イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (952レス)
イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/
上
下
前
次
1-
新
通常表示
512バイト分割
レス栞
141: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/03/29(木) 00:55:17.94 ID:B3eVOtYu0 …翌日… ヴァイス提督「…昨夜は申し訳ありませんでした、少将閣下!」直立不動の姿勢で提督に平謝りしているヴァイス提督に、食堂で午前のコーヒーや紅茶を楽しんでいる艦娘たちは何事かと注目している… 提督「そんな、お気になさらず……私と『親しい』日本の提督も「困ったときはお互いさま」ってよく言っていますし…ね?」 ヴァイス提督「いえ…昨夜は夜分遅くにもかかわらずお部屋にあがり込んで、大変ご迷惑をおかけしました……さらに化粧品までいただいてしまい、申し訳ない限りです…!」 提督「ふふ、いいんですよ……差し上げた化粧品は私にはあまり似合わない、きりっとした雰囲気の物でしたから…ヴァイス提督に使ってもらった方が「効率的」でしょう?」 ヴァイス提督「それは……まぁ、たしかに効率的で無駄がないですね」 提督「でしょう?…ところで、よかったら一緒に午前のお茶でもいかがですか♪」 ヴァイス提督「は、それではちょうだいいたします……」 提督「…どうかしました?」 ヴァイス提督「いえ…どうも先ほどから艦娘たちからの視線があるのですが」 ライモン「……あの、カヴールさん…今の、まさかとは思いますけど…」 カヴール「ええ…ヴァイス提督が確かに「夜分にもかかわらず上がり込んで迷惑をかけました」とおっしゃってましたね…これはどういう意味か提督にお聞きする必要がありそうですね♪」 リットリオ「もぉ、私が妹たちと「仲良く」している夜に限ってドイツの提督を部屋に連れ込むなんて……提督もなかなか捨てておけないんだから♪」 ローマ「…っ///」 ヴェネト「もう、姉さんったら…みんなに聞かれちゃう///」 デュイリオ「あらまぁ♪……それはそうと、ヴァイス提督のかけた「迷惑」とやらについて、今夜はたっぷりと提督に尋ねないといけないわ♪」 提督「…あー」 ヴァイス提督「その…申し訳ありません。私がお邪魔したせいで何か艦娘たちと予定していたことが出来なくなってしまったのですね?」 提督「えーと…ヴァイス提督の考えているような真面目なこととはおそらく違いますからお気になさらず……それで、飲み物は…」 ヴァイス提督「カンピオーニ提督と同じものを」 提督「ええ、分かりました……エリトレア、私とヴァイス提督にカプチーノの砂糖二さじ、ミルクはぬるめでスプーマを(泡)多めにして、濃く淹れたものをお願い♪」 エリトレア「はぁーい♪」 ヴァイス提督「あの…カンピオーニ提督……」 提督「ええ、なんですか?」 ヴァイス提督「今頼んだのはコーヒーですか?」 提督「そうですよ?」 ヴァイス提督「イタリアではコーヒー一杯にそんなに色々言わないといけないのですか……」 提督「えーと…私は注文の少ない方なのですが……そんなに多かったですか?」 ヴァイス提督「ええ…そう思えました」 提督「ふふ…それじゃあきっと「お国柄」でしょうね♪」カプチーノを受け取ると眺めのいい席に座り、鮮やかな海を眺めつつゆっくりとすすった… 提督「…ふぅ、美味しい♪」 ヴァイス提督「…確かに美味しいです」 アヴィエーレ「やぁ提督……隣、いいかな」 提督「あら、アヴィエーレ…今日もエースパイロットみたいで格好いいわね♪」アヴィエーレは毛皮の襟付き革ジャケットとサングラス…グレイグリーンの乗馬ズボンの裾は黒の革長靴につっ込んであり、航空チャートも一緒にねじ込んである… アヴィエーレ「グラツィエ…ところで提督、ちょっと欲しいものがあるんだ」 提督「欲しいものねぇ……家具とか?」 アヴィエーレ「いや、家具は充分にあるよ……ふふ、何が欲しいか分かるかな♪」 提督「なら香水とか…でもアヴィエーレはあんまり香水や化粧品は使わないものね……じゃあプラモデルの道具や機材とか…でも休暇で一杯買って来たのよね?」 アヴィエーレ「あぁ、そうだね…どうだい?」 提督「うーん、何かしら……だめ、降参するわ♪」両手を上に持ち上げて肩をすくめた アヴィエーレ「そっか、なら教えるよ…♪」ちゅっ♪…と頬に軽くキスをしてから、ぐっと身を乗りだした…… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/141
142: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/03/29(木) 01:51:46.88 ID:B3eVOtYu0 提督「…なるほど。「戦前の飛行艇を開発で出せないか」……ねぇ?」 アヴィエーレ「ああ、そうなんだ…ほら、提督がこの間「ここの基地祭がある」って言っていただろう?」 提督「ええ、まだひと月は先だけど……それで?」 アヴィエーレ「いや、せっかく基地祭があるんだから、私の作ったプラモデルでも並べようかと思ったんだ…だけどね、1/72スケールの飛行機じゃ並べてみてもちょっと小さいし、お客さんの印象に残らない気がするんだ……で、開発用のタロットで少し「いたずら」できないものか…とね♪」 提督「なるほど…それにしてもアヴィエーレは今から基地祭の事を考えてくれているのね♪」 アヴィエーレ「なぁに、操縦士って言うのは派手なのが好きだし…我が国のアクロバットチーム「フレッチェ・トリコローリ」と言えばなかなかの物だから、ここでもちょっと真似事みたいなことが出来たら楽しいだろう?」 提督「なるほど……でもここには滑走路がないから、海面から離水できる飛行艇や水上機が欲しい…と」 アヴィエーレ「そういうこと…で、どうかな?」 提督「うーん…主計部の査察はあるけど、「カンムスカード」で外れが出ることはままあるし……いいんじゃないかしら♪」 アヴィエーレ「よしっ……実は出してほしい機体もある程度決まっているんだ♪」 提督「あら、そうなの?」 アヴィエーレ「あぁ…この飛行艇なんだけど……提督でもさすがに知らないかな?」革ジャケットのポケットからモノクロ写真を取りだした…水面に浮かんでいる飛行艇は流麗な胴体と速度の出そうな薄翼、それに胴体の支持架に取り付けられたエンジンが特徴的で、モダンでスマートなスタイルが美しい… 提督「えーと……この機体は確か、「マッキM33」よね」 アヴィエーレ「お…さすが提督だ。正解者にはアマルフィ海岸の旅を一週間……と言いたいところだけど、チケットがないからね…代わりにキスをあげよう♪」 提督「あら、ありがと…♪」ちゅ…っ♪ ヴァイス提督「…これがイタリアでは普通なのか…わが国では考えられんな……」コーヒーをすすりながらなかばあきれ、なかば感心した様子のヴァイス提督… 提督「それにしても「マッキM33」ねぇ…25年のシュナイダー・トロフィーだったかしら?」 アヴィエーレ「ああ、そうだよ…二機制作されて一機はレースで三位に食い込む腕の冴えを見せたんだけど、エンジンに他国のお下がりを買ってくるようなフトコロ具合だったからね……それにアメリカのパイロットはあのドゥーリットルだったはずだし」 (※ドゥーリットル…太平洋戦争初期に米国民の士気を高揚させるべく、空母「ホーネット」からB-25「ミッチェル」中型爆撃機を発進させ東京を爆撃する「トーキョー・エクスプレス」を実行した飛行隊長。米軍屈指の腕利きパイロット) 提督「なるほど、それは分が悪かったわね」 アヴィエーレ「ああ…だからもう一度飛ばしてあげたいのさ♪」 提督「分かったわ……それじゃあ、今度の建造の時にやってみるから一緒に来て?」 アヴィエーレ「了解♪」 提督「…さてと、それならしばらく午後の映画は飛行艇の映画にしましょうか♪」 ヴァイス提督「…それはそうと構わないのですか」 提督「何がです?」 ヴァイス提督「開発に使うべき資材や労力をそのようなことにつぎ込んでしまって、鎮守府運営の妨げになりませんか」 提督「妨げになるようなら許可しませんし…それに、いつも戦闘のためにだけ労力を割いていたのでは気が休まらないでしょう?」 ヴァイス提督「なるほど…そう言う考え方もあるのですか」 提督「ええ…もっとも、陸軍と違って砂漠でパスタは茹でませんが♪」 ヴァイス提督「…そのエピソードは聞いたことがあります……が、本当なのでしょうか?」 提督「ふふっ、もちろん冗談に決まっていますよ♪…だいたいイタリア王国陸軍の主食は軍用ビスケットでパスタではありませんし、陸軍は補給が乏しかったのでパスタにありつけるような事はあまりなかったはずです」 ヴァイス提督「なるほど…てっきり本当の事かと思っていました」 提督「まさか…ヴァイス提督だって「ドイツ人は朝・昼・晩とジャガイモを食べている」なんて言われたら冗談だって分かるでしょう?」 ヴァイス提督「ええ、それは明らかに冗談ですが……でも、ちょっと待ってください…」手帳をめくり始めるヴァイス提督… 提督「?」 ヴァイス提督「いえ…出発前の食事ですが……朝食にポテト・パンケーキ、昼は焼きジャガイモとソーセージ…夜はアイントプフでジャガイモが入っていました……」(※アイントプフ…ポトフのような具の多いスープ) 提督「…」 ……… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/142
