イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (957レス)
イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/
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451: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2019/01/10(木) 01:52:59.86 ID:gOa6u5zQ0 …鎮守府・管理棟… 提督「それじゃあ最初はここからにしましょう?」正門のそばに立てられている鉄骨コンクリート造りの現代的な建物ながら、普段は使っていない「管理棟」にアンナを案内する提督… アンナ「いいわよ」 提督「最初は水族館ね…と言っても、みんなが哨戒の時に見つけたクラゲなんかを、たも網ですくって捕まえただけだけれど……」 アンナ「それはまたお金のかからない水族館ね…ま、いいわ」 提督「何しろ予算がないものだから……ここよ♪」 …打ち合わせや映像資料の上映は、普段提督と艦娘たちが暮らしている「本棟」で済ませてしまうため、ほとんど使われていない大部屋の「会議室」…そこへ学校の理科室か何かのように、あちこちから手に入れてきたガラスの水槽やら海水を入れた大きな空きびんやらを並べ、クラゲや魚を種類別にして展示している「水族館」……提督とアンナが開け放してある人気のない入り口をくぐろうとすると、何やら甘い喘ぎ声が聞こえ、絡みあっている脚が見えた… フィザリア(中型潜アルゴナウタ級「カツオノエボシ」)「んむっ、あふっ…はぁ、はぁぁ……♪」 ジャンティーナ(アルゴナウタ級「アサガオガイ」)「ぷは…ぁ…どう、フィザリア…気持ちいい……?」 フィザリア「あふっ…はぅ……んんぅ…気持ち良すぎて……身体が…んくっ…ひくひくする……ぅ♪」 アンナ「ふぅん…これを見物すればいいわけね?」 提督「いえ、そうじゃなくて……こほんっ///」 フィザリア「!」 ジャンティーナ「あ…提督……来てくれたんですね…ぇ…♪」 …ジャンティーナはアサガオガイ(クラゲの一種。綺麗な紫色の巻き貝をフロートにして海面を浮遊し、クラゲを食べる)の「殻」をモチーフにした紫の巻き貝を頭の飾りにあしらい、半透明でひらひらした薄紫色のフレアワンピースをまとっている。ジャンティーナは海面をゆったりとたゆたうクラゲの仲間らしくふわふわと漂うような話し方をしているが、椅子に腰かけたフィザリアと向かい合わせになるようにまたがり、片脚もしっかり脚の間に割り込ませている…さらに、今になって離したお互いの口もとからはとろりと銀色の糸が垂れている… 提督「あー…ジャンティーナ、一応聞くけれど……何をしていたの?」 ジャンティーナ「はい、それはもちろん…水族館の「受付」ですよ……でも、あんまり人が来なくて…眠気覚ましに、フィザリアを味見していました…♪」 提督「そう。それで、美味しかった?……じゃなくて、基地祭の間は人が来るところではそういう事をしないように」 ジャンティーナ「でも…誰も来ていませんでしたよ……?」 提督「あー…でもこうやって見つかることもあるから、以後気を付けてね?」 ジャンティーナ「はぁ…い、りょーかーい…♪」 提督「よろしい……で、フィザリアは大丈夫なの?」 フィザリア「…んぅぅ、大丈夫……んっ…///」こちらも「カツオノエボシ」らしく、シースルーのような青紫色のひらひらした薄物をまとっていて、受付用のパイプ椅子にへたり込むように座っている…普段はふわふわと眠たげながらも意外と責めてくるが、天敵のジャンティーナに「捕食」されてすっかり骨抜き(そもそも骨のないクラゲではあるが…)にされている… 提督「それで、えーと…アンナ、これが「水族館」よ」 アンナ「みたいね」 提督「ジャンティーナ、案内をお願いしていいかしら?」 ジャンティーナ「もちろんです…どうぞ……♪」長い青みがかった髪をゆらゆらさせながら、クラゲやヒトデ、イソギンチャクやカシパン(ウニの仲間)の入った水槽を案内する… 提督「で、これが「フィザリア」ね…」一見すると綺麗な紫と紅をした浮き袋もって漂っているが、その下に長く伸びた猛毒の触手を伸ばしているカツオノエボシ…水槽にはフタもしてあり、クラゲなのでとびかかってくるわけでもないが、遠巻きにしながら観察する… アンナ「ふぅん……お目にかかるのは初めてだわ」 ジャンティーナ「私の名前にもなっていますが…アサガオガイは結構これを食べるんです………確かに、ぷるぷるしていて美味しそうですよね…ぇ…♪」 提督「うーん…さすがに毒のあるクラゲはちょっと……」 ジャンティーナ「そうですかぁ…」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/451
452: ◆b0M46H9tf98h [saga] 2019/01/10(木) 03:02:13.03 ID:gOa6u5zQ0 提督「で、次が…」 アンナ「さっきがキスだったから、今度はストリップでも見せてくれるつもり?」 提督「あ、あれは姉妹愛が行き過ぎているだけよ…ほらね、ここはなんていうことないでしょう?」 …やはり空き部屋になっている別の部屋は駆逐艦「フレッチア」級の四人がダーツの的当てをやっている……的に向かっているのは可愛らしい女の子から、一見すると中学生くらいに見えるフレッチアたちを相手に自信ありげなお姉さんやあんちゃん、果ては子供につき合っているおばさんまでいる… フレッチア(フレッチア級「矢・フレシェット」)「提督、来てくれたのね…うれしいわ♪」軽く背伸びをして頬にキスをするフレッチア… 提督「ええ、フレッチア。それとみんなに会いたくて♪」ぱちりとウィンクする提督… ダルド(フレッチア級「矢・ダーツ」)「ふふっ、提督ってばお上手なんだから♪」 サエッタ(フレッチア級「閃光・雷」)「ところで提督、それにアンナさんも……どう、一つやっていかない?」 ストラーレ(フレッチア級「雷光・雷電」)「私たちに勝ったらいいことあるかもね♪」 アンナ「そうね、なら勝負させてもらうわ……もちろんフランカもやるのよ?」 提督「分かった、分かったから…それじゃあダルド、矢を貸して?」 ダルド「はい、どうぞ…十本だから慎重にね♪」 提督「ありがと、頑張るわ」 アンナ「さて…と。それで、誰が私と勝負する?」 提督「ずいぶんやる気ね、アンナ?」 アンナ「こういう勝負って結構好きなのよ…負けるのは嫌いだけど」賭け事や勝負にはめっぽう強いアンナだけあって、すっかりやる気になっている フレッチア「…それじゃあ私がお相手しますね」 ストラーレ「頑張ってよ、お姉ちゃん?」 フレッチア「もちろん、妹たちの前で恥はかけないわ……とにかくルールは簡単。より得点の多い方が勝ち」…的には「深海棲艦」として遭遇する大戦時のイギリス艦がシルエットとして描いてあり、それぞれのクリティカル・パートには高得点が書かれている… アンナ「シンプルでいいわ…それじゃあ、まずはそっちからどうぞ?」 フレッチア「了解……それ!」ヒュッ…トスッ! アンナ「へぇ…上手ね。それじゃあ今度は私が…♪」ヒュ……バスッ! フレッチア「ん、お上手!」 