イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (967レス)
イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/
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461: ◆b0M46H9tf98h [saga] 2019/01/25(金) 02:47:44.30 ID:R5DGKo880 カサルディ提督「フランカ、ごめん…エレオノーラが壊れてる時は手におえないって忘れてた……」 提督「いいえ、構わないけれど……問題が起きる前にお茶にでもして、二人をエレオノーラから引き離しましょう?」 カサルディ提督「そうね。どのみちここに来ている提督はみんな集まってるし…」 提督「そうね、言われてみれば…それじゃあ早くお菓子を用意しないと♪」 百合姫提督「ふふ、今回はどんなお菓子かしら……こっちに来てから美味しいものが多くって、食事のたびに目移りしちゃうの…♪」 エクレール提督「まぁ…でしたらぜひフランスにおいで下さいな。量ばかりのイタリア料理と違って、洗練された美食が味わえますわ」 提督「姫、マリーの言うことを聞いちゃダメよ…フランス料理なんて田舎は「ブイヤベース」とか「ラタトゥイユ」みたいなごった煮ばかりだし、かといってパリのビストロなんて入ったら目が回るような勘定書きが届くわよ?」 エクレール提督「また貴女はそうやって…!」 グレイ提督「ふふ、仲がよろしいようで結構ですわね…百合野提督、もし機会があったらイギリスの「ミートミンスパイ」か「ヨークシャープディング」……さもなければ朝食だけでもご賞味下さいね?」 ヴァイス提督「…それなら、ドイツを訪問されるようなことがあったらぜひ本場のソーセージを召し上がってください……!」 百合姫提督「はい、機会があったらみんな味わってみたいです……って、あら?」震えだした携帯電話をちらりと見て番号を確認すると、提督たちに謝って電話を受けた… 提督「鎮守府から?」 百合姫提督「ええ……はい、もしもし…」席を外して廊下に出て行く百合姫提督… … 百合姫提督「…仁淀、どうかしたの?」 仁淀「はい、提督…実は前回提出の書類で一枚だけ差し戻しが……訂正はすぐ出来たのですが、提督のハンコを代わりに押してしまっても…?」 百合姫提督「ええ、仁淀が大丈夫だっていうなら大丈夫…ハンコは机の上にあるから、代わりに押していいわ」 仁淀「了解、それでは…」 百合姫提督「あぁ、待って仁淀」 仁淀「はい、何でしょうか?」 百合姫提督「こっちの時間から考えると横須賀は1900時くらいよね…?」 仁淀「ええ、まぁだいたいそのくらいです」 百合姫提督「みんなご飯はちゃんと食べている? もっとも、厨房は間宮だから心配ないとは思うけれど……」 仁淀「ええ、大丈夫ですよ…ちょうどいま済ませて、それでお電話したところです」 百合姫提督「それで、今日は何を食べたの?」 仁淀「えーとですね…主食は「昆布わかめ」の混ぜご飯で、おかずは「べにしゃけ」と冷蔵庫に残っていた「タチ」(太刀魚)の塩焼き……具だくさんのけんちん汁に納豆…あ、あと食後に「森永みるく」と「もちオーレ」をいただきました」 百合姫提督「そう、ならよかったわ…♪」 仁淀「おかげ様で大満足です…実は「メロンメロン」のチョコチップメロンパンもあったのですが、さすがに満腹で……」 百合姫提督「まぁ、ふふ…あのお店のメロンパンは私も好きだから、帰ったらまた買いに行きましょう♪ …ちなみに明日の献立は決まっているの?」 仁淀「あ、はい…明日はハンバーグステーキを喫食する予定なのですが、間宮も伊良湖も意気込んでいて……もうデミグラスソースの仕込みに取り掛かっています」 百合姫提督「なるほどね……じゃあ明日は「デミライフ!」ってところね?」 仁淀「はい…正直ちょっと楽しみです♪」 百合姫提督「分かったわ……それじゃあまた寝る前にかけるから…皆にもよろしく伝えておいてね?」 仁淀「はい。では失礼します」 百合姫提督「ええ」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/461
462: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage] 2019/01/25(金) 11:11:56.98 ID:JnkLhmH5o 乙。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/462
463: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2019/01/26(土) 01:06:19.86 ID:bJAj1Ff+0 グラツィエ…引き続き投下していきます http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/463