143: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/03/30(金) 01:10:26.19 ID:lLRiExqy0 …工作室… 提督「さてと…ジャガイモの話は忘れて開発にいそしむとしましょう♪」 アヴィエーレ「ああ、そうしよう…じゃあまずはイメージトレーニングをしてもらおうか」有名な「紅の飛行艇を駆るブタ」が主人公の漫画を取り出し、提督の手に押し付ける 提督「はいはい、分かりました♪……よいしょ」隣の船渠でたゆたうさざ波からの照り返しがちらちらと天井を彩り、涼風が吹き抜ける… アヴィエーレ「…どうだい?」 提督「ええ……前に読んだことはあったけれど、相変わらずこの作中に流れているエスプリ…っていうのかしら、雰囲気がとっても好きよ♪」 アヴィエーレ「だね…私も操縦が出来たなら提督を前席に乗せてあげるんだけどね」 提督「ふふ、ならシュパンダウ機銃を一丁降ろさないと♪」 アヴィエーレ「ははっ、そうだね……もっとも、提督は小島の持ち主でシャンソンを歌っている方がいいかな…そうすればここの艦娘はみんな提督に恋をすることになるからね♪」 提督「それは嫌よ…だって、好きになった人に限って空に上がって行ってしまうんだもの……でしょう?」ぎゅっとアヴィエーレの手を握りしめる… アヴィエーレ「…ふっ、そう言われると返す言葉もないよ……提督…///」ぐっと提督のあごを持ち上げ、唇を近寄せる… 提督「…ん///」…と、そこに三角帽と燕尾付きの上衣だったり、白の詰襟だったりする艦娘の一団がどやどやと入ってきた……艦名に提督や艦長、あるいは海相の名前が付いている潜水艦たちで、わらわらと提督を取り囲む… マルチェロ(マルチェロ級大型潜)「…さてさてカンピオーニ君、ご機嫌いかがかな……潜水艦を建造すると言うのに本官に教えんとは水くさいではないか♪」 エモ(マルチェロ級)「提督、私でよかったら何でも言いつけて下さい♪」 ファー・ディ・ブルーノ(カッペリーニ級大型潜)「私にもぜひお手伝いさせてもらいたいですね」 ベネデット・ブリン(ブリン級大型潜)「いかにも…本官もお手伝いいたします。何しろ「ベネデット・ブリン」と言えば造船中将としてそこそこ有名でしたからな♪」 サイント・ボン(カーニ級大型潜)「提督。マルチェロたちに聞きましたが、何でも新しく建造を行うそうですね……本官も今は「イタリア王国海軍を育てた海相」としてお手伝いに参りましたぞ♪」 アヴィエーレ「…やれやれ、とんだ邪魔が入ったね」 提督「ええ…でも後の楽しみが出来たじゃない♪」 アヴィエーレ「ふふ…かもね。……さ、それじゃあ開発にいそしもうか!」…白紙の「カンムスカード」と青い図鑑のような「カンムス全書」を机に置いた 提督「ええ…それじゃあ行くわよ……ドロー!」さっと群青色の光が辺りを照らすと提督は「カンムス全書」を左手で持ち、カードを右手で投げ上げる…… アヴィエーレ「うーん…カント25AR飛行艇だ……大戦初期の割とありふれた水偵だね…」提督はパシッとつかんだカードをアヴィエーレに渡し、二人で絵柄を確認する… 提督「まぁ、そんな簡単には出ないわよね…じゃあ、もう一回……ドロー♪」 アヴィエーレ「今度はRo43水偵か…アルカナは「航空兵装」だから近いとは思うんだけど……」 提督「思っているカードが出ないのも何だかすっきりしないわね…せーのっ、ドロー♪」 アヴィエーレ「むむ……またRo43か…せめて飛行艇が来ないかな」 提督「んー…意識はすっかり紅の飛行艇になっているんだけど……頭の中で「ウォォォォ…」っていうエンジン音の描きこみまで再生されているのよ?」 アヴィエーレ「じゃあもう少しなのかね……応援してるから頑張って」 エモ「うーん…何が欲しいのかは知りませんが、私も応援してますよ♪」 ブリン「本官も応援しております。何しろそれが終わらんと、潜水艦の建造に取りかかれないのですから♪」 プロヴァーナ「全く同感ですな…それに、提督には憲兵の特別監査の時ずいぶんかばってもらった恩義があるので♪」 モロシーニ「ヴェネツィアでちんぴらの頭を冷やしてやったり、クルティザン(高級娼婦)のお姉さま方と遊んだのがそんなに「いかん」と言われるとは、何とも理解に苦しむがな……とはいえ、提督に迷惑をかけた分はちゃんとお返しせねばならん」 バルバリゴ「いかにも…真のヴェネツィア人は律儀で情に厚く、強きをくじき弱きを助ける好漢揃いなのだ!」 提督「ふふ…ありがと♪」 アヴィエーレ「…ふふ、何とも言い話じゃないか……って、「ピアッジョP7」だって!?」ひょいと受け取ったカードを脇に置こうとして、慌てて絵柄を見直す 提督「ピアッジョP7……って、あの「手が四本必要」な飛行艇?」 アヴィエーレ「ああ…それにしてもこんな珍しいのが来るとは驚いたなぁ!」 提督「…ちょっとよそ見をしているくらいの方がいいのかもしれないわね」 アヴィエーレ「ああ…それじゃあ……ちゅっ♪」 提督「…んっ!?」 アヴィエーレ「…さて、結果はどうかな……っと」 提督「もう…さっき「後でしてあげる」って言ったのに……ふふっ///」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/143
144: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/03/31(土) 01:58:26.82 ID:v8Ho/nM40 アヴィエーレ「あー…提督」 提督「なぁに、アヴィエーレ♪」 アヴィエーレ「今度から開発の時はあさっての方を向いてやった方がいいんじゃないかな……出たよ」 提督「……嘘でしょ?」 アヴィエーレ「嘘なもんか…ほら」真っ赤に塗られたマッキM33飛行艇が、まさに離水しようとしている絵柄のカードを見せた… 提督「…これはまた、ずいぶんとあっさりできちゃったわね……」 アヴィエーレ「ま…できたんだから文句なし……お礼に私の唇をあげよう♪」着ている物も態度も格好いいことは間違いないが、駆逐艦だけにどうしても背の高さが足りないアヴィエーレ…提督を腰掛けに座らせると、少し身を屈めてキスをした…… 提督「んっ…ふふ、それじゃあさっそく飛ばして来たら?」 アヴィエーレ「ああ、そうさせてもらおう…チャオ♪」人さし指と中指の二本でキザっぽい敬礼をすると、足取りも軽く出て行った…… ブリン「行ってしまいましたな……それでは、今度はこちらの方に努力してもらいましょう♪」 提督「ええ…でもちょっと待って……さすがにくたびれたわ」椅子に腰かけたままアイスティをすすり、棚のあちこちを見回した… バルバリゴ「……どうしたのだ?」 提督「ええ、何か甘い物が…ここにクッキーがあったはずよね……」 エモ「それは「夏季休暇の間にネズミや虫がたかったりしないように」…って言って、バカンスの前に食べちゃいましたよ?」 提督「あー…じゃあここにあった板チョコレートは?あれは休暇の後に入れたのだけど」…スパナやレンチの入っている引き出しの中に、一つだけ小ぎれいな紙が敷いてある引き出しが入っている…… ファー・ディ・ブルーノ「…あぁ、それでしたらこの間の掃海任務の後「ガッビアーノ」と「チコーニャ」がもぐもぐしておりましたな」 提督「……このティーセットと一緒に入れておいたピスタチオ入り焼き菓子は?」 サイント・ボン「申し訳ない。そのお菓子なら昨日の訓練後に食べてよいかオリアーニたちに聞かれ「別にいいのでは」と本官が言ってしまった……」 提督「むー……お菓子なしで建造なんかできないわ、何かないの?」 モロシーニ「と言ってもなぁ…我々は菓子など持ち合わせてはいないぞ」 バルバリゴ「食堂に電話をかけたらどうだ?」 提督「うーん…」 チコーニャ「提督、ライモンドから書類の事で……って、どうかしたんですかぁ?」 提督「あ、ちょうどいい所に…ねぇチコーニャ、何かお菓子を持っていないかしら?」 チコーニャ「お菓子…れふか……ちゅぱ…手持ちはちょっと…」口の中で何かを動かしている… 提督「そう…じゃあ口に入っているそれは?」 チコーニャ「えーと、アメ玉れふよぉ……」 提督「ねぇ、チコーニャ…私、そのアメが欲しいのだけど♪」 チコーニャ「ふぇ…っ!?」 提督「開発で体力を使ったから甘い物が欲しくて仕方ないのに、ここにあったお菓子がみんな食べられちゃっているんだもの……ね、いいわよね?」 チコーニャ「でも…ちゅぱ……これ、私の食べかけですよぉ?」 提督「全然かまわないわ…むし歯なんてないでしょう?」 チコーニャ「はい……でも、本当に?」 提督「ええ…ぜひとも私にちょうだいな……♪」 チコーニャ「分かりました…それじゃあ何かお皿を……」 提督「ふふ、直接ちょうだいするから必要ないわ……れろっ…ぬちゅ……あむっ…♪」 チコーニャ「んちゅ…んんっ、ちゅる……ん♪」てろっ…と唾液の糸を引きつつ、大きなガラス玉のようなアメを口移しする…… 提督「ちゅぱ…うん、おいひい……♪」 チコーニャ「き、気に入ってもらって何よりです…っ///」 ブリン「……さて、それではいい加減建造に入ってもらおうかな」 提督「ふぁ…い」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/144