提督「えい…っ!」ヒュン…パスッ! ダルド「ふふ、結構上手ね……でも、ごめんなさい♪」ヒュゥッ…トスッ! 提督「むぅ……でも私だって…!」 ダルド「さすが提督…それじゃあこれはどう?」 提督「っ!?」 ダルド「ふふ、このくらいは出来ないと…名前負けしちゃうから♪」…ダルドの投げたダーツは提督の投げたダーツと同じ場所に刺さって、双子のように震えている… 提督「ふぅ……ダルドったら本当に上手ね、結局負けちゃったわ」 ダルド「無理もないわ、私たちは初日から相当やってるもの」 提督「それにしてもね…ところでフレッチアとアンナの勝負は……」 ストラーレ「それが互角なの…すごい勝負になってきたわ♪」 フレッチア「…これで最後の一本ね」お互いの投げたダーツが「10点」の部分に林立していて、「ハント」級駆逐艦を描いた的はハリネズミになっている… アンナ「さ、投げてちょうだい」 フレッチア「……やっ!」ヒュンッ…プツッ! アンナ「なるほど、なかなか上手よ……でもね!」ヒュッ…バシッ! フレッチア「あっ!」…アンナの投げたダーツが突き刺さっていたはずのフレッチアのダーツをはじき落とし、的の中心に突き立っている… アンナ「…ふふん♪」 提督「さすがアンナね……おめでとう」 フレッチア「こんないい勝負できるとは思ってなかったわ。それでは賞品をどうぞ…はい♪」…屋台のケーキ引き換え券を渡す アンナ「どうもね。さぁフランカ、次に行きましょう?」 提督「はいはい…もう、アンナったら本当にせっかちなんだから♪」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/452
453: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2019/01/12(土) 11:25:23.69 ID:2wtc+z6S0 提督「どう? ケーキは美味しい?」 アンナ「そうね、ここの「艦娘」たちが作ったって言ってたけど…だとしたら大したものね。美味しいわよ」…引き換え券でもらった、マスカルポーネチーズとレモンのムースをつつきながら感心している 提督「そう、よかった♪」 アンナ「ええ…ところでフランカ」 提督「なぁに?」 アンナ「目をつぶって口を大きく開けなさい」 提督「…こう?」 アンナ「それでいいわ……ほら」使い捨てフォークでケーキを切って提督の口に押し込むと、ムースが口の端についた 提督「んっ…んむんむ……」 アンナ「どう? …私一人で食べるのも悪いから、味見させてあげる」 提督「ごくん……ありがとうアンナ、美味しかったわ」 アンナ「そう、よかったわ。 …ちょっと待って」 提督「んー?」 アンナ「口にムースがついてる」 提督「どのあたり?」 アンナ「ああ、そっちじゃない……いいからじっとしてなさい、私が取ってあげるわよ」…甘い香水と、吐息に混じるレモンムースの爽やかな匂い……ぱっちりと長いまつげと濃い色の瞳、綺麗な紅色のルージュを引いた唇がじりじりと近寄ってくる… 提督「ん///」思わず目を閉じて、唇が触れるのを待つ提督… アンナ「……はい、取れたわよ」 提督「…?」薄目を開けてみると、アンナはハンカチを取り出して指を拭っている… アンナ「なに、どうしたのよ?」 提督「あ…いえ、その……///」(まさか唇でクリームを取るものと思っていた…なんて言えないわね……) アンナ「ふぅ……んちゅっ♪」 提督「んぅっ!?」 アンナ「…こういう風にされると思ったんでしょ?」 提督「え、ええ…///」 アンナ「まったく、考えていることが分かりやすいんだから…さ、次行くわよ♪」 提督「…そ、そうね」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/453
454: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2019/01/12(土) 13:13:11.82 ID:2wtc+z6S0 提督「少し歩き疲れたでしょう…休憩する?」 アンナ「そうね、どこかで一休みさせてもらいたいわ……意外と広いもの、ここ」 提督「ええ……それじゃあついてきて♪」 …管理棟・三階… 提督「どう、アンナ?」 アンナ「…いい眺めじゃない」 …正門に近い側に建っている管理棟の東の窓からは、鎮守府の様子が一望できる…手前に波止場と黄色いレンガ造りの船渠が見え、その奥には貴族のお屋敷のような鎮守府の本棟と広い庭、ゆるい三日月型に伸びる砂浜……そしてずっと奥に続いている白っぽい地面と松林が、てっぺんにフェイズドアレイ・レーダーのサイトを設けている小さな岬で区切られている… 提督「ね?」 アンナ「ええ…風も気持ちいいし、休憩にはうってつけの場所ね」 ニコ(ナヴィガトリ級駆逐艦「ニコロソ・ダ・レッコ」)「本当に気持ちがいいよね……ねぇ提督」 提督「なぁに?」 ニコ「…良かったら少し聞いていってよ?」椅子に腰かけているニコはマンドリンを抱えている…この鎮守府は比較的落ち着いた管区にあるので普段はのんびりしていて、たいていの艦娘たちは退屈しのぎに楽器の一つふたつを練習しているか、さもなければそこそこ歌が歌える… 提督「ええ、それじゃあお願いするわ」 アンナ「じゃあフランカはそこに座ったら?」 提督「ええ、そうさせてもらうわ…あら、特等席ね。ニコの顔が良く見えるわ♪」 ニコ「て、提督ってばまたそういうことを…///」 アンナ「まったく、フランカときたら息をするようにそういうことを言って……子供の頃のおとなしかったフランカはどこに行っちゃったの?」 提督「ふふっ…私だって成長したのよ♪」 アンナ「やれやれ……ま、いいわ。一つ聞かせてちょうだい?」 ニコ「そうだね…じゃあ一つやってみようか」 ニコ「♪」…軽くマンドリンを爪弾くと、滑らかに「サンタ・ルチア」を弾きはじめた アンナ「あら上手♪」 提督「…しーっ」 …提督とアンナがマンドリンの音に耳を傾けていると、暇な艦娘たちが音色を聞きつけたのかやってきた……それぞれ手には楽器を持っていて、いつの間にか小さな演奏会になっている… ミトラリエーレ(ソルダティ級駆逐艦「機関銃手」)「ふふ、上手いうまい…♪」イタリア音楽には欠かせない、素朴な木のカスタネットを叩いてリズムを作る… レオーネ(レオーネ級駆逐艦「雄ライオン」)「♪」レオーネは鎮守府に寄付されたオカリナを吹きながら身体を揺すっている… ゼフィーロ(トゥルビーネ級駆逐艦「春の西風・ゼファー」)「♪〜サンタ・ルーチーアーぁぁ…サンタ・ルチぃーアぁぁ…♪」独特の響きを持ったチターを弾きながら口ずさむ… 提督「ふふ…っ♪」 アンナ「フランカ、あなたの気持ちが少し分かったわよ…こんな無邪気で可愛い娘たちがいたんじゃ、そう簡単に辞めるわけにはいかないわね?」 提督「…そういうことよ♪」 アンナ「……でも私はあきらめないから。とっととあなたのお母さんにウェディングドレスのデザインと採寸をしてもらうことね」 提督「…もう///」 アンナ「それじゃあそろそろ行かないと……楽しかったわよ♪」 提督「じゃあ門まで送るわ」 アンナ「ええ、ありがと」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/454
