イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (955レス)
イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/
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643: ◆b0M46H9tf98h [saga] 2020/06/02(火) 02:12:22.51 ID:NPaLGJD80 …同時刻・鎮守府… サウロ「…ガリレオより通信「深海側の八千トン級独航船を魚雷二発で撃沈…ガリレオ」とのこと」 アッチアイーオ「了解。独航船をやるとは、さすがは「世紀の大天才」ね…」 (※独航船…船団を組まず単独で航行する輸送船のこと。たいていは船齢が若く高速の出る船なので、潜水艦で捕捉することは難しい) ニコ「トリチェリより入電「座標AS342にて五百トン級の沿岸貨物船を視認、浮上砲撃にて撃沈…トリチェリ」だそうです」 アッチアイーオ「了解」 デルフィーノ「…交代しに来ましたよ、アッチアイーオ……状況はどうですか?」 アッチアイーオ「そうね、哨戒中の潜水艦から電文がいくつか…それとさっき空軍のAWACSから敵の位置情報が送られてきたわ」 デルフィーノ「そうですか」 アッチアイーオ「ええ…ま、とにかくちょっと休んで……」 サウロ「…プレイアディ船団より入電!」暗号文を解読器にかけると、平文に戻った電文が通信紙に印字されて出てくる… アッチアイーオ「内容は!」 サウロ「今読みます…「プレイアディ船団より鎮守府へ…船団は無事トリポリに入港、各艦いずれも損害なし」だそうです!」サウロが読み終えないうちに室内の全員が「わぁっ…!」と歓声をあげた… アッチアイーオ「静かに! …それで、デジエとアクスムは何も言って来てないの?」 サウロ「はい、それが…」 ニコ「待った、デジエより通信あり!」 デルフィーノ「駆逐艦に魚雷攻撃を仕掛けたそうですけど…二人は大丈夫でしょうか?」 ニコ「ふふ…それに関しては安心していいよ、デルフィーノ……通信内容だけれど「アクスムと協同で敵『H』級と思われる駆逐艦各一隻を撃沈。五時間に渡って爆雷攻撃を受け、両艦ともに各所に被害を受けるも航行に支障なし。トリポリに入港し補給と応急修理を行う……デジエ」だそうだ」 デルフィーノ「ふぅぅ、そうですか……それを聞いてほっとしましたぁ」 アッチアイーオ「…無茶をやった割には元気なようで結構だわ……どうやら馬鹿を守る守護聖人でもいたみたいね」口ではそう言いながらもどこかほっとした様子で、今度は歓声が上がっても止めなかった…… ニコ「エリトレアに、今夜の夕食は腕によりをかけてご馳走を作ってくれるよう頼まないと…ね♪」 デルフィーノ「そうですね♪」 …しばらくして・トリポリ… ガリバルディ「…そういうわけで、デジエとアクスムはこっちに合流するそうよ」 提督「そうね、いい考えだわ……応急修理もせずにタラントまで戻るのは無理があるもの」 ガリバルディ「ええ」 提督「ところでガリバルディ、燃料と弾薬の補給は?」 ガリバルディ「今のところ燃料の補給は八割ほど……最近のC重油は質がよくて感心するわ」 提督「やっぱり当時の燃料とは違う?」 ガリバルディ「それはそうよ。おかげで当時より二ノットは早く出せるんじゃないかって思うくらい」 提督「ふふっ、それは何よりね♪」 ガリバルディ「で、弾薬の方は半分ほど積み込んだところ……リビアの港にしては手際が良くて助かるわ」 提督「さっき来たお偉方に渡したチョコレートと煙草のカートンが効いたのかしら?」いたずらっぽい笑みを浮かべると、ガリバルディにウィンクを投げた… ガリバルディ「間違いないわね…ま、それで少しでも補給が早くなるならお世辞だって言うし袖の下だってばらまくわ♪」 提督「そういうこと…でもシャルロッテには内緒よ?」 ガリバルディ「分かってるわ。お堅いドイツの士官さんには納得できないでしょうからね…♪」そう言ってティルピッツの方をちらっと見た…… …ティルピッツ・艦橋… ヴァイス提督「…くしっ!」 ティルピッツ「大丈夫ですか、司令?」 ヴァイス提督「ヤー、大丈夫だ……きっと誰かが噂でもしているに違いない」 ……… … http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/643
644: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2020/06/05(金) 01:45:58.01 ID:kQzBN6x50 …しばらくして・鎮守府の厨房… エリトレア「はぁ…」 ヴィットリオ・ヴェネト「おや…ため息なんて吐いてどうしたんです、エリトレア?」 エリトレア「あ、ヴィットリオさん……いえ、この数日というもの厨房に立ちづめだったので、さすがに疲れちゃって…」 ヴェネト「なるほど、でしたら少し休んだらどうですか?」 エリトレア「それはそうなんですが、そろそろ夕食を作らないといけないので…食事当番のみんなもよく手伝ってくれるので助かってはいますけれど……ぉ」 ヴェネト「…エリトレアは食事の準備に取りかかるのが早いですものね」 エリトレア「はい。なにせ私はディアナと違って動きが遅いので、その分早く取りかからないといけないですからぁ…」 ヴェネト「うーん……でしたら今日だけ手抜きをしたらどうでしょうか?」 エリトレア「手抜きですかぁ……でもみんな美味しいものを食べたいと思うんですが、いいんでしょうか?」 ヴェネト「まぁまぁ、たまにはいいと思いますよ…いざとなったら私が矢面に立ってあげます」 エリトレア「んー…それもそうですね。なんだかヴィットリオにそう言ってもらえてほっとしました…っ♪」と、厨房に上機嫌なニコがやってきた… ニコ「やあ、エリトレア」 エリトレア「はい♪」 ヴィットリオ「チャオ、ニコ」 ニコ「チャオ、ヴィットリオ……ところでエリトレア、今夜の献立は何かな?」 エリトレア「あ、夕食の献立ですか……今日は、えぇと…そのぉ……」 ヴェネト「…今日の夕食は私が中心にやる予定だから、エリトレアは何を作るか知らないの」 ニコ「へぇ、それは楽しみだねぇ♪」 ヴェネト「ええ、楽しみにしておいて…それからデュイリオとドリアを呼んできてもらえる?」 ニコ「了解、すぐ呼んでくるね」 ヴェネト「グラツィエ」 …数分後… ドリア「…何かご用だそうですね、ヴィットリオ?」 デュイリオ「私でよければ手伝ってあげるわ…ね♪」肩にカラスを止まらせ、にっこりと甘い笑みを浮かべるデュイリオ… ヴェネト「ええ、ぜひお二人の力をお借りしたいと思いまして……かくかくしかじか…」 デュイリオ「…なるほど」 ドリア「そういうことなら私に任せておいて下さいな、ヴィットリオ♪」 ヴェネト「ええ、アンドレアは美食家ですし頼りにしています……それで、何を作りましょう?」 ドリア「そうですねぇ…とりあえず「何を作るか」よりも、まずは貯蔵室や冷蔵庫に「何があるか」を確認してみましょうか」そう言うと壁にかけてある食材のリストを確認しはじめた… ドリア「…中抜きの鶏に、牛のあばら肉……卵もいっぱいありますね…」 デュイリオ「ねぇドリア、そういえば……」 ドリア「なんです?」 デュイリオ「いえ、ふと思い出したのだけれど……そろそろ保管してあるラツィオーネ(軍用携行糧食)の保存期限がくるし、まずはあれを消費しないといけないんじゃないかしら?」 ドリア「あぁ、そういえばそうでした…提督も気にしていましたし、そろそろ食べないといけませんね」 デュイリオ「それじゃあ今夜はあれに手を加えて夕食にする?」 ドリア「そうですね……ちょっと難しいですが、やってみましょうか」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/644