145: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/03/31(土) 14:09:00.85 ID:v8Ho/nM40 提督「…それじゃあ、レバーを引くわね」 ブリン「そうしよう♪」 サイント・ボン「準備は出来ておりますよ」 提督「トーレ(さーん)…ドゥーエ(にーい)…ウーノ(いーち)……建造開始♪」…と、そこにグレイ提督が優雅な足取りで入ってきた グレイ提督「…あら、ちょうどいいタイミングだったようですね」 提督「グレイ提督…どうなさいました?」 グレイ提督「いえ、わたくしもちょうど報告書を書き終えたところでしたので……よろしかったら少しお話でも致しませんか?」 提督「ええ、いいですよ…お菓子はありませんがアイスティをどうぞ?」 グレイ提督「あら、これは涼しげで結構ですね……ちなみに、アイスティはアメリカ発祥の物なのですよ」 提督「えーと…確か万博か何かの暑い日だったそうですね?」 グレイ提督「ええ、さようです……ふぅ、それにしても南イタリアは色彩が豊かで…素晴らしい保養地ですね」 提督「ふふ、堅苦しい話なんてできなくなるでしょう?」 グレイ提督「ええ。むろんヴァイス中佐は別でしょうが…♪」 提督「そうですね……ところでグレイ提督は映画を見ますか?」 グレイ提督「ええ、多少は見ますよ…何か?」 提督「いえ、毎日午後に流している映画なのですが、せっかくイギリスとドイツからお客様がおいでになったのですから、それぞれの国の映画を流そうと…」 グレイ提督「なるほど、いいですね」 提督「で、せっかくですから「007シリーズ」でも流そうかと…どれがお勧めですか?」 グレイ提督「なるほど…でしたらやっぱり「ドクター・ノー」か「ムーンレイカー」が一番ですわ」 提督「そうですか?」 グレイ提督「ええ…わたくしもシリーズは通して見ておりますが、特に「ドクター・ノー」は数十回ほど見ましたもの」 提督「あー…」(…まさかグレイ提督が007好きとは……これは話が長くなるわね) グレイ提督「何しろ時代が時代でしょう?…最初は「ボンドカー」に防弾ガラスが付いているだけで大変な仕掛けだったわけですわね、それが次第に水中に潜ったり宇宙に飛び出したりと、どんどんアクションや表現が過剰になっていくわけですわね……と言っても時代を考えると「近未来の装置」やガジェットは大変にリアリティがあってよろしいですし、わたくしはどの作品も面白く拝見させてもらっております…が、やっぱり初期の大きなサイレンサーをつけたワルサーPPKで活躍している頃が最もリアルでそれらしいと、わたくしの『友人』も申しておりましたわ。後はやはり女性の誘惑に弱い所がスパイらしからぬところではありますが、それもまたショーン・コネリーが斜め上を見上げた時に浮かべるあの笑顔があると不思議と許せてしまう物なのですね……ちなみに…」 提督「…あー、はい」 グレイ提督「わたくしの車についてはまだお話しておりませんでしたわね?」 提督「ええ、そう言えばそうでしたね……グレイ提督はやっぱりロールス・ロイスですか?」 グレイ提督「実家は「ロールスロイス・ファントムW」ですわ…とはいえわたくしが自分で運転するのにRRは少しおっくうですし、「ボンドカー」にあこがれたこともあって、気軽に使える「アストン・マーチン・DB4」にしております」 提督「…DB4が気軽に使える車……ですか」 グレイ提督「ええ…だってセバスチャンに……失礼、セバスチャンは実家の執事のことですわ……とにかくセバスチャンに運転をお願いしないで済みますもの」 提督「あー…なるほど」 グレイ提督「ええ、それに当時は免許も取りたてで「自分で運転してみたい」と思っておりましたし…車を走らせるのは楽しいものですわ」 提督「…免許取り立てでアストン・マーチンに……?」 グレイ提督「ええ…幸い父が運転教官を雇って下さいまして、実家の周囲で練習をしたのです……一周ほんの数マイルほどでしたから、乗馬の代わりによく練習したものですわ」 提督「…」 ブリン「…これが「ホンモノのイギリス貴族」というものですな……」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/145
146: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/04/02(月) 01:14:07.04 ID:sxs6XrCM0 提督「あー…グレイ提督、そろそろ建造が完了しますよ」 グレイ提督「まぁ、それは楽しみですね……ヴァイス中佐にはもう声をおかけしましたの?」 提督「ええ、もうすぐ来ますよ」 ヴァイス提督「…申し訳ありません、遅くなりました」かちっ!…とかかとを鳴らし、滑らかに敬礼する ビスマルク「遅れて失礼した……が、肝心な所には間に合ったようだな」 ティルピッツ「ええ…大事な場面に間に合ったようで何よりです……」 提督「そうね…さ、こちらへどうぞ♪」 …カウンターの時間がゼロになり、「クローゼット」の中からまばゆい光が射しこむ……やっと目を開けられる程度に光が薄れると、そこには中学生程度の艦娘たちが七人と、その七人よりちょっと大柄で、いささか印象の異なる二人が並んでいる…七人の方は淡い灰色のぴっちりした水着姿で、淡い水色や紫の瞳と艶のある肌が透き通るような美しさだが、中の数人はサッキュバスのような際どい色っぽさを醸し出している……もう二人は文学者か何かのようで、ペンと本を抱えている… 銀白色の髪をした艦娘「ボンジョルノ!……あなたがここの司令官ね?」 提督「ボンジョルノ♪…ええ、私がここの提督。フランチェスカ・カンピオーニ少将よ♪……それじゃあ自己紹介をしてもらえる?」 銀白色の艦娘「了解したわ!……私はアルゴナウタ級中型潜、ネームシップの「アルゴナウタ」よ!…艦名は「アルゴー号の乗組員」って意味ももちろんだけど、イカの一種って意味もあるの。敵の船なんて巻きついて沈めてあげちゃうから♪」…どうやらイカの触腕をイメージしているらしく、左右のこめかみからひと房ずつ髪が長く伸びていて、透明感のある肌はまるで新鮮なヤリイカのように見える…… 提督「傑作中型潜「600」型の第一弾ね……お迎え出来て嬉しいわ♪」ちゅっ♪ アルゴナウタ「あんっ…提督はなかなか大胆なのね。唇も柔らかだし、気に入ったわ♪」 提督「ふふ、ありがと…」 淡いスミレ色の髪をした艦娘「…いいですか、提督?」淡いスミレ色の髪がずいぶん長く伸びていて、透明感のある肌は艶やかでみずみずしい…全体的にはかなげな印象で繊細な感じに見える… 提督「ええ、お願い♪」 スミレ色の艦娘「では…私はアルゴナウタ級、「フィザリア」です…一見弱そうに見えるでしょうが、騙されると痛い目に遭いますよ♪」 提督「…なるほど、それで……刺されないように気を付けないといけないわね♪」…フィザリアは猛毒のクラゲ「カツオノエボシ」で、その夢のような美しい外見からは想像できないほど危険だったりする…… フィザリア「ええ…キスしてもいいですけど……毒かもしれませんよ♪」 提督「ふふ、刺さないでね…?」ちゅっ…♪ 薄物を羽織っている艦娘「初めまして、提督…アルゴナウタ級、「ジャレア」です…艦名はゼリーだとか、「クラゲ」の事を指していると言われています……」ゆらゆらととらえどころのない雰囲気ではあるが、夢見るような表情は幻想的で美しい… 提督「それでそのシースルーのケープを羽織っているのね?」 ジャレア「はい……それではごあいさつに…ちゅっ♪」 提督「よろしくね、ジャレア…♪」 淡い紫色の瞳をした艦娘「初めまして、アルゴナウタ級の「ジャンティーナ」です……好きなのは海面に漂っていることと、フィザリア(カツオノエボシ)を食べることです…♪」どこかのんびりしたようなとろんとした目つきで、頭には淡い紫のカタツムリのような髪飾りをつけている… フィザリア「や、止めてよ…恥ずかしいから///」 提督「ふふっ、ジャンティーナだけに…ね♪」…薄紫のカタツムリのような殻を持ち、自分であぶく作って浮きにすると海面をふわふわ漂って、カツオノエボシやクラゲを食べる「ジャンティーナ」(アサガオガイ)…それだけに、よく見ると片手にシャボン玉の入れ物を持っている…… ジャンティーナ「はい…フィザリアは大好きです……♪」 提督「それで…貴女が……っ!?」隣の艦娘と視線が合った瞬間、身体が麻痺したようになる提督……相手の艦娘は何とも美しいが髪を振り乱していて、首元につけた金の蛇をかたどった首飾りに、伸びた爪と紅いルージュがどこかぞっとさせるような毒々しさを含んでいる… 髪の乱れた艦娘「初めましてねぇ…提督さん……アルゴナウタ級の「メドゥーサ」よ…クラゲって言うような意味もあるそうだけど♪」つぅーっ、と提督の頬を指先で撫で上げる… 提督「はぁ…はぁ……んはぁ…」 メドゥーサ「ふふ…石になったりはしないから安心なさいね♪」 提督「くはぁ…はぁ……ふぅ…え、えーと…それで、あなたが……」 透明な感じのする艦娘「アルゴナウタ級、「サルパ」です…クラゲの一種とでも覚えておいてもらえれば大丈夫です♪」 提督「よ、よろしくね…♪」 サルパ「はい♪」 提督「それであなたが……んっ!?」いきなりするりと絡みつかれ、ぐっと抱きしめられる…軽く締め付けられているだけのはずが、しなやかな筋肉質の身体をしていて引き離せない… しなやかな艦娘「…ふふ、アルゴナウタ級「セルペンテ」……海蛇の事ね。メドゥーサとは似ているけれど、間違えないでね…♪」 提督「だ、大丈夫よ……は、離してもらえるかしら?」 セルペンテ「あら残念…もっとぎゅっとしてあげてもよかったのに……♪」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/146