455: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2019/01/16(水) 03:06:18.26 ID:6msX+G6t0 …しばらくして・通信室… 提督「当直お疲れさま、マルコーニ、ビアンキ。カフェラテを持って来たから交代でどうぞ? …コーヒーは少し濃い目の砂糖二杯、ミルクは多めで少しぬるくしてあるわ」 …自分の分と合わせて三つカップを持っている提督……目が疲れないようにと照明の明るさを少し落してある通信室で、無線機の前に詰めているのは「マルコーニ」級大型潜の「グリエルモ・マルコーニ」と「ミケーレ・ビアンキ」…二人は「当直」と言うことでヘッドフォンをかけて座っているが、マルコーニは世界初の無線電信の発明者なのでまさにぴったりの役どころ… ビアンキ「お先にどうぞ、グリエルモ」 マルコーニ「グラツィエ……コンソールデッキにこぼすといけないので、こっちに座らせてもらいますね」 提督「ええ。それで、変わった様子はない?」 マルコーニ「はい、今のところは」 提督「そう、ならよかったわ…うちの水偵からも?」 マルコーニ「はい、なにもありません」 提督「そう、ならそろそろ交代だから……」そう言って提督が温かいコーヒーを飲もうとした瞬間、無線機がざわめきだした… マルコーニ「…何とも間が悪いですね!」マグカップを置くと慌てて席についてヘッドフォンをあてた 提督「…深海棲艦の艦隊とかじゃないといいのだけれど……」 …数分前・鎮守府沖数十浬… マエストラーレ「ふー…いい天気で気持ちいいわねぇ」 シロッコ「本当にね……出撃なんておっくうだと思っていたけれど、出てみると案外いいものね」 リベッチオ「そうだね、風が爽やかで気持ちいい…♪」 グレカーレ「もう、みんなたるんでない?」 リベッチオ「だってぇ…」 マエストラーレ「……確かにグレカーレの言う通りね。みんな気を引き締めて見張るように!」 リベッチオ「そんなこと言ったって、深海棲艦がこんなところまで出てくるわけないと思うけどね?」 シロッコ「それはたし……ん?」何かと勘のいいシロッコが、不意に水平線と雲の間に目をこらした… マエストラーレ「…どうしたの?」 シロッコ「敵機視認! …もう、基地祭の日なのに!」 マエストラーレ「そんなことを言ったって仕方ないでしょうが…対空陣形!」メインマストに軍艦旗を掲げつつ、鎮守府に打電するマエストラーレ… ……… … マルコーニ「…敵機視認。機種、ウォーラス……ただちに対空戦に入る」 提督「ウォーラスに見つかったら、お次はボーファイターかアンソンか……とにかく哨戒中の水偵を向かわせて、その間にマッキを発進させましょう」 マルコーニ「了解」リズムよく「トトン・ツー…」とモールス電信を叩きはじめるマルコーニと、電話にかじりついてグロッタリーエ空軍基地に駐機している「鎮守府所属」の戦闘機隊へ発進要請をかけるビアンキ…… 提督「…」戦闘機隊が発進してマエストラーレたちの所にたどり着くまでの時間を計算している… … マエストラーレ「無電を発信されたら敵機がわらわら来るに違いないわ…対空戦闘! 急いで落として!」120ミリ主砲と40ミリ機銃、それに戦時に増設された20ミリ・ブレダ機銃も吼えたてる… グレカーレ「主砲、てっ!」 シロッコ「…落ちろ、蚊トンボ!」 リベッチオ「撃てぇ!……あ、命中…命中っ!」航続距離はあっても速度や敏捷さには欠けるウォーラス水偵の周囲に次々と対空砲弾が炸裂していたが、ついに一発がウォーラスを捉え、二つに折れた残骸がゆっくりと落ちていった… シロッコ「無電の発信は…なかったみたい」 マエストラーレ「……ふぅ。なら鎮守府に連絡して一件落着ね」 シロッコ「良かった…まだ基地祭の屋台巡りも終わってないし、ね♪」 ……… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/455
456: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2019/01/20(日) 02:24:05.46 ID:casHf3ZW0 提督「ふぅぅ…敵の増援が来なくてよかったわ……」 マルコーニ「ですね」 提督「それじゃあC202の小隊はグロッタリーエに戻りつつ哨戒を…Ro43水偵はマエストラーレたちの外側五十キロを目安に哨戒ラインを作って、彼女たちが帰投するのに合わせて戻しましょう」 マルコーニ「了解、そのように打電します」トン・トト・トン・ツー… 提督「それじゃあ私はまた見回りに行ってくるけれど、何かあったら呼んでね?」 マルコーニ「はい」 提督「ふー…」軍帽を脱いで額を拭うと、紅くなっている帽子の跡と、ぱらりと目にかかってくる前髪を気にしつつ通信室を出た… ……… …鎮守府・庭… ライモン「そうですか…よかったです……」同じ1964年に退役した「グレカーレ」と仲が良く、そもそも仲間思いの優しい性格だけにほっとしたようなライモン… 提督「ええ…これで私も心おきなく可愛い女の子を物色出来るわ」 ライモン「提督」 提督「冗談よ、だって一番可愛い女の子はここにいるものね♪」胸元に抱え込むようにしてライモンをぎゅっと抱きしめると、さらさらの髪を撫でる提督… ライモン「んむぅ、むぐ……ぷはぁ!」 提督「あら、ごめんなさい…♪」 ライモン「もう…///」 リットリオ「…相変わらずお熱いですねぇ」無邪気な笑顔を浮かべて「とととっ…♪」と軽やかなステップで駆け寄ってくるリットリオ……着ている白いブラウスからのぞく胸元は赤みを帯びていて、髪が少し乱れている…… 提督「ええ、おかげ様で♪ …でも、リットリオだって他人のことは言えないでしょう?」 リットリオ「ふふっ、そうですね♪」 提督「ところで、ヴェネトとローマは…?」 リットリオ「はい、「さっきまでは」裏のあずまやで一緒でした♪」 提督「あー…」 ライモン「な、何も今日しなくたって…///」 リットリオ「……だって、したくなっちゃって♪」 提督「まぁほどほどにね…この後は?」 リットリオ「そうですね、特に予定はないですよ?」 提督「そう……だったらヴェネトとローマの様子も見てきてあげてね?」 リットリオ「了解です、提督っ……でもその前に、ちょっと甘いものを補給してきます♪」 ライモン「何というか…自由奔放ですね」 提督「そこが魅力と言うべきかしらね。それじゃあ私たちは見回りを続けましょうか」 ライモン「はい」 提督「…それとも、デートって言いかえた方がいいかしら?」 ライモン「も、もうっ///」 提督「ふふふっ♪」つんっ、とライモンのほっぺたをつついて目を細める… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/456