464: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2019/01/26(土) 01:41:09.89 ID:bJAj1Ff+0 提督「姫、横須賀は大丈夫だった?」 百合姫提督「ええ、おかげさまで」 提督「それは良かったわね…ところで、よかったらみんなでテラスに出ない?」意味ありげな含み笑いを浮かべている… シモネッタ提督「…何かあるのね?」 提督「ええ…実はグロッタリーエ所属の空軍機が訓練を兼ねて、ちょっとしたアクロバットをしてくれることになっているの」 カサルディ提督「へぇ、フランカってば空軍に顔が利くんだ?」 提督「ううん、これは向こうの好意みたいなものよ……何しろ空軍は目立ちたがりだもの♪」 カサルディ提督「ぷっ…確かに♪」 シモネッタ提督「それで、どこならよく見られるかしら」 提督「そうねぇ…飛行ルートは沖合だから、二階のベランダかそこのテラスね」 カサルディ提督「じゃあそこでいいんじゃない?」 提督「そう? ならそこにしましょう…さ、姫は特等席にどうぞ♪」 百合姫提督「あ、そんな…私が一番いい席に座るなんておこがましいと思うの……むしろグレイ提督に座ってもらった方が…///」 グレイ提督「構いませんよ…わたくしは立っている方が好きですから」 ヴァイス提督「私の方が階級が下ですから、どうぞ先に座って下さい。そうでないと私も席を決められませんので」 百合姫提督「えーと…ならエクレール提督……」 エクレール提督「わたくしはこの席で構いませんわ…どうぞ遠慮なさらずにお座りなさいな?」 提督「別にマリーの椅子じゃないのだけれど…でもまぁ、そう言うことね」 百合姫提督「じ、じゃあ失礼して……」 提督「素直でよろしい…♪」 カサルディ提督「……あ、来たんじゃない?」 …空に溶け込むような灰色の迷彩を施した「パナヴィア・トーネード」が二機編隊でやって来て、湾に列を作って停泊している艦隊の上でロールを打ち、それから垂直上昇で高度を取ると、今度は機体を背面に入れてスプリットSをかけた… シモネッタ提督「へぇ、空軍もなかなかどうしてやるじゃない…」 提督「そうね…あ、もう行っちゃった……」トーネードは翼を軽く振ると、独り占めにしたお客さんの歓声を後に残し、さっさと飛んで行ってしまった… カサルディ提督「きっと燃料がないんでしょ?」 提督「…かもしれないわね」 …ジェットの響きが遠ざかると、またざわめきを取り戻し始めた会場……とはいえナポリやジェノヴァ、ヴェネツィア…あるいは市街地に近い「タラント第一」と違って、田舎にあるのどかな鎮守府なのでお客さんが詰めかけることもなく、海軍憲兵隊が上手くさばいてくれているのでたいした問題もない……そこで提督たちは会場を眺めながら、安心してお茶を楽しんでいる…… ?「…気を付け!」 提督「!」ビクンッ…! シモネッタ提督「!!」 カサルディ提督「っ!?」…不意に大声で号令をかけられ、反射的に直立不動の姿勢を取った提督たち… ?「よろしい、休め…!」 提督「もう、一体誰……教官!?」声の方を向くと、軍のデジタル迷彩服に身を包んだ短髪の女性が立っていた…ブーツはよく手入れされているが迷彩服のボタンは二つ目まで外していて、両手の邪魔にならないよう、ベレー帽は肩章を縫いつけるボタン留めの「輪っか」の所に突っこんでいる… 短髪の女性「久しぶりだな、『カンピオーニ候補生』……短い間にずいぶんと昇進したな?」敬礼を交わすと左右の頬に接吻をし、それから提督の手を力強く握った… 提督「ええ、おかげさまで…///」 女性「いや、お前の実力だよ……それはいいが、また肉が付いているな。私にがみがみ言われないからって運動してないだろう…って、なんだ、お前たちも一緒か?」 カサルディ提督「お久しぶりです、教官」 シモネッタ提督「お会いできて嬉しいです♪」 女性「なんだ、あの時の問題児どもが一堂に揃ってるじゃないか……それにどいつもこいつも金モールと勲章をベタベタつけて…昇進おめでとう」そう言うとニヤリと笑ってみせた… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/464
465: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2019/01/26(土) 02:44:31.09 ID:bJAj1Ff+0 …食堂… 提督「紹介するわね…私たちの指導教官だったエウリディーチェ・メッセ曹長」 ライモン「初めまして」 メッセ曹長「ああ、よろしく…きっとカンピオーニの事だから、うんと君らを甘やかしていることだろうな」口調は少しぞんざいだが、どことなく親切な感じがするメッセ… カヴール「ええ、まぁ…」 メッセ曹長「はははっ、おおかたそんな事だろうと思ってたよ♪」 ディアナ「…どうぞ、カフェラテです」 メッセ曹長「お、悪いな…君は?」 ディアナ「高速スループ「ディアナ」でございます」 メッセ曹長「それじゃあごちそうになろう……うーん、こいつはいい」 ディアナ「お褒めに預かり恐縮でございます…♪」 提督「……それにしても、どうして教官が?」 メッセ曹長「どうしても何も…タラントに用事があったから、ついでに教え子の様子を見に来ただけだが……さては私が見ていないからって、たるんだ生活をしているんだろう」いかにも怒ったふりをして腕組みをする… 提督「いえ、そんなことはまったくありません……ちゃんと規則正しい生活を送っています」 メッセ曹長「ほー、そうか…じゃあ昨日はどんなトレーニングをこなした?」 提督「えーと……腹筋を…」 メッセ曹長「何回だ?」 提督「……回です」 メッセ曹長「なに? もう少しはっきり言わないか」 提督「十回です…///」 メッセ曹長「ふー…十回か……ということは他のメニューが重かったんだな?」 提督「えーと…」 メッセ曹長「腕立てか?懸垂か?