イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (965レス)
イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/
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346: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/08/27(月) 02:54:11.48 ID:iVEceFNv0 …食後・バーカウンター… 提督「…どうもよく分からないわ」 ライモン「何がです?」 提督「アッチアイーオの態度よ……さっきまでキスしてくれたり、身体を寄せてふとももを撫でてくれたりしていたと思ったら、急に突き放すような態度になったり…」 カヴール「そうですねぇ…もしかしたらかなりの気分屋さんなのではありませんか?」 提督「それだけ?」 エウジェニオ「うーん、そうねぇ……何かその「スイッチ」になりそうなことはあったかしら?」 提督「えーと…何だか私から触ったりすると怒ったような気がするわ……」 アルピーノ・バニョリーニ(大型潜リウッツィ級)「ならアレね、自分から仕掛けたい性格なのよ…私と同じで♪」手の速いバニョリーニは「よく分かるわ」とばかりに、うんうんとうなずいている… 提督「んー…でもそれだけでもないような気がするのよね。もう一杯ちょうだい?」 エウジェニオ「はいはい…それじゃあ悩める提督さんにはちょっとほろ苦いドライ・マルティーニね♪」 提督「ありがと…今の気分にぴったりだわ」 トリチェリ(大型潜ブリン級)「あの、皆さんで頭を悩ませているようですが…どうしたんです?」 提督「あぁ、トリチェリ……いえ、アッチアイーオの気分がよく分からなくって…」 トリチェリ「言われてみると、素っ気なかったり甘えてみたり…何だか態度が猫の目みたいに変化していましたね」 ガルヴァーニ(ブリン級)「ふふ…ならちょっと頭に電極でも差し込んで、ピリッと電流を流せば……あとは電流カエルと同じで、お好きなようにビクンビクンさせられるわよ?」いつもマッドサイエンティストめかしているガルヴァーニは、危ない笑みをうかべてカクテルをすすった 提督「もう、またそうやってフランケンシュタイン博士みたいな事を言って…アッチアイーオが私の事を嫌いならまだ分かるけれど、甘えられたり素っ気なくされたりする理由が何なのか……どうも気になるのよね」 ガリバルディ「あら、鎮守府の女たらしが三人も集まって頭を抱えて…一体どうしたの?」 ライモン「…それ、わたしのことじゃないですよね?」 ガリバルディ「ええ、大丈夫よ…提督にエウジェニオ、それとバニョリーニの三人よ」 カヴール「あら、私はダメですか?」 ガリバルディ「カヴールみたいな貴婦人に「女たらし」なんて失礼でしょう♪」ウィンクを送るガリバルディ… カヴール「あら、嬉しいお言葉…さすがはガリバルディですね」 ガリバルディ「ふふ、褒められて怒る人はいないもの……で、何の話?」 提督「それが…アッチアイーオの気分がよく分からなくって」 ガリバルディ「ふふ…今日はじめて顔を合わせておいて、それで心の奥底まで分かろうなんて……提督もシチリア人そこのけに気が短いわね♪」 エウジェニオ「でも気になるでしょう?」 ガリバルディ「まぁね。とりあえず、そういう時は行動あるのみ…アッチアイーオ?」 アッチアイーオ「…なに、呼んだ?」たっぷりの昼食とワインで、ほど良く身体が火照っているらしいアッチアイーオ…頬が軽く赤らんでいる… ガリバルディ「ええ、提督が話をしたいそうよ」 アッチアイーオ「あ…そ、そうなの///」 提督「さぁ、かけて……飲み物は何がいい?」 アッチアイーオ「え、えぇ…と///」 エウジェニオ「とりあえずカンパリオレンジにでもしておくわね?」 アッチアイーオ「じ、じゃあそれで…で、私に「用事」って///」 提督「ええ」 アッチアイーオ「それは、その…嬉しいけど、ちょっと気が早いんじゃない……?」 提督「こうやって話をするのに「気が早い」ことなんてあるかしら?」 アッチアイーオ「あっ、ううん…別に何でもないの!」 提督「それじゃあしばらくの間だけ、おしゃべりでもしましょう?」 アッチアイーオ「え、ええ…提督とたくさんお話できるなんて、嬉しいっ……///」 提督「んー?」 アッチアイーオ「…き、聞こえなかったことにして///」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/346
347: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage] 2018/08/27(月) 11:30:49.55 ID:17rKoUCyo 猫ってどっちの意味なんですかねえ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/347
348: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/08/28(火) 01:26:56.59 ID:mI7o8oHy0 …数日後・厨房… 提督「うーん…」エプロンの紐を結びながら、眉をひそめている提督… チェザーレ「…何だ、まだアッチアイーオの事で悩んでいるのか?」 提督「ええ…」 バンデ・ネーレ「提督もこりないよね…ボクならあきらめている所だけど……」 ジュッサーノ「本当にね。だいたいけんつくを喰らって落ち込むくらいなら、はなからちょっかいを出さないでおけばいいのに」 提督「むぅ…そうは言っても甘えに来てくれるときは本当にベッタリだし、せっかくの好意をむげにするのも悪いような気がして……」 ルイージ・トレーリ「そうですねぇ、個人的にはジァポーネで言うところの「ツンデレ」ではないかと思いますけれど…どうでしょうか?」 提督「それって「好きだけれど気恥ずかしいからわざと突き放したりする」っていう…」 トレーリ「ええ、それです♪」 提督「んー…それも考えては見たのだけれど、そう言う感じでもないのよね……」 カヴール「ふふ…それで距離を縮めようと、一緒にお料理を作る約束をなさったのですものね?」 提督「ええ。隣り合って厨房に立てば少しは性格も分かるんじゃないかって…あ、来たわね♪」 アッチアイーオ「チャオ、提督…んーっ///」 提督「はぁい……ちゅっ♪」 アッチアイーオ「ふぅぅ…部屋の模様替えをしようと思ってあれこれ動かしたら、もう汗びっしょり……汗くさくない?」 