457: ◆b0M46H9tf98h [saga] 2019/01/20(日) 03:32:54.37 ID:casHf3ZW0 …鎮守府・空き部屋… アヴィエーレ「…そうか、それは良かったね」 提督「ええ、おかげさまで♪」 …イタリア海軍旗が部屋の隅のに飾ってある「仮設展示室」には、鎮守府所属のマッキやフィアット、レジアーネやメリジオナーリの戦闘機や雷撃機、水偵のプラモデルがアクリルケースに収まってずらりと並び、アヴィエーレは椅子に座ってお客さんの質問に備えている……が、たいていは庭で行っている舞台の出し物や屋台に集まっているので、全部の催し物を一通り巡ろうとする真面目な人が時々のぞきに来る以外は、かなり空いている… アヴィエーレ「まぁ、Ro43水偵ならウォーラスより機動性が上だからね…心配することはないかな」 提督「そうね」 (※メリジオナーリRo43水偵…単発複座・複葉の水上偵察機。武装は前部固定1挺と後部旋回1挺の7.7ミリ機銃、最高速力300キロ弱とごくごく平凡な弾着観測用の「水偵らしい水偵」。実戦で使われることは少なかったものの戦時イタリア艦の標準的な搭載機で、複葉機ならではの旋回性の良さから限定的ながら空戦能力も有する。性格としては帝国海軍の「九五式水偵」に近く、前部機銃を2挺に増やし後席を無くした「水上戦闘機」型のRo44も作られている) アヴィエーレ「それじゃあじっくり見ていってよ」 提督「ええ、ありがと」つい海軍士官の癖で、手を後ろに組んで歩き始める提督… ライモン「…」 提督「あ、いけないいけない……はい♪」 ライモン「…はい///」 アヴィエーレ「ふふ…「恋人つなぎ」とはなかなかやるじゃないか、提督♪」オールバックにした髪を櫛で撫でつけながら、ニヤニヤしている… 提督「…アヴィエーレも「恋人つなぎ」したい?」 アヴィエーレ「はは、提督とライモンドの間を邪魔するほど無粋じゃないつもりさ。それにそろそろ水偵が戻ってくる頃だろうし、ちょっと風の具合を確かめて来るから……終わったら呼んでくれないかな?」 提督「ええ」 アヴィエーレ「それじゃ…♪」 ライモン「……行っちゃいましたね、アヴィエーレ」 提督「そうね」 ライモン「別にそんなに気を使わなくたっていいのに…そうですよね、提督?」 提督「いいえ、私は嬉しいわ……だってライモンと二人きりになれたもの♪」 ライモン「て、提督はまたそうやって///」 提督「嘘じゃないわ……ライモン」 ライモン「て、提督…///」 提督「……いい?」 ライモン「///」そっと目を閉じて提督に顔を向けるライモン… 提督「…ライモン……可愛い…♪」ライモンの腰に手を回してぐっと身体を引き寄せ、顔を上向かせた……と、首から提げていた携帯電話が「ピリリリッ…!」と鳴りはじめた… ライモン「…っ!?」 提督「あぁもう……はい、もしもし?」 ライモン「…っ///」(わ、わたし…わたしったら、この部屋にお客さんが入ってくるかもしれないのにっ///) 提督「ふぅぅ…ルクレツィアからだったわ。またエレオノーラが手に負えなくなっているから助けて欲しいそうよ」 ライモン「そ、そうですか」 提督「ええ……でも感謝しないとね」 ライモン「…と、言いますと?」 提督「だって…おあずけにされた分だけ、次のキスが待ち遠しくなるものね♪」 ライモン「……いいえ、提督」 提督「?」 ライモン「その……いつだって、提督とのキスは待ち遠しいです…///」 提督「…まぁ♪」 ライモン「……さぁ、早く行きましょう///」 提督「ふふ、そうね♪」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/457
458: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage] 2019/01/20(日) 12:44:28.15 ID:NM5RRqBio いいね http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/458
459: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2019/01/22(火) 01:11:01.11 ID:q30RPO+t0 >>458 ありがとうございます。なかなか進みませんが頑張ります… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/459
460: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2019/01/22(火) 02:45:47.63 ID:q30RPO+t0 …食堂… カサルディ提督「あぁ、やっと来た。フランカ、早くエレオノーラのことをどうにかしてよ…!?」 提督「少し落ち着いて、ルクレツィア……一体どうしたの?」 カサルディ提督「…あれよ」 …指差した先にはシモネッタ提督が椅子に腰かけ、年の割には幼い見た目のせいで耳年増に見える駆逐艦の「カルロ・ミラベロ」「アウグスト・リボティ」と過剰なふれ合いに興じている姿が見える……そしてシモネッタ提督をからかっているミラベロとリボティは白いフリルブラウスと、コルセットを兼ねたような黒のフレアースカートとつま先の丸いエナメルの靴…と、いかにも「お嬢さま」スタイルの格好をしている… シモネッタ提督「はぁぁぁっ、まさに「私に天使が舞い降りた!」わ…♪」 提督「あー…」 ライモン「…」 ミラベロ「ふふ、シモネッタ提督……ううん「エレオノーラお姉ちゃん」…♪」ミラベロは髪型もいかにもお嬢さんらしいツーサイドアップ(両側頭からのツインテール)で、髪の根元を可愛らしいデザインの黒リボンで留めている… シモネッタ提督「んふっ…どうしたの、ミラベロ?」 ミラベロ「くすくすっ……呼んでみただけ♪」小首を傾げてぱちぱちとまばたきすると、ふわりとなびいた髪の束がシモネッタ提督の鼻先をくすぐった… シモネッタ提督「ふわぁぁぁぁ…可愛い、しかもいい匂い…ぃ♪」 ミラベロ「ふふ、ありがと♪ …でも、エレオノーラお姉ちゃんがもっと褒めてくれたら……私もその分頑張ってあげちゃうけれど…ね?」 シモネッタ提督「まぁまぁ、可愛いミラベロは何を頑張ってくれるのかしらぁ♪ お姉ちゃんに教えてぇ?」 ミラベロ「ふふ、なにかしら?」 シモネッタ提督「えーとねぇ…むふふっ、んふっ♪」 ミラベロ「残念、時間切れ……♪」 シモネッタ提督「えー?」 ミラベロ「正解は……んしょ♪」ぽすっ…と膝の上に座り、顔を上向かせてシモネッタ提督を眺める… シモネッタ提督「あっ、あっ、あっ……んふゅっ、むふっ♪」 ミラベロ「ふふっ…さ、なでなでして?」 シモネッタ提督「ええ、お姉ちゃんがいっぱいなでなでしてあげるわねぇ…むふふっ♪」 提督「…」 ライモン「…シモネッタ提督、ここに来てから一番の笑顔ですね……」 提督「そうね…」 シモネッタ提督「んふ…ミラベロのすべすべふとももをなでなでしたり、一緒にお風呂に入ったり……ほのかなふくらみを触ったりしたいわぁ♪」さわ…っ♪ ミラベロ「あんっ、お姉ちゃんってばぁ……えっち♪」そう言いつつも小さな手をシモネッタ提督の手に重ね、わざとふとももを撫でさせる… シモネッタ提督「くふふっ…♪」 リボティ「……ねぇエレオノーラお姉ちゃん、私も相手してくれないとつまらないな」こちらはカチューシャを付けたセミロングの髪を肩に垂らしている… シモネッタ提督「あぁん、ごめんなさいねぇ……じゃあリボティには、照れ隠しにお姉ちゃんを叱ってくれるかしら♪」 ジュセッペ・フィンチ(大型潜カルヴィ級)「おぉ…それはジァポーネで言うところの「ツンデレ」というやつだな……私も見るのは初めてだ!」