645: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2020/06/05(金) 12:35:30.57 ID:kQzBN6x50 ヴェネト「それにしてもずいぶんありますね…っと!」 ドリア「それはもう、鎮守府の一週間分だもの……よいしょ」 デュイリオ「…そうね、わたくしのようなお婆ちゃんが運ぶには少し大変です♪」 ドリア「まぁ、デュイリオったら…ふふふっ♪」くすくすと笑いながら糧食の入っている段ボール箱を二つ重ねて持ち上げ、事もなげに厨房へ運び込む… エリトレア「…ひぃ、ふぅ……やっぱりコラッザータ(戦艦・装甲艦)の皆さんは馬力が違いますね…っ!」 ヴェネト「さて、と…次は何をしますか?」 ドリア「そうですね、まずは中身を確認しましょう…」箱に印字されているセット名と内容物リストをしげしげと眺めた… デュイリオ「…どう?」 ドリア「ええ、これなら献立に使えそうですよ…さ、開けましょう♪」 エリトレア「ふぅ、良かった……もしこれを戻すようなことになったらへこたれちゃいます」 デュイリオ「ふふ、その点は心配いらないわ。美食家のドリアに任せておけば何だって三つ星リストランテの味にしてくれるもの……ね、アンドレア♪」 ドリア「うふふっ、そんなに期待されると照れちゃいますね…♪」甘い笑みを浮かべると段ボールを開け、ダークグリーンのアルミ包装がされた軍用糧食のセットを取り出した… ヴェネト「それじゃあ私が中身をより分けます。なにしろ色々入っていますからね」 デュイリオ「では私が野菜を刻んだりしますから、その間にエリトレアは缶を開けて下さいな…それなら座ってできますものね♪」豊かな髪をヘアゴムでまとめると、クリーム色をしたタートルネックの袖をまくり上げてエプロンをかけた… エリトレア「ありがとうございます、デュイリオ」 デュイリオ「ふふ、構いませんよ…でも缶を開けるのがエリトレア一人では大変ですね……」 ロモロ「…エリトレア、今日の夕食はなぁに?」 レモ「レモは美味しいお肉が食べたいかも♪」 デュイリオ「あら、ちょうどいいところに可愛い狼さんが来てくれましたね……ふふ♪」 …数分後… ドリア「これで人数分ですね……さてと、そちらはどうですか?」…空になった段ボール箱をつぶし、糧食を包装している厚手のアルミパウチをゴミ箱に放り込むとエプロンをつけ「戦闘準備」を整える…… エリトレア「はい、やっていますっ」側面が濃緑色で塗られ、黄色い字で内容物が記載されている糧食の缶詰を次々と開けては大きなボウルに放り込む… ロモロ「うぇぇ、まだこんなにある…」 レモ「もぅ…いい加減飽きてきたよぉ……」キコキコと缶切りを動かしては文句をこぼすロモロとレモ… ドリア「まぁまぁ……出来上がったら少し味見をさせてあげますから…ね♪」ぶつぶつとこぼしている二人をなだめつつ、手際よくニンニクと玉ねぎを刻みはじめた… …本来なら夕食は軽めに済ませることが多いイタリアである……が、哨戒から帰投してすっかりカロリーを消費しきった潜水艦や、あちこち駆け回ってはすぐひもじくなってしまう駆逐艦、はたまたその豊満な身体に栄養を取らせるため三食をたっぷり取る戦艦や重巡に、なにかと忙しく空腹をかかえた軽巡たち……と、何だかんだでお腹を空かせた艦娘たちのために、鎮守府の食卓は三食ともにたっぷりとした食事が用意されている… デュイリオ「それじゃあ私はトマトを切っておきますね」 ドリア「ええ、お願いします」 …ドリアは大きな平鍋にオリーヴオイルを入れ、ニンニクと玉ねぎを炒める……ニンニクがカリカリと音を立てて香りを立て始め、玉ねぎが透明になったところでみじん切りにしてもらったトマトを入れ、ほどよく形が崩れたところで糧食の缶詰に入っていた「牛のハンバーグステーキ」を放り込み、薄めのコンソメスープで煮込んでいく… ドリア「ん、いい香りがしてきましたね…」どうしても缶詰の糧食は塩気が多くて風味が乏しいので、オールスパイスとオレガノ、ローズマリーを少々入れ、アクセントとしてほのかな渋みをつけるべく赤ワインを注ぎ入れる… デュイリオ「ふふ、さすがはドリア……とっても美味しそうね♪」 ドリア「お褒めいただき光栄です、よかったら味見してみますか?」小さじでスープをすくうと「はい、あーん♪」と、デュイリオの口元に近づけた… デュイリオ「まぁ、ふふっ…あーん♪」 ドリア「いかがです?」 デュイリオ「ええ、とっても美味しい…♪」小さく舌なめずりをすると、とろりと甘い視線を向ける… ドリア「うふふっ……ドルチェは食後までとっておかないと駄目ですよ、デュイリオ♪」そう言って意味深な含み笑いを浮かべた…… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/645
646: ◆b0M46H9tf98h [saga] 2020/06/11(木) 00:55:13.24 ID:17O4TZqH0 デュイリオ「もう、アンドレアのいじわる……ん、ちゅっ♪」 ドリア「あんっ……デュイリオったら、今はまだ駄目ですって…ば♪」 デュイリオ「んふふっ、そんな堅いことを言わないで……ね?」後ろから抱きつくと、服の裾から手を入れてドリアのたわわな乳房をこね回す… ドリア「いけません、まだ夕食の支度が済んでいないんですから……んちゅっ、ちゅ…っ♪」口ではそう言いつつもまんざらでもなさそうなドリアは、肩口にあごを乗せるようにして顔をのぞき込むデュイリオに対して、振り返るようにして甘いキスを交わした… デュイリオ「あむっ、ちゅぅ…っ♪」 ドリア「ん、ちゅる……っ♪」 レモ「///」 ロモロ「……また始まった」 エリトレア「うわわ…っ///」 ヴェネト「あー…えーと、その……デュイリオたちはなにかと持て余し気味なものですから…///」 デュイリオ「ふふっ…人の逢瀬をそんなにまじまじと見ちゃダメですよ、ヴィットリオ♪」 ヴェネト「あ、いえ…決してそういうつもりでは///」 ドリア「ふふ、私は一向に構いませんよ……でも、早くしないと夕食に間に合わなくなってしまいますから」 デュイリオ「むぅ……それなら仕方がないですね」 エリトレア「え、えぇ…と……それじゃあ次は何をすればいいですか…?」 ドリア「そうですね、エリトレアは果物の缶詰を開けてガラス鉢に空けて下さい」 エリトレア「わ、分かりました…っ///」 …軍用糧食に入っている果物缶(今回はサイコロ状に切ってある洋梨のシロップ漬けだった)を開け、大きなガラスボウルに次々と投入する……そこに冷蔵庫から出してきた苺のリキュールを注いでマラスキーノチェリーを飾ると、それだけでおしゃれなフルーツポンチになった… ドリア「さてと、残りの缶詰は何に使いましょうか……」ドリアが眺めている缶詰の軍用クラッカーはそれなりに美味しいが、わざわざそれだけで食べたいようなものでもない… ヴェネト「…困りましたね」 ドリア「ええ……あ、いいことを思いつきました♪」軽く手を打つと冷蔵庫から生クリーム、牛乳、バター、それときのこを取り出した… ドリア「……ロモロ、レモ、エリトレアはクラッカーを軽く砕いて下さい…あまり細かくなりすぎないようにお願いします」 三人「「了解」」 ドリア「デュイリオ、グラタン皿を出してくれますか?」 デュイリオ「仰せのままに…♪」 ドリア「ニコ、貴女はその間にチーズをおろしてもらえる?」 ニコ「了解、任せておいて」 …ドリアはそれぞれに役割を振り分けると、自身はベシャメルソースに取りかかった…バターを溶かしたフライパンにふるいで振るった小麦粉(薄力粉)を入れるとダマにならないよう、そして焦げ付かないよう素早く木べらでかき混ぜる……小麦粉とバターが溶け合ってほんのり黄色く色づいたところで少しずつ牛乳を注いで伸ばし、ある程度とろりとしたところでコンソメスープと生クリームとを注ぎ入れて煮詰め、最後に別のフライパンでバターソテーにしたきのこを加える……砕いたクラッカーを敷き詰めた皿に出来上がったソースとチーズをかけ、オーブンに入れてこんがりと焼き上げると充分立派なグラタンが出来上がった… ニコ「うわぁ、美味しそうだねぇ…♪」 ドリア「ええ…きっと美味しいと思いますよ」 エリトレア「ドリアさんたちのおかげで本当に助かりました…」 ドリア「気にしないで下さいな、エリトレア……私もお料理ができて楽しかったですから♪」 デュイリオ「…あなたには後でクラッカーのおこぼれをあげますからね?」デュイリオのカラスは厨房のカウンターの片隅に置いた大ぶりな鳥かごに入ってもらっている……かごの隙間から指を入れて、カラスの首筋を撫でるデュイリオ… カラス「カー…♪」デュイリオに撫でてもらって気持ちよさそうにしている… ドリア「ルチア、あなたにはスープを取った後の鶏をあげますから……いい娘にしていらっしゃいね?」 ルチア「ワフ…ッ♪」こちらは食堂の片隅にあるお気に入りの場所で寝そべっていて、ドリアに声をかけられるとぱたぱたと尻尾を振った…… ニコ「…でも、提督やライモンドがいないから少し寂しそうだね……?」 ヴェネト「ええ、確かに……任務とはいえ提督には早く戻ってきて欲しいですね」 ルチア「フゥ…ン……」組んだ前脚の上にあごを乗せて、少しわびしげな様子のルチア… ……… … http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/646