提督「ふふ、大丈夫よ…♪」汗ばんだ頭を軽く撫でる… アッチアイーオ「あぁ、よかった…せっかく提督と一緒なのに汗くさかったら嫌だもの……///」頬を赤らめ、人差し指の指先をもじもじとこすり合わせる… 提督「もう、そんなに気にしなくたって大丈夫よ……さぁ、美味しいパスタを作りましょうね?」 アッチアイーオ「え、ええ……提督と一緒なら何でもおいしいけど…///」 提督「あら、嬉しいお言葉♪」 アッチアイーオ「…だって、本当の事だもの……///」 チェザーレ「ふぅむ…どうすればこの甘えっぷりが、あの木で鼻をくくったような態度になるのだ?」 トレーリ「ふふ、提督はそれを調べるつもりなんですよね…♪」 チェザーレ「うむ……まぁいい、手伝いが欲しくなったらそう申してくれ」 提督「ありがとう…それじゃあアッチアイーオ♪」 アッチアイーオ「ええ、二人でお料理なんて楽しみ…///」 ……… … http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/348
349: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/08/28(火) 02:12:14.40 ID:mI7o8oHy0 提督「…それじゃあニンニクを刻んでもらえる?」厨房のガス台はパスタ鍋にお湯を沸かそうと強火になっていて、換気扇だけでは抜けない熱でずいぶんと暑くなっている…ふと壁の温度計を見て、思わずげんなりする提督…… アッチアイーオ「ええ、任せて……それはそうと、提督は甘い匂いがするのね///」 提督「香水はつけていないけれど?」 アッチアイーオ「べ、別に香水とかそう言うのじゃなくって……提督そのものが…よ///」 提督「まぁ…♪」 アッチアイーオ「本当にいい匂い…甘いクリームみたいな……ちゅぅ♪」提督の頬を舐めるようにキスをした… 提督「まぁ…んふふっ♪」 …食堂… トレーリ「どうやら、今の所は順調のようですね」 チェザーレ「うむ…カヴールはどう見る?」 カヴール「私もお二人の見立てと同じです。大変に仲睦まじくて、いい雰囲気ではありませんか♪」 … 提督「さてと、パスタのソースはこれでよし…と」 アッチアイーオ「ボーノ♪ とっても美味しいっ…提督の手づくりだからかしら///」 提督「ふふ、お褒めにあずかり恐縮です♪」 アッチアイーオ「あっ、提督」 提督「んー?」 アッチアイーオ「……ソースをこぼしちゃった…舐めて?」 提督「あらあら…ちゅっ、んちゅっ♪」アッチアイーオが胸元に垂らしたマリナーラ(プッタネスカ)のソースをぺろりと舐めあげる提督… アッチアイーオ「ん、んふぅ……っ///」 提督「ふふっ……そういえば、冷蔵庫からサラダの野菜を出さないといけないわね」 アッチアイーオ「ねぇ、それじゃあ一緒に行きましょう?」 提督「ええ♪」アッチアイーオの手をそっと包み込み、指を絡めた… …食料庫・冷蔵室… 提督「ふー…やっぱりここは涼しくていいわね」 アッチアイーオ「ね、ねぇ…何で手を握っているの///」 提督「だって、アッチアイーオの手がすべすべしているんだもの♪」 アッチアイーオ「それじゃあ答えになってないわ……早く野菜を出して戻りましょうよ」 提督「あら、今さらになって照れちゃったの?」 アッチアイーオ「別に照れるような事なんてないでしょ…」急に黙りこくって唇をきゅっと結んでいる… 提督「ふふ、いいのよ…ここなら、しばらくは誰も来ないから……ね?」指先でそっと背中をなぞり、腰のくびれまで撫でおろしていく… アッチアイーオ「……だから、あんまり触られたり馴れ馴れしくされるのは嫌いなの」 提督「あら、さっきまではあんなに嬉しそうだったのに?」 アッチアイーオ「さっきは…その、何て言うか……///」 提督「いいのよ、遠慮しないで? …私、アッチアイーオの事が好き……♪」優しい手つきでふとももを愛撫し、少し屈んでそっと唇を近づける… アッチアイーオ「ふ、ふざけないでっ…!」パァン…! 提督「…っ!?」 アッチアイーオ「提督は私の事を「ちょっと一緒に過ごして、甘い言葉さえかければすぐにコロリと参っちゃう」とでも思ってるんでしょう…私はそんな甘くないわよ!?」 提督「違うわ……ねぇ、急にどうしたの?」冷蔵室の冷気で余計にヒリヒリと傷む頬を押さえて、涙目でしゃがみこむ… アッチアイーオ「この数日、あなたが司令だからっておままごとにつき合ってあげたけど…たとえ肩章に「二つ星」が付いていても、私の気持ちまで思い通りになるわけじゃないんだからっ!」 提督「…アッチアイーオ」 アッチアイーオ「命令は聞いてあげるけど、それ以外はお断りよ!」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/349
350: ◆b0M46H9tf98h [saga] 2018/08/28(火) 02:52:30.93 ID:mI7o8oHy0 ……… … チェザーレ「何だと?」 提督「…ええ、見ての通りよ」 カヴール「そうですか…しかし提督に手を上げるとは……」 ライモン「ほっぺた、痛くありませんか?」 提督「頬の方はもう大丈夫…でも平手打ちを受けたのは久しぶりね……」 ディアナ「保冷材はもう大丈夫ですか?」 提督「ええ、ありがとう…」 リットリオ「提督にそんなことするなんて許せませんっ…ヴェネト、ローマ!」 ヴェネト「姉さん、ちょっと落ち着いて…」 ローマ「そうです。落ち着いてください」 アッテンドーロ「ま…なかなか気の強い娘っ子みたいね?」 ライモン「それにしたって提督を叩くなんて……いくら何でもやり過ぎです」 提督「うーん…それでもまだ分からないわ」 ヴェネト「アッチアイーオの性格が…ですか?」 提督「ええ」 トレーリ「そうですね…きっと気まぐれで、その上かなりの恥ずかしがり屋さんなんでしょう」 ライモン「むぅ…それにしたってひどいです…」 ダ・ヴィンチ「ふぅ、お腹が空いたわ……って、みんなしてどうしたの?」 トレーリ「あー、実はかくかくしかじかで……」 ダ・ヴィンチ「はーん…それで提督がみんなにかこまれているのね」 提督「私はもう大丈夫なのだけれど、みんな優しいから……ところでダ・ヴィンチなら、アッチアイーオが急に機嫌を損ねる理由が分かるかしら?」 ダ・ヴィンチ「そうねぇ……あ!」 提督「何かある?」 ダ・ヴィンチ「ええ、あるわ…ふふ「名は体を表す」って言葉通りってわけね♪」 ライモン「どういうことですか?」 