遠巻きにして面白半分に観察していたが、「ガタッ…!」と椅子から身を乗り出した… リボティ「それじゃあ……いい?」 シモネッタ提督「ええ、お願いするわね♪」 リボティ「こほん……い、いつもスパゲッティを食べてるからって、別にペンネが嫌いなわけじゃないんだからね…っ///」 シモネッタ提督「ふわぁぁぁ…可愛いっ、可愛いわぁぁぁ…もう今夜にでも……いえ、むしろ今すぐ頂きたいわねぇ…♪」 提督「ふー……ちょっとエレオノーラ、うちの娘に変なことを吹きこんだりしないでくれる?」(それにリボティのセリフ…それっぽくはあったけれど、ツンデレとはちょっと違うような……) シモネッタ提督「あ、フランカ……もう、本当にフランカってば人が悪いんだから…♪」 提督「…どういうこと?」 シモネッタ提督「んふっ、とぼけちゃって……こーんな可愛い娘をいっぱい抱えて、大人な知識まで吹きこんでいるなんて…イケナイ提督さんだこと♪」 提督「あー、いえ…それは別に私が教えたわけでも何でも……」 シモネッタ提督「んふふっ、隠さなくたっていいのよ……さぁミラベロ、リボティ、お姉ちゃんが一万リラあげるから、好きな物を買ってね♪」 提督「…」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/460
461: ◆b0M46H9tf98h [saga] 2019/01/25(金) 02:47:44.30 ID:R5DGKo880 カサルディ提督「フランカ、ごめん…エレオノーラが壊れてる時は手におえないって忘れてた……」 提督「いいえ、構わないけれど……問題が起きる前にお茶にでもして、二人をエレオノーラから引き離しましょう?」 カサルディ提督「そうね。どのみちここに来ている提督はみんな集まってるし…」 提督「そうね、言われてみれば…それじゃあ早くお菓子を用意しないと♪」 百合姫提督「ふふ、今回はどんなお菓子かしら……こっちに来てから美味しいものが多くって、食事のたびに目移りしちゃうの…♪」 エクレール提督「まぁ…でしたらぜひフランスにおいで下さいな。量ばかりのイタリア料理と違って、洗練された美食が味わえますわ」 提督「姫、マリーの言うことを聞いちゃダメよ…フランス料理なんて田舎は「ブイヤベース」とか「ラタトゥイユ」みたいなごった煮ばかりだし、かといってパリのビストロなんて入ったら目が回るような勘定書きが届くわよ?」 エクレール提督「また貴女はそうやって…!」 グレイ提督「ふふ、仲がよろしいようで結構ですわね…百合野提督、もし機会があったらイギリスの「ミートミンスパイ」か「ヨークシャープディング」……さもなければ朝食だけでもご賞味下さいね?」 ヴァイス提督「…それなら、ドイツを訪問されるようなことがあったらぜひ本場のソーセージを召し上がってください……!」 百合姫提督「はい、機会があったらみんな味わってみたいです……って、あら?」震えだした携帯電話をちらりと見て番号を確認すると、提督たちに謝って電話を受けた… 提督「鎮守府から?」 百合姫提督「ええ……はい、もしもし…」席を外して廊下に出て行く百合姫提督… … 百合姫提督「…仁淀、どうかしたの?」 仁淀「はい、提督…実は前回提出の書類で一枚だけ差し戻しが……訂正はすぐ出来たのですが、提督のハンコを代わりに押してしまっても…?」 百合姫提督「ええ、仁淀が大丈夫だっていうなら大丈夫…ハンコは机の上にあるから、代わりに押していいわ」 仁淀「了解、それでは…」 百合姫提督「あぁ、待って仁淀」 仁淀「はい、何でしょうか?」 百合姫提督「こっちの時間から考えると横須賀は1900時くらいよね…?」 仁淀「ええ、まぁだいたいそのくらいです」 百合姫提督「みんなご飯はちゃんと食べている? もっとも、厨房は間宮だから心配ないとは思うけれど……」 仁淀「ええ、大丈夫ですよ…ちょうどいま済ませて、それでお電話したところです」 百合姫提督「それで、今日は何を食べたの?」 仁淀「えーとですね…主食は「昆布わかめ」の混ぜご飯で、おかずは「べにしゃけ」と冷蔵庫に残っていた「タチ」(太刀魚)の塩焼き……具だくさんのけんちん汁に納豆…あ、あと食後に「森永みるく」と「もちオーレ」をいただきました」 百合姫提督「そう、ならよかったわ…♪」 仁淀「おかげ様で大満足です…実は「メロンメロン」のチョコチップメロンパンもあったのですが、さすがに満腹で……」 百合姫提督「まぁ、ふふ…あのお店のメロンパンは私も好きだから、帰ったらまた買いに行きましょう♪ …ちなみに明日の献立は決まっているの?」 仁淀「あ、はい…明日はハンバーグステーキを喫食する予定なのですが、間宮も伊良湖も意気込んでいて……もうデミグラスソースの仕込みに取り掛かっています」 百合姫提督「なるほどね……じゃあ明日は「デミライフ!」ってところね?」 仁淀「はい…正直ちょっと楽しみです♪」 百合姫提督「分かったわ……それじゃあまた寝る前にかけるから…皆にもよろしく伝えておいてね?」 仁淀「はい。では失礼します」 百合姫提督「ええ」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/461
462: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage] 2019/01/25(金) 11:11:56.98 ID:JnkLhmH5o 乙。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/462
463: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2019/01/26(土) 01:06:19.86 ID:bJAj1Ff+0 グラツィエ…引き続き投下していきます http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/463
464: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2019/01/26(土) 01:41:09.89 ID:bJAj1Ff+0 提督「姫、横須賀は大丈夫だった?」 百合姫提督「ええ、おかげさまで」 提督「それは良かったわね…ところで、よかったらみんなでテラスに出ない?」意味ありげな含み笑いを浮かべている… シモネッタ提督「…何かあるのね?」 提督「ええ…実はグロッタリーエ所属の空軍機が訓練を兼ねて、ちょっとしたアクロバットをしてくれることになっているの」 カサルディ提督「へぇ、フランカってば空軍に顔が利くんだ?」 提督「ううん、これは向こうの好意みたいなものよ……何しろ空軍は目立ちたがりだもの♪」 カサルディ提督「ぷっ…確かに♪」 シモネッタ提督「それで、どこならよく見られるかしら」 提督「そうねぇ…飛行ルートは沖合だから、二階のベランダかそこのテラスね」 カサルディ提督「じゃあそこでいいんじゃない?」 提督「そう? ならそこにしましょう…さ、姫は特等席にどうぞ♪」 百合姫提督「あ、そんな…私が一番いい席に座るなんておこがましいと思うの……むしろグレイ提督に座ってもらった方が…///」 グレイ提督「構いませんよ…わたくしは立っている方が好きですから」 ヴァイス提督「私の方が階級が下ですから、どうぞ先に座って下さい。