647: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2020/06/17(水) 02:16:19.25 ID:zwat5yPK0 …夕暮れ時・トリポリ… ガリバルディ「提督、デジエとアクスムのトリポリ入港は今夜の2000時頃になる予定だそうよ……まぁ潜水艦の速度じゃそのくらいの時間になるのも無理ないわ」 提督「そうでしょうね…」そう言ってどこか安堵の表情を浮かべる提督… ガリバルディ「……今のところ深海側の航空機から夜間攻撃を受けたっていう話は聞かないから、日没さえ迎えればまずは一安心…ってところかしら?」…提督の気持ちを読んで、軽くにやりと笑ってみせた…… 提督「ええ、その通りよ」 ガリバルディ「…良かったわね、これで安心してホテルに泊まれるじゃない……ここまで来る間にはなにかと邪魔が入ったけれど、今夜こそお相手をしてくれるんでしょう?」提督を隔壁に押しつけると、あごにあてがった親指で「くいっ…」と顔を上向かせた… 提督「え、えぇ…と、その……気持ちは嬉しいけれど、まだ作戦が終わったわけじゃないし…///」 ガリバルディ「ふぅん…そうは言うけれど、私にはすっかりその気に見えるわよ?」 提督「だって、ガリバルディみたいな美人にそんな風に言われたら…ね///」 ガリバルディ「あら、てっきり提督のことだからライモンドばっかりで他の娘なんて眼中にないものとばっかり思っていたわ……それとも目移りしちゃうお年頃なのかしら?」 提督「…もう、ガリバルディってば……♪」 ガリバルディ「ふふふ…いずれにしてもホテルは二人部屋だっていうし、色々と楽しみね……さ、ランチにどうぞ?」ガリバルディは軽やかに舷側のタラップを降りると、先ほど下ろした搭載艇から手を差しだし、提督の手を取った… 提督「ありがとう」 ……… …トリポリ市街・ホテル「キレナイカ」… ガリバルディ「あら、なかなかいいホテルじゃない…♪」 バンデ・ネーレ「確かに」 ライモン「ええ、本当に…提督もそう思いませんか?」そう言ってさりげなく腕を絡めた… 提督「ふふっ、そうね♪」 ディアナ「あぁ、提督…お疲れ様でございます。それと道中の護衛に感謝いたします」疲れた様子もなく、銀の弓を背中に背負って近寄ってきたディアナ 提督「ディアナこそ……どう、ここまで航海してきて疲れたんじゃないかしら?」 ディアナ「よしなに…わたくしは大丈夫でございます」 リベッチオ「……ねぇ、夕食はいつ頃なの?」 マエストラーレ「さぁ…でもそんなに遅くはならないはずよ?」 提督「そうね、チェックインを済ませてお部屋に入ったらすぐ夕食にしましょう…特に貴女たちはずいぶん駆け回っていたからお腹が空いたでしょう?」 グレカーレ「まぁ、駆逐艦っていうのはそういうものだから…♪」 …しばらくして・ホテルの食堂… 提督「ん、美味しい…♪」 ガリバルディ「ええ、本当に……これならローマ辺りにある並の店よりもいいわ」 …提督たちはホテルの食堂で夕食を味わっている……戦前は長らくイタリアの植民地で戦後もなにかと影響を受けていたこともあって、他の北アフリカ諸国と違ってイタリア料理も交じっているリビア……そのおかげでローマやナポリの店にも負けない美味しいピッツァやパスタを食べることができる…敬虔なイスラム教の国ゆえ大っぴらにワインを飲むことはできないが、それも見えないようにすれば黙認してくれる気前の良さがある… グレイ提督「まさに「異国の美味」というものですわね?」 ヴァイス提督「…リビアの料理は初めてですが、とても美味しいです」 リベッチオ「うん、美味しい…っ♪」 マエストラーレ「ほぉら、口についてるわよ……まったくもう♪」 …テーブルに並んでいるのは干しぶどうとアーモンドが入っているピラフのようなライスに、レモンと香辛料を利かせたピリッと辛い鶏のロースト…それに丸くて薄いナポリ風生地のピッツァ……飲み物は冷たいレモネードか小さな銀のカップに入ったとても甘いコーヒーで、それも料理とよく合っている… 提督「ふふ…こんなに美味しい料理が味わえるなら、リビア作戦も悪くないわね?」 オリアーニ「冗談でしょ、私は勘弁して欲しいわ…」 ジオベルティ「まったく……だいたい今回の作戦で一番緊張していたのは提督だったわよね」 提督「…そうだったかしら?」そう言ってとぼけてみせるとウィンクを投げた… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/647
648: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2020/06/23(火) 02:49:34.58 ID:W2PUr9tJ0 …2020時・トリポリ港… デジエ「両舷機停止、もやい綱を!」 アクスム「…ふぅぅ、やっと着きましたね」 …明るく照らされどこかエキゾチックな雰囲気が漂うトリポリ港の埠頭に、灰色と灰緑色で迷彩を施した「デジエ」と「アクスム」がゆっくりと入港してくる……二人とも数時間にわたる爆雷攻撃を耐えてきたせいで目の下には濃いくまができ、羽織っている黒いレザーコートはオイルや海水のシミだらけ…おまけに頭の白い艦長帽は形が崩れてふにゃふにゃになっている……そして艦のほうも爆雷攻撃であちこちガタがきているらしく、ディーゼルの青っぽい排煙がもうもうと立ちのぼり、調子のおかしいコンプレッサーかなにかがガタゴトと不満げな音を立てている……埠頭には出迎えに来た提督とガリバルディが待っていて、二人が道板を降りて敬礼すると答礼し、それから親しげにあいさつした… 提督「お疲れ様、二人とも…♪」そう言うと頬に音高くキスをした… アクスム「はい、中型潜デジエおよびアクスム……無事に到着いたしまシタ」 ガリバルディ「魅惑の町トリポリへようこそ…まったく、待ちくたびれたわよ♪」 デジエ「もう、ガリバルディってば…やっと着いたのにそれはナイでしょウ♪」ガリバルディの軽口に苦笑いするデジエ… ガリバルディ「ほんの冗談よ……ま、無事でよかったわ」 提督「ええ、本当に……さ、おしゃべりは後にしてホテルへ行きましょう。何はさておきまずは汚れを落とさないと…ね♪」 デジエ「はい♪」 …しばらくして… デジエ「ふー…やっと落ち着きました」シャワーで身体にまとわりついた汗とディーゼルの油煙とを流し、さっぱりした格好に着替えた二人はホテルの食堂で遅めの夕食をとった… アクスム「本当に…お腹いっぱいです♪」 提督「それは良かったわ……あと、何か甘いものでも頼みましょうか?」 …デジエたちが夕食を食べている間「お相伴」とばかりにコーヒーとお菓子をつまんでいた提督……食堂のテーブルにはガリバルディやライモンを始めとする艦娘たちや、グレイ提督とヴァイス提督も集まってゆったりとくつろいでいる… アクスム「はい、甘いもの欲しいデス♪」 リベッチオ「あ、それじゃあ私もっ!」 マエストラーレ「こぉら、みっともないから落ち着いていなさい……提督、良かったら私も甘いのが食べたいわ」 カルドゥッチ「なら私も頂戴しましょう…詩を練るには糖分を摂らなくてはいけないので」 提督「はいはい…♪」 …提督はどうにか片言のイタリア語がしゃべれるウェイターを相手にイタリア語と英語、それにメニューの指さしで注文をし、しばらくするとバラの香りと甘い匂いのする焼き菓子が皿に載ってやってきた…アラビア風にとても甘い菓子は生地にたっぷりの砂糖とローズウォーター(バラのエッセンス)を練り込んで焼き上げ、最後に細かいアーモンドの粉を振りかけたもので、一個で充分過ぎるほどのボリュームがある… グレカーレ「わぁぁ…美味しそうなお菓子ですね、ライモンド♪」 ライモン「ええ、本当に……ひとつ取ってあげますね」 デジエ「あむ…あぁぁ、すっごく甘いけど美味しい……ほら、アクスムも…あーん♪」 アクスム「あーん……うん、甘いねぇ♪」 リベッチオ「甘いのはお菓子じゃなくてデジエとアクスムだよね♪」 提督「ふふ…っ♪」 ガリバルディ「くくっ……言い得て妙ね♪」 アクスム「……それじゃあ私からも…はい、あーん♪」 デジエ「あー……むっ♪」お菓子と一緒に指先まで甘噛みするデジエ… アクスム「あんっ…もう、デジエってば♪」 ……… … http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/648
