イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (967レス)
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455: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2019/01/16(水)03:06 ID:6msX+G6t0(1) AAS
…しばらくして・通信室…

提督「当直お疲れさま、マルコーニ、ビアンキ。カフェラテを持って来たから交代でどうぞ? …コーヒーは少し濃い目の砂糖二杯、ミルクは多めで少しぬるくしてあるわ」

…自分の分と合わせて三つカップを持っている提督……目が疲れないようにと照明の明るさを少し落してある通信室で、無線機の前に詰めているのは「マルコーニ」級大型潜の「グリエルモ・マルコーニ」と「ミケーレ・ビアンキ」…二人は「当直」と言うことでヘッドフォンをかけて座っているが、マルコーニは世界初の無線電信の発明者なのでまさにぴったりの役どころ…

ビアンキ「お先にどうぞ、グリエルモ」

マルコーニ「グラツィエ……コンソールデッキにこぼすといけないので、こっちに座らせてもらいますね」

提督「ええ。それで、変わった様子はない?」

マルコーニ「はい、今のところは」

提督「そう、ならよかったわ…うちの水偵からも?」

マルコーニ「はい、なにもありません」

提督「そう、ならそろそろ交代だから……」そう言って提督が温かいコーヒーを飲もうとした瞬間、無線機がざわめきだした…

マルコーニ「…何とも間が悪いですね!」マグカップを置くと慌てて席についてヘッドフォンをあてた

提督「…深海棲艦の艦隊とかじゃないといいのだけれど……」

…数分前・鎮守府沖数十浬…

マエストラーレ「ふー…いい天気で気持ちいいわねぇ」

シロッコ「本当にね……出撃なんておっくうだと思っていたけれど、出てみると案外いいものね」

リベッチオ「そうだね、風が爽やかで気持ちいい…♪」

グレカーレ「もう、みんなたるんでない?」

リベッチオ「だってぇ…」

マエストラーレ「……確かにグレカーレの言う通りね。みんな気を引き締めて見張るように!」

リベッチオ「そんなこと言ったって、深海棲艦がこんなところまで出てくるわけないと思うけどね?」

シロッコ「それはたし……ん?」何かと勘のいいシロッコが、不意に水平線と雲の間に目をこらした…

マエストラーレ「…どうしたの?」

シロッコ「敵機視認! …もう、基地祭の日なのに!」

マエストラーレ「そんなことを言ったって仕方ないでしょうが…対空陣形!」メインマストに軍艦旗を掲げつつ、鎮守府に打電するマエストラーレ…

………



マルコーニ「…敵機視認。機種、ウォーラス……ただちに対空戦に入る」

提督「ウォーラスに見つかったら、お次はボーファイターかアンソンか……とにかく哨戒中の水偵を向かわせて、その間にマッキを発進させましょう」

マルコーニ「了解」リズムよく「トトン・ツー…」とモールス電信を叩きはじめるマルコーニと、電話にかじりついてグロッタリーエ空軍基地に駐機している「鎮守府所属」の戦闘機隊へ発進要請をかけるビアンキ……

提督「…」戦闘機隊が発進してマエストラーレたちの所にたどり着くまでの時間を計算している…



マエストラーレ「無電を発信されたら敵機がわらわら来るに違いないわ…対空戦闘! 急いで落として!」120ミリ主砲と40ミリ機銃、それに戦時に増設された20ミリ・ブレダ機銃も吼えたてる…

グレカーレ「主砲、てっ!」

シロッコ「…落ちろ、蚊トンボ!」

リベッチオ「撃てぇ!……あ、命中…命中っ!」航続距離はあっても速度や敏捷さには欠けるウォーラス水偵の周囲に次々と対空砲弾が炸裂していたが、ついに一発がウォーラスを捉え、二つに折れた残骸がゆっくりと落ちていった…

シロッコ「無電の発信は…なかったみたい」

マエストラーレ「……ふぅ。なら鎮守府に連絡して一件落着ね」

シロッコ「良かった…まだ基地祭の屋台巡りも終わってないし、ね♪」

………
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