そうでないと私も席を決められませんので」 百合姫提督「えーと…ならエクレール提督……」 エクレール提督「わたくしはこの席で構いませんわ…どうぞ遠慮なさらずにお座りなさいな?」 提督「別にマリーの椅子じゃないのだけれど…でもまぁ、そう言うことね」 百合姫提督「じ、じゃあ失礼して……」 提督「素直でよろしい…♪」 カサルディ提督「……あ、来たんじゃない?」 …空に溶け込むような灰色の迷彩を施した「パナヴィア・トーネード」が二機編隊でやって来て、湾に列を作って停泊している艦隊の上でロールを打ち、それから垂直上昇で高度を取ると、今度は機体を背面に入れてスプリットSをかけた… シモネッタ提督「へぇ、空軍もなかなかどうしてやるじゃない…」 提督「そうね…あ、もう行っちゃった……」トーネードは翼を軽く振ると、独り占めにしたお客さんの歓声を後に残し、さっさと飛んで行ってしまった… カサルディ提督「きっと燃料がないんでしょ?」 提督「…かもしれないわね」 …ジェットの響きが遠ざかると、またざわめきを取り戻し始めた会場……とはいえナポリやジェノヴァ、ヴェネツィア…あるいは市街地に近い「タラント第一」と違って、田舎にあるのどかな鎮守府なのでお客さんが詰めかけることもなく、海軍憲兵隊が上手くさばいてくれているのでたいした問題もない……そこで提督たちは会場を眺めながら、安心してお茶を楽しんでいる…… ?「…気を付け!」 提督「!」ビクンッ…! シモネッタ提督「!!」 カサルディ提督「っ!?」…不意に大声で号令をかけられ、反射的に直立不動の姿勢を取った提督たち… ?「よろしい、休め…!」 提督「もう、一体誰……教官!?」声の方を向くと、軍のデジタル迷彩服に身を包んだ短髪の女性が立っていた…ブーツはよく手入れされているが迷彩服のボタンは二つ目まで外していて、両手の邪魔にならないよう、ベレー帽は肩章を縫いつけるボタン留めの「輪っか」の所に突っこんでいる… 短髪の女性「久しぶりだな、『カンピオーニ候補生』……短い間にずいぶんと昇進したな?」敬礼を交わすと左右の頬に接吻をし、それから提督の手を力強く握った… 提督「ええ、おかげさまで…///」 女性「いや、お前の実力だよ……それはいいが、また肉が付いているな。私にがみがみ言われないからって運動してないだろう…って、なんだ、お前たちも一緒か?」 カサルディ提督「お久しぶりです、教官」 シモネッタ提督「お会いできて嬉しいです♪」 女性「なんだ、あの時の問題児どもが一堂に揃ってるじゃないか……それにどいつもこいつも金モールと勲章をベタベタつけて…昇進おめでとう」そう言うとニヤリと笑ってみせた… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/464
465: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2019/01/26(土) 02:44:31.09 ID:bJAj1Ff+0 …食堂… 提督「紹介するわね…私たちの指導教官だったエウリディーチェ・メッセ曹長」 ライモン「初めまして」 メッセ曹長「ああ、よろしく…きっとカンピオーニの事だから、うんと君らを甘やかしていることだろうな」口調は少しぞんざいだが、どことなく親切な感じがするメッセ… カヴール「ええ、まぁ…」 メッセ曹長「はははっ、おおかたそんな事だろうと思ってたよ♪」 ディアナ「…どうぞ、カフェラテです」 メッセ曹長「お、悪いな…君は?」 ディアナ「高速スループ「ディアナ」でございます」 メッセ曹長「それじゃあごちそうになろう……うーん、こいつはいい」 ディアナ「お褒めに預かり恐縮でございます…♪」 提督「……それにしても、どうして教官が?」 メッセ曹長「どうしても何も…タラントに用事があったから、ついでに教え子の様子を見に来ただけだが……さては私が見ていないからって、たるんだ生活をしているんだろう」いかにも怒ったふりをして腕組みをする… 提督「いえ、そんなことはまったくありません……ちゃんと規則正しい生活を送っています」 メッセ曹長「ほー、そうか…じゃあ昨日はどんなトレーニングをこなした?」 提督「えーと……腹筋を…」 メッセ曹長「何回だ?」 提督「……回です」 メッセ曹長「なに? もう少しはっきり言わないか」 提督「十回です…///」 メッセ曹長「ふー…十回か……ということは他のメニューが重かったんだな?」 提督「えーと…」 メッセ曹長「腕立てか?懸垂か?…それとも敷地内でランニングか?」 提督「いえ……その…」 メッセ曹長「ふむぅ…どうやらみっちり絞られたいらしいな」 提督「…っ!」 メッセ曹長「まぁいい、今日は「昇進おめでとう」を言いにきたんだ。あまりガミガミ言わないでやる……感謝しろよ?」 シモネッタ提督「ふふっ…♪」 メッセ曹長「何がおかしいんだ、シモネッタ?」 シモネッタ提督「…いえ、何でもありません」 メッセ曹長「そうか…カンピオーニの事を笑えるなら、さぞかしトレーニングをしているんだろうな?」 シモネッタ提督「…」 メッセ曹長「どうなんだ?」 シモネッタ提督「いえ、まさか訪問先の運動施設を借りるのもどうかと思いまして……」 メッセ曹長「別に腕立てや腹筋なら道具もいらないだろう……ちゃんとやってるか?」 シモネッタ提督「…い、いいえ」 メッセ曹長「全くカンピオーニといいシモネッタといい……カサルディ、お前は大丈夫だろうな?」 カサルディ提督「はい…客室で腕立てと腹筋を四十づつ」 メッセ曹長「よろしい……この二人の身体がボローニャソーセージみたいになったら、その時はうんと笑ってやれ」 カサルディ提督「はっ…!」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/465
466: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2019/01/27(日) 01:16:21.91 ID:4MZDbiY50 投下前に訂正を一つ……海軍なので「曹長」ではなく「兵曹長」でしたね。うっかりしておりました… …では、気を取り直して提督たちが士官候補生だった時のエピソードを投下していきます…… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/466