ダ・ヴィンチ「ふふ、ちょっと待ってて……すぐ提督にメロメロになったアッチアイーオを連れて来てあげるから」 提督「まさか。いくらダ・ヴィンチが天才でもそれはムリよ」 チェザーレ「ローマは一日にしてならず…そうそう人の気持ちは変わらぬものだ」 ダ・ヴィンチ「まぁまぁ…天才の言うことだと思って♪」 …しばらくして… ダ・ヴィンチ「ほら、みんな怒ってないから…遠慮しないで入りなさいって?」 アッチアイーオ「…提督」 提督「アッチアイーオ、さっきはいやらしい真似をしてごめんな……」 アッチアイーオ「提督、提督っ…ごめんなさいっ、痛かったでしょ!? …すぐ私が痛いのを無くなるようにしてあげるから…んちゅっ、ちゅぅ///」 ライモン「!?」 提督「……ダ・ヴィンチ?」 ダ・ヴィンチ「だから言ったでしょう「名は体を表す」って。何しろ名前が「アッチアイーオ」(鋼鉄)だから、きっと「熱したら柔らかく、冷やせば堅くなる」と思ったの…で、熱いシャワーに付き合わせたり毛布をかけてあげたりしたら……案の定だったわ♪」 アッチアイーオ「さっきは急に恥ずかしくなってあんなことして……でも本当は提督にされるの…大好きだから……今度、一緒に…ね///」 提督「ふふ、いいのよ…今度からは口づけは暖かい所でしましょうね♪」 アッチアイーオ「ええ…私がとろけるくらいに熱いキスにしてね///」 ……… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/350
351: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/08/28(火) 03:06:01.99 ID:mI7o8oHy0 …というわけで、アッチアイーオは名前をネタに「変温性ツンデレキャラ」にしてみました……熱くなればなるほど甘々のデレデレになり、冷えると冷たい態度でけんつくを喰らわせ、さらに冷えると柔らかさがなくなり、強度(メンタル)が弱くなります… >>347 とりあえず「そっちの意味」の場合は「ネコ」、生きものの場合は「猫」表記にしておきます……また、どこかで「ネコの恩返し」のような小ネタも入れようかと… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/351
352: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage] 2018/08/29(水) 11:50:47.49 ID:dnNqbs5go 冬の間はツンツンか http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/352
353: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/08/31(金) 03:31:40.98 ID:hyGYczk00 …艦娘紹介… 中型潜…アッチアイーオ(鋼鉄)級。1941〜42年生まれ。13隻 「アルゴナウタ」「シレーナ」「ペルラ」「アデュア」級と次々整備された傑作中型潜「600型」シリーズの最終タイプ。戦時下の建造だったこともあって建材の質が落ちていたと言うが、開戦以来の損害を少しでも補充し、また英地中海艦隊に対抗する面からもタイミングよく完成した意義は大きく、性能も良好だった。 外見はこれまでイタリア潜が採用していた(雨風の防げる)屋根付き艦橋タイプの司令塔ではなく、露天型司令塔としていることからドイツの「U-ボート」に似通っている。 排水量は697/850トンとこれまでの「600型」より多少増え、主機1400馬力(ディーゼル)/800馬力(電動機)で速力は14ノット/7.7ノット。 武装は533ミリ魚雷発射管4門(艦首)/2門(艦尾…一部装備のない艦も)に、100ミリ単装砲一基(司令塔前甲板)、13.2ミリブレダ機銃(連装二基?)が4挺 … 実戦では「アデュア」級の「デジエ」や「アクスム」と協力して連合軍のアルジェリア上陸作戦『トーチ』の迎撃などに参加、それぞれ優れた性能で善戦したが、英軍のレーダーやアスディックを活用した対潜グループや航空機の攻撃で次々に撃沈され、43年のイタリア休戦時には北部(ヴェネツィアなど)の基地にいた艦がドイツ側に渡すまいと自沈させるなどしたため、戦後に生き残っていたのは「ブロンヅォ」「ジアダ」「ニケリオ」「プラティノ」とごく少なかった…… このうち「ブロンヅォ」は英軍と交戦し逃げ場を失いやむなく降伏、英潜「P714」として各種機器などを調べられたが、何かとイギリス規格に合わない艦だったことから持て余され、戦後フランスに引き渡されて「ナルヴァル」(イッカク)となり60年代まで長生きした 同じく「ニケリオ」(ニッケル)はソ連に引き渡されて49年除籍、「プラティノ」は48年、「ジアダ」は66年まで長くご奉公した … 艦名は金属が主で 「アッチアイーオ」(鋼鉄) 「アラバストロ」(雪花石膏・あるいは純白の大理石「アラバスター」) 「アルジェント」(銀) 「アステリア」(ヒトデ) 「アヴォリオ」(象牙) 「ブロンヅォ」(ブロンズ・青銅) 「コバルト」(コバルト) 「ジアダ」(カット用硬石) 「グラニト」(花崗岩…日本の一部では「御影石」と言われる) 「ニケリオ」(ニッケル) 「プラティノ」(プラチナ) 「ポルフィド」(斑岩(はんがん)…紫がかった奇石の一種) 「ヴォルフラミオ」(タングステン…旧艦名は「ストロンツィーオ」(ストロンチウム)だった) この中でどうして「アステリア」だけが金属や奇石ではなく「ヒトデ」となっているのか理由は分からないが、おそらく「頭文字の「A」で始まる金属が足りなかったから」と言う気もしないではない……また「ヴォルフラミオ」(タングステン)は語源になったドイツ語「ヴォルフラム」(狼の泡)からの直訳という … 艦娘「アッチアイーオ」級は中学生そこそこのバランスのとれた引き締まった身体で、瞳や髪はそれぞれのモチーフになった金属や石と同じ色調をしている。まとっている「艤装」もそれぞれぴったりとしたボディスーツ風のもので、全身に液体金属を垂らしたような外見がSF作品に出てくるヒロインのようで非常に色っぽい…… アッチアイーオは暑いと柔らかくなって、提督にベッタリと甘えてくるが、冷え込むとつんけんした態度になる変温性のツンデレキャラで、さらに冷え込むとすっかり強度(メンタル)がなくなってしまい、落ち込んだり室内にこもったりと元気を失くす…また、ニケリオ(ニッケル)は酸やアルカリに腐食しにくいせいか、反応が少し遅い……などなど、名前の由来になった金属の性質をよく受け継いでいる。また「アデュア」級とは一緒に作戦したこともあり仲良し ……… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/353