649: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2020/06/27(土) 01:47:17.02 ID:uwogqglU0 …深夜・提督の客室… 提督「ふわぁ……あ」 ガリバルディ「おやまぁ、提督ってばそんな大あくびして……」 提督「ええ……無事に到着したのだと思ったらなんだかほっとして、急に眠くなって来ちゃったの…」 ガリバルディ「ふふ、分かるわ……それじゃあ私は提督の安眠を妨げないよう失礼するわね」 提督「え? でも二人部屋だから、貴女のベッドもここよ…?」 ガリバルディ「あぁ、いいの……私はカルドゥッチからお誘いを受けたから、そっちで寝るわ♪」 提督「…ここに来るまであんなに敵襲だのなんだのあったのに……みんな元気ねぇ」あきれ半分で苦笑いを浮かべながら両手を上に向けた… ガリバルディ「やっぱり缶に火が入って硝煙の匂いを嗅ぐと身体が火照るのよ……提督も誰か好きな娘を呼んであげたら?」 提督「んー、さすがに眠いし今夜は遠慮しようかしら……ふぁ…ぁ」 ガリバルディ「あら珍しい、明日は雨かしら……それじゃあ、お休みなさい♪」 提督「ええ、お休みなさい」 ……… …しばらくして… 提督「……ライモン?」客室のドアから聞こえてくる控え目なノックの音は、耳慣れたライモンの叩き方だった… ライモン「はい、わたしです……お邪魔してもよろしいですか?」 提督「ええ、どうぞ♪」 ライモン「…失礼します、提督……///」少し上気してぽーっと赤みを帯びた頬に、ため息のような息づかい…… 提督「いらっしゃい…こんな時間にどうしたの?」(どうやらガリバルディの言うとおりみたいね…) ライモン「あ、いえ…その……はぁ…ぁ///」 提督「…いらっしゃい、ライモン♪」 ライモン「あぁ、提督…ん、んふっ…ちゅ……」 提督「ちゅむっ、ちゅぅ…♪」 ライモン「ふぁ…あ、んちゅっ……ぷは…ぁ///」 提督「ふふっ…これが欲しかったのね?」 ライモン「は、はい…///」 提督「ライモンは船団の中央でずっと頑張ってくれていたし、その分「ごほうび」をあげないといけないわよね……来て?」ベッドに仰向けになるとネグリジェの裾をたくし上げた… ライモン「あぁ、提督…ていとく……っ♪」 提督「あ、あっ、ふぁぁぁ…んっ♪」 …一方… デジエ「ちゅむっ、んちゅ……アクスム…アクスム…ぅ♪」じゅぷっ、ぐちゅっ、ぬちゅ…っ♪ アクスム「ん、ふ…デジエ……デジエぇ…♪」じゅぷじゅぷっ、ずちゅ…っ♪ デジエ「はぁ、はぁ、はぁっ…気持ひいぃ……腰が…とろけそウ…♪」 アクスム「わらひも…ぉ……デジエのゆび…ぃ、すっごくイイの…ぉ♪」 デジエ「…アクスム……」ちゅぷ、ちゅぅっ…♪ アクスム「デジエ…」むちゅぅ…れろっ、ちゅるぅ♪ デジエ「はぁ…あ、あ、あぁ……っ♪」がくがく…っ♪ アクスム「んあぁぁ……はふっ、あぁ…ん♪」とろっ……ぶしゃぁぁ…♪ デジエ「……ふふ、アクスムの蜜でこんなにべとべと…♪」指を広げると人差し指と中指の間にねっとりと糸が垂れた… アクスム「デジエこそ、こんなになッテ……♪」愛液まみれのべとつく手でデジエの頬を撫でる… デジエ「ふふ……♪」 アクスム「くすくす…っ♪」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/649
650: ◆b0M46H9tf98h [saga] 2020/07/02(木) 02:24:00.67 ID:KeGfCKtn0 …同じ頃・鎮守府… グラニト(中型潜アッチアイーオ級「花崗岩・御影石」)「…ただいま戻りました」 アルジェント(アッチアイーオ級「銀」)「アルジェントおよびグラニト、深夜哨戒より帰投いたしました……いま帰りましたよ、アッチアイーオ」 …深夜哨戒を終えて鎮守府に戻ってきたアッチアイーオ級のグラニトとアルジェント……二人がまとっている「艤装」はそれぞれ黒御影のような美しい光沢のある黒と、液体金属を流したような銀色の肌に吸い付くようなボディスーツスタイルで、そのSF映画のような格好からは無駄のない身体のラインがくっきりと浮き上がっている… アッチアイーオ「お帰りなさい、海況はどう?」 アルジェント「風は南東の風力2くらいで、波は2から2.5メートル…艦橋も波に叩かれたのですっかり濡れてしまいました」 グラニト「もう髪の毛が絞れそうなほどです」 アッチアイーオ「それじゃあまずはお風呂で塩気を流して、それから寝る前に食堂で加給食をつまんでくるといいわ……二人ともお疲れ様」 アルジェント「ええ、それでは…」 ……… …大浴場… グラニト「……ねぇ、アルジェント」 アルジェント「ええ、なぁに?」 グラニト「…ここで「艤装」を脱ぐのはおっくうですし、いっそお風呂の中で脱いでしまいませんか?」 アルジェント「確かに……それにこれも洗濯機にかけるとはいえ、ある程度は塩気を落としておきたいですものね」 …深夜の誰もいない大浴場……灯りが人気の無い周囲を明るく照らし、樋を伝って流れるお湯の音だけが響く中、二人は浴槽に身体を沈めた… グラニト「あぁぁ……気持ちい…ぃ……」 アルジェント「ええ…身体が冷えていたからなおの事…」 グラニト「……ふぅ。大分暖まったことですし、そろそろ身体を洗いましょうよ」 アルジェント「そうね……んっ」一生懸命に脱ごうとするが、まるでのり付けしたかのようにぴっちりと吸い付いた「艤装」はなかなか脱げない…… グラニト「…ふっ、んぅっ!」みちっ、ぴち…っ…! アルジェント「ん……くっ」ぎちっ…ぱちんっ! グラニト「ふぅぅ……まったくこれを脱ぐのも一苦労ですね、アルジェント?」 アルジェント「…なら、着たまま洗ってしまいましょうか?」 グラニト「あぁ、それはいいかもしれないですね…それじゃあお互いに洗いっこしましょうよ」 アルジェント「ええ、いいですよ…♪」 グラニト「それじゃあ石けんを……海水がついているせいか泡立ちが悪いですね」ぬる…っ♪ アルジェント「まぁまぁ、そう言わずに……んっ///」 グラニト「アルジェント、私の方もお願いします」 アルジェント「ああ、そうでしたね……///」ぬりゅ…っ♪ グラニト「あっ…///」二人がお互いの艤装に石けんを擦りつけて手で洗っていくと、肩甲骨や脇腹を指先が滑るたびにぞくりとするような感覚が走る… アルジェント「…あ、あっ……あ…♪」 グラニト「ふあぁ……あ、ん…っ♪」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/650
651: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2020/07/07(火) 01:53:22.58 ID:EoKpi3Rv0 アルジェント「んっ、ふ……んぁぁ…っ///」くちっ、ちゅぷ…っ♪ グラニト「あふっ…あ、あっ……ふあぁ…アルジェント……ぉ///」つぷ…にちゅっ♪ …石けんでぬめるボディスーツを洗っているうちに、妙な気分になってきた二人……お互いに向かい合ってそれぞれ相手の瞳を見つめ合いながら甘く物欲しげな声をあげ、形のいい乳房を撫で上げ、くっきりと食い込んでいる花芯の割れ目に指をあてがう… アルジェント「はぁ、はぁ…はぁ……んっ///」 グラニト「んくぅぅ……ん、あ…っ///」 アルジェント「ねぇ、グラニト……ちゅむ、ちゅぅ……もっと…ね///」 グラニト「ん、ちゅるっ、ちゅぅ……アルジェントも…そうして…?」 