュちゃんのままだよ〜」 妖精「うん……」 芸術妖精「んふふ〜まあ過激思想なのは変わりないけどね〜。でもこれは紛れもなく、クロシュちゃんの愛の形ってこと!」 妖精「むむう……」 クロシュ「妖精さん……」 妖精「……変な気を起こしちゃだめだからね、クロシュ」 クロシュ「うん……」 ☆全てが溶け合った世界(愛)を描きました ◆ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/973
974: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/07/15(月) 20:43:09.33 ID:biT3SkuF0 ―空 ヒュオオオオオオ… 「……」 ヒュオオオオオオ… 「……?」 ヒュオオオオオオ… 「……!」 ヒュオオオオオオ… 「……〜〜」モニョモニョ デロデロ…ポン!! ◆ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/974
975: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/07/15(月) 20:44:20.02 ID:biT3SkuF0 ―芸術都市ミュージア 滞在4日目 ◇クロシュ [あかちゃんスライム] 武:メイドブレード 盾:ウニ盾 飾:くすんだ耳飾り 武:竜珠の杖 防:ゴスロリエプロン 飾: ◇妖精 [世話焼き妖精] 武: 盾: 飾:くすんだ耳飾り 武: 防:精霊のレオタード 飾: ◇イリス [星の魔法使い] 武:精霊樹の杖[改] 盾: 飾:くすんだ耳飾り 武: 防:魔術師のローブ 飾: ◇ミスティ [氷の魔法使い] 武:魔銀の短剣 盾: 飾:くすんだ耳飾り 武: 防:精霊のローブ 飾: ◇ローガン [鋼の戦士] 武:鋼の剣 盾:鋼の盾 飾:くすんだ耳飾り 武:鋼の回転ノコギリ 防:鎖帷子 飾: ◇エバンス [地の傭兵] 武:魔銀の剣 盾: 飾:くすんだ耳飾り 武: 防:革の鎧 飾: ◯所持アイテム ・鉄鍋+携帯調理器具 ・蜘蛛絹の下着 ・ザリガニのお守り ・魔術書「星の魔力」 ・魔族国永久旅券*5 ・マジカルブラッドワイン ・反魂丹*2 ・運命賽*4 ・雨乞い傘 ・フメイの服の切れ端 ・精霊の印*5 ・精霊樹の実のジャム ・精霊樹の鉢植え ・フメイとアリシラの人形 ・お宿の焼き菓子 ・お宿の妖精の織物 ・メルルの帽子 ・魔導飯盒 ・妨害魔力波発生装置 ・属性大全 ・大きな巻き貝 ・大きな軽石 ・闇の欠片 ・暗黒行商少女の契約書 ・フリルワンピース水着 ・魔法学園のスクール水着 ・炎鉱石 ・魔王図鑑 ・溶岩石のアミュレット*6 ・暗黒優待券 ・ガラス細工のザリガニ ◯現在の目標 ・フメイちゃんを探す ・世界樹の光を追う[0/5] ・風になる[2/12] ・ぱわー[☆]達成! ◯仲間の目標 ・ブラッドを倒す(ミスティ) ・剣技を磨く[3/4](ローガン) ・剣技を磨く[3/4](エバンス) …………………………………………………………………………………… □芸術都市ミュージア 主要施設 大通り:絵空の家、武具屋、雑貨屋、美術店、工芸店、劇場、図書館、博物館、食事処、酒場、浴場、冒険者ギルド、他 裏通り:怪しい露店、怪しい絵売り、怪しい工芸店、娼館、見世物小屋跡地、他 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/975
976: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2024/07/15(月) 20:45:10.22 ID:j7Y9AAzAo 人類補完計画かな http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/976
977: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/07/15(月) 20:45:33.23 ID:biT3SkuF0 ―絵空の家 アトリエ 何かが描かれたキャンバス「」デロデロデロ… エバンス「うおおおお!!? こ、こりゃ一体……」 ローガン「これが……クロシュくんの、絵だと……」 レーティア「はい。彼女の真のぱわーが開花した姿……それが、この絵なのです」 エバンス「そうなのか……なんかわかんねえがすごいのはわかるぜ!」 レーティア「はい。実際凄い絵です。ただ……」 ローガン「ただ……?」 レーティア「この絵に込められたもの……それは、王族の方々には許容できないものである可能性がありまして……。クロシュちゃんにお絵かき演舞へ出てもらうべきか否か、迷っています」 エバンス「そ、そうなのか……。まあ王族連中の機嫌を損ねたらやばいもんな……」 ローガン「ううむ……だがこの国の王族は芸術には寛容と聞くぞ。その意図が何であれ、芸術的ぱわーが優れているなら認めるのではないか?」 レーティア「そう思いたいところですが、万が一ということもありますし……。私の首だけならともかく、クロシュちゃんの首が飛ぶなんて絶対にだめなんです。これほどの逸材を失うわけにはいきません」 ローガン「うむ……確かに、楽観視して最悪の結果を引き起こすのは避けるべきかもしれんな」 レーティア「しかしクロシュちゃんが出られないとなると代役不在問題が浮上するんです! あああ、どうしましょう……!!」 エバンス「あんたの首はどっちにしてもやばいのかよ!」 ミュージア滞在4日目です。5日目から芸術祭が始まります ↓1〜3 自由安価 何をする? http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/977