354: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/09/01(土) 03:11:11.78 ID:aDQPcNy50 …数日後… 提督「さてさて、今日は頑張るとしましょうか」 カヴール「ふふっ…提督ったら、「今日も」ではなく「今日は」ですか?」 提督「だって今日はいつもの執務と違うもの……ね♪」 …週ごとに注文した食材などを鎮守府に届けてくるイヴェコ製の三トン積み軍用トラックから、基地祭の屋台や舞台用の木材や鉄材、ネジやボルト、ナットの類が次々と降ろされる……鎮守府の艦娘たちがわいわい言いながらそれを車庫のコンクリート床に運び下ろし、きっちりした性格のアオスタとライモンが注文書と比べては鉛筆でチェックをつける… ライモン「あ、提督…注文した物は無事に揃っていました」 提督「それは良かったわ。じゃあトラックは帰してもいいわね?」 アオスタ「はい、ですがその前にお茶でもお出ししようと…」 提督「いい考えね、アオスタ……少尉、軍曹♪」 女性士官「はい」 提督「うちの娘がお茶を淹れてくれたそうだから、テラスで飲んで行って?」 女性士官「は、いつもありがとうございます」 女性下士「本当にごちそうさまです、カンピオーニ司令…」 提督「いえいえ、こちらこそいつも配達してもらって助かっているわ♪」 女性下士「任務ですから」 提督「任務とはいえ、タラントからだと結構時間がかかるし大変でしょう?」 女性下士「ま、その間は他の職務をしなくて済みますから…♪」 提督「ふふふっ、それもそうね …確かアイスクリームがあったはずだから、どうぞ食べて行って?」 女性士官「では、お言葉に甘えて」 提督「はいはい……アオスタ、今日開けたアイスクリームって何だったかしら?」 アオスタ「えーと、確か「バナナチョコミントハワイアン」とか何とか……水色と黄色のアイスクリームでした」 提督「それ、美味しいのかしら? …ヘンテコな味であの二人に恨まれないといいけれど……」 チェザーレ「……諸君、その板は上だ…そうだ、よろしい!」 ダ・ヴィンチ「そうね、それをそこに…で、そっちを上に……そう、ブラヴォー♪」 提督「…どうやら、屋台そのものはチェザーレとダ・ヴィンチに任せておけばよさそうね」紅のマントをひるがえし堂々と指揮を執るチェザーレと、斬新なやり方で次々と屋台を建てていくダ・ヴィンチ… ライモン「そのようですね。では、他の場所を見て回りましょうか」 提督「ええ、そうしましょう……せっかくだから屋台料理の試作品を味見させてもらおうかしら」 ライモン「もう、また食べる気ですか…」 提督「ふふっ、毎晩ベッドの上で威勢のいい「跳ね馬」たちの手綱を取っているとお腹が減るのよ…♪」 ライモン「もう…っ///」 提督「よく言うでしょう? 「女は幾人もの相手を満足させることができる」って…私もみんなを満足させてあげたいから、そのぶん栄養をつけないとね♪」 デュイリオ「うふふっ、必要なら私が請け負いますからご安心くださいな…♪」…カラスの脚に綱をつけて、肩に止まらせているデュイリオ リットリオ「ぜひ私も頼って下さいねっ、提督♪」 メドゥーサ「ふふっ…私が何人だって痺れさせてあげるから、少しはこっちにも回してちょうだい……♪」 提督「ふふっ、はいはい…♪」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/354
355: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/09/01(土) 12:22:28.05 ID:aDQPcNy50 提督「そう言えば、出し物の練習はどう?」 ライモン「はい、みなさん和気あいあいとやっていますよ」 提督「そう…ちょっとのぞいてみようかしら」 ライモン「はい」 …会議室… カルドゥッチ「…ある時、イタリアへと向かう客船に一人の可哀そうな子供が乗っておりました……子供は貧しい両親によって軽業の一座に売り飛ばされ、満足に食べることも出来ずに二年を過し、ついに耐え切れなくなってイタリア領事館に駆け込んだのでした。領事は子供をかわいそうに思って、ジェノヴァ行の船に乗せてやり、事情を書いた警察署長あての手紙を持たせてやったのでした…」 エリザベス「…坊やはイタリアの子供なの?」 フレッチア「そうだよ。両親が貧乏だったから、軽業師の一座に売られちまったんだ……」 エリザベス「そうかい…それじゃあ少ないけれど、これを取っておきな?」 エメラルド「これもあげよう」 エリザベス「それじゃあ私はもっと出してあげるよ」 フレッチア「……ありがとう」 エリザベス「なに、構わないよ」 提督「そう言えば出し物は「クオレ」の中の短編に変わったのよね」 (※クオレ…デ・アミーチスが書いた「こころ」という意味の児童文学。小学生の主人公が身の回りの貧しい同級生や大人たち、また先生から教わる愛国的なお話や人情味あふれるお話を聞いて人にやさしくしたり、恵まれている自分を恥じたりするお話。「母を訪ねて」など有名なエピソードもたくさんはいっている……愛国的なお話が多いがけっして好戦的ではなく、むしろイタリアらしさや「弱きを助く」の思いやり精神、人間の持つ義侠心に訴えるものが多い) ライモン「あれは「パドヴァの少年愛国者」のお話ですね」 提督「それにしてもエリザベスとエメラルドまで友情出演してくれて……よくメアリが許してくれたものね」 グレイ提督「…構いませんとも、お互いにこういった時は持ちつもたれつですから」 提督「…」 グレイ提督「何かおかしなことを申しましたかしら?」 