147: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/04/02(月) 01:45:35.30 ID:sxs6XrCM0 グレイ提督「…なかなか独特の艦娘たちですこと」 ヴァイス提督「な、何なんだ…この、大きさに似合わぬ妖しい雰囲気は……」 ビスマルク「…イタリアのUボートは……全員こんななのか…?」 ティルピッツ「…あ、姉上…私を守ってください……何とも恐ろしい相手で…」 ビスマルク「…貴様も戦艦だろうに、たかがUボートにおびえることがあるか……全く、鉄血精神が足らんのだ…!」 ティルピッツ「…姉上は動けないでいる時に潜水艦が忍び寄ってくる恐怖を知らないんです……!」 ヴァイス提督「…馬鹿っ、こんなところで恐れをなしていてどうする……私が付いているんだからしっかりしろ…!」 提督「……えーと、それでお二人が…?」 ペンを持っている艦娘「あー…はい。セッテンブリーニ級中型潜、文学者で愛国者の「ルイージ・セッテンブリーニ」です。イタリアに栄光を♪……申し訳ない、ごく普通のあいさつになってしまって…」 提督「あー…いいのよ、それが普通なのだから……とりあえず、これから一緒に頑張りましょうね」 セッテンブリーニ「はい、なにとぞ…///」 提督「ええ。それであなたが…」 豪華なケープをまとった艦娘「…セッテンブリーニ級の二番艦、古い政治家から名前を頂いた「ルッジエーロ・セッティモ」です。よろしく頼みます♪」親しげにニコニコしながら提督の肩を抱いて背中を軽く叩き、左右の頬にキスをする…が、その目は鋭く、権謀術策や暗殺が渦巻いていたイタリアの政治を渡ってきた策略家らしさが見える…… 提督「よろしくね、セッティモ…それじゃあ全員お腹が空いているでしょうし、食堂に行きましょうか♪」 アルゴナウタ「それは助かる…何しろ腹ペコだ♪」 メドゥーサ「そうね…♪」 セルペンテ「ふふ、新鮮な魚が食べたいわ…♪」 提督「それじゃあ鯛のカルパッチョか、それともパスタにペスカトーレでも作りましょうか♪」 ジャンティーナ「どちらも美味しそうです…♪」 ブリン「うむ、ここの食事は大変美味しいぞ。保障しよう♪」 ジャンティーナ「えーと…提督のような恰好ですが……貴女は?」 ブリン「これは失礼、本官はブリン級大型潜の「ベネデット・ブリン」…きっと名前は聞いたことがあるでしょう」 ジャンティーナ「あぁ、はい…光栄です♪」 メドゥーサ「…それで、貴女はどなたかしら…ねぇ?」 サイント・ボン「本官はアミラーリオ・ディ・サイント・ボン…商船攻撃用大型潜「アミラーリオ・カーニ」級です」 メドゥーサ「あらぁ…偉大な海相の名前を頂いた艦なのね…ふふ、頼もしいわ……♪」 サイント・ボン「あー…うむ、頼って頂ければ本官も嬉しく思いますよ……」 メドゥーサ「ええ…ぜひそうさせてもらいたいわね……」 ……… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/147
148: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/04/02(月) 02:41:20.73 ID:sxs6XrCM0 …艦娘紹介… 潜水艦 中型潜「アルゴナウタ」級。1932〜33年生まれ。七隻 イタリア王国海軍の沿岸用中型潜で、排水量は650トン(水上)/800トン(水中)。単殻・サドルタンク式 30年竣工の中型潜「バンディエラ」級や31年竣工の「スクアロ」級などに連続するように建造された中型潜。 一部性能の不満足だった「バンディエラ」級と、その弱点を残していた改正型の「スクアロ」級よりも一回り小型で性能が優れ、カタログ値以外の実績もよかったことから以後の中型潜のモデルタイプになり、戦前に海外への輸出も行われた優秀艦 水上排水量が600トン前後だったことから「600」型と総称され、実用上の改修を次々と加えられていき、最終型の「フルット」級、およびイタリア敗戦で完成しなかった「フルットU」級や「フルットV」級まで計画されるなど実質的な主力潜水艦として扱われ、多くの改修型や準同型を擁する中型潜シリーズとなった 主機は1200馬力/800馬力で、速度は14ノット/8ノット…武装は533ミリ魚雷発射管4門(艦首)/2門(艦尾)と、102ミリ単装砲一基、13.2ミリ・ブレダ単装機銃2基といたって平凡 …性能もなかなかで大型潜に比べ燃料消費も少なかったことから地中海での激戦に次々と投入され、43年の休戦時に残っていたのは「ジャレア」「セルペンテ」だけ…さらに「セルペンテ」はドイツ側に渡すまいと乗員が自沈させたので、戦後まで残ったのは48年除籍の「ジャレア」だけだった 艦名はいずれも海の生き物で、特に「クラゲ」や「イカ」「海蛇」など魚以外の物が多い …艦娘の「アルゴナウタ」級は中学生程度の小ぶりな艦娘で、クラゲに関係する名前が多いせいか気ままでゆったりとしている娘が多い…が、毒のある「フィザリア」(カツオノエボシ)や「メドゥーサ」(美しさが女神に勝るとあざけり、呪われて髪が蛇になってしまった三人姉妹の妖女。唯一殺せる末妹メドゥーサは退治された)など恐ろしい名前の艦娘もちらほら……可愛い娘とあなどると、提督でさえ容赦なく餌食にされてしまうかも… ……… 中型潜「セッテンブリーニ」級。1932年生まれ。二隻 1929年に単殻・サドルタンク式の「ピサニ」級と性能比較のため建造された部分複殻の「マメリ」級の改型。938トン/1135トン、部分複殻式 …1929年以来、性能そのものは「マメリ」級の方が優れていたにもかかわらずなぜか「ピサニ」級系統の潜水艦が建造されていたが、ここに来てなぜか二隻だけ「マメリ」級系統の設計を受け継いで建造された中型潜。性能は「よくなっていた」と言うが、そこまでの進歩は見られないとも…特に凌波性や復原力に難ありだったという 中型潜にしては1000トン前後とかなり排水量があり、主機も3000/1400馬力で、速度17.5ノット/7.7ノットと、カタログ値ながら水上ではかなり優速。武装も533ミリ魚雷発射管4門(艦首)/4門(艦尾)、102ミリ単装砲一基、13.2ミリ単装機銃二基と豊富ではある 二隻とも43年の休戦まで健在で、連合軍側に付いてからは米海軍の対潜訓練用として仮想敵を務めていたが、一番艦「ルイージ・セッテンブリーニ」は44年11月、訓練相手の米護衛駆逐艦に誤って衝突され沈没。幸い二番艦「ルッジェーロ・セッティモ」は47年の除籍まで無事に過ごした 艦名は一番艦が文学者で愛国者の「ルイージ・セッテンブリーニ」二番艦が中世の政治家「ルッジェーロ・セッティモ」から …艦娘「セッテンブリーニ」級はごくごく普通の文学娘の「セッテンブリーニ」と、深慮遠謀をめぐらせている「セッティモ」の二人で、中型潜にしては意外と大柄…… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/148
149: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/04/03(火) 11:45:40.77 ID:ucdEiMAp0 …食後… セッテンブリーニ「…うーん、このワインの紅の何と美しいこと……夕日かルビーか、はたまたアンタレスのきらめきか…♪」(※アンタレス…戦の神「アレスに対抗する者」さそり座の主星で火星(アレス)と同じく紅いことから) 提督「ふふ、さすが文学者。言うことがお洒落ね」 ポーラ「それでしたらポーラも……一杯ワインを傾ければぁ〜、それは暖かなぬくもり…ぃ♪」くぃ…っ♪ 提督「…なら、二杯傾けたら?」 ポーラ「それはぁ、生きている喜び〜…えへへぇ♪」くーっ…♪ 提督「ふむふむ…じゃあ三杯目は?」 ポーラ「それはぁ…幸せぇ〜…♪」きゅーっ…♪ 提督「なるほど…四杯目は?」 ポーラ「それはぁ、ふわふわと夢心地〜♪」こくん…っ♪ 提督「なかなか上手ね…それじゃあ……」 ザラ「提督、あんまり飲ませないで…ポーラがうまいことを言うたびに飲ませてたら酩酊待ったなしよ?」 ポーラ「えへへぇ…ばれちゃいましたかぁ〜♪」 提督「ふふ、いいから好きなだけ飲みなさいな♪…ポーラが自分の限度をわきまえているのは知っているもの」 ザラ「ちょっと、提督…っ!」 提督「ふふ、それと私も一杯もらおうかしら…♪」 ポーラ「はぁ〜い、どうぞ〜♪」 カヴール「ふふ、いっぱい食べたり飲んだりできる…何とも素晴らしい時代です」 提督「そうね……ところでみんな、少しだけいいかしら?」 カヴール「…あら」 ライモン「…なんでしょうか?」 提督「えーと……実はひと月以上も先の話なんだけれども、ここの基地祭があります……で、よかったら何か出し物や屋台のアイデアを考えて欲しいの♪」と、同時に全員が「わいわいがやがや」と一斉にしゃべり始める… ヴァイス提督「…食事の席で意見を募るとはイタリアらしいな…私の所だったら一人づつ順番に直立不動で発表させるところだ」 ビスマルク「……全く。