978: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2024/07/15(月) 20:46:04.14 ID:j7Y9AAzAo レーティアと身の上話というか雑談というか http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/978
979: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2024/07/15(月) 20:46:10.14 ID:Nqhw6/ib0 妖精コンビの語らい http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/979
980: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2024/07/15(月) 20:47:40.10 ID:aIdYEH0q0 ローガンエバンス剣舞姉妹以外で剣術の得意な人物を探し手合わせをする http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/980
981: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage] 2024/07/15(月) 20:57:50.11 ID:aIdYEH0q0 >>980少し訂正 ローガンエバンス 剣舞姉妹以外の剣術が得意な人物を探し手合わせする http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/981
982: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/07/15(月) 22:15:21.05 ID:biT3SkuF0 ―絵空の家 ロビー イリス「そういえばレーティアさんのロスチャイルドって、もしかしてあの有名な――」 レーティア「ゲーッ違います違います! あんな薄穢い悪徳貴族なんか何の関係もない赤の他人ですね!」 イリス「そ、それは失礼しました」 ガチャッ 執事「レーティアお坊ちゃま、お久しゅうございます」スタスタ レーティア「ゲーッなんて時に来るんですか!? 帰れ帰れシッシッ!」シッシッ 執事「レーティアお坊ちゃま……。それではまた日を改めさせて頂きます。くれぐれも、火遊びはなさり過ぎぬよう……」スタスタ バタン… イリス「お坊ちゃま……!?」 ミスティ「嘘でしょ……」 クロシュ「わあ……」 * レーティア「はあ……見られてしまったものは仕方ありません。そうです、悪徳貴族ロスチャイルドの末席に居座るはこの私、レーティア・フォン・ロスチャイルドという男なのです」 イリス「お、男の人だったんですか……!」 レーティア「別に女装してるつもりはないんですが、勘違いされやすい容姿ではあるかもしれないですね。我ながら声もちょっと高い気がしますし」 ミスティ「完全に騙されてたわ……。でも女だと思われるといろいろ面倒なことに巻き込まれたりしないの?」 レーティア「あるにはありますけど、女と思われた方が便利な場面もありますからね。ケースバイケースですよ」 イリス「器用だなあ……」 レーティア「ま、あのくそったれ貴族への意趣返しみたいな気持ちもなくはないですね。あいつらは私をゴリゴリムキムキの男に仕立てようと必死でしたから。下らないマッチョイズムが蔓延る原始的環境、それが貴族社会ってやつですよ」 イリス「そ、そうなんですね……。貴族ってのもいろいろ大変なんだなあ……」 レーティア「ええ、そりゃもう。人間界の癌ですよあんな奴ら。とっとと滅びれば良いんです」 ミスティ「凄い恨みだわ……」 レーティア「というか私なんかのことよりクロシュちゃんのことですよ! 明日のお絵かき演舞ですが――」 クロシュ「うん……わたし、描ける……」 レーティア「いや……しかし、もしあの絵がうちの妖精さんの言ったような絵だった場合、王族の方々のお気に召さない可能性が……」 イリス「あ、そういうこともあるんだ……」 ミスティ「ええ……じゃあどうするのよ……?」 クロシュ「……えと、じゃあ……人間には、わかんないように……描けば、いい……?」 レーティア「ハッ……! そうか、言われてみれば! 確かに私もあの絵を初めて見た時、その意図を全く読み取れませんでした! しかし強烈なぱわーはしっかり感じられました。なら、同じように描けばそれで問題ないかも……!」 イリス「えと、王族の人たちが理解できなければ問題ないってことですか?」 レーティア「そうです! 理解できないけどすごいぱわーは感じられる……そうなれば問題ないはず! よし、それでいきましょう!」 クロシュ「ん、わかった……」 レーティア「あ、でも……お絵かき演舞では、みんなの見ている前で絵を描くことになるのですが、スライムの姿にならずにもう一度あの絵を描くことは可能ですか?」 クロシュ「一回描けたから、できると思う……」 レーティア「エクセレント! それでは今日のうちに予行練習もしておきましょうか。当日は私もお手伝いいたしますから、何か不安なことがあったら遠慮なく仰ってくださいね」 クロシュ「うん、ありがと……」 ◆ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/982