…それとも敷地内でランニングか?」 提督「いえ……その…」 メッセ曹長「ふむぅ…どうやらみっちり絞られたいらしいな」 提督「…っ!」 メッセ曹長「まぁいい、今日は「昇進おめでとう」を言いにきたんだ。あまりガミガミ言わないでやる……感謝しろよ?」 シモネッタ提督「ふふっ…♪」 メッセ曹長「何がおかしいんだ、シモネッタ?」 シモネッタ提督「…いえ、何でもありません」 メッセ曹長「そうか…カンピオーニの事を笑えるなら、さぞかしトレーニングをしているんだろうな?」 シモネッタ提督「…」 メッセ曹長「どうなんだ?」 シモネッタ提督「いえ、まさか訪問先の運動施設を借りるのもどうかと思いまして……」 メッセ曹長「別に腕立てや腹筋なら道具もいらないだろう……ちゃんとやってるか?」 シモネッタ提督「…い、いいえ」 メッセ曹長「全くカンピオーニといいシモネッタといい……カサルディ、お前は大丈夫だろうな?」 カサルディ提督「はい…客室で腕立てと腹筋を四十づつ」 メッセ曹長「よろしい……この二人の身体がボローニャソーセージみたいになったら、その時はうんと笑ってやれ」 カサルディ提督「はっ…!」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/465
466: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2019/01/27(日) 01:16:21.91 ID:4MZDbiY50 投下前に訂正を一つ……海軍なので「曹長」ではなく「兵曹長」でしたね。うっかりしておりました… …では、気を取り直して提督たちが士官候補生だった時のエピソードを投下していきます…… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/466
467: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2019/01/27(日) 02:05:06.49 ID:4MZDbiY50 メッセ兵曹長「…それにしても、揃いもそろって「士官学校の女たらし」が三人とも揃うとはな……世も末だな」 カサルディ提督「言いますね、教官」 メッセ兵曹長「おい、私はもうお前たちの教官じゃないぞ…もっとも、また士官学校に入るって言うなら鍛えなおしてやるが?」 カサルディ提督「…遠慮しておきます」 メッセ兵曹長「そうだろうな」 ライモン「…あの、提督…少し気になっていることが……」 提督「なぁに?」 ライモン「いえ…いくら卒業したとはいえ、提督方は元教官ともずいぶん親しげでおられますから……」 提督「あー、その事?」 シモネッタ提督「ふふっ…話しても構わないわよ、フランカ?」 カサルディ提督「別にそこいら中に触れ回るわけじゃなし…私も構わないけど」 提督「…教官?」 メッセ兵曹長「もうお前たちは卒業してるんだ、私はどうのこうの言う立場じゃないな」 提督「なら…ちょっとした昔話でもしましょうか♪」 …士官候補生時代・リヴォルノ… メッセ教官「…訓練生の諸君。私は体育教官と君たちの担当教官を兼ねる、エウリディーチェ・メッセ一等兵曹長だ。 諸君はここに入るまでは高校生だったり大学生だったり、場合によっては大学院にいたかも知れない……が、今日からはたるんだ女子学生気分ではなく、士官学校の規則にのっとった規律正しい生活をしてもらう!」 …入学式を終えたばかりの礼服姿でいる候補生たちの前に立って、何一つ見逃さない目をしているメッセ兵曹長……白い礼服には四列も五列も勲章の略綬が付いていて、茶色がかった髪の毛はバッサリと短く切ってある… 候補生一同「「はい」」 メッセ教官「声が小さいぞ、もっと大きな声で!」 一同「「はいっ!」」 メッセ教官「そうだ。ところで、軍隊モノの映画や何かでこういう場面が良く出てくるだろう……何故だかわかるか、アマルフィ?」 士官候補生「わ、分かりません…」 メッセ教官「分からないことは恥ずべき事じゃないんだ、もっとはっきりと答えろ。…ではカンピオーニ、お前はどうだ?」 カンピオーニ候補生(提督)「えぇと…海の上でも聞こえるようにです」 メッセ教官「正解だ、カンピオーニ……だから海軍士官は声が大きいのだ。諸君の可愛らしい声では嵐の音にかき消されて命令が届かないぞ。もっとオペラみたいに腹から声を出せ…分かったな?」 一同「「はい!」」 メッセ教官「結構。部屋割りはさっき言った通りだ…明日からは講義が始まるから、きっちり準備をしておけよ。以上!」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/467