467: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2019/01/27(日) 02:05:06.49 ID:4MZDbiY50 メッセ兵曹長「…それにしても、揃いもそろって「士官学校の女たらし」が三人とも揃うとはな……世も末だな」 カサルディ提督「言いますね、教官」 メッセ兵曹長「おい、私はもうお前たちの教官じゃないぞ…もっとも、また士官学校に入るって言うなら鍛えなおしてやるが?」 カサルディ提督「…遠慮しておきます」 メッセ兵曹長「そうだろうな」 ライモン「…あの、提督…少し気になっていることが……」 提督「なぁに?」 ライモン「いえ…いくら卒業したとはいえ、提督方は元教官ともずいぶん親しげでおられますから……」 提督「あー、その事?」 シモネッタ提督「ふふっ…話しても構わないわよ、フランカ?」 カサルディ提督「別にそこいら中に触れ回るわけじゃなし…私も構わないけど」 提督「…教官?」 メッセ兵曹長「もうお前たちは卒業してるんだ、私はどうのこうの言う立場じゃないな」 提督「なら…ちょっとした昔話でもしましょうか♪」 …士官候補生時代・リヴォルノ… メッセ教官「…訓練生の諸君。私は体育教官と君たちの担当教官を兼ねる、エウリディーチェ・メッセ一等兵曹長だ。 諸君はここに入るまでは高校生だったり大学生だったり、場合によっては大学院にいたかも知れない……が、今日からはたるんだ女子学生気分ではなく、士官学校の規則にのっとった規律正しい生活をしてもらう!」 …入学式を終えたばかりの礼服姿でいる候補生たちの前に立って、何一つ見逃さない目をしているメッセ兵曹長……白い礼服には四列も五列も勲章の略綬が付いていて、茶色がかった髪の毛はバッサリと短く切ってある… 候補生一同「「はい」」 メッセ教官「声が小さいぞ、もっと大きな声で!」 一同「「はいっ!」」 メッセ教官「そうだ。ところで、軍隊モノの映画や何かでこういう場面が良く出てくるだろう……何故だかわかるか、アマルフィ?」 士官候補生「わ、分かりません…」 メッセ教官「分からないことは恥ずべき事じゃないんだ、もっとはっきりと答えろ。…ではカンピオーニ、お前はどうだ?」 カンピオーニ候補生(提督)「えぇと…海の上でも聞こえるようにです」 メッセ教官「正解だ、カンピオーニ……だから海軍士官は声が大きいのだ。諸君の可愛らしい声では嵐の音にかき消されて命令が届かないぞ。もっとオペラみたいに腹から声を出せ…分かったな?」 一同「「はい!」」 メッセ教官「結構。部屋割りはさっき言った通りだ…明日からは講義が始まるから、きっちり準備をしておけよ。以上!」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/467
468: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2019/01/28(月) 01:53:11.85 ID:+Vu0kPQa0 …候補生寝室… 短髪の候補生「えーと…あ、私が上か……」礼服をクローゼットのハンガーにかけると、割り当ての書かれた紙とベッドの番号を見比べた… 提督「ええ、そうみたいね」 …入学前に肩甲骨辺りまで伸びていたしなやかなロングヘアーを短くして、ついでに切った髪を病気の人のカツラのために寄付(ヘア・ドネーション)してきた提督だったが、それよりもさらに短い髪をしている候補生……わりと小柄でほどよく日に焼け、気持ちのいい爽やかな笑顔を浮かべている… 候補生「それじゃありがたく……あ、名前を聞いてなかったね」 提督「カンピオーニよ…フランチェスカ・カンピオーニ」左右の頬に軽く口づけをする提督… 候補生(カサルディ提督)「初めまして、フランチェスカ……私はルクレツィア・カサルディ。よろしく」 提督「ええ、こちらこそ」 カサルディ提督「出身は?」 提督「カンパーニア州、ガエタの近くよ…あなたは?」 カサルディ提督「ルクレツィアでいいわ……私は生まれも育ちもリーパリ諸島。もっとも、高校の時はシチリアの学校に入ったけど」 提督「へぇ…リーパリはきれいなところだって聞くし、一度行ってみたいわ」 カサルディ提督「この「深海お化け」の騒ぎが収まったらね……それじゃ改めてよろしく。フランチェスカ」 提督「よろしくね、ルクレツィア♪」 …翌日・運動場… メッセ教官「…よーし、準備運動は終わったな。それでは最初に諸君がどれだけ運動が出来るのか、ちょっとした体力トレーニングを行う……隣同士で組んで、左側の者から腹筋二十回!」 カサルディ提督「ほら、脚を押さえておいてあげるから…さ、始めて?」青色のトレーニングウェアに身を包んだカサルディ候補生は、色白で柔らかそうな提督に比べて、ガゼルのように無駄のない身体をしている……膝を立てて寝ころんだ提督の、しっとりとした長い脚を抱え込む…… 提督「ええ……んっ、ふ!」 カサルディ提督「…いーち」(…うわ、フランチェスカの身体ってば柔らかい……///) 提督「ふぬぬ……っ!」 カサルディ提督「にーい…」 提督「んぐぅ…!」 カサルディ提督「さーん……ほら、頑張って!」 提督「そんなこと…言われて…も……んっ!」 カサルディ提督「よーん…」 メッセ教官「……まだ終わらない組はあるか? …ベルディーニ候補生、カンピオーニ候補生、ヴェルディ候補生、もっと早くするんだ!」 提督「はぁ、はぁ…ふん……っ!」 メッセ教官「…カンピオーニ訓練生、しっかりしろ。もっと速く上体を起こすんだ!」 提督「今……やっていま…す!」 メッセ教官「ふぅ、分かった……訓練生諸君、注目! 今から私が腹筋のコツを教えてやるから、よく覚えておけ!」迷彩服に身を包んでいるメッセ教官がみんなの前で寝転がると、後頭部に手を当てて勢いよく腹筋をやり始めた… 候補生「…うわ、速い……!」 メッセ教官「どうだ…とにかく腹筋の時は一気に上体を起こすことだ。なぜなら、腹筋が一番苦しいのは上体が斜めになった時だからだ……腹筋が苦手な者は、たいてい「上体を起こす勢い」が足りないから途中で起き上がれなくなり、それでなくても苦しいものが余計に苦しくなってしまう…分かったか?」 一同「「はい、教官!」」 メッセ教官「よろしい……さぁカンピオーニ候補生、今私が教えたようにしてやってみろ」 提督「はい、教官……んっ!」 カサルディ提督「…ごーお……うん、いい調子♪」 提督「ふぅ…っ!」 メッセ教官「そうだ、その調子だ! …身体は資本だからな、鍛えておいて損はないぞ!」 提督「ひぃ…ふぅ……!」 カサルディ提督「ほら、あと五回…!」 ……… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/468
469: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2019/02/01(金) 02:09:30.46 ID:Ymw4hwsM0 カサルディ提督「そうそう、フランチェスカときたら士官候補生なのに腹筋もまともに出来てなくてね」 提督「仕方ないじゃない…私は子供の時から走ったり跳んだりって苦手だったし」 カサルディ提督「ねぇ、それって……やっぱりそれのせい?」自分の胸元に視線を落としてから、提督のたわわな胸を眺めた… 提督「それもあるし、幼い頃に同じくらいの子供が少なかったから外遊びをあんまりしなくて……あとは単純に、本を読んだりする方が好きだったせいもあるわ」 カサルディ提督「なるほどね」 提督「だから体育教練の時間は苦痛だったわ…途中からどうにかビリにはならないで済むようになったけれどね……」 メッセ兵曹長「ああ、そうだったな。…もっとも、カンピオーニは脚が長いし、運動のコツさえつかめばある程度伸びるとは思っていたが……そう言う面でカサルディ、お前の名前がカンピオーニの一個前で良かったと思うぞ」 カサルディ提督「まったく苦労しましたよ…フランチェスカがビリになるたびに腹筋や腕立てを追加されるんですからね」 メッセ曹長「はは、おかげで鍛えられただろう」 提督「もう、あの時は笑いごとじゃなかったんですから……あら、何か欲しいの?」