983: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/07/15(月) 22:35:28.12 ID:biT3SkuF0 ―絵空の家 屋根裏 芸術妖精「わあ、いらっしゃい〜! ふふ、ここに妖精のお客さんが来るのは初めてだなあ〜。ネズミさんとかは時々来るんだけどね〜」 妖精「そ、そう……」 描きかけのキャンバス「」 妖精サイズのイケメンゴーレムのパーツ「」 散らばった工具「」 ごちゃごちゃした紙くず「」 妖精「掃除しないの?」 芸術妖精「してるよ! 時々!」 妖精「そ、そう……」 芸術妖精「ちょっと待っててね、今お茶淹れる〜」パタパタ 妖精「ええ……この汚い部屋で淹れられたお茶、あんまり飲みたくないんだけど……」 * http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/983
984: ◆eAA16RTlRw2e [saga] 2024/07/15(月) 22:38:18.01 ID:biT3SkuF0 フェアリーシロップティー「」コトン 芸術妖精「はい! わたしのシロップだよ〜」 妖精「はいはい。いただきます」ズズ 芸術妖精「んふふ〜、美味しい〜?」 妖精「んん……思ったより普通に美味しい……。もっとトンチンカンな味付けしてるかと思ってた……」 芸術妖精「そんなことしないよ〜! 味付けを芸術にしちゃう人もいるにはいるけど、わたしは人に出すものはちゃんと相手のことを考えて出すよ〜」 妖精「随分まともなこと言うなあ……」 芸術妖精「わたしはまともだよお〜!」 妖精「はいはい……。……昨日はさ……ありがと」 芸術妖精「んえ? 何だっけ?」 妖精「……わたしが、クロシュの絵を読み違えて狼狽えてた時……あなたが頬を叩いてくれたでしょ。お陰で、ちゃんと見れたの」 芸術妖精「ああ〜! んふふ、まあ仕方ないよ〜。わたしは芸術慣れしてるけど、他の人はそうじゃないからね〜」 妖精「むう……ちょっと悔しい……」 芸術妖精「ふふ……あなたは、クロシュちゃんのことがとっても大切なんだね」 妖精「へ? ま、まあ……あいつはまだ赤ちゃんだし、放っておけないし……?」 芸術妖精「んふふ〜わかるよ〜。クロシュちゃん、わたしを助けてくれたときはすっごくかっこよかったけど、普段の姿はもにょもにょででろでろなんだもん!」 妖精「うん……。時々、あの子が何考えてるのか……わかんなくなる時がある……。フメイ……あの子の大切な友達を探したいって気持ちは、ずっと変わらないと思うけれど……。でも、あの子の目に映る世界は……一体、どんな風なんだろうって、すごく不安になる時があって……」 芸術妖精「……大丈夫だよ。あの絵、見たでしょ……? あれが、クロシュちゃんの心だもの……」 妖精「でも……あの願いを支えている……あなたの言う愛≠チてやつは……。ほんの僅かな掛け違いで哀≠ノ転じる、とても不確かで儚い祈りなんだよ……」 芸術妖精「うん……」 妖精「もしクロシュが……その愛ゆえに、大きな哀しみを抱いて……。世界樹の力に手を伸ばしたりなんかしたら……」 芸術妖精「……大丈夫。あなたが、そばにいるもの」 妖精「え……?」 芸術妖精「芸術の果てにおかしくなる人ってさ……みんな、孤独なんだよ。一人ぼっちでキャンバスに向かい続けてると、いつかおかしくなっちゃうの。孤独は、どれほどの高潔な芸術家をも蝕む、最凶の呪いなんだよ」 妖精「……」 芸術妖精「大体の芸術活動って、孤独なものだからさ……。おかしくなっちゃう芸術家はこの街でも後を絶たないんだ。芸術に人生を捧げるっていうのは、そういうことなのかもね」 妖精「そう、なんだ……」 芸術妖精「でもクロシュちゃんは違うでしょ? あの子は芸術が本業ってわけじゃないし、いつだってあなたや、イリスちゃんたちがそばにいる。クロシュちゃんの見てる世界は、きっといつまでも……希望を失わない」 妖精「……!」 芸術妖精「だから大丈夫。クロシュちゃんは、あなたたちが一緒だもの!」 妖精「……ふふ、ありがと。あなたに励まされちゃうなんてね……」 芸術活動「んふふ〜こう見えてわたしも長生きだからね〜」 妖精「……ねえ、でもあなたは? あなたは大丈夫なの?」 芸術妖精「まあ私はね〜。今はレーティアも面倒見てくれてるし、ここを出たらフォレスティナでまたパトロン探しからかな〜」 妖精「……確かに、あなたは割と大丈夫そうだね。うん」 ◆ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/984
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