提督「いえ、メアリからそんな殊勝な意見が聞けるとは思っていませんでした」 グレイ提督「あら、失礼ですわね……わたくしとてこちらの基地祭の成功に協力するのはやぶさかではありませんわ」 提督「またまたご冗談を…」 … フレッチア「このお金があればもう両親だっておいらを売り飛ばしたりはしないはずさ…それにまともな服も買えるだろうな……」 カルドゥッチ「こうして見栄っ張りのイギリス人からお金を恵んでもらった少年は、あてがわれた二等船室の寝台にもぐりこんでお金の使い道を考えつつ、すさんだ心を慰めておりました…と、その当人のイギリス人たちがテーブルを挟んで、何やら話をしています……」 エリザベス「…ふぅ、レディの前でいい所をみせようと、あの子供にお金を恵んでやったものの…イタリア人の子供っていうのはみんな薄汚いねぇ」 エメラルド「何しろイタリアって言うのは街並みから貧乏くさくて汚らしいですし」 エリザベス「はは、まぁ詐欺師か追いはぎしかいないような国ですから」 エメラルド「役人は字も読めない無能ばかりだし」 エリザベス「イタリアに行くくらいならラップランド(今のフィンランド)にでも行く方がまだマシですな」 エメラルド「だいたいがイタリア人なんてほとんど泥棒みたいなもの……うわっ!」 カルドゥッチ「…イギリス人がそう言いかけたところで、寝台からばらばらと小銭が叩きつけられました」 フレッチア「ちくしょうっ、おいらの生まれた国をバカにしているような奴からもらった金なんていらねぇやいっ…返してやらぁ!!」 ……… … 提督「フレッチア、上手だったわよ♪ …ところでメアリ」 グレイ提督「何でしょう」 提督「もしかして、このお話なら「面と向かってイタリアの悪口を言えるから」協力して下さったのですか?」 グレイ提督「さて、何の事やら…♪」 提督「…」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/355
356: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/09/02(日) 01:45:14.84 ID:28KLdtNO0 提督「まぁいいです……ところで、もしよろしければ屋台料理の試作品につき合ってもらえませんか?」 グレイ提督「そうですね。ですがまだ朝食を食べたばかりですので…少しだけ」 提督「はい♪」 …食堂… ヴァイス提督「その…もう満腹で、これ以上は食べられない……」 ローマ「そうおっしゃらずに……それともまさか、ナポリのピッツァだけ食べて、ローマ風ピッツァは召し上がりたくないと?」 ヴァイス提督「そう言うつもりではないが、朝食から量が多くて…本当に食べられそうにないのだ。どうか許してもらえないか、ビッテ(頼む)……」 ローマ「そうですか、なら仕方がないですね…ですが「あの時」の恨み、まだ忘れたわけではありませんよ……」小声でぼそっとつぶやいた… ヴァイス提督「…っ!」 提督「あらローマ…ヴァイス提督に味見をお願いしているの?」 ローマ「……ええ、まぁそんなところです」 提督「なら私とメアリにも、少し味見をさせてもらえないかしら?」 ローマ「はい、もちろんです」 グレイ提督「それにしても、何とも美味しそうな香りが漂っておりますね……こんがりと焼けたチーズやバジル…」 提督「お腹が減ってくるでしょう?」 グレイ提督「ふふ、さっき朝食をいただいたばかりですのにね」 ローマ「……お待たせしました、「ローマ風キノコのピッツァ」です…いかがですか?」 提督「ふふっ、とっても美味しそうよ…それでは♪」 …ローマ風の四角いもっちりした生地に、たっぷり敷き詰められたチーズがこんがり焼き上がりぶつぶつとはじけ、ちりばめられたキノコやサラミもほど良くチーズに絡まって湯気を立てている…皿の下に敷いてある新聞紙も相まって、手軽で気さくなトラットリア(軽食屋)風の一品になっている… 提督「あふっ…はふっ……おいひい…ふぉの…キノコの……はふっ……味わいが…」 ローマ「提督、どうか召し上がってからおっしゃってください」 提督「ふぅー…ポルチーニ茸とかのこっくりしたキノコの味わいが、濃いチーズに上手く絡まって美味しいわね……焼き加減もとっても良かったわ♪」 グレイ提督「ふふ、わたくしの言いたいことはあらかた言われてしまいましたね…このピッツァは生地が厚手で、もちっとしておりますのね」 ローマ「それがローマ風ですから」 提督「ラツィオ州はカンパーニアとかに比べて、お腹にたまるようなこっくりした味付けの料理が多いのです」 グレイ提督「なるほど」 提督「……それにしても、今回のプログラムでおいでになったのがお二人でよかったと思います」 グレイ提督「あら、ずいぶん突然ですわね?」 提督「いえ、何しろ歴史ある英国海軍と厳格なドイツ連邦海軍の将官をお迎えすることを考えたら…数日前にはなかなか寝つけないくらいでしたもの」 グレイ提督「まぁまぁ……なにもそこまで気を配って頂かなくともよろしかったのですよ?」 ヴァイス提督「ヤー。むしろ私のような中佐風情にここまでよくして頂いて…ご親切、痛み入ります」 提督「いえいえ」 グレイ提督「…しかし、わたくしもイタリア海軍と言えばわが軍の「使い古された冗談」で考えておりましたから……考えを改めるよいきっかけになりましたわ」 提督「古い冗談…ですか?」 グレイ提督「ええ…その冗談ですが、「歴代の地中海艦隊司令官は『できればイタリアが中立であってほしいと望み、フランスが敵になってもイタリアを味方にするよりはましだ』」と…こういうものですの」 提督「……おっしゃってくれますね」 グレイ提督「ああ、怒らないで下さいね…わたくし、今はそう思ってはおりませんもの」 提督「今は…ですか」 グレイ提督「あら、失礼……ところで、このお料理は何でしょうか♪」 提督「…むぅ」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/356
357: ◆b0M46H9tf98h [saga] 2018/10/16(火) 09:25:18.15 ID:G+ViQjL70 このひと月あまりサーバーがダウンしていたようですが、何はともあれ復活おめでとうございます…これからまた、ちまちま更新していきます http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/357
358: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage] 2018/10/16(火) 10:22:06.91 ID:weEOCh6wo まってたおかえりなさい http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/358