468: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2019/01/28(月) 01:53:11.85 ID:+Vu0kPQa0 …候補生寝室… 短髪の候補生「えーと…あ、私が上か……」礼服をクローゼットのハンガーにかけると、割り当ての書かれた紙とベッドの番号を見比べた… 提督「ええ、そうみたいね」 …入学前に肩甲骨辺りまで伸びていたしなやかなロングヘアーを短くして、ついでに切った髪を病気の人のカツラのために寄付(ヘア・ドネーション)してきた提督だったが、それよりもさらに短い髪をしている候補生……わりと小柄でほどよく日に焼け、気持ちのいい爽やかな笑顔を浮かべている… 候補生「それじゃありがたく……あ、名前を聞いてなかったね」 提督「カンピオーニよ…フランチェスカ・カンピオーニ」左右の頬に軽く口づけをする提督… 候補生(カサルディ提督)「初めまして、フランチェスカ……私はルクレツィア・カサルディ。よろしく」 提督「ええ、こちらこそ」 カサルディ提督「出身は?」 提督「カンパーニア州、ガエタの近くよ…あなたは?」 カサルディ提督「ルクレツィアでいいわ……私は生まれも育ちもリーパリ諸島。もっとも、高校の時はシチリアの学校に入ったけど」 提督「へぇ…リーパリはきれいなところだって聞くし、一度行ってみたいわ」 カサルディ提督「この「深海お化け」の騒ぎが収まったらね……それじゃ改めてよろしく。フランチェスカ」 提督「よろしくね、ルクレツィア♪」 …翌日・運動場… メッセ教官「…よーし、準備運動は終わったな。それでは最初に諸君がどれだけ運動が出来るのか、ちょっとした体力トレーニングを行う……隣同士で組んで、左側の者から腹筋二十回!」 カサルディ提督「ほら、脚を押さえておいてあげるから…さ、始めて?」青色のトレーニングウェアに身を包んだカサルディ候補生は、色白で柔らかそうな提督に比べて、ガゼルのように無駄のない身体をしている……膝を立てて寝ころんだ提督の、しっとりとした長い脚を抱え込む…… 提督「ええ……んっ、ふ!」 カサルディ提督「…いーち」(…うわ、フランチェスカの身体ってば柔らかい……///) 提督「ふぬぬ……っ!」 カサルディ提督「にーい…」 提督「んぐぅ…!」 カサルディ提督「さーん……ほら、頑張って!」 提督「そんなこと…言われて…も……んっ!」 カサルディ提督「よーん…」 メッセ教官「……まだ終わらない組はあるか? …ベルディーニ候補生、カンピオーニ候補生、ヴェルディ候補生、もっと早くするんだ!」 提督「はぁ、はぁ…ふん……っ!」 メッセ教官「…カンピオーニ訓練生、しっかりしろ。もっと速く上体を起こすんだ!」 提督「今……やっていま…す!」 メッセ教官「ふぅ、分かった……訓練生諸君、注目! 今から私が腹筋のコツを教えてやるから、よく覚えておけ!」迷彩服に身を包んでいるメッセ教官がみんなの前で寝転がると、後頭部に手を当てて勢いよく腹筋をやり始めた… 候補生「…うわ、速い……!」 メッセ教官「どうだ…とにかく腹筋の時は一気に上体を起こすことだ。なぜなら、腹筋が一番苦しいのは上体が斜めになった時だからだ……腹筋が苦手な者は、たいてい「上体を起こす勢い」が足りないから途中で起き上がれなくなり、それでなくても苦しいものが余計に苦しくなってしまう…分かったか?」 一同「「はい、教官!」」 メッセ教官「よろしい……さぁカンピオーニ候補生、今私が教えたようにしてやってみろ」 提督「はい、教官……んっ!」 カサルディ提督「…ごーお……うん、いい調子♪」 提督「ふぅ…っ!」 メッセ教官「そうだ、その調子だ! …身体は資本だからな、鍛えておいて損はないぞ!」 提督「ひぃ…ふぅ……!」 カサルディ提督「ほら、あと五回…!」 ……… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/468
469: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2019/02/01(金) 02:09:30.46 ID:Ymw4hwsM0 カサルディ提督「そうそう、フランチェスカときたら士官候補生なのに腹筋もまともに出来てなくてね」 提督「仕方ないじゃない…私は子供の時から走ったり跳んだりって苦手だったし」 カサルディ提督「ねぇ、それって……やっぱりそれのせい?」自分の胸元に視線を落としてから、提督のたわわな胸を眺めた… 提督「それもあるし、幼い頃に同じくらいの子供が少なかったから外遊びをあんまりしなくて……あとは単純に、本を読んだりする方が好きだったせいもあるわ」 カサルディ提督「なるほどね」 提督「だから体育教練の時間は苦痛だったわ…途中からどうにかビリにはならないで済むようになったけれどね……」 メッセ兵曹長「ああ、そうだったな。…もっとも、カンピオーニは脚が長いし、運動のコツさえつかめばある程度伸びるとは思っていたが……そう言う面でカサルディ、お前の名前がカンピオーニの一個前で良かったと思うぞ」 カサルディ提督「まったく苦労しましたよ…フランチェスカがビリになるたびに腹筋や腕立てを追加されるんですからね」 メッセ曹長「はは、おかげで鍛えられただろう」 提督「もう、あの時は笑いごとじゃなかったんですから……あら、何か欲しいの?」足もとにすり寄ってきたルチアを撫でた… ルチア「…ワフッ♪」 メッセ兵曹長「おっ、犬か…ここで飼ってるのか?」 提督「ええ、引き取った保護犬です……「ルチア」って言って、お利口な犬ですよ。よかったらおやつでもあげてみます?」 メッセ兵曹長「はは、そうだな…ほらワン公、こっちに来い」提督から古くなったパンの耳を受け取り、振ってみせた ルチア「♪」 メッセ兵曹長「おいおい、ずいぶんと人懐っこい犬だな…こんなので番犬になるのか?」 提督「ええ、今はみんなが安心しているって分かるんです」 メッセ兵曹長「なるほど、四つ足とはいえ利口な……おいこら、どこに鼻っ面を突っこんでる」 ルチア「フゥ…ン、フン…フン……」鼻先をメッセ兵曹長の脚の間に突っこみ、フガフガと鼻を鳴らしている… メッセ兵曹長「何だ…このワン公、女好きなところまでお前に似ているな」 提督「いえ、別にそう言う訳では……初対面の相手だから匂いを嗅いでいるんですよ」 メッセ兵曹長「まぁいい。