それに一斉にしゃべってやかましいことこの上ない…」 ダ・ヴィンチ「ふむふむ…基地祭なら、このレオナルド・ダ・ヴィンチが得意の発明で何か……」 グリエルモ・マルコーニ「よしなさいって…この間も全自動……なんだっけ?」 ダ・ヴィンチ「全自動パスタ茹で機ね…あれはちょっと失敗だったわ」 マルコーニ「ほら見なさい…まったくダ・ヴィンチったら……トン・ツー・トトト・トントン……」無線電信の生みの親だけあって、指で机を叩きはじめる… ダ・ヴィンチ「む、この私に向かって「ヘボ発明家」とはおっしゃってくれるわね」 提督「はいはい、喧嘩はしない…それで、何か素敵なアイデアのある娘はいる?」メモ帳を机に置いてペンを手に取った… チェザーレ「とりあえず艦隊の活動を簡潔な文章にすればよいのではないか?…チェザーレもかつてそうしたように」 提督「まるでガリア戦記ね…他に?」 ローマ「ローマ風ピッツァの屋台と言うのはいかがでしょう?」まだ眼鏡の度を直していないので目を細め、それがつんとした表情に見えるローマ… 提督「なるほど♪」 ドリア「でしたら私もお料理の屋台を開きましょう…美味しいものを作りますよ♪」 提督「ふふ、ここには料理上手が多いからお料理の屋台は多そうね……屋台以外で何かあるかしら?」 デルフィーノ「あの…オペラや歌劇なんてどうでしょうか?」 提督「なるほど…いいかもしれないわね♪」 フルット「でしたら歌祭りなどと言うのもよろしいのでは…?」 提督「了解、書き留めたわ…後で思いついた娘がいたら、私に教えてね……以上♪」 グレイ提督「…基地祭ですか……ジブラルタルでも何度か行いましたが、存外面白いものですよ?」 提督「そう聞いています…でも、見る側は経験がありますが実行するのは初めてなので……」 グレイ提督「…よろしければ私もお手伝いして差し上げますわ」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/149
150: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage] 2018/04/04(水) 00:40:42.60 ID:p05LerSeo グレイ提督の隠れSを期待してます http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/150
151: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/04/04(水) 02:26:46.48 ID:j0+qbPcc0 >>150 むむむ、先読みされてしまいましたね…明日以降にまた投下していきますが、イギリスには犬の着ぐるみを着てリードを付けてもらい散歩するストレス解消法があるなど「様々な嗜好」の方がいるそうなので、きっとグレイ提督も何かあるでしょう…… ちなみに次こそ百合姫提督の所が出てきます…提督が基地祭の出し物についてアドバイスを受けるためですが、それにかこつけて百合姫提督と日本の艦娘たちの和気あいあいとしたところを少し書こうかと…… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/151
152: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/04/05(木) 01:22:53.50 ID:3ovV2J3S0 …午後・執務室… 提督「むぅ…」各艦種から数人づつ代表に来てもらってあれこれとアイデアを出し合う提督……執務机には大きな紙に色々なアイデアやスケッチが書かれている… ライモン「…ずいぶんと悩んでおられますね、提督?」 提督「ええ、だってここで初めての基地祭だもの…もちろん、私にとってもね♪」 カヴール「それで、どの案を採用します?」 提督「まぁ、いくつかできそうな物があるわね……とりあえずみんなの得意な各地の料理や飲み物の屋台をいくつか出して「イタリア料理全国ツアー」と、ステージを作ってやるような歌劇や歌、ちょっとした喜劇みたいな軽い出し物……あとは「お堅い」展示としてイタリア艦隊のあれこれをパネルにしたり、アヴィエーレがこれまで作ったプラモデルをケースに入れて展示しようかなー…って言ったところかしら」 ルイージ・トレーリ(マルコーニ級大型潜)「なるほど…いいと思いますよ。よかったら私も「日本つながり」で、ちょっとした和食でも作ってみましょうか?」…イタリア潜として輸送任務に就き、見事に神戸へと到着するも、数奇な運命で伊・独・日と所属を変えた大型潜「ルイージ・トレーリ」…そのせいもあってか物事の調整が上手で三カ国語を流暢に操り、その上優しげな顔立ちとメリハリの効いた抜群のスタイルを持っている…髪にはトレードマークとして日本らしい銀とヒスイの髪飾りをつけている… 提督「なるほど、いいかも知れないわ。ドイツ料理はさておき「和食を食べてみたい」っていう人は多いでしょうけど、ここみたいな田舎ではなかなかその機会もないものね」 トレーリ「ええ、お魚は手ごろな値段で手に入るわけですし……たとえばお寿司の屋台とか♪」 提督「お寿司ね。でも暑い盛りに生魚だと痛むかも知れないわね…」 トレーリ「確かにそうですね…それならかき氷なんてどうでしょう?かき氷ならかき氷機もあるわけですし、食料庫の冷凍室に氷をうんと作っておけばいいですもんね?」 提督「ふふ、なるほどね…ザラはどう?」 ザラ「そうねぇ…今の所どれも納得のいくアイデアだと思うわ。むしろ歌劇は何をやろうかしら♪」 アルフレド・オリアーニ(オリアーニ級駆逐艦)「そうね…やっぱり「ロメオとジュリエッタ」とかじゃない?」 ガッビアーノ(ガッビアーノ級コルヴェット)「なら提督がロメオで決まりかな…」 カヴール「でしたら私がジュリエッタを…と言いたいところですが、私はおばあさんなのでおしゃべりな「ジュリエッタの乳母」でいいですよ♪」 ライモン「…な、ならわたしは……いえ、何でもないです///」 提督「はいはい、脱線しないの…それより本当に、予定はこれだけでいいものかしら……」 ガリバルディ「ふふ…ねぇ提督?」 提督「なぁに、ガリバルディ?」 ガリバルディ「提督の手元にあるその電話とコンピューターは何のためにあるのかしら…日本の百合姫提督やアメリカのミッチャー提督、ことによってはフランスのエクレール提督に聞いてみればいいじゃない♪」 提督「あー、その手があったわね…それに姫なら交換プログラムの後半で「ヴェネツィア第三」にいるから時差もないわ……それじゃあさっそくかけてみましょうか♪」電話帳と受話器を取り上げ、番号を探す… ガリバルディ「ええ、それがいいんじゃない?」 シロッコ(マエストラーレ級駆逐艦)「…それじゃあ私が「歴史の立会人」になってあげる♪」 提督「ふふ、そんな大げさな……もしもし、ヴェネツィア第三ですか?…こちらはタラント第六司令官のカンピオーニですが……ふふ、こんにちは♪」 ライモン「…お知り合いの方ですか?」 提督「ええ。ヴェネツィア第三は「シモネッタ大佐」って言う、年上好みの私と違ってぺったんこな幼女が好きな………はーい、そっちは艦娘の娘とうまく行っている?…そう、それは何よりね♪……ところでそちらを訪問中の百合野准将を……ええ、お願い♪」 カヴール「百合野提督はいらっしゃいました?」 提督「ええ、すぐ出ますって♪」 …アドリア海管区・ヴェネツィア第三鎮守府… シモネッタ大佐「…はいはい、ちょっと待ってね……リベッチオ、ちょっと私から降りて?」…制服のワイシャツだけでベッドに寝転がっていたが、片手を伸ばして電話を保留にした……それから胸元に抱きついている褐色の艦娘「リベッチオ」に声をかける… リベッチオ(ヴェネツィア第三)「やーだ、提督と一緒にいるのぉ……♪」 シモネッタ「んふふ…そう言うわがままを言うとまたまたイかせちゃうわよ…いいの?」 リベッチオ「ふふーんだ…いいよ、むしろごほうびだもんっ♪」 シモネッタ「もう、仕方ないわね…じゃあパンテーラ、ちょっと百合野准将を呼んできて?」 パンテーラ(レオーネ級駆逐艦・ヴェネツィア第三)「いやよ、ずっと提督の脚にすりすりしてたいもの♪」 シモネッタ「でもこれじゃあ百合野准将を呼べないじゃない…あぁ、もう仕方ない♪」電話を内線に切り替え百合姫提督に電話を取るように頼む…それが済むと受話器を置き、また駆逐艦たちとたわむれはじめた… リベッチオ「ねぇ提督ぅ?」 シモネッタ「うーん、どうしたの…?」 リベッチオ「今の電話はお友達からの?」 シモネッタ「ええ、いいお友達からよ…「母親みたいな年をした胸の大きい人が好き」って言うのがたまにキズだけどね♪」 ……… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/152