アルジェント「ん、くっ……ふっ…ん……///」 グラニト「あむっ…ちゅ…む……ん、ふぅ……っ///」 アルジェント「…グラニトの…ふともも……もうこんなに…とろとろ……っ♪」 グラニト「ん、あふっ…そういうアルジェントこそ…すっかり……べとべと…です……♪」 アルジェント「……ふふっ…それじゃあこのまま…♪」 グラニト「ん…♪」 …カランの前に据えてある腰かけから下りて直接大浴場の床に座り込むと、そのまま寝転がって絡み合う……ねっとりとした蜜がまとっているボディースーツを滑らせ、ふとももが擦れあうたびに「にちゅっ…♪」と粘っこい水音を立てる……アルジェントのきらめく銀髪とグラニトの艶やかな黒髪が床に広がり、二人のつま先が交錯する… グラニト「あ、あ、あっ…あぁ…ん……っ♪」じゅぷっ、くちゅっ…ぬちゅっ♪ アルジェント「ん、あふぅ…んぅぅ…っ♪」ぐちゅぐちゅっ、ずちゅ……っ♪ グラニト「ふあぁぁ…あぁ、あ……アルジェント…好き……ぃ♪」 アルジェント「グラニト……可愛いわ…んあぁぁ、あふ…っ♪」 …石けんの泡と愛蜜にまみれたまま秘所を重ね、ねっとりと舌をむさぼり合うような濃密な口づけを交わし、互いのべとつく指を「恋人つなぎ」にしている二人……甘い言葉をささやきながら耳たぶを甘噛みし、首筋に跡が残るようなキスをする… アルジェント「……好き…私の愛おしいグラニト……ちゅぅ…っ♪」 グラニト「私も…アルジェントが姉妹で良かったです……///」 アルジェント「嬉しい…っ♪」くちゅくちゅっ、にちゅ……とろ…っ♪ グラニト「アルジェント……あ、あっ、ふあぁ…イくぅ……っ♪」ぬちゅっ、くちゅ……ぷしゃぁぁ…っ♪ …数十分後… アルジェント「……グラニト…もっと愛し合っていたいわ…♪」 グラニト「ん…私も……♪」 アルジェント「んっ、ぷ……」グラニトとキスを交わしていたが、急に顔をしかめた… グラニト「……アルジェント?」 アルジェント「…いいの、大丈夫……石けんの泡が口の中に入っただけだから…」 グラニト「くすくすっ…もう、びっくりした……てっきり私のキスが不味かったのかと思った…♪」 アルジェント「そんなことないわ……でも、そろそろ上がりましょう?」 グラニト「そうですね…」 アルジェント「ふふ……この続きはベッドでしましょう…♪」 グラニト「…はい♪」 ……… … http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/651
652: ◆b0M46H9tf98h [saga] 2020/07/07(火) 02:03:36.29 ID:EoKpi3Rv0 …本当は予定していなかったのですが、書いているうちに流れでアルジェント×グラニトの百合になりました…… …それにしても九州は球磨があふれて大変ですね。たしか去年も大雨の被害がありましたし、できるだけ少ない被害であって欲しいと願うばかりです…また、その救援活動にあたる皆さまには頭が下がるばかりです……どうか無理をせずに活動してくださいね ……それからマカロニ・ウェスタンのテーマ音楽で有名な映画音楽の作曲家、エンニオ・モリコーネ氏が亡くなってしまったそうで……長寿ではありましたが、もっとずっと名曲を作り続けていて欲しかったですね… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/652
653: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2020/07/12(日) 01:39:45.42 ID:3TwcF5Mp0 …翌朝・0700時… 提督「おはよう、みんな…昨夜はよく休めた?」 ガリバルディ「そうね「休めたか」って聞かれると……あんまり休めていないかもしれないわ♪」隣に座っているカルドゥッチに向けてウィンクを投げた… カルドゥッチ「けほっ…///」昨日は巻いていなかったスカーフを首筋に巻き、しきりにそれを気にしている… デジエ「たしかニ…ね、アクスム♪」 アクスム「ええ…♪」 シロッコ「……ふふ、どうやら昨晩はどの部屋もみんな同じだったようね♪」 リベッチオ「くすくすっ…ね、お姉ちゃん♪」 マエストラーレ「…っ///」 提督「あらあら…♪」 ライモン「あー……と、とりあえず朝食にしませんか///」 提督「ふふっ、そうね…それじゃあメアリとシャルロッテを……」 グレイ提督「…あら、今朝は皆さまお早いですわね…グ・モーニン」 提督「あぁ、噂をすれば……おはようございます。メアリ、エメラルド」 グレイ提督「ええ、おはようございます」 エメラルド「おはようございます、カンピオーニ提督」 ヴァイス提督「グーテンモルゲン(おはようございます)」 提督「グーテンモルゲン、シャルロッテ…それにティルピッツも」 ティルピッツ「グーテンモルゲン……っぷ…」相変わらず色白なティルピッツは、北アフリカの陽光の下ではなおのこと病弱そうに見える… 提督「…ティルピッツ?」 ティルピッツ「ヤー、なんでもありません……うぷ…っ…」 ヴァイス提督「エントシュルディゲン(失礼)…少し部屋に忘れ物を……」 グレイ提督「…あらまぁ」その一言だけで軽く見下したような皮肉と多少の気づかいを見事に表現してみせた… …洗面所… ヴァイス提督「しっかりしないか、まったく!」 ティルピッツ「ヤー、アトミラール…うぇぇ……」 ヴァイス提督「……はぁ、昨夜の夕食で胃もたれを起こすなど…ほら、胃薬を飲め」口調こそ厳しいが、ちゃんと薬を持っているヴァイス提督… ティルピッツ「ダンケシェーン……ごくんっ」 ヴァイス提督「やれやれ…車には酔う、飛行機は嫌い、胃は弱い……まったく、それでも連邦海軍を代表する「艦娘」か?」 ティルピッツ「そう言われても……昨夜の料理は美味しかったけれど、油がきつかったようで…」 ヴァイス提督「情けない…今朝はコーヒーと果物くらいにしておけ」 ティルピッツ「了解…」 ……… … http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/653
654: ◆b0M46H9tf98h [sage] 2020/07/12(日) 02:39:16.32 ID:3TwcF5Mp0 ヴァイス提督「…失礼しました」 提督「ええ、構いませんよ……ティルピッツは大丈夫ですか?」他の皆に聞こえないようそっと耳打ちした… ヴァイス提督「ええ、どうにか…」 提督「それなら良かったです」 ヴァイス提督「それにしても情けないさまをお目にかけてしまいました……」 提督「まぁまぁ…外国の料理は美味しくてもお腹に合わないことがありますもの、仕方ないですよ」 ヴァイス提督「は、そう言っていただけるとありがたい限りです……」 リベッチオ「提督っ、早く来ないと無くなっちゃうよっ!」 提督「はいはい…♪」 …ホテルの食堂… ライモン「提督、これもよそいましょうか?」 提督「ええ、いただくわ♪」 ガリバルディ「ジョヴァンニ、メロンをもう一切れどう?」 バンデ・ネーレ「うん、もらうよ」 コラッツィエーレ「…あむっ、むしゃむしゃ…もぐ……」 レジオナーリオ「はぐっ…ん、これは美味いな……んむっ…」 …正体のよく分からないリビア料理を相手にしながら、朝からボリュームたっぷりのメニューを頼んだ艦娘たち……定番の甘ったるいコーヒーと、なかなか新鮮でみずみずしいスイカとメロンのスライス、羊肉を薄切りにしたケバブのような肉料理に、ぽってりした「フムス」(ひよこ豆のペースト)とそれにつけるピタパン… グレイ提督「エメラルド、そのメロンをもう少しいただけます?」 エメラルド「はい」 提督「ライモン、このケバブみたいな料理なかなか美味しいわよ……取ってあげましょうか?」ちょっと脂っこいが香辛料が効いていて、なかなか美味な肉料理… ライモン「そうですね、お願いします」 ヴァイス提督「……どうにも甘いな」 ティルピッツ「ヤー…別に甘いものは嫌いじゃないけれど、これは甘すぎる……」綺麗な銅のカップに注がれたシロップのように甘く、しかもヴェスヴィアスの火口のように熱いアラビアコーヒーを相手に微妙な顔をしている… ライモン「確かに、とても甘いですね」 提督「…まるで恋人どうしみたいよね、ライモン?」 ライモン「も、もう…///」 ガリバルディ「確かに、お熱いところもそっくりね♪」 提督「ふふっ…♪」 マエストラーレ「…ほら、そんなに食べると輸送船みたいになっちゃうわよ?」 リベッチオ「大丈夫だよ、お姉ちゃん……この後ちゃんと「運動」するもんっ♪」 マエストラーレ「…もう、すぐそうやって減らず口を叩くんだからっ///」 オリアーニ「まぁまぁ、確かに帰りの航海だってあるんだし……マエストラーレ、そう言わないであげたら?」 マエストラーレ「えっ? あ、あぁ…そうね」 リベッチオ「くすくす……お姉ちゃんってば、いったいどんな「運動」を想像してたの?」 マエストラーレ「余計なお世話よ…いいから黙って食べてなさい///」 リベッチオ「はぁーい♪」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/654