犬と一緒ならお前もちゃんと走るようになるだろうしな」 提督「ええ…相変わらず走るのは嫌いですが、少なくとも教官の言ったことはまだ覚えています」 メッセ兵曹長「ほう?」 ……… …とある日… 候補生たち「「…ぜぇ、ぜぇ…はぁ…ふぅ……」」 …やたら広い運動場を散々走らされ、三々五々にへたばったり、肩で息をしている候補生たち……が、最後の一人(幸いなことに提督ではなかった)に付き添い、悪態をついたり励ましたりしながら走ってきたメッセ教官は、大して息も上がっていない… メッセ教官「よーし、これで全員走り終えたようだな……さて、候補生の諸君。どうして私が諸君をこんな目に合わせるのか分かるか? 言っておくが、私は別に諸君をいじめてうさばらしをしようとか、古代スパルタの真似をしようと思ってこんなことをしている訳じゃないぞ」 候補生「じゃあ…ふぅ、はぁ……どうしてなんですか…?」 メッセ教官「それは簡単さ……諸君がここを卒業して海軍少尉の階級章を付けたら、これぐらいの事はできなければならないし、また「そうある事を要求される」からだ」 メッセ教官「ほぼ間違いなく、諸君は今まで宿題や家の手伝いのような「やりたくないこと」を回避したり…あるいはやらなかったことを叱られはしても、そうたいした問題にはならなかったという経験があるはずだ。しかし海軍において「できない」とか「やりたくない」ということは認められない……とはいえ私は諸君にできもしないことは言わないし、やらせたりもしないがな」 メッセ教官「しかし任官したらそうはいかん。士官なら腕利きの下士官たちを上手く御することができなければならんし、艦に関わる様々な問題に立ち向かわなきゃならないからな…そうなった時にあたふたしないよう、今のうちにうんと失敗したり苦労したりしておけ。ついでに私が「教訓」を忘れないように腕立ても付けておいてやる」 メッセ教官「……それともう一つ。いくらあれこれ言ってみても、男どもの中に女性士官をからかいのタネにしたり、軽く扱ってくる奴らがいるのは事実だ。特に昨今の「深海棲艦」どもと「艦娘」たちに関わる女性士官が増えたことで、そう言う連中と諸君が出くわす可能性は高くなった……だからと言ってその度に憲兵隊だの法務官だのに泣きついている暇はない。したがって、自分でどうにかできるようになっておかないといけないのだ…どうだ、納得したか?」 候補生たち「「…はい、よく分かりました!」」 メッセ教官「結構…なら明日からはつべこべ言わずに頑張ってもらうぞ」 ……… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/469
470: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2019/02/03(日) 03:00:21.20 ID:Ry1EXfmW0 … ライモン「ところで…提督とシモネッタ提督はどうしてお知り合いに?」提督たちのおしゃべりを邪魔しないようにと、グレイ提督たちは気を利かせて庭に行っているので、椅子を近寄せて隣に座った… カサルディ提督「確かに気になるわよね……フランチェスカとエレオノーラの好みときたら、まるで反対だもの」 提督「まぁそうね…」 シモネッタ提督「ふふ、私はフランカみたいに年増を食べる趣味はないの…♪」優雅に紅茶をすすりつつ、隣に座っているマエストラーレのお尻に手を伸ばした…… マエストラーレ(ヴェネツィア)「もうっ…///」ぺちっ!…と手の甲を軽く叩いた シモネッタ提督「もう、マエストラーレのいじわる…♪」 提督「またそうやって……エレオノーラみたいな趣味を持っていたら、いつか逮捕されるわよ?」 シモネッタ提督「心配しないで…私は普段からお行儀よく過ごしているもの」 カサルディ提督「ま、エレオノーラのお行儀がいいかどうかはさておき…」 ……… …士官学校・教室… 教官「さて…諸君はここで海軍史について勉強することになる。過去の戦争で各国の指揮官たちが犯した失策を学ぶことで、同じ過ちを繰り返さないで済むわけだ」教室に座っている士官候補生たちを前に、中年の教官が講義を始めた… カサルディ提督「はぁ、参ったな…私、歴史とかって苦手……」小声で提督にぼやくカサルディ提督… 提督「そう? 昔の話って面白いと思うけれど?」 カサルディ提督「…フランチェスカは歴史得意だもんね……」 教官「さて、今日は初回だからな。簡単なイタリア近・現代史の振り返りと行こう……さて、イタリア王国海軍の基礎はガリバルディのイタリア統一運動と、両シチリア王国がそれに帰順したことにより出来上がり……」 提督「…」ノートをつけながら、熱心に聞いている提督… 教官「ではこの問題を…シモネッタ」 シモネッタ候補生(シモネッタ提督)「はい」 教官「第二次大戦への旧イタリア王国の参戦はいつだったか?」 シモネッタ提督「1940年6月10日です」 教官「結構。座りたまえ…では旧イタリア王国が英仏に宣戦布告したのはなぜか? …カンピオーニ」 提督「はい。当時のドイツが我が国の仮想敵であったフランスを撃破しつつあったことで、当時の政府が「このままでは戦後得られるかもしれない賠償を手にできない」と考えたからです」 教官「よろしい…平たく言えばイル・ドゥーチェ(ムッソリーニ)の思い立った火事場泥棒ということだな。そのせいでイタリアは大やけどをしたわけだ……ところで、そこの四人は大したものだな?」 提督「…と、言いますと?」 教官「諸君の名前だ。ベルガミーニ、ビアンケッリ、カサルディ…それにカンピオーニ。いずれも大戦中の提督と同じ苗字じゃないか…末は海軍提督に違いない!」 一同「「くすくすっ…♪」」 提督「あー……そうなれるよう努力します」 教官「結構だ…では座ってくれ、提督」 提督「///」 教官「さて、講義を続けようか…」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/470