153: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/04/05(木) 01:47:01.27 ID:3ovV2J3S0 …ヴェネツィア第三・百合姫提督の客室… 百合姫提督「もしもし、お電話かわりました…あら、フランチェスカ♪」隣にいる随伴艦の「足柄」と「龍田」のためにスピーカーへ切り替える 提督「…こんにちは、姫♪」 百合姫提督「ええ、こんにちは…お電話をくれて嬉しいわ、足柄と龍田も一緒よ♪」 提督「ふふ、そんなことを言ったって先週も電話をしたじゃない♪…それと、こんにちは足柄、龍田♪」 足柄「ええ、こんにちは…相変わらず元気そうね?」 龍田「うふふ、あんまり鎮守府の艦娘と「演習」ばっかりしちゃだめよぉ?」 提督「ええ、一日一回くらいだから安心して?」 龍田「十分すぎるわねぇ……とにかく提督に用事なのよねぇ、どうぞ?」 提督「ありがと。まずは姫の声が聞けて嬉しいわ……お邪魔じゃなかったかしら?」 百合姫提督「ふふ、フランチェスカからの電話ならいつだって大丈夫よ…それで、今日はどんなお話があるのかしら?」 提督「ふふ…今日は私じゃなくて、姫に聞きたいことがあって電話をしたの♪」 百合姫提督「…私に?」 提督「そうなの……姫は大尉になってからずっと、各地の鎮守府で司令官をしていたわよね?」 百合姫提督「ええ…最初は駆逐隊司令から始まって、呉、舞鶴、佐世保、館山、新発田……だいたいの鎮守府は巡ってきたと思うわ」 提督「ならちょうどいいわ…日本の鎮守府には「基地祭」みたいなイベントはあった?」 百合姫提督「ええ、たいていあったわ…それがどうかした?」 提督「……実を言うと…」 ……… … 百合姫提督「…なるほど、それでどういう出し物があればいいか困っているわけね?」 提督「ええ。何しろアイデアはたくさんあるのだけど、準備や予算の都合もあるし…どんな催しものがいいか教えてもらえる?」 百合姫提督「分かったわ、それじゃあ一番最近やった横須賀での話をするけれど……それでいいかしら?」 提督「ええ、お願い♪」 百合姫提督「はいはい…それじゃあ足柄と龍田も付けたしがあったら言ってね♪」 足柄「了解」 龍田「ふふ、分かったわぁ…♪」 ……… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/153
154: ◆b0M46H9tf98h [saga] 2018/04/05(木) 02:37:47.99 ID:3ovV2J3S0 …一年前・横須賀第二鎮守府「基地祭」にて… 百合姫提督「ふふ…今年も大盛況ね?」 足柄「ええ、そうね……もっとも今日は連休だし、提督は顔も可愛いから広報受けがいいんじゃないかしら?」 百合姫提督「ふふ、別に顔で艦隊運営するわけじゃないのにね?」 足柄「とは言ってもそこはやっぱり写真写りのいい美人や二枚目の提督さんじゃないと、候補生の募集にも差し支えるってものよ……で、出し物の具合はどうなのかしらね?」 百合姫提督「んー…みんな上手く切り盛りしているみたいだけど、よかったら二人で巡ってみましょうか♪」にっこりと微笑む百合姫提督… 足柄「そ、そうね……あー、えーと…その、混みあっているから……手をつないだ方がいいんじゃないかしら///」 百合姫提督「ええ、そうしましょう♪」 足柄「///」 百合姫提督「…受付ご苦労さまです」丁寧に受付兼荷物チェックの警務隊に挨拶する……入り口の門にはにぎにぎしく紙の花やリボンが飾ってあり「横須賀第二鎮守府」の看板の脇には「横須賀第二鎮守府『横二祭』」と看板が立ててある… 警務隊「は、わざわざご足労いただき感謝いたします!」長机を両側に置き、そこで手荷物を開けてもらってチェックをする警務隊… 百合姫提督「いえいえ…人出はどうですか?」 警務隊「それはもう芋を洗うようで……今日の「横二祭」には何でも人気の声優さんだかが来るそうですし、もう大変ですよ」 百合姫提督「そうですね…終わったら詰所の冷蔵庫にお茶を買っておきましたので」 警務隊「は、助かります……はい、二列に並んで!手荷物のチャックは先に開けておいて下さい!」 百合姫提督「…それじゃあ行きましょうか♪」 足柄「ええ」 …鎮守府・構内… 百合姫提督「雪風、売れ行きはどう?」 …構内には道路に沿って十数軒の屋台が並んでいて、近隣住民や観光客、海自関係者、地方新聞や広報部の記者、それに「艦娘友の会」の花飾りを付けた会員などがひしめき合っている……くじで決めた屋台の順番で入り口すぐにあったのは「雪風のかき氷」で、暑い中やってきた上に、入り口でずいぶん待たされる来客を相手に飛ぶように売れている…… 雪風「それはもう大変です…幸い扇風機はありますから熱中症にはならないでしょうけど……はい、いらっしゃい♪」 百合姫提督「…大変な人気ね♪」 足柄「何しろ暑いもの……アスファルトの照り返しで焦げ付きそうよ」 百合姫提督「一個買ってあげましょうか?」 足柄「わざわざ混んでいる所で買わなくても、向こうにもかき氷の屋台はあるじゃない…でしょ?」 百合姫提督「それもそうね……あ、ここは吹雪の屋台ね」 吹雪「…あ、二人ともよかったら一つどうぞ、蒸したてですよ♪…もっとも、こんなに暑い日だと知っていたらやらなかったですが…ふぅー、暑い……」駆逐艦「吹雪」の屋台は名前にかけた「吹雪まんじゅう」で、ふっくらと蒸し上がった生地から透ける、こしあんたっぷりの吹雪饅頭がせいろに並んでいる……が、暑い最中に蒸し物をしているせいで汗だくになり、扇風機の風に加えてばたばたとうちわで扇いでいる… 足柄「弱音を吐かないの…フィリッピンに比べたら大したことないでしょうが?」(※フィリッピン…比島。「フィリピン」ではない所がミソ) 吹雪「それはそうですが…機関科の苦労が身に染みますね……はい、どうぞ」 足柄「あら、ありがと…あつっ!…はむっ、はふっ、んむ……砂糖を「おごった」わね、とっても甘くて美味しいわよ?」 吹雪「ふふ、気に入ってもらって何よりです……いらっしゃいませー!」 百合姫提督「ふふ、一口ちょうだい…?」 足柄「それじゃあ…はい♪」ふわりと饅頭を割って、ほかほかと湯気を立てる半分を渡す… 百合姫提督「ふふ、ありがとう…では、いただきます……あ、美味しい♪」 足柄「そうね…提督、ここは混みあっているからもうちょっと奥に行きましょう?」 百合姫提督「ええ…♪」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/154
155: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/04/05(木) 03:31:11.69 ID:3ovV2J3S0 足柄「ふー…ようやく人ごみを抜けられたわね……大丈夫?」 百合姫提督「ええ、おかげさまで…足柄はエスコートが上手なのね♪」 足柄「よ、止してよ…ほら、かき氷でさっぱりさせましょう?」 赤城「あら、いらっしゃい…仲良く見回りですか?」 足柄「…っ///」 百合姫提督「ええ…売れ行きはどう?」 赤城「おかげ様で上々です…ね♪」 時雨「うん、赤城がかき氷機を回してくれるおかげで助かってるの……提督もいかが…?」 …のぼりには「かき氷」とあり、イチゴ味の「赤城しぐれ」を売っている……なぜか横ではおつまみに良さそうな「牛の時雨煮」のパックと、酢醤油か辛子味噌でいただく「刺身こんにゃく」まで売っているが、そこは「時雨煮」の「時雨」と、こんにゃくの産地である群馬の名峰から名前を取った「赤城」なので仕方がない… 百合姫提督「ありがとう、それじゃあ三百円…♪」 時雨「毎度あり……それにしても…」 百合姫提督「ん?」 時雨「いや、三百円ねぇ……昔だったら三百円で料亭を貸し切りにしてどんちゃん出来たろうなー…って思って…」 足柄「あー…分かるわね、それ……」 赤城「…うんと美味しいお酒と天ぷら…それにきれいどころの芸者をあげて…ですね♪」 百合姫提督「うーん…三百円で料亭は無理だから、後でサイダーでも買ってあげる」 時雨「ふふ、ありがと……それじゃあまた後でね…」 百合姫提督「ええ…♪」 足柄「……ねぇ提督、何だかすごく美味しそうな匂いがしない?」 百合姫提督「…確かにするわね、行ってみましょうか……」 龍田「…はーい、いらっしゃーい」海軍独特の「ねずみ色」をしたエプロンをかけ、じりじりと熱気の立ちのぼる揚げ鍋の前に立っている…姉の「天龍」も手を貸していて、注文を受けると手早く会計を済ませている… 足柄「道理で…竜田揚げの屋台だったのね……美味しそうじゃない♪」 龍田「ふふっ、とっても美味しいわよぉ…おひとついかが?」…竜田揚げの語源になったとも言われる軽巡「龍田」の竜田揚げは衣に使う小麦粉を切らした司厨長の苦肉の策とも言われる…が、からりと揚がったそれはいかにも美味しそうにぷちぷちいっている…… 足柄「それじゃあおひとつ…って、何よこれ……」一口大に切った普通の竜田揚げが入っている透明なパック…の脇に、モモ肉一枚を丸ごと使った竜田揚げが数枚入った、特大のパックが鎮座している…… 天龍「あぁ、それ?」 足柄「ええ…すっごい大きさだけど……」 天龍「それはうちらの排水量にちなんで3500トン…は無理だから、3500グラムの竜田揚げ……どう、よかったら買って行かないか?」 足柄「そんなの食べたら胃がもたれてしょうがないわよ…普通のをもらうわ」 天龍「毎度ありぃ…またどうぞ♪」 百合姫提督「じゃあそれはお昼に食べましょうか……あ、ここは最上の屋台ね♪」 最上「提督、来てくれたんだ…嬉しいな♪」 …重巡「最上」は駆逐艦「五月雨」と一緒に「最上の最中」とだじゃれのようなのぼりをたてて最中(もなか)を売っている……改修前は少し頭が重くバランスの悪かった「最上」ではあるが、俳句の「五月雨を集めて早し最上川」と詠まれたこともあって、鎮守府では風流で通っている… 百合姫提督「…ええ、せっかくだから一つ下さいな♪」 五月雨「はいどうぞ…足柄さんと仲良く分けて下さいね♪」 百合姫提督「ふふ、ありがと……この後はどうしましょうか?」 足柄「うーん……中は冷房が入っているから涼しいだろうし、残りの屋台は午後に回ることにして涼みましょうよ?」 百合姫提督「ええ…それもそうね♪」 ……… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/155