359: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/10/17(水) 00:20:45.45 ID:cpTpn7xV0 >>358 こちらこそです …と言っても物理的に来られなかったわけですが、その間いいクールダウンになったような、そうでもないような……とにかく、ちょっぴり投下していきますのでお付き合い下さい http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/359
360: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/10/17(水) 00:33:13.19 ID:cpTpn7xV0 提督「ところで…ローマ、ちょっといい?」 ローマ「はい、何か?」 提督「眼鏡に油が跳ねているわ。貸して?」 ローマ「あぁ…どうもすみません」 提督「いいえ、どういたしまして♪」 …眼鏡を受け取ると、胸元に入れていたハンカチを取り出して「はーっ」と息を吹きかけ、そっとレンズを拭く。それが済むと眼鏡を天井に向けて明かりに透かし、油はねが残っていないか確かめる… 提督「うん、きれいになったわ」 ローマ「グラツィエ」 提督「ふふっ…こうしてみるとローマが大きく見えるわね」にっこりとほほ笑むと眼鏡を前後逆さにして瞳に近づけ、レンズをのぞく… ローマ「…あの、返していただけませんか」 提督「はいはい。それじゃあかけてあげる♪」背の高いローマ相手に軽くつま先立ちをして、両手で眼鏡をかけてあげる… ローマ「ありがとうございます。どうにも眼鏡がないと近くのものが見えづらいと言うか…」 提督「ローマは遠視だものね」 ローマ「遠視…まぁ、いつも遠くばかりを見ているせいかもしれません」 提督「リットリオ級は主砲の射程がすごいものね…」(※リットリオ級の主砲「OTO38.1/50モデル1934」381ミリ砲…最大射程42800メートル) ローマ「ええ、さして当たる訳でもありませんが…届かないよりはいいですから」 ピエル・カッポーニ「…そうやって遠くを見ていると、そのうち両目が測距儀のように離れてくるかもしれませんね」…そう言ってローマをからかうとひょいとピッツァ一切れをつまみ上げ、口に入れた ローマ「あなたはいきなりやって来て…失礼ね」 カッポーニ「おっと、ごめんなさい…「今では尻尾だが、かつては世界の中心だった」ローマさん♪」 ローマ「…」 提督「ローマ、気にしないで? 彼女は名前の由来がフィレンツェ人だから、ローマにライバル心をむき出しているのよ」 ローマ「…ボッカチオですか」 提督「そう、「デカメロン」(十日物語)よ…何しろボッカチオはフィレンツェ育ちだし、あのころはフィレンツェとヴェネツィアがイタリアの中心みたいなものだったそうだから…」 エンリコ・ダンドロ(大型潜マルチェロ級)「ははは、まさかフィレンツェが我らのヴェネツィアと同格だって? 面白い冗談だ」 提督「あー、悪魔の噂をすれば何とやら…ヴェネツィア派が出てきちゃったわね」 バルバリゴ(マルチェロ級)「ああ。諸君、ルネサンス期に「イタリアの中心」と言えば、それはもう最強の海軍国ヴェネツィアだけだ。あとはみんな『どんぐりの背比べ』で、たいしたことない」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/360
361: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/10/17(水) 00:56:22.26 ID:cpTpn7xV0 ジョバンニ・バウサン(中型潜ピサニ級)「…かつてはヴェルギリウスやアウグストゥス帝、ティベリウス帝…あの「暴君」ネロ帝さえも好んだ、両シチリア王国の都ナポリもありますが」 ダンドロ「はは、あんなのはド田舎村さ」 バウサン「むっ…」 アッテンドーロ「ナポリはそうだとしても、ミラノは田舎じゃないわ」 ダンドロ「かもしれんね…えーと、どんな名門がいたっけ?」 アッテンドーロ「…私の名前の由来になったスフォルツァ家と、ヴィスコンティ家があるけど?」 ダンドロ「ふむ、まぁそこそこじゃないか…イタリアを制するメディチ家ほどじゃないけれどもね」 ドリア「ジェノアはいかがですか?」 ダンドロ「あんなのはただの港町だろう……あっ」 ドリア「ふふ、面白い事をおっしゃいますね…アンドレア・ドリア公はジェノア生まれなのですが♪」 デス・ジェネイス(中型潜ピサニ級)「私もですよ…我らがジェノアをバカにするとは、なかなかいい度胸ですね」(※ジョルジョ・アンドレア・アーネ・デス・ジェネイス…イタリアでは有名らしい、ナポレオン時代に活躍したジェノヴァの提督。バーバリ海賊の退治などに功績があったらしい) 提督「あーあ、やっちゃったわね」 アッテンドーロ「口は災いの元…きっと地獄を見ることになるわ」 ドリア「ふふ、よかったら私の部屋にいらっしゃいな……ゆっくりヴェネツィアのいい所をお聞きしたいですから♪」 ダンドロ「提督…一つだけ言っておきたいんだが」 提督「何かしら?」 ダンドロ「今夜の深夜直は外しておいてもらいたい」 提督「あー、了解…ドリアもほどほどにしてあげてね?」 ドリア「ふふ、分かっていますよ…でも深夜直を外してもらったなら、時間はたっぷりありますね♪」 ダンドロ「しまった、作戦が裏目に出たか…なぁ誰か、このジェノヴァ人との和睦をとりなしてはくれないか?」 ローマ「…知りません」 カッポーニ「はたしてベッドの上でドリア相手に持つかどうか…おっしゃっていた「ヴェネツィア人の心意気」とやらを見せていただきたいですね♪」 アッテンドーロ「ま、明日には軟体動物にでも進化しているんじゃない?」 ライモン「身から出た錆びです」 ダンドロ「あー、我が姉妹たちよ…」 マルチェロ「おっと、用事を思い出したので本官は失礼する…貴君の健闘を祈るよ♪」 アンジェロ・エモ(マルチェロ級)「ええ…頑張って下さいね」 ラッツァロ・モチェニーゴ(マルチェロ級)「ああ、ドリアの相手は任せた♪」 ダンドロ「この薄情者どもめ…貴様らとて同じヴェネツィアの提督同士ではないか!?」 カッポーニ「ふふ、ヴェネツィア人の『仁義』なんてこんなものですよ…ボッカチオの言う通りです♪」 ドリア「さぁ、私の部屋にいらっしゃいね…エンリコ♪」 ダンドロ「…っ///」 提督「容赦なく連れて行かれたわね……」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/361