655: ◆b0M46H9tf98h [saga] 2020/07/14(火) 17:15:42.23 ID:pLuIMkXr0 …今日はパリ祭(フランス革命記念日)ですね……世の中はコロナに大雨、イナゴの害と、まるで黙示録みたいになってきていますが、いい加減に終息してほしいものです ……それと強襲揚陸艦「ボノム・リシャール」の火災がニュースになっていましたね……実情を知らずに言うのはよろしくないですが、ちょっと最近の米軍はたるんでいる感じがします… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/655
656: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2020/07/16(木) 01:40:55.61 ID:rRTd9fHX0 …0900時… 提督「それじゃあ今日は物資の積み卸しと、各艦の損傷箇所の修理が終わるまで自由行動とします…」 一同「「わー♪」」 提督「……といっても、国連の職員さんに引率してもらう形になるからほとんど団体行動なのは変わらないけれど、ね」 ガリバルディ「それでも陸(おか)はいいものよ……アラビアらしいエキゾチックで可愛い女の子がいるといいんだけど♪」 提督「あー…ガリバルディ、期待している所に水を差すようで悪いけれど……」 ガリバルディ「何かしら?」 提督「ここはイスラムの国でそういうことに関してはなにかとデリケートだから、地元の女の子に声をかけたり誘ったりするのはダメよ……いいわね?」 ガリバルディ「…」 提督「ガリバルディ、返事は?」 ガリバルディ「……オッベディスコ(従うわ)」 提督「よろしい」 ガリバルディ「提督…それじゃあ提督もそこらの素敵なお姉さんを口説いたりしちゃ駄目ってことね」 提督「…え?」 ガリバルディ「だってそうでしょう? 地元の女性に声をかけちゃいけないって言うのは、私も提督も同じよね?」 提督「えぇ、まぁ…」 ガリバルディ「……提督はそれを守れる自信があるの?」 提督「も、もちろん…私は提督としてみんなを指揮する立場ですもの、決まりがあるならそれを率先垂範するのがあるべき姿というものよ……」 ガリバルディ「ふぅん、そう…じゃあ地元のお姉さんに「良かったらお食事でもご一緒しませんか?」って声をかけられたら?」 提督「ええ、喜ん……いえ、もちろん丁重にお断りするわ」 リベッチオ「この調子じゃダメそうだねぇ♪」 カルドゥッチ「ふぅ…こうなったら提督が蝶のように綺麗な花を求めてふらふら飛んでいってしまわないよう、誰か付いていてあげたほうがいいね」 オリアーニ「まったくね」 バンデ・ネーレ「…と、なるとライモンド……君しかいないよね」 ライモン「えっ?」 提督「ふふっ、ライモンと一緒に街歩きなんて素敵ね……よかったらご一緒してもらえるかしら?」 ライモン「は、はい…っ///」 ガリバルディ「あーあ、二人ともお熱くって結構ね……ところでカルドゥッチ、良かったら私と…どう?」 カルドゥッチ「……まさか、あの偉大なガリバルディが昨夜だけでなく今日も私を選んでくれるとは…も、もちろんご一緒させてもらうよ///」 リベッチオ「お姉ちゃん、一緒に回ろう?」 マエストラーレ「ええ、そうさせてもらうわ…グレカーレ、貴女はどうする?」 グレカーレ「うん、私もお姉ちゃんたちと一緒に行くね」 マエストラーレ「そう?」 …同じ1964年の除籍でライモンと親しいグレカーレだが、ライモンの「恋人」である提督に気兼ねして一緒に行きたいのを我慢しているのではないか……そう思って気づかったマエストラーレ… シロッコ「…大丈夫。きっと優しい提督のことだから、途中で代わってくれると思うわ」 グレカーレ「ありがとう、シロッコ///」 シロッコ「ふふ…お礼なんていらないわ。単に「歴史の立会人」である私の勘がそう告げているだけよ…♪」 提督「……ええ、私もライモンをひとりじめなんてしないから安心して?」 グレカーレ「///」 ライモン「良かったら後で一緒に市場(スーク)でも回りましょうね、グレカーレ」 グレカーレ「…うん♪」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/656
657: ◆b0M46H9tf98h [saga] 2020/07/21(火) 02:43:07.47 ID:GEpALtCZ0 …1000時・トリポリ市街… 提督「…ライモン、貴女にはこれなんて似合うんじゃないかしら」 ライモン「どれですか?」 提督「ほら、これ……アラビア風のスカーフだけれど、色味もシックでライモンの綺麗な髪にぴったりだと思うの」 ライモン「そ、そうでしょうか…///」 提督「ええ…せっかくの機会だし、お店の人に頼んで試させてもらったら?」 ライモン「分かりました、提督がそうおっしゃるのでしたら…」 提督「それじゃあ私が尋ねてみるわ……すみません♪」 ……… シロッコ「…それにしても戦中のイメージでいたから驚いたわ」 マエストラーレ「街の様子?」 シロッコ「うん……トリポリと言えばいかにもキレナイカの植民地らしい別荘に柑橘を植えた果樹園、それから港って言う感じだったから…高い建物なんてなかったし」 グレカーレ「確かにそうかも…でもこの熱い風やほこりっぽい感じは変わらないね」 シロッコ「ふふ、私の風だもの」(※シロッコ…砂漠の熱い季節風) マエストラーレ「そういえばそうよね……ところでせっかくトリポリに来たんだから、お土産にアクセサリーでも買わない?」そう言ってこまごました細工物を売っている工房をのぞき込んだ… リベッチオ「それいいかも…どれにしよっか、お姉ちゃん♪」 ……… レジオナーリオ「…しかしかつてのカルタゴの都市がここまで大きくなるとは……」 コラッツィエーレ「ローマ軍団の兵士としてはびっくりでしょうね」(※レジオナーリオ…ローマ軍団兵) レジオナーリオ「むむむ……こんなに新鮮なイチジクが…」 (※大カトーの演説「このように新鮮なイチジクが持ってこられるほどの距離にカルタゴ(というローマにとっての脅威)がある…ゆえにカルタゴは滅びねばならない」) コラッツィエーレ「…ねぇレジオナーリオ、どうせだからうちの姉妹たちに何か買っていってあげましょうよ」 レジオナーリオ「うん、そうだな……」 コラッツィエーレ「私たちのクラスは数が多いし、お財布ともよく相談しないとね?」 レジオナーリオ「…チェザーレには何をあげれば喜ぶだろうか…いつも髪を気にしているからスカーフがいいか……」 コラッツィエーレ「ちょっと!」 レジオナーリオ「ん、あぁ……どうした?」 コラッツィエーレ「あのね…貴女がチェザーレのことが大好きなのは知っているけど、自分の姉妹に買っていってあげるプレゼントなんだから、ちゃんと選ぶのを手伝って?」 レジオナーリオ「悪かったよ、済まない……」 コラッツィエーレ「ふぅ……分かったわ、まずはあの女たらしに買っていってあげる物を選びましょう?」 レジオナーリオ「あぁ…ありがとう、コラッツィエーレ!」 コラッツィエーレ「ノン・ファ・ニエンテ(いいのよ)…そんなにお礼を言うことなんてないわ、照れるじゃない///」 ……… ガリバルディ「…それで、貴女はどこから来たの?」 観光客の女性「私はフランスからよ」 ガリバルディ「そう…フランスには美人が多いって言うけれど、あながち嘘じゃないみたいね……それとも貴女が特別なのかしら♪」 …喫茶店で小さなカップに入ったコーヒーをちびちびとすすりつつ、相手のほっそりした手に自分の手を重ねた……そして映画のようなキザなセリフでも、情熱的なガリバルディの手にかかるとどんな相手をも骨抜きにしてしまう必殺の口説き文句になってしまう… 女性「///」 ガリバルディ「ふふふ…♪」 ……… … http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/657
