イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (964レス)
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373: ◆b0M46H9tf98h [saga] 2018/10/26(金)02:07 ID:HS9g81Gh0(2/2) AAS
…基地祭・前日…

…ここまでのひと月ばかり、しっかり進めていたはずの基地祭の準備…が、結局のところ設営を始めるとあちこちかみ合わないところが出てくる……おまけに提督が鎮守府で基地祭を運営するのは初めてで、熱意はあってもほとんどの艦娘たちは今まで基地祭の経験がない…結局、前日になっても鎮守府をひっくり返す勢いでドタバタしている…

カミチア・ネラ「…みんな、これ動かすのを手伝って!」

提督「…ドリア、発電機のディーゼル燃料を補給しておいて」

ガリバルディ「…作業灯の点灯テスト、いい?」

エウジェニオ「…うん、いい味。これなら納得できるわ」

ヴェネト「…ディアナ、トマトが足りないみたいなんだけど…届いたトマト缶がどこにあるか知らない?」

ディアナ「ああ、届いたトマト缶なら食堂の床に並べておきましたよ」

ヴェネト「あ、本当だ…グラツィエ♪」

バンデ・ネーレ「…正門の飾りつけは終わったかい?」

ジュッサーノ「ええ、終わったわ。でもまだ植木鉢をどかしてないの」

バンデ・ネーレ「ならボクと一緒に片づけようよ…姉さん♪」

ザラ「はい、こちらタラント第六…あ、海軍憲兵隊ですか。ええ、はい……提督、お電話です!」

提督「はいはい、すぐ出るわ…ふぅ、忙しくて目が回りそう」

カヴール「まぁまぁ、私たちも出来るだけ手伝いますから」

提督「助かるわ。そうでもないとばったり倒れちゃいそう」

チェザーレ「おーい、コードの長さが足りないぞ…誰か、延長ケーブルを!」

フィウメ「提督、回線の二番に市長の秘書さんからお電話です」

提督「時間の事だったら電話の脇に予定表があるから…それを教えてあげて?」

フィウメ「了解」

ゴリツィア「提督、グロッタリーエの航空基地から明日の予定について問い合わせが…」

提督「あぁもう…電子メールを送ってあるから確認するように言っておいて?」

ポーラ「提督ぅ、海軍旗とNATO旗はぁ…どちらを右のポールにしますか〜?」

提督「それならNATO旗を優先するから右に…」

ザラ「提督、さっきのお電話ですが……海軍憲兵隊の少佐から「駐車スペースに停められる車の数はどれくらいか」とのことです」

提督「そんなの知らないわよ…詰め込めるだけ詰め込んでも二十台がせいぜいだって言っておいて?」

ザラ「分かりました」

デュイリオ「提督、来訪される議員さんたちですが…スピーチの順番は来た順番通りでよろしいですか?」

提督「いいえ。スピーチは行政単位の大きい方から順番…つまりプーリア州議員から始めるようにして、同格の議員だったらより年季の長い人を先にするように……どこかにマニュアルを作っておいたはずなんだけれど…」

ライモン「…提督」

提督「もう、今度はなんなの?」

ライモン「あ、いえ…よかったら少し休憩なさってもらおうとお茶を用意したのですが…」

提督「そうだったの…ごめんなさい、ちょっと忙しかったものだから」

ライモン「いえ、大丈夫ですよ…砂糖入りですから、疲れがとれますよ?」

提督「グラツィエ……うん、美味しいわ」…テラスの椅子にへたり込むように座ると、甘い紅茶をすする提督……かたわらではグレイ提督が「邪魔にならないように」とお茶をすすり、あくせくしている提督たちをからかうように優雅なひと時を過ごしている…

グレイ提督「それにしても大変な忙しさですこと。普段イタリア人は働かないと聞きましたが…何事も例外はあるようですわね」

提督「そうですね…まぁ、イタリア人は流れ作業のようなつまらない物でなければ寝食も忘れて働きますよ。特に自分が誇りを持っている仕事なら、なおの事です♪」

グレイ提督「なるほど…だからデザイナーはたくさんいても、工場は動かないのですね」

提督「まぁ、そう言うことですね…規格化だとか生産はドイツにでもやってもらいますから♪」こちらは同じ「邪魔しないように」でも、グレイ提督と違って律儀に客室にこもっているヴァイス提督…その生真面目さを少しからかうように、ウィンクしながら上を指差した…

グレイ提督「ふふ…♪」
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