足もとにすり寄ってきたルチアを撫でた… ルチア「…ワフッ♪」 メッセ兵曹長「おっ、犬か…ここで飼ってるのか?」 提督「ええ、引き取った保護犬です……「ルチア」って言って、お利口な犬ですよ。よかったらおやつでもあげてみます?」 メッセ兵曹長「はは、そうだな…ほらワン公、こっちに来い」提督から古くなったパンの耳を受け取り、振ってみせた ルチア「♪」 メッセ兵曹長「おいおい、ずいぶんと人懐っこい犬だな…こんなので番犬になるのか?」 提督「ええ、今はみんなが安心しているって分かるんです」 メッセ兵曹長「なるほど、四つ足とはいえ利口な……おいこら、どこに鼻っ面を突っこんでる」 ルチア「フゥ…ン、フン…フン……」鼻先をメッセ兵曹長の脚の間に突っこみ、フガフガと鼻を鳴らしている… メッセ兵曹長「何だ…このワン公、女好きなところまでお前に似ているな」 提督「いえ、別にそう言う訳では……初対面の相手だから匂いを嗅いでいるんですよ」 メッセ兵曹長「まぁいい。犬と一緒ならお前もちゃんと走るようになるだろうしな」 提督「ええ…相変わらず走るのは嫌いですが、少なくとも教官の言ったことはまだ覚えています」 メッセ兵曹長「ほう?」 ……… …とある日… 候補生たち「「…ぜぇ、ぜぇ…はぁ…ふぅ……」」 …やたら広い運動場を散々走らされ、三々五々にへたばったり、肩で息をしている候補生たち……が、最後の一人(幸いなことに提督ではなかった)に付き添い、悪態をついたり励ましたりしながら走ってきたメッセ教官は、大して息も上がっていない… メッセ教官「よーし、これで全員走り終えたようだな……さて、候補生の諸君。どうして私が諸君をこんな目に合わせるのか分かるか? 言っておくが、私は別に諸君をいじめてうさばらしをしようとか、古代スパルタの真似をしようと思ってこんなことをしている訳じゃないぞ」 候補生「じゃあ…ふぅ、はぁ……どうしてなんですか…?」 メッセ教官「それは簡単さ……諸君がここを卒業して海軍少尉の階級章を付けたら、これぐらいの事はできなければならないし、また「そうある事を要求される」からだ」 メッセ教官「ほぼ間違いなく、諸君は今まで宿題や家の手伝いのような「やりたくないこと」を回避したり…あるいはやらなかったことを叱られはしても、そうたいした問題にはならなかったという経験があるはずだ。しかし海軍において「できない」とか「やりたくない」ということは認められない……とはいえ私は諸君にできもしないことは言わないし、やらせたりもしないがな」 メッセ教官「しかし任官したらそうはいかん。士官なら腕利きの下士官たちを上手く御することができなければならんし、艦に関わる様々な問題に立ち向かわなきゃならないからな…そうなった時にあたふたしないよう、今のうちにうんと失敗したり苦労したりしておけ。ついでに私が「教訓」を忘れないように腕立ても付けておいてやる」 メッセ教官「……それともう一つ。いくらあれこれ言ってみても、男どもの中に女性士官をからかいのタネにしたり、軽く扱ってくる奴らがいるのは事実だ。特に昨今の「深海棲艦」どもと「艦娘」たちに関わる女性士官が増えたことで、そう言う連中と諸君が出くわす可能性は高くなった……だからと言ってその度に憲兵隊だの法務官だのに泣きついている暇はない。したがって、自分でどうにかできるようになっておかないといけないのだ…どうだ、納得したか?」 候補生たち「「…はい、よく分かりました!」」 メッセ教官「結構…なら明日からはつべこべ言わずに頑張ってもらうぞ」 ……… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/469
470: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2019/02/03(日) 03:00:21.20 ID:Ry1EXfmW0 … ライモン「ところで…提督とシモネッタ提督はどうしてお知り合いに?」提督たちのおしゃべりを邪魔しないようにと、グレイ提督たちは気を利かせて庭に行っているので、椅子を近寄せて隣に座った… カサルディ提督「確かに気になるわよね……フランチェスカとエレオノーラの好みときたら、まるで反対だもの」 提督「まぁそうね…」 シモネッタ提督「ふふ、私はフランカみたいに年増を食べる趣味はないの…♪」優雅に紅茶をすすりつつ、隣に座っているマエストラーレのお尻に手を伸ばした…… マエストラーレ(ヴェネツィア)「もうっ…///」ぺちっ!…と手の甲を軽く叩いた シモネッタ提督「もう、マエストラーレのいじわる…♪」 提督「またそうやって……エレオノーラみたいな趣味を持っていたら、いつか逮捕されるわよ?」 シモネッタ提督「心配しないで…私は普段からお行儀よく過ごしているもの」 カサルディ提督「ま、エレオノーラのお行儀がいいかどうかはさておき…」 ……… …士官学校・教室… 教官「さて…諸君はここで海軍史について勉強することになる。過去の戦争で各国の指揮官たちが犯した失策を学ぶことで、同じ過ちを繰り返さないで済むわけだ」教室に座っている士官候補生たちを前に、中年の教官が講義を始めた… カサルディ提督「はぁ、参ったな…私、歴史とかって苦手……」小声で提督にぼやくカサルディ提督… 提督「そう? 昔の話って面白いと思うけれど?」 カサルディ提督「…フランチェスカは歴史得意だもんね……」 教官「さて、今日は初回だからな。簡単なイタリア近・現代史の振り返りと行こう……さて、イタリア王国海軍の基礎はガリバルディのイタリア統一運動と、両シチリア王国がそれに帰順したことにより出来上がり……」 提督「…」ノートをつけながら、熱心に聞いている提督… 教官「ではこの問題を…シモネッタ」 シモネッタ候補生(シモネッタ提督)「はい」 教官「第二次大戦への旧イタリア王国の参戦はいつだったか?」 シモネッタ提督「1940年6月10日です」 教官「結構。座りたまえ…では旧イタリア王国が英仏に宣戦布告したのはなぜか? …カンピオーニ」 提督「はい。当時のドイツが我が国の仮想敵であったフランスを撃破しつつあったことで、当時の政府が「このままでは戦後得られるかもしれない賠償を手にできない」と考えたからです」 教官「よろしい…平たく言えばイル・ドゥーチェ(ムッソリーニ)の思い立った火事場泥棒ということだな。そのせいでイタリアは大やけどをしたわけだ……ところで、そこの四人は大したものだな?」 提督「…と、言いますと?」 教官「諸君の名前だ。ベルガミーニ、ビアンケッリ、カサルディ…それにカンピオーニ。いずれも大戦中の提督と同じ苗字じゃないか…末は海軍提督に違いない!」 一同「「くすくすっ…♪」」 提督「あー……そうなれるよう努力します」 教官「結構だ…では座ってくれ、提督」 提督「///」 教官「さて、講義を続けようか…」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/470
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