658: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2020/07/26(日) 01:26:49.68 ID:PR4JtXeu0 …昼下がり… 提督「ふー、こうやって街をそぞろ歩きするのもなかなか楽しいわよね」道端のカフェで甘いコーヒーをすすりながらライモンに向けてにっこりした ライモン「はい…特に提督と一緒ですからなおの事……///」 提督「あら、そう言ってもらえて嬉しいわ♪」 ライモン「///」 提督「ふふふっ……そういえば何人か姿が見えないわね?」 ライモン「え…あぁ、そう言われてみれば確かに……」 提督「まぁ時間になったらホテルまで戻ってくればいいし「艦娘」だからよっぽどの事がない限り大丈夫でしょうけれど…」 ライモン「そうですね」 提督「えぇと、いないのはデジエとアクスムに……ガリバルディとカルドゥッチもそうみたいね」 ライモン「…きっとガリバルディのことですから、カルドゥッチをどこかに連れ込んでいるに違いありませんね」 提督「ライモンも午後はグレカーレと一緒に楽しんでいらっしゃい♪」 ライモン「…はい///」 ……… …夕方… 提督「さてと、みんな充分に羽を伸ばせたかしら?」 ライモン「はい」 デジエ「もちろん…ね、アクスム♪」 アクスム「うん♪」 ガリバルディ「ええ、楽しかったわ…♪」艶のある色っぽい表情を浮かべ、カルドゥッチに向けて意味深な笑みを向ける… カルドゥッチ「///」 提督「結構。何しろ帰りもあるのだから、充分に鋭気を養っておかないと…ね♪」 マエストラーレ「鋭気を養うどころか、かえってくたびれたわ…」 シロッコ「ふふふ……♪」 リベッチオ「くすくすっ…お姉ちゃんってばだらしないねぇ♪」 マエストラーレ「誰のせいだと思っているのよ、まったく…グレカーレ、貴女はライモンドと有意義に過ごせた?」 グレカーレ「おかげさまで…ありがとう、お姉ちゃん」 マエストラーレ「いいのよ、貴女が幸せなら私も嬉しいわ……どこかの盛りが付いた妹たちはさておき」 リベッチオ「そうそう♪」 マエストラーレ「…」 グレカーレ「くすっ…♪」 提督「仲がいいようで何よりね……ディアナ、貴女はどうだった?」 ディアナ「よしなに…わたくしもスークを巡ったりして充分に楽しませていただきました」 提督「良かったわ…何しろ貴女がこの作戦で一番の立役者だもの」 ディアナ「ふふ、それは褒めすぎというものでございます」 提督「謙遜することはないわ……鎮守府に戻ったら今回の作戦手当で何を買うかとか、考える楽しみができるわね♪」 ディアナ「ええ…♪」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/658
659: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2020/07/28(火) 10:46:46.76 ID:owupA7270 …翌朝・0800時… 国連職員「……今回は支援物資を迅速に輸送していただき、本当に助かりました。リビア政府からも感謝するとのことです」 …埠頭に整列した提督たちに対し、見送りに来た青いベレーの国連職員やリビア海軍の士官、政府のお偉方がそれぞれ感謝のメッセージを伝える……埠頭には「さぁっ…」と陸軟風が吹き、潮も引き始めて海に出るにはちょうどいい具合になりつつある… 提督「いえ、任務ですから……それに、この作戦がなければ貴女にも出会えなかったでしょうし…ね♪」握手を交わす瞬間を見計らって、そっとささやいた… 国連職員「そ、それは…///」 ライモン「……こほん!」 提督「まぁ、その…とにかく無事に物資が届けられて良かったです。我々はこれよりタラントに帰投します」 国連職員「はい……どうか無事な航海を」 提督「ふふ、ありがとうございます」 ……… … 提督「両舷前進微速!」 ガリバルディ「了解」 提督「…針路そのまま、港外に出たら単横陣を組みます」 ガリバルディ「了解……で、どうだったの?」 提督「何が?」 ガリバルディ「ふふっ、しらばっくれても無駄よ…あの国連のお嬢さん、提督の事を見て頬を紅くしていたじゃない」 提督「ノーコメント」 ガリバルディ「知らないわよ……そうやってつまみ食いばっかりしていると、いつかライモンドに刺されるから…♪」 提督「ライモンはそんなことしませんー…それに、ライモンとは特別だもの♪」 ガリバルディ「まったくお熱いことで……」 提督「そんなことを言ったらガリバルディこそ……あの短い時間で一体どのくらいのお姉さんを口説いたの?」 ガリバルディ「ご想像にお任せするわ♪」 提督「ふふっ♪」 ガリバルディ「ふふふふっ…♪」 … デジエ「…ようやく二人きりになれたわ……ね、アクスム♪」 アクスム「うん、そうね…デジエ♪」 …全速の水上航行でも14ノットそこそこと、戦隊の速度には到底ついて行けない潜水艦「デジエ」と「アクスム」は別行動で、静かな海面を二隻だけで滑るように進んでいく…髪にはトリポリで買ったお揃いの金のアクセサリーがついている… デジエ「提督たちも好きだケレど、やっぱりアクスムと二人きりの方がいいの…」 アクスム「私も…///」 ……… … http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/659
660: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2020/07/29(水) 02:29:17.11 ID:pQTuNQ5O0 グレイ提督「……紅茶を淹れてもらえるかしら、エメラルド?」 エメラルド「分かりました…葉はどれにしますか」 グレイ提督「そうですわね……トワイニングのアールグレイがありますから、それを頂きましょう」 エメラルド「アイ・アイ・マイ・レディ」 グレイ提督「…それにしても往路の激しい空襲が嘘のようですわね……」いくら双眼鏡で探っても晴れ渡った空には機影一つ見えず、穏やかな地中海の波間に、はかなげでありながら恐ろしい白い雷跡が伸びる…と言うこともない… … ヴァイス提督「…ティルピッツ、引き続き右舷側の見張りを厳にせよ……それと、ゼータクト(レーダー)はどうか?」 ティルピッツ「ヤヴォール(了解)…ゼータクトは水上、空中ともに感なし」 ヴァイス提督「よろしい、ならコーヒーを持ってきてくれ…ティルピッツも一杯付き合わないか?」 ティルピッツ「ダンケシェーン、司令…いただきます」 ヴァイス提督「うむ……しかし今回の「知識交換プログラム」が完了した暁には、ビスマルクとティルピッツにも何か褒美をやらないとな…///」ティルピッツが艦橋から出て行くと、一人頬を赤らめてつぶやいた… … ガリバルディ「コーヒーを持ってきたわよ、提督……良かったらどう?」 提督「あら、ありがとう…ちょうど一杯欲しかったところよ♪」 ガリバルディ「潮風を浴びていると喉が渇くものね…」 提督「ええ……んぅ、美味しい♪」 ガリバルディ「それは良かったわね……鎮守府まではあと一日ってところだし、友軍の哨戒線までは数時間…そのあたりまでたどり着けば制空権もあるから、少しは頭の上を気にしなくて済みそうね」 提督「そうね…」ほうろう引きのマグカップを両手で包むようにして持ち、ミルク入りのコーヒーをすする… ガリバルディ「……戻ったらうんとライモンドを抱いてあげなさいよ?」 提督「ええ、言われなくても…♪」 ガリバルディ「ふふ、余計なお世話だったかしら……」 ……… … …1335時・鎮守府… デルフィーノ「…本当ですか、良かったです……」 サイント・ボン「間違いないとも、デルフィーノ君……たった今「プレイアディ船団護衛戦隊司令より鎮守府…ディアナおよび直接・間接護衛戦隊は友軍哨戒線の範囲内に入れり……上空援護のCR42戦闘機およびカントZ506水偵と合流」と電文が届いた…まずはこれで一安心だ」 デルフィーノ「ええ……やっと安心しましたよ…ぅ」 ガラテア「ふふ…デルフィーノ、貴女は本当に提督がたの事を心配しておりましたものね」息をのむような美しさのガラテアが優しく微笑む… デルフィーノ「はい…///」 アルゴ「それにしても提督は勇敢だし…帰ってきたら私の上に乗せてあげなくちゃ♪」 …金羊毛を取りに行くギリシャ神話の冒険譚「アルゴー号の物語」からつけられた「アルゴ」は金羊毛を肩に羽織り、ユーノー(ヘーラー)から授けられた「予言の柏の枝」をかんざしのように差している… アルゴナウタ「そのときは私も乗せてよね?」イタリア語で「イカの一種」とされるが、むしろギリシャ中の英雄豪傑が集まったアルゴーの乗員から「勇敢な者」を意味するアルゴナウタ…… アルゴ「ふふ…私なら「勇敢であること」さえ証明できれば何人来てくれたって構わないけど♪」 リボティ「くすくすっ……もしそうなったらデルフィーノなんて可愛いから大変なことになっちゃうわ♪」 デルフィーノ「えっ、まさか皆で私のことを……///」両の頬に手を当てて恥ずかしげな…それでいて嬉しそうな表情を浮かべるデルフィーノ…… トリケーコ「まぁ…とにかく良かったじゃない、デルフィーノ。提督が戻ってくるわよ」 デルフィーノ「はい…って、こうしてはいられません。さっそくお出迎えの準備をしないとですね♪」イルカの背のような濃灰色の髪をなびかせ、跳ねるような足取りで作戦室から出て行く… トリケーコ「ああいうところがたまらないのよね…♪」デルフィーノとは姉妹艦にあたるトリケーコ(セイウチ)が、後ろ姿を見送ってからにんまりと笑みをうかべた…… ……… … http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/660