471: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2019/02/07(木) 02:28:18.36 ID:ZhqUC3//0 …数週間後・候補生寝室… カサルディ提督「いやぁ…フランチェスカもたいしたものだと思ってたけど、上には上がいるんだね?」…カサルディ提督は二段ベッドの上から顔をのぞかせ、からかい半分に話しかけてきた… 提督「…成績の事?」士官学校に入る前にかなり短くしたとはいえ、十五分の入浴時間では乾かせっこない豊かな髪を拭きながら答えた… カサルディ提督「そう、それよ♪」 …士官学校に入って二か月経ったこの日、最初の試験結果が発表されて張り出され、候補生たちは寄ると触るとその話題で持ちきりだった… カサルディ提督「そう。だってフランチェスカは『海軍史』と『図上演習』で一位だったでしょ?」 提督「うーん、でも私は計算とか体育が苦手だから……その二つは下から数えた方が早いもの」 カサルディ提督「それにしたって、首席じゃないなんて驚きよ…フランチェスカじゃないなら誰なの? って感じだもの」…からっとした気持ちのいい笑顔を浮かべ、特に意識もせずに人を喜ばせるような事をいう「天然タラシ」のカサルディ提督……そのせいか、すでに何人かの候補生は骨抜きになっている… 提督「えーと、首席は確かシモネッタ候補生っていう…ほら、あのヴェネツィア出身の優しそうな……」 カサルディ提督「あぁ、あの感じのいい人? なるほどねぇ…人当たりはいいし成績も優秀、おまけにフェンシングも強ければバレーボールだって上手いんだ…眉目秀麗、文武両道……まさに『海軍の求める人材』ってところよね」 提督「そうねぇ。私は走るの嫌いだし、フェンシングは弱いし……バレーも得意じゃないから…」 カサルディ提督「…でもあれだけ完璧だと、逆にとんでもない欠点を抱えてたりするんじゃない?」 提督「ふふっ、なにそれ…♪」 カサルディ提督「いや…そんな風に折り目正しく生活していたら、どこかで破綻すると思うんだよね」 提督「うーん……でもおかしな雰囲気は感じないけれど?」 カサルディ提督「そう?」 提督「ええ。むしろ、何と言えばいいのかしら……誰にでも丁寧だけれど、ほどよく距離を開けている感じね」 カサルディ提督「あー、北部人ってそういう所あるわよね」 提督「うーん、むしろあれはヴェネツィア出身だからって言うよりも……」 先輩候補生「…気を付け! これより整理整頓のチェックを行う!」きりりとした先輩候補生が突然ドアを開け、鋭い声を出した… 提督「!」 カサルディ提督「おっと…!」 先輩候補生「今週の室長は誰か?」 カサルディ提督「はっ、カサルディ候補生です!」 先輩候補生「そうか…ではこれから確認を行うぞ?」短髪の候補生はベッドシーツや掛け布団がきちんとなっているか、ロッカーや部屋が散らかっていないかを確認して、クリップボードに書き込んでいく… 先輩候補生「…カサルディ候補生!」 カサルディ提督「は!」 先輩候補生「この取り散らかった服は誰のものか?」 ベルガミーニ候補生「あっ……わ、私のです!」人はいいが肝心な時に失敗したりと、どうにも運の悪いベルガミーニ候補生…… 先輩候補生「ふぅ…ベルガミーニ候補生、お前は床に物を散らかしておくよう習ったのか?」 ベルガミーニ候補生「いいえ!」 先輩候補生「なら、どうして床にタオルだの何だのを散らかしておくのだ?」 ベルガミーニ候補生「その…それは、入浴の後だったので……///」 先輩候補生「ベルガミーニ候補生、私は理由を聞いているわけではない…これが実際のフリゲート艦で、非常事態になった時、床に物が散らかっていたらどうなる?」 ベルガミーニ候補生「…」 先輩候補生「私は決して意地悪なおばさんではない……が、取り散らかった室内では迅速な行動が妨げられ、もしかしたら命に関わる事態を巻き起こすかも知れない。このことをよく理解するために、君たちに腕立て二十回を行ってもらう…いいか?」 一同「「はい!」」 先輩候補生「それと、カサルディ候補生は室長として整理整頓を率先しなければならない立場にあったはずだ…腕立て三十回だ」 カサルディ提督「はっ!」…ネイビーブルーの半袖Tシャツとショートパンツ姿で腕立てをする提督たち……先輩候補生はカウントを終えるとクリップボードを小脇に抱え、提督に顔を近づけた…… 先輩候補生「……カンピオーニ候補生、お前は数学が苦手だそうだな?」 提督「はい」 先輩候補生「…その……よかったら後で私が教えてやろうか…///」少しだけ恥ずかしそうに、小声でつぶやいた… 提督「…はい♪」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/471