156: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/04/06(金) 01:44:17.63 ID:Kz5GYziQ0 百合姫提督「…ふぅ、やっぱり中は涼しいわ」 …鎮守府の一部はエアコンを効かせ、涼みがてら入場できるように開放してある……その上であちこちに「横須賀のこれまで」や「横須賀第二鎮守府の歩み」と言ったパネル展示と、ガラスケースに納められた古い軍旗や写真と言った骨董品、それと海を模した青いプラ板の上に「横須賀第二鎮守府」所属艦艇を揃えたウォーターラインの艦船模型コレクションが並んでいる… 足柄「ええ、そうね…そう言えば中でも催し物があったわよね?」 百合姫提督「ええ、よかったら見ていきましょうか?」 足柄「そうするわ」 那智「……あら、提督に足柄も」涼しい部屋では折り目正しく浅葱色の着物をまとい、ちょっとした雑談を交えながらパチリと碁を打つ重巡「那智」がいた…相手は来場者のお爺さんで、その周りにはやいのやいのと指図したりあれこれ戦法を教えている数人の野次馬がいる……何しろ「那智黒」と言えば碁石として有名で、鎮守府一の棋士でもある「那智」だけに、お爺さんたちは旗色が悪い… お爺さん「うむむ…なぁ、どう思うね?」隣にいる白髪のお爺さんに助けを求める 白髪のお爺さん「あーん、こりゃ難しいな…」 那智「……ごゆっくりどうぞ。提督は見回りですか?」 百合姫提督「ええ…そっちはどう?」 那智「五分五分ですよ……さっきは小学生と一局していました。おしゃべりも交えて気軽に対局してますよ」 百合姫提督「そう、それじゃあ頑張ってね…対局中に失礼しました」お爺さんたちに一礼してその場を後にする… 足柄「和やかで何よりね……こっちは潜水艦の出し物ね」 百合姫提督「じゃあ寄っていきましょう」 伊一六八(海大6a型・旧「伊六八」潜)「あ…提督、来てくれたんですね。忙しいでしょうけど楽しんでます?」室内には墨色も淡い仮名文字で書かれた和歌や俳句が飾ってある… 百合姫提督「ええ、おかげさまで…「いろは」はどう?」(※「いろは」…百合姫提督が「伊一六八潜」につけた通称。168の番号から「いろは」) 伊一六八「楽しんでます…昔の「かな」を読もうって言う企画を「伊二三」とやってるんですよ♪」 百合姫提督「うんうん、そうだったわね…「ふみ」はどう、上手く行ってる?」(※「ふみ」…同じく百合姫提督のつけたあだ名、艦番号の23から「ふみ」) 伊二三(伊一五型)「おかげ様で、結構人も来てくれたの…後は午後まで休憩♪」大型で水偵搭載機能を持っていた伊一五型(乙型)の「伊二三」潜が椅子に座ると扇子を取り出し、心地よさ気に目を細めて扇いだ… 百合姫提督「そう、いいわね…ところで足柄?」 足柄「うん?」 百合姫提督「……少しお腹も空いてきたし、もう一度表に出て何か買いましょう?」 足柄「分かったわ…正直出たくはないけれどね」 伊一六八「それじゃあまた後で」 百合姫提督「ええ…またね♪」 …鎮守府・屋台村… 足柄「うぇ、やっぱり暑いわね……手早く食べ物を買って室内に撤収しましょう?」 百合姫提督「ええ…それじゃあ二人で手分けして……あら、利根の屋台があるわね♪」 利根「はい、らっしゃい!…提督もよかったら利根の太巻き寿司を買ってく?」…日本三大暴れ川の「坂東太郎」だけあって威勢のいい重巡「利根」は着流しに鉢巻き姿で、桜でんぶやかんぴょうを巻いて花柄に仕上げる千葉県名物「太巻き寿司」を売っている…… 百合姫提督「ええ、おひとつ下さいな♪」 利根「あいよ、毎度ありぃ!」 足柄「…じゃあ私も……ねえ高雄、それって焼きそば?」 高雄「ううん、「高雄」だけに台湾ビーフンなんだけど…どう?」 足柄「もらうわ…それにしてもこういうのを見ると南支方面を思い出すわよ……」 高雄「まぁまぁ、しみじみしちゃって…♪」 百合姫提督「あら、甘酒ね…二杯ちょうだい?」 酒匂「はぁーい……ひっく…♪」軽巡「阿賀野」型の「酒匂」はたちこめる酒気でほろ酔い状態になりながら甘酒を売っている… 足柄「お昼は買えたわ…さ、座れる場所を探しましょう♪」 百合姫提督「ええ…それじゃあみんなも無理せずに、休憩しながらお店をやってね?」 ……… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/156
157: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/04/06(金) 02:40:17.15 ID:Kz5GYziQ0 百合姫提督「…と、いう訳でたいていは食べ物や飲み物の屋台だったわ……後は割り箸鉄砲で射的とかも♪」 提督「……割り箸鉄砲?」 百合姫提督「あー…えーと、割り箸を輪ゴムで銃の形に組み立てて…引き金に当たる部分に挟んだ短い割り箸の棒と、先端に付けた刻みに弾の輪ゴムを引っかけて……」 提督「えーと…つまり昔のクロスボウ(弩)みたいな形で打ち出すの?」 百合姫提督「だいたいそう言う感じね…もっとも、引っ張られるのは「弾」にあたる輪ゴムの方だけど…」 提督「うんうん…それで?」 百合姫提督「ええ、それでね…」 ……… … 百合姫提督「ふー…美味しかったわね」 足柄「ええ、ちょっとまだ物足りないけど…あれだけ混んでいるんだから、そう文句をいっちゃあいけないわよね」 百合姫提督「それにしても……太巻きに五目ビーフンに…」 足柄「行列が途切れていたから買えた「明石」のタコ焼き…明石ときたら相変わらず駆逐艦から重巡まで何人もはべらせて、満面の笑みでにやけてたわ……」 百合姫提督「工作艦だけにお世話になった娘も多いもの、仕方ないわ…確かに嬉しそうだったけれどね」 足柄「でしょう、あの女ったらしには参るわ……で、後はライスカレー…と言いたかったんだけどね」 百合姫提督「みんな考えることは同じね…もしお祭りが終わって残ってたらいただきましょう♪」 足柄「まぁ良いわ…どうせ土曜日…いえ、最近は金曜だったわね……じゃないし、カレーの気分じゃないわ」 百合姫提督「ふふ、負け惜しみを言っちゃって…♪」 足柄「別に負け惜しみじゃないわよ…それに私だってカレーには一家言あるんだもの、わざわざ誰かのを食べなくたっていいわ」 百合姫提督「ふふ…それじゃあもう少し見まわりをして、それから私は本部に戻るわ♪」 足柄「了解」 百合姫提督「……で、ここは射的なのね?」 秋月「はい、秋月型だから対空戦…という訳ではないですが、ゴム鉄砲を撃って、天井につるしてある的が落ちて来れば景品がもらえますよ」 百合姫提督「それにしても…射的「小園中佐の射撃場」……「目指せ黒鳥少尉!」ね」 (※小園安名…斜め銃の生みの親。最初は使いどころのなかった「月光」を有効活用するために発案したが、最後は単発の局地戦闘機「雷電」など、B-29の飛行高度まで届かないありとあらゆる機体に斜め銃を積ませるなどいささか過度な斜め銃信奉者に……黒鳥少尉は「月光」のエース。当時にありがちな大本営の水増し発表ではっきりしないが、9機前後のB-29を撃墜・撃破している) 秋月「よかったらどうですか?」 足柄「やっていきなさいよ、提督…腕の冴えに期待しているわ♪」 百合姫提督「ふふ、じゃあ頑張ってみます……えい!」パチン…ッ! 秋月「んー、惜しいですね…まぁ、弾は十発ありますから頑張って♪」夏季制服に身を包んだ百合姫提督が真剣な表情でゴム鉄砲を次々に撃つ… 百合姫提督「……んー…やっ!」 秋月「…おー、最後の一発で見事射止めましたね…はい、どうぞ♪」 百合姫提督「ええ、ありがとう…♪」駄菓子の袋をもらってどこか満足げな百合姫提督… 足柄「それじゃあ本部はこっちよね…また後で……」 百合姫提督「ねぇ足柄、せっかくだからあれもやっていきましょうよ♪」…視線の先には「二式大艇揚収ごっこ」とある 足柄「あー、はいはい…秋津洲、提督がやりたいそうよ」 秋津洲「はい、分かりました…やり方はいわゆるヨーヨーすくいと同じです。まずは私がやってみせましょう」…旧海軍では珍しく複雑な迷彩を施し、砲術に詳しかった艦長が独自に編み出した回避運動で度重なる空襲を幾度もかわし、長く飛行艇乗りたちの「憩いのフネ」だった水上機母艦「秋津洲」(あきつしま)…その秋津洲がデリックにそっくりな割り箸で器用に二式大艇……の代わりを務めるヨーヨーをすくい上げる 百合姫提督「まぁ、上手ね」 秋津洲「何しろ一個も揚収できない方もいるので、お手本を見せてあげないと……では、どうぞやってみて下さい」 百合姫提督「ええ、よいしょ……あ、上手く取れたわ♪」 足柄「全く…なんのかのですっかり満喫してるわね」 ……… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/157
