イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (952レス)
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360: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/10/17(水)00:33 ID:cpTpn7xV0(2/3) AAS
提督「ところで…ローマ、ちょっといい?」

ローマ「はい、何か?」

提督「眼鏡に油が跳ねているわ。貸して?」

ローマ「あぁ…どうもすみません」

提督「いいえ、どういたしまして♪」

…眼鏡を受け取ると、胸元に入れていたハンカチを取り出して「はーっ」と息を吹きかけ、そっとレンズを拭く。それが済むと眼鏡を天井に向けて明かりに透かし、油はねが残っていないか確かめる…

提督「うん、きれいになったわ」

ローマ「グラツィエ」

提督「ふふっ…こうしてみるとローマが大きく見えるわね」にっこりとほほ笑むと眼鏡を前後逆さにして瞳に近づけ、レンズをのぞく…

ローマ「…あの、返していただけませんか」

提督「はいはい。それじゃあかけてあげる♪」背の高いローマ相手に軽くつま先立ちをして、両手で眼鏡をかけてあげる…

ローマ「ありがとうございます。どうにも眼鏡がないと近くのものが見えづらいと言うか…」

提督「ローマは遠視だものね」

ローマ「遠視…まぁ、いつも遠くばかりを見ているせいかもしれません」

提督「リットリオ級は主砲の射程がすごいものね…」(※リットリオ級の主砲「OTO38.1/50モデル1934」381ミリ砲…最大射程42800メートル)

ローマ「ええ、さして当たる訳でもありませんが…届かないよりはいいですから」

ピエル・カッポーニ「…そうやって遠くを見ていると、そのうち両目が測距儀のように離れてくるかもしれませんね」…そう言ってローマをからかうとひょいとピッツァ一切れをつまみ上げ、口に入れた

ローマ「あなたはいきなりやって来て…失礼ね」

カッポーニ「おっと、ごめんなさい…「今では尻尾だが、かつては世界の中心だった」ローマさん♪」

ローマ「…」

提督「ローマ、気にしないで? 彼女は名前の由来がフィレンツェ人だから、ローマにライバル心をむき出しているのよ」

ローマ「…ボッカチオですか」

提督「そう、「デカメロン」(十日物語)よ…何しろボッカチオはフィレンツェ育ちだし、あのころはフィレンツェとヴェネツィアがイタリアの中心みたいなものだったそうだから…」

エンリコ・ダンドロ(大型潜マルチェロ級)「ははは、まさかフィレンツェが我らのヴェネツィアと同格だって? 面白い冗談だ」

提督「あー、悪魔の噂をすれば何とやら…ヴェネツィア派が出てきちゃったわね」

バルバリゴ(マルチェロ級)「ああ。諸君、ルネサンス期に「イタリアの中心」と言えば、それはもう最強の海軍国ヴェネツィアだけだ。あとはみんな『どんぐりの背比べ』で、たいしたことない」
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