362: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/10/18(木) 01:09:54.52 ID:fgJLZwrk0 …別の日… 提督「…さてと、そろそろ基地祭の招待状を発送しないといけないわね」 カヴール「ええ、そうですね。 …提督の着任まで、ここではこれといった催しをしなかったので……基地祭がどのようなものなのか、今から楽しみです」 提督「とはいえ、こういうお祭りの運営する側は楽しめないのが常だから…当日はカヴールもちゃんと見て回れるよう交代を決めておきましょうね」 カヴール「まぁ…提督ったら相変わらず優しいです♪」 提督「ううん、いいの。私も尉官のころはしょっちゅう駆りだされては苦労したから、もし命令を下せる立場になったら、みんなが少しずつでも楽しめるようにしようって思っていたの…やっと実行する機会が持てたわ」 カヴール「まぁ、ふふっ♪」 提督「さ、おしゃべりはこのくらいにして…宛先を読み上げるから、送付リストにチェックを付けてくれる?」執務机の「処理済み」の箱には錨とロープ、それにイタリアの三色旗があしらわれた海軍の封筒が積み重なっている… カヴール「はい」 提督「えーと…まずは海軍のイオニア海管区司令官と、沿岸警備隊の司令官…うちの『航空隊』があるグロッタリーエの空軍基地にも」 カヴール「はい」 提督「それからプーリア州とタラント県議会の各会派…わざわざここまで来るかどうかはさておき、ね」 カヴール「ええ」 提督「タラント市の市長とコムーネ(自治体)の議員先生たち」 カヴール「はい」 提督「地元の漁業組合と農業組合…特に漁業組合は「潜水艦に仕掛け網を持って行かれた」とか「砲声で漁場の魚が逃げる」ってもめるから、絶対に忘れないようにしないと…」 カヴール「あります」 提督「ならいいわ…地元の有力者に地方新聞」 カヴール「揃っています」 提督「あとは『近くの町』の町長さんと、いつも立ち寄るお店の人たちね」 カヴール「全部ありました…これで公式に招待する方々は大丈夫ですね」 提督「そうね…じゃあ、後は私から個人的に送る相手ね」 カヴール「ふふっ♪ 提督の事ですから、きっとその方が多いでしょうね?」 提督「んー…そうかもしれないわ」 カヴール「読み上げましょうか?」 提督「ううん、だいたいは覚えているから平気よ」 カヴール「そうですか」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/362
363: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/10/19(金) 01:57:07.01 ID:UdYXhy/p0 提督「ええ…まずはお母さまにシルヴィアおばさま」 カヴール「はい」 提督「それからシチリアのジュリア…この前ここへ遊びに来た、アントネッリ中佐ね」 カヴール「あのP−3対潜哨戒機の飛行隊長さんですね?」 提督「ええ、そうよ。それに測量部のカルリーニ大佐と航空隊作戦課のヴィオレッタ少佐…」 カヴール「どちらもあります」 提督「それからヴェネツィア第三のエレオノーラに、私が深海棲艦にさらわれた時に捜索を手伝ってくれた各鎮守府の司令官…向こうもそれぞれ忙しいから来られるとは思わないけれど、まぁ気持ちだけね」 カヴール「…相変わらずお友達の方が多くていらっしゃいますね?」 提督「あー…まぁ、そうね」 カヴール「ふふ…提督の事ですからお友達ではなく、もっと「親密な仲」でいらっしゃいますか?」 提督「えー…と」 カヴール「ふふ、構いませんよ…少なくとも今は私がお側にいられるのですから」 提督「ふふ、私も隣にいてくれるのがカヴールで嬉しいわ……そうそう、国際郵便で「トゥーロン第七」のマリーにも招待状を出さないと…あまのじゃくなマリーの事だから招待しても来ないでしょうけれど、出さなければ出さないでひがむでしょうし」 カヴール「ふふ…ですがエクレール提督は提督の事がお好きでいらっしゃいますし、案外おいでになるかもしれませんよ?」 提督「…他の用事にかこつけるとかして?」 カヴール「ええ」 提督「ありえるわね…じゃあなおの事出してあげないと♪」 カヴール「はい、そうした方がよろしいと思いますよ」 提督「そうするわ」 カヴール「ではフランスへの国際郵便を一通…と」 提督「これで全部?」 カヴール「ええ、そのようですね」 提督「良かったわ…それじゃあ今度は、屋台の「建築現場」でも見に行きましょうか」 カヴール「でしたらライモンドを連れて行ってあげてくださいな…執務中はわたくしばかり隣にいて、きっとやきもちを妬いていることでしょうから♪」 提督「ふふっ、そうね…それじゃあお疲れさま♪」 カヴール「はい♪」 ……… …R・モンテクッコリ級の部屋… 提督「…ライモン、いる?」 ライモン「あ、提督」 提督「これから屋台作りの作業を見に行く予定なのだけれど…一緒に行かない?」 ライモン「はいっ♪」 提督「そう、それじゃあ…お手をどうぞ♪」 ライモン「は、はい…///」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/363
364: ◆b0M46H9tf98h [saga] 2018/10/21(日) 00:49:13.30 ID:yNAwYn3y0 …鎮守府・庭… 提督「ダ・ヴィンチ、進捗状況はどう?」 レオナルド・ダ・ヴィンチ(大型潜マルコーニ級)「ええ、いい調子ですよ…この不世出の大天才、レオナルド・ダ・ヴィンチに任せておけば、ヘリコプターだろうが潜水艦だろうが作ってあげますよ♪」 提督「頼もしいわね」 ライモン「…でもダ・ヴィンチの「潜水艦」は沈んだきりで浮上しなかったはずでは……」 ダ・ヴィンチ「何か言った?」 ライモン「あっ、いえ。…さすがダ・ヴィンチと感心していたんです」 ダ・ヴィンチ「それはどうも……ちょっと、その柱は後でいいから先に屋根を上げちゃって!」 ライモン「…あの、提督」 提督「なに?」 ライモン「どう見ても屋根がすみっこの柱一本で支えられている気がするんですが」 提督「まぁダ・ヴィンチは天才だから……それにしても、ぐらつく様子さえないのよね」 ライモン「どうなっているんでしょうね…」 ダ・ヴィンチ「あーもう、どうしてみんなはやたらと下から作ろうとするの?…柱なんて後からでも取り付けられるんだから、先に面倒な屋根を持ち上げればいいでしょうに?」 トリチェリ(大型潜ブリン級)「ねぇガリレイ先生、こんなの物理法則に反しているはずなのに…なんでこれが崩れないんです?」 