661: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2020/08/02(日) 02:32:26.16 ID:BhYQcwcK0 …翌日・1020時… アッチアイーオ「ぜんたぁーい、整列っ!」 デルフィーノ「海軍旗、捧げぇ!」 …イタリア海軍歌「ラ・リティラータ」(La Ritirata)のレコードがかけられ、カヴール、デュイリオ、ローマ、ヴェネトがそれぞれイタリア海軍旗、NATO旗、ホワイト・エンサイン(英海軍旗)、ドイツ連邦海軍旗を捧げ持つ中、戦隊はしずしずと沖合に艦を停泊させた……波に叩かれた喫水線の辺りや錨鎖でこすれた部分は塗装が剥がれて早くも赤錆が浮いているが、艦上はよく整えられ、淡灰色と濃い灰色の迷彩も凛とした美しさを際立たせている……そしてそれぞれの艦尾に掲げられたイタリア海軍旗の「トリコローリ」(三色旗)やエメラルドの「ホワイト・エンサイン」(英海軍旗)、ティルピッツの「ブンデスマリーネ」(連邦海軍)旗が白、黒、灰色ばかりの船体に鮮やかな色あいを添えている… 提督「…」 グレイ提督「…」 ヴァイス提督「…」 …鎮守府のモーターランチから降りて波止場に立って、鎮守府の艦娘たちに答礼する提督たち……晩秋の穏やかな日差しが明るく鎮守府を照らし、濃紺の制服に金モールと略綬がキラキラと映え、ディアナたち出撃組の艦娘たちもそれぞれの「艤装」をまとってきっちり整列している… 提督「秋期リビア方面輸送作戦むけ船団「プレイアディ」…ただいま帰投しました!」 アッチアイーオ「船団の帰投と任務の成功に、鎮守府一同よりお祝いを申し上げます!」代表として大きなカサブランカ(白百合)の花束を渡した… 提督「よろしい……休め」一斉に直立不動を解くと、態度こそ崩さずにいるものの笑顔を向けてくれる艦娘たち… デルフィーノ「お帰りなさいっ、提督っ…♪」 提督「ええ……ただいま、みんな♪」堅苦しい式典向けの態度を崩すとパチリとウィンクを投げ、それからにっこりと微笑んだ……途端にきゃあきゃあと嬌声が響き渡り、一斉に抱きついてきたりキスしてきたりする艦娘たち……と、ちぎれそうなほど尻尾を振って提督の足元に駆け寄ってきたルチア… カミチア・ネラ(ソルダティ級駆逐艦「黒シャツ隊員」)「ヴィンチェレ!(勝利!)、ヴィンチェレ!ヴィンチェレ!」 ルビノ(中型潜シレーナ級「ルビー」)「提督っ、おめでとう! んんーっ、ちゅぅっ…ぷはぁ♪」 アミラーリオ・カラッチォーロ(大型潜カーニ級)「作戦は大成功でしたな、提督……♪」 ルイージ・トレーリ(大型潜マルコーニ級)「おめでとうございます、提督♪」 ルチア「ワンワンッ!」 提督「ありがとう、みんな…これもみんなの努力があったからよ……ん、ちゅぅっ♪」花束を片手に抱いたまま次々と左右の頬……と、それに劣らずたくさん唇へのキスを受ける提督…きっちりかぶっていた軍帽はすっかりずれてしまい、頬のあちこちにルージュの跡がついている… ペルラ(中型潜ペルラ級「真珠」)「提督にますますの健康と富、長寿がありますよう…ちゅっ♪」パールピンクとパールホワイトの交じったような艶やかな髪からは甘いいい匂いがして、透き通るような白い肌をした顔が左頬に近づいた… トゥルケーゼ(ペルラ級「トルコ石」)「私からは繁栄と成功を! んちゅっ♪」トルコ石のような水色を帯びた髪に艶やかな水色の瞳がせまり、右頬に熱い唇が触れた… 提督「んっ…嬉しいわ、二人とも♪」 グラニト(アッチアイーオ級「花崗岩・御影石」)「…提督の功績は、私の心に彫り込まれました……ちゅっ♪」 提督「ふふふっ、ありがとう…♪」 クィーン・エリザベス「…見事でございます、エメラルド……そして提督、お帰りなさいませ」 グレイ提督「ふふ…お気遣いありがとう、エリザベス」 エメラルド「お褒めいただき光栄です」 ビスマルク「…提督、よく戻られた! 我が妹はよく戦ったか?」 ヴァイス提督「ヤー。おかげで私は無事で、作戦に寄与することも出来た」 ビスマルク「そうか……よくやったぞ、ティルピッツ! それでこそ「フォン・ティルピッツ提督」の名を受け継ぐ者だ!」 ティルピッツ「ダンケシェーン、姉上…そのように言われると気恥ずかしいですね///」 ビスマルク「何を恥ずかしがることがあるか、貴様の功績なのだぞ!」 ティルピッツ「///」 デルフィーノ「……そういうわけで、デジエとアクスムが戻ってくる明日以降にお祝いのパーティをします♪」 提督「ええ♪」 アッチアイーオ「今のうちに食べたいものがあったら言ってちょうだいね」 提督「了解♪」 ポーラ「美味しいお酒も用意してありますからねぇ〜♪」 提督「ふふっ、楽しみにしているわ…♪」 ……… … http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/661
662: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2020/08/06(木) 02:01:06.15 ID:+mdwVyZM0 …1400時… グリエルモ・マルコーニ「ただいま、提督……グリエルモ・マルコーニ、帰投したよ」 提督「お帰りなさい…貴女が鎮守府からの通信を中継してくれたおかげで、交信がやりやすかったわ」 マルコーニ「…それはよかった……」そう言いながらさりげなく指先で「ツー・ツー・トン…」とリズミカルにふとももを叩いている… 提督「……ふふ「グラツィエ」…ね♪」 アントニオ・シエスタ「……アントニオ・シエスタ、ただいま帰投しました…ぁ」 提督「お疲れ様、シエスタ……ずいぶん眠そうね?」 シエスタ「はい…実は哨戒中に余裕があったら仮眠を取るつもりでいたのですが、そのたびに機影を見かけたり通信が入ったりで……」目の下に青黒いくまを作り、立ったまま船を漕ぎそうになっている… 提督「あらあら…それじゃあしばらく寝ていらっしゃい♪」 シエスタ「……では、お言葉に甘えて…ふわぁ……ぁ」 提督「マルコーニ、貴女は?」 マルコーニ「私はまだまだ元気だから…部屋に戻ったらハム(アマチュア無線家)の仲間と少し交信でもしようかと思っているよ……」 提督「そう…それじゃあまた後で♪」 マルコーニ「ああ…」 …1530時… リットリオ「…リットリオ以下「スコルピオーネ」戦隊、ただいま帰投しました!」 提督「お帰りなさい、リットリオ……それにみんなも♪」 トレント「はい、こうして無事に帰投できました…」 トリエステ「…私たち、ちゃんとお役に立てたでしょうか?」 提督「ええ♪」 フォルゴーレ(フォルゴーレ級駆逐艦「稲妻」)「私たちも頑張ったわよ」 提督「ふふ、分かっているわ」 フルミーネ(フォルゴーレ級「電光・電撃」)「そ、まるで電光石火のように…ね」 ランポ(フォルゴーレ級「雷」)「私たちのこと、褒めてくれる?」 バレーノ(フォルゴーレ級「閃光」)「ね、提督?」 提督「もちろん……みんなお疲れ様♪」ちゅっ…♪ フルミーネ「ありがと、提督♪」 トレント「て…提督は私みたいな重巡のなり損ねにも優しくして下さって……少し恥ずかしいです///」 提督「もう、そういうこと言わない…トレントもトリエステも、私にとってはかけがえのない大事な一人よ」 トリエステ「///」 提督「…さぁさぁ、おしゃべりはそのくらいにして……お風呂で汗を流していらっしゃい」 リットリオ「はい……ふふふっ、それが済んだら数日ぶりにヴェネトたちと一緒に「仲良く」したいですね♪」 提督「…リットリオ」 リットリオ「はい、何でしょう?」 提督「……翌日に差し支えない程度にしてあげてね?」 リットリオ「はぁい、了解です♪」 アッチアイーオ「……あれは絶対分かってないわ」 提督「ふふふっ…そうね♪」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/662
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