472: ◆b0M46H9tf98h [saga] 2019/02/08(金) 02:11:47.82 ID:75oVL98B0 …別の日… 提督「…今日は体育が連続なのね……はぁ…」 カサルディ提督「まぁまぁ、そうへこたれない…前よりずっと出来るようになって来たんだし、この調子で頑張ればもっと身体が動くようになってくるって」 提督「そうは言ってもね…今日は何をやるのかしら?」 カサルディ提督「さぁ…多分フェンシングとレスリングが一時限ずつじゃない?」 提督「あーあ…レスリングなんて全然勝てないし苦手だわ。だいたい海軍なのにどうしてレスリングがいるの?」 カサルディ提督「そんな事私に言ったって…」 …しばらくして・体育館… メッセ教官「…よーし、では次は相手を変える……シモネッタ候補生、お前が一番フェンシングが上手いようだから、カンピオーニ候補生を見てやれ」 シモネッタ提督「はい、教官」 提督「…迷惑をかけてしまってごめんなさい、シモネッタさん」 シモネッタ提督「エレオノーラでいいわ…私のことは気にしないでいいから、一緒に頑張りましょう?」白い柔らかな手で、提督の手を包むように握手した… 提督「ありがとう…それじゃあ私のこともフランチェスカって呼んで?」 シモネッタ提督「ええ…♪」 …どちらかと言えばガサツな「体育会系」タイプが多い中、シモネッタ候補生は常に優雅に振る舞っていて、短い自由時間ではとてもセットできそうにないほどきちんと整えられている髪をふわりと揺らし、提督に優しく微笑みかけた……顔こそ多少汗ばんでいるが、その様子からはとてもフェンシングの練習を数セットこなしたようには見えない… メッセ教官「防具付けろ……それでは、始め!」 シモネッタ提督「それじゃあ、フランチェスカは私の胴体を狙って突いてみて?」 提督「ええ…それじゃあ、行くわね?」 シモネッタ提督「どうぞ♪」 提督「はっ…!」 シモネッタ提督「うん、上手よ…ただ、もっと踏み込まないといけないわ」 提督「それって……こうかしら…っ!」 シモネッタ提督「そうそう、上手ね…その勢いでもう一回♪」 提督「やぁっ…!」 シモネッタ提督「あら、いい突きが出たじゃない♪ そう、そういう風にすればいいの」 提督「ええ、でもこれ…ふとももの内側に来るわね……」少し顔をしかめる提督… シモネッタ提督「ふふ、段々と慣らしていきましょうね…それじゃあ今度は私もカウンターをかけに行くから、遠慮しないで打ってきて?」 提督「分かったわ…はぁっ!」カシッ…! シモネッタ提督「ふふ……えいっ!」キシン…ッ! 提督「ふっ…!」(…見れば見るほど綺麗ね…しかも甘い香りまで……///) シモネッタ提督「…考え事なんてしていてはダメよ、フランチェスカ?」スキを突かれてパシッ…とエペを弾かれ、防具越しに胸の谷間へ一突き浴びる提督…… 提督「…っ!?」 メッセ教官「……よーし、そこまで! 次は位置を交代してもう一回行う! ベルガミーニ候補生、足もとはしっかりさせるんだ…本物の果し合いだったらやられてしまうぞ?」 ベルガミーニ候補生「は、はいっ…!」 シモネッタ提督「……ふふ、集中してね?」 提督「え、ええ…///」 シモネッタ提督「それじゃあ場所を代わって…準備ができたら打ってきて?」 提督「分かったわ……やぁっ!」 ……… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/472
473: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2019/02/09(土) 10:52:02.22 ID:OCqDYl4t0 …何だか各地で寒波と雪がすごいことになっていますね。ここを見て下さっている皆さまも、もし出かけるなら気を付けて下さいね……小足で歩くようにして、雪を溶かそうとしてお湯を流したりはしないようにしましょう… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/473
474: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2019/02/09(土) 12:01:24.81 ID:OCqDYl4t0 … シモネッタ提督「ふふふ、そう言えばそうだったわ。フランカったらいかにもふんわりと柔らかそうで、まるで士官学校向きには見えなかったわ♪」 提督「…それをあなたが言う?」 カサルディ提督「確かに……エレオノーラなんて色は白いし香水の香りまでさせちゃってさ。ちっとも士官候補生らしくなかったって」 シモネッタ提督「あら、香水は女性のたしなみじゃない……♪」にっこりと柔和な笑みを浮かべ、優雅な手つきでティーカップを持ち上げた… メッセ兵曹長「ふぅむ、それじゃあ私は女じゃないって言うんだな? …シモネッタ、候補生の時じゃなくてよかったな」 シモネッタ提督「くすっ…でも兵曹長でしたら、並みの男性よりずっとタフガイじゃありませんか。…きっとそのあたりの男性が十人ばかりかかって来ても、たちまち返り討ちにしてしまうでしょう?」 メッセ兵曹長「それは買いかぶり過ぎだ、シモネッタ……同時にだったらせいぜい五人までだ」 提督「ふふ…♪」 カサルディ提督「あははっ♪」 メッセ兵曹長「ふ……それにしてもカンピオーニ、お前は人がいいようだったから、せいぜい「マスコットとして好かれている」くらいにしか思っていなかったが…ふたを開けてみたらとんでもない問題児だったな。私もいろんな候補生を見てきたが、あの時ばかりはすっかりだまされたよ」 提督「…そうですか?」 