ガリレオ・ガリレイ(大型潜アルキメーデ級)「私も知らないけれど、天才のやることだからじゃない?」 トリチェリ「…そんなものですか」 ……… …また別の日… リットリオ「提督、ちょっとお買い物に行ってきます♪」 提督「あぁ、はいはい…それじゃあいつも通り玄関脇の小机にノートがあるから、行き先と戻る予定の時間を書いておいてね?」 リットリオ「了解」 カヴール「あら、また誰かお出かけですか?」 提督「ええ。まぁここ一週間というもの、あちこちでトンテンカンの音ばっかりで騒がしいものね…」 カヴール「確かにそうですね。おまけにのこぎりの切りくずや木切れがあちこちに飛び散っていますし」 提督「そうね…それにリットリオも姉妹でドライブするのがお気に入りみたい」 カヴール「そのようですね…しかし長身のリットリオとヴィットリオ、それにローマがあの小さいフィアットに乗り込んでいるのを見ると、よく車内に収まるものだと思いますね」 提督「ふふっ、確かに窮屈そうよね」 カヴール「はい…もし私があの後部座席に乗ることになったら、身体のあちこちが痛くなりそうです」 提督「まぁ、あの500(チンクエチェント)はリットリオのだから、カヴールがお出かけしたいなら私がランチアを出してあげるわ♪」 カヴール「グラツィエ…それに、ここにはヴェスパもありますし」(※ヴェスパ…イタリア史上最も有名なスクーターで、名前は「スズメバチ」の意。ベスパ) 提督「ちょっとお買い物に行く分にはあれで用が足りるものね」 カヴール「いざとなれば無反動砲も載せられますし、ね♪」 提督「ぷっ…もう、フランスの空挺部隊じゃないんだから」 (※ベスパに無反動砲を搭載した、通称「バズーカ・ベスパ」…大型輸送ヘリのなかった時代にフランス空挺部隊が生みだした苦肉の策で、本来は無反動砲の移動に使うだけだったが、車載したままでの発射も可能) http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/364
365: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/10/22(月) 01:46:24.71 ID:updxeWrP0 カヴール「うふふっ♪ さて、見まわりも済みましたが、この後はどうなさいます?」 提督「そうねぇ…あ、そう言えばまた大浴場の給湯パイプが詰まり始めたから、どこかで修理をしようって話をしていたわね」 カヴール「あぁ、そう言えばそうでした…歳をとると、どうも忘れっぽくなっていけませんね」 提督「もう、カヴールったら冗談が上手なんだから♪」…そういってパチリとウィンクを投げた カヴール「ふふっ、まぁまぁ…では、水道屋さんに電話でもいたしましょうか?」 提督「いいえ、私がやるわ…どうせ街の水道屋さんに頼んだってすぐ来るわけがないし、かといってタラントに連絡して工兵隊の分隊を割いてもらうのも大げさだし……それにこの間も直したから、手順は分かっているわ」 カヴール「でしたら午前の残りはその作業ですね」 提督「そうね。とにかく、まずは汚れてもいいような服に着替えてくるわ」 …しばらくして・大浴場… 提督「さてと、服も着替えてきたし…行きましょうか」準備を済ませた提督は、もし汚れたらそのまま捨ててもいいように糸のほつれたTシャツと油染みのついたズボン姿に着替えてきて、片手には工作室から持って来た工具箱を提げている… カヴール「はい」大浴場の大きな扉を開けるカヴール… アラバストロ(中型潜アッチアイーオ級)「あ、提督…っ!?」 提督「あら…ごめんなさい、ちょっと給湯設備の修理をしに来たの」シャワーを浴びていたアラバストロの白い肌と滑らかな腰のラインをじっくり堪能しつつ、微笑を浮かべる提督… アラバストロ「それで服のままなのですね。実は、さっき泳いできたのであちこちに砂が付いてしまって…ごめんなさい、すぐ終わらせます」 提督「ノン・ファ・ニエンテ(いいのよ)…遠慮なんてしなくていいから、気にせずにシャワーを浴びて?」 アラバストロ「いえ、むしろ私が気になりますので……もう砂は流しましたから、出ますね///」アラバスター(雪花石膏)の名の通り、息を飲むほど真っ白な身体を慌ててタオルで隠すが、色白なだけにぽーっと赤くなっているのが良く分かる… 提督「そう?」 アラバストロ「ええ…提督もカヴールもスタイルがいいので恥ずかしいですし……」 提督「そんなことはないわ。アラバストロの引き締まった身体と白い肌…とっても綺麗よ?」 アラバストロ「も、もうっ///」 カヴール「あらあら、あの娘ったらあんなに恥ずかしがって…何とも可愛らしいことですね」 提督「本当にね…さ、それじゃあ取りかかりましょうか♪」 カヴール「はい」 オンディーナ「私も手伝いますから、何でも言って下さいね…♪」浴槽から床のモザイク画の上に溢れているお湯を軽く蹴って跳ね上げながら、軽やかにステップを踏んでいる… 提督「ええ…それにしてもオンディーナ(ウンディーネ)は水の精だけあって、水回りの事は得意よね」 オンディーナ「はい、水を操ることにかけては私が一番ですから…」 提督「ふふっ、いつも手伝ってくれてありがとう♪」…ちゅっ♪ オンディーナ「んっ…どういたしまして///」 アシアンギ(中型潜アデュア級)「私もいますよ、提督…でも、何で私まで手伝うことになっているのデスカ?」日に焼けたカスタード色の肌に、カタコトでしゃべるところも異国風でチャーミングな「アシアンギ」…よく焼けた肌に白い下着のコントラストが目にまぶしい… 提督「んー、私たちが来た時にたまたま更衣室で下着になっていたし…それに、協力してくれればそれだけ早くシャワーが浴びられるわよ?」 アシアンギ「でも私は給湯設備のことナンテ分からないですよ?」 提督「大丈夫、ちょっと工具を持っていてくれたり、支えてくれたりするだけでいいから」 アシアンギ「そう、なら私でも少しは役に立てます?」 提督「いいえ…「少し」どころか、とっても助かるわ♪」 アシアンギ「ふふ、提督にそう言ってもらえると、私も嬉シイ…です///」 提督「よかった…でもお世辞じゃなくて本当の事よ?」 カヴール「提督、早くしないとお昼までに終わりませんよ?」 提督「あぁ、はいはい…それじゃあまずはここにお湯を流している給湯口を閉めるところから……」 ……… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/365
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