158: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/04/08(日) 01:08:05.06 ID:zTNukEI10 … 百合姫提督「と言うような感じだったの…大変だったけど結構面白かったわ♪」 足柄「ほんと、大変だったわよ……迷子が出たりしてね」 龍田「よりにもよって「金剛」が当番の時に本営にきちゃったのよねぇ……」 提督「金剛って巡洋戦艦……あー、それとも高速戦艦…よね?何か悪いことがあるの?」 百合姫提督「あー…うん、他の鎮守府にいる「金剛」は別に普通の戦艦なんだけど……うちの金剛は…」 ……… …鎮守府本営… 大淀「提督、戻られました!」 百合姫提督「ええ、戻ったわ…何も問題はない?」 大淀「え、えぇーと……それが…迷子のお子さんが一人……警務隊にも親御さんの捜索を要請済です…」 百合姫提督「なら見つかるまで迷子係の娘にあやしてもらって…どうしたの、複雑そうな顔をして?」 大淀「それが…松型の「松」や「梅」だったらよかったのですが、さっき交代してしまいまして…」 百合姫提督「それじゃあ、今は誰が?」 大淀「……山城と金剛です」 百合姫提督「…すぐ様子を見てきます」 …迷子預かり所… 百合姫提督「失礼するわね…金剛、迷子の様子は……」 迷子「うわぁぁぁ…ん!!」泣きわめきながら百合姫提督のもとに飛び込んでくる、小学生くらいの女の子…… 百合姫提督「きゃ…っ!?」 金剛「大丈夫、お姉ちゃんは怖くなんかないですよ……ぅ♪」長い黒髪はねじれて胸元に絡みつき、銀の蛇がのたうつ模様の着物に、真っ赤なルージュを引いた唇をわずかに持ち上げた微笑み… 百合姫提督「金剛、こんな小さい女の子を泣かせちゃあだめでしょう?」 金剛「別に泣かせるつもりなんてないですよ……ほぉら、お姉ちゃんと一緒に仲良く遊びましょ…♪」するりと細い指で子供の涙をすくい上げる…その手つきがまた鬼気迫るものがあり、女の子の背筋が凍りつく… 迷子「ふわぁぁ…あぁぁん!!」 百合姫提督「その笑い方は怖すぎるわよ…まるで「シャイニング」じゃない……もう一人は?」 山城「お呼びですか、提督…さっきからあやしてあげているのにちっとも泣き止んでくれなくて……はぁ、最近の子供はこらえ性がないですね」…側頭部に般若の面をつけ、白い八重歯もぎらりと鋭い戦艦「山城」……泣く子も黙る「鬼の山城」「蛇(じゃ)の金剛」が揃い踏みをしていて、女の子はすっかり震え上がっている… (※「鬼の山城、蛇の金剛」…旧海軍で一番しごきが厳しかったと言われる艦。他にも「長門」「霧島」などで言われることも) 百合姫提督「あぁ…もう、二人とも本営の方をお願い……大丈夫?」 迷子「うえぇぇ…ひぐっ…ぐすっ……」 百合姫提督「だいじょうぶ、あのお姉ちゃんもいい人たちだから怖くないわ……ね?」 迷子「…うん……ぐすっ…」 百合姫提督「……大淀、誰か駆逐艦あたりで手すきの娘がいないかしら…大きい艦娘より、やっぱり年恰好が近い方が安心すると思うの」 大淀「了解、放送をかけますね…」 金剛「おばあちゃん呼ばわりはやめてほしいですね…この輝くような私に!」入り口から笑顔をのぞかせる金剛(※金剛石…ダイアモンド) 迷子「ひっ……わぁぁ…ん!!」 百合姫提督「ほら、また…分かったから向こうの当番をお願い」 金剛「むぅ…あれが子供でなきゃお尻に精神棒なのにね、まったく……そうよねぇ、山城…?」 山城「全く、失礼してくれますよね…誰もかれも揃って「鬼」だの「般若」だの「夜叉」だの「羅刹」だの……ぶつぶつ…」 ……… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/158
159: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/04/08(日) 01:41:00.52 ID:zTNukEI10 提督「その女の子は災難だったわね」 百合姫提督「ええ…ともかく、基地祭は屋台みたいな出し物を中心に、舞台で歌舞伎をやったり……」 提督「…歌舞伎ね、いかにも日本らしいわね」 百合姫提督「何しろ艦娘の娘たちにとっては昔の物の方がなじみ深いものね…おかげで歌舞伎や落語、川柳や狂歌にはうんと詳しくなったわ」(※狂歌…五・七・五・七・七で詠む面白おかしい句) 提督「なるほど…ありがとう、色々参考になったわ♪」 百合姫提督「いえいえ、こちらこそお役にたててうれしいわ。それじゃあね」 提督「ええ、またね♪」 ライモン「……なるほど、屋台に出し物に…展示もあるのですね」 カヴール「せっかくですしオペラはやりましょう♪」 オリアーニ「ええ、賛成!」 提督「それじゃあ……後は夕食の後でグレイ提督にも聞いてみましょう♪」 ライモン「はい」 カヴール「それではいったん解散です…みんな、お疲れさま♪」 オリアーニ「じゃあ駆逐艦のみんなには話を通しておくわ…私が言うんだから、きっと文句なしだけど!」 ザラ「重巡には私から伝えておくわ」 提督「お願いね……さーてと♪」 カヴール「何ですか、にこにこして?」 提督「いえ…せっかく暖かくて気持ちのいいお昼だもの……ちょっと水着で庭にでも行こうかな、なんて♪」 カヴール「それなら麦わら帽子をかぶって行って下さいね、まだ暑いですから…♪」 提督「ええ」 …しばらくして・庭… 提督「んーっ…ちょっと日差しが厳しいけど、風が気持ちいいわ♪」 マエストラーレ「…提督も海水浴?」 提督「ううん…海水浴じゃないけれど、ちょっと日向ぼっこをね♪」 マエストラーレ「そうなの、じゃあ私はひと泳ぎしてくるわ…チャオ♪」 バリラ(バリラ級大型潜)「あらぁ、提督…♪」 提督「バリラは日向ぼっこ?」 バリラ「いいえ、お母さんもちょっと遠泳してくるわ…それからシャワーを浴びて、夕方までお昼寝♪」 提督「素敵な時間の過ごしかたね……うーん、やっぱり泳ごうかしら」 バリラ「せっかく水着なんだもの…泳ぎましょう?」 提督「そうね、どうせ運動しないとライモンに「運動するか食事を減らすかのどちらかですよ」って、やいのやいの言われるもの……じゃあ証人になってね?」 バリラ「ええ、いいわよぉ♪」 ……… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/159
160: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/04/08(日) 02:05:14.22 ID:zTNukEI10 …夕食後… 提督「グレイ提督…少しお話をよろしいですか?」 グレイ提督「ええ、どうぞ♪」 提督「じつは、基地祭のことで……ジブラルタルではどんな具合だったのか教えてもらえませんか?」アドバイスを求める提督… グレイ提督「なるほど…そういう事でしたらお手伝いして差し上げますわ」 提督「それは助かります♪」 グレイ提督「では…お部屋に参りましょう♪」グレンリベットをじっくり味わい、それから優雅に立ち上がった… 提督「はい」 グレイ提督「よろしければエリザベスとエメラルドも同行させて構いませんか?」 提督「もちろん構いませんよ♪」 グレイ提督「分かりました…エリザベス、エメラルド。少しいいかしら?」 エリザベス「無論でございます…♪」 エメラルド「何でしょうか」 グレイ提督「カンピオーニ提督がわたくしたちに、基地祭の事でお尋ねしたいことがあるそうなので……もし取り急ぎの用がなければ同道をお願いしたいと思うのだけれど…よろしいかしら?」 エリザベス「無論でございます…このエリザベス、いつ何時でも提督のお側におりますわ」 エメラルド「私もです」 グレイ提督「結構、それでは参りましょう…♪」すっと提督に腕を差し出し、慣れた様子で提督の執務室に向かう… …執務室… グレイ提督「さて、それでは…何でもお好きな事をうかがってくださいな?」 提督「ええ……でしたら…」 グレイ提督「…ふむ、だいたいの所はこれでよろしいと思いますわ。後は主計部相手に予算が降りるかどうか…だけですわね」 提督「グレイ提督の目から見ても大丈夫そうに見えますか?」 グレイ提督「ええ、わたくしの目で見ても「大丈夫そうに」見えますわ…♪」奥ゆかしい笑みを浮かべ提督を眺める… 提督「ふふ、それはよかったです…グレイ提督からみても大丈夫なら安心できます♪」 グレイ提督「ええ……それにしても素敵な執務室ですわね」 提督「そうですね。私にはもったいないほどです」 グレイ提督「いえいえ…執務室に立派な家具があると、それだけで身が入ると言うものですから」 提督「…あの…よかったら……」 グレイ提督「何でしょうか?」 提督「寝室もご覧になりますか…?」 グレイ提督「あら…ふふ、わたくしに寝室まで見せてくださいますの?」 提督「え、ええ…せっかく執務室まで来て下さったのにお茶の一杯もお出ししないなんて失礼ですし、ティーセットは寝室の方にあるので……」 グレイ提督「ふふ、それではお言葉に甘えることにいたしましょう…エリザベスとエメラルドもよろしいでしょうか?」 提督「もちろんですとも…さぁ、どうぞ♪」 グレイ提督「ふふ…それでは失礼いたしますわね」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/160
上
下
前
次
1-
新
書
関
写
板
覧
索
設
栞
歴
あと 792 レスあります
スレ情報
赤レス抽出
画像レス抽出
歴の未読スレ
AAサムネイル
Google検索
Wikipedia
ぬこの手
ぬこTOP
0.014s