イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (957レス)
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450: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2019/01/08(火)02:14 ID:nDgpYwF40(1) AAS
…午前九時・正門…

憲兵大尉「司令官、時間ですが…よろしいですか?」

提督「ええ、お願いします」

憲兵大尉「分かりました……伍長、入場を始めさせてちょうだい」

憲兵伍長「は…それでは入場を開始します! 簡単な手荷物検査がありますので、列に並んで下さい!」

憲兵大尉「それでは司令官、後はこちらでやりますので」

提督「分かりました、それではお任せしま……」

アンナ「…もう、なんで手荷物まで見せなきゃいけないのよ?」アンナの不満そうな声が響いた

提督「…」

憲兵伍長「規則ですから」…女性下士は手荷物を見せようとしないアンナを相手に一歩も譲らず、他の入場客(…と言っても鎮守府のあたりはのんきなもので、早起きして朝から基地祭に来るような地元の人はあまりいない)を他の列にさばきながら、頑として入れないでいる…

アンナ「その規則には「司令官の許嫁の荷物も見ろ」って書いてあるわけ?」一方のアンナはナポリ辺りで覚えたのか、両手で扇ぐような大げさな身振りを付けて文句を言っている…

憲兵伍長「司令官の許嫁の方かどうかは存じませんが、手荷物を確認しなければ入ることはできません」

アンナ「全くもうっ…分かったわよ、見せればいいんでしょ!?」

憲兵伍長「……はい、結構です」

アンナ「はぁ、もう……って、フランカ! んー、ちゅっ♪」

提督「んっ…おはよう、アンナ。 …ずいぶんと憲兵隊の人を困らせてくれたわね?」

アンナ「向こうが分からず屋なのがいけないのよ……だいたい、どうして自分の婚約者のいる施設に入るのに許可を得なきゃいけないわけ?」

提督「アンナもよく知っているでしょう、それが…」

アンナ「はいはい「海軍だから」って言うんでしょ……よーく分かったわよ」

提督「分かってくれて嬉しいわ。しばらくは忙しいけれど、昼下がりになったら少し休憩するつもりだから…一緒にお昼でも食べる?」

アンナ「ふふ、嬉しいことを言ってくれるじゃない……でも無理して削り出した時間だから、午後には帰らないといけないのよね」

提督「ふぅ…助かったわ……」

アンナ「何か言った?」

提督「いえ、何も……本当にアンナったら、一度言い出したら聞かないんだから」苦笑いをしながら肩をすくめた

アンナ「そうやって押しまくればどこかで相手が折れるもの…ちょうど今みたいにね♪」

提督「負けたわ……それじゃあ今日は施設の中を巡りましょうか」

アンナ「そのあたりは任せるわ…私のこと、ちゃんとエスコートしてよね?」

提督「ええ」

カヴール「それでは私は見回りをしながら、屋台料理でもいただくことにしますから…提督はアンナさんとご一緒に回られてはいかがでしょう?」

提督「え、ええ……今日は最終日だし、カヴールも楽しんでいらっしゃい…」

カヴール「はい、楽しませていただきます…それでは提督、どうぞアンナさんとごゆっくり♪」提督をからかっている時によく浮かべる無邪気な感じのほほ笑みを見せると、小さく手を振ってにこやかに歩いて行った…

提督「そ、そうさせてもらうわ……今日ばかりはカヴールの気の利かせ方がうらめしいわ…」カヴールの後ろ姿を見送りながら、小さくため息をついた…

アンナ「フランカ、何をボーっとしてるのよ? 私は午前中しかいないのよ?」

提督「あぁ、はいはい……それじゃあ行きましょう」

アンナ「ええ♪」
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