メッセ兵曹長「ああ……ちなみに「どうもそうなんじゃないか」と思い始めたのが、ちょうどあのレスリング授業の時だ」 ……… …フェンシング授業の後・更衣室… 提督「ふぅー…疲れた…ぁ……」更衣室でフェンシングの防具を外してラックにかけると、くたっ…と身体をゆるませた…… カサルディ提督「お疲れ。でも打ちこみが上手になってたじゃない」 提督「ありがとう…でも、おかげで太ももの内側にかなり来ているわ……」 カサルディ提督「あー、内転筋ね……まぁ、後でマッサージでもしてあげるから。さ、次もあるし早く行かないと」 提督「うぇぇ…もう一時間あるなんて……」 候補生「まぁまぁ…早く行かないとメッセ教官に怒鳴られるよ?」 提督「ええ。それにしても早く終わってくれないかしら……体育じゃなくていいなら、国際法とか弾道計算だっていいわ…」 候補生「あはは、フランチェスカらしいね…ほら、早くしないと♪」 …体育館… メッセ教官「さて候補生諸君、今度はレスリングだ。いくらライフルやピストルが上手くたって、弾は切れるし故障もする…あるいは銃そのものがどこかに行ってしまうことだってあり得る。そうなった時に役立つのは筋肉だ……もしかしたら艦(ふね)から逃げ出すような時に、障害物をどかす必要に迫られるかもしれないしな!」 メッセ教官「…それじゃあ最初は名簿順で練習をして、それから順番を入れ替えて行くぞ……始め!」 提督「よろしくね、ルクレツィア?」 カサルディ提督「はいはい。まぁ軽くやってあげる……それじゃ、行くよ!」両手を前に突きだし、中腰になってタックルをかけるカサルディ提督… 提督「わっ…!?」 カサルディ提督「ほら、肩をマットにつけられないように抵抗しないと…負けになっちゃうよ?」(…うわ…やっぱり胸とか柔らかい……///) 提督「わ、分かっているけれど……んぅっ、ふぅ…んっ!」…小柄ながら引き締まったカサルディ提督に組み敷かれ、じたばたともがく提督…頬を紅くして、聞きようによってはなまめかしく聞こえる声で喘いでいる…… カサルディ提督「…ふっ、ん!」(…やば……何か変な気分になってきた…///) 提督「…はぁっ、ふぅ…んくぅ///」 カサルディ提督「ほら、どうにか振りほどかないと……///」 提督「ん…っぁ…///」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/474
475: ◆b0M46H9tf98h [saga] 2019/02/12(火) 11:26:09.97 ID:eJpFSNv00 カサルディ提督「ほぉら、しっかりしないと……っ///」もにゅ…♪ 提督「んぁ…はぁっ、あふっ……///」 カサルディ提督「…」本人は必死に抵抗しているらしい提督の甘い声を聞いて、妙な気分になってきたカサルディ提督……上からのしかかってがっちりとホールドすると、柔らかい胸やふとももがぐいぐいと当たってくる… 提督「んっ、んんっ……///」 カサルディ提督「…あのさ、フランチェスカ」 提督「…んぅ、振りほどけない…っ……なに、ルクレツィア…っ?」 カサルディ提督「……あとで頼みがあるんだけど///」 提督「わ、分かったから……んぐぐ…ぅ…!」 メッセ教官「よーし、そろそろ次だ……カサルディ候補生、もうその辺でいいぞ」 カサルディ提督「はい、教官! …ほら、立てる?」 提督「はーっ、はーっ……もう…全然振りほどけない……」 メッセ教官「よーし、一つずつ場所をずらしてもう一回だ…始めっ!」 提督「はぁ、ふぅ……よろしくね?」 候補生(金髪ショート・百合)「こちらこそ♪」やたら優しい手つきで、提督の手を包み込むように握手する… 提督「それじゃあ……」 候補生(金髪)「やっ!」 提督「ぐっ……でも私だって、そうそう負けてばっかりって言うわけにはいかないもの…っ!」 候補生(金髪)「へぇぇ、言うじゃない……でもスキだらけよ!」長身で腰高な提督は下半身へのタックルを防ごうと中腰で前かがみになる…が、無理な姿勢になって身体のバランスが崩れ、組みつかれるとあっさりひっくり返った… 提督「!?」 候補生(金髪)「…さぁ、どうする?」 提督「まだまだ…っ!」 候補生(金髪)「ふぅん、そう…♪」提督をしっかり押さえ込みながら、首筋をぺろりと舐めた… 提督「ひうっ!?」 候補生(金髪)「ほぉら、早く振りほどかないと♪」提督の耳元に顔を寄せ、深呼吸するように髪の匂いを吸い込んだ… 提督「あっ…ん……もうっ///」 候補生(金髪)「…教官に気づかれちゃうから声は出さないでよ?」 提督「ええ……あふっ///」 候補生(金髪)「…もう、言ってるそばから……でもいい声で鳴くじゃない、フランチェスカ…♪」 提督「そんな…んんぅ……こと…はぁ……言われても…声が…んぅ…出ちゃうものは……仕方ないでしょう…んぁっ……///」 候補生(金髪)「……くすくすっ…フランチェスカってば誘い受けが上手なんだから♪ …うんと可愛がってあげる♪」 提督「……ふぅん、そう…」 候補生(金髪)「っ!?」 提督「……ねぇ、誘い受けはどっちだったかしら♪」長身のむっちりした身体を活かしてのしかかると、耳元にささやき返した… 候補生(金髪)「うっ、あんっ…♪」 提督「…私だって負けっぱなしは嫌だもの……ふふ、このままだと私のフォール勝ちね♪」 候補生(金髪)「…あふぅ、はぅ…ん///」 メッセ教官「お…いいぞ、カンピオーニ候補生。そのまま押さえこめ!」 提督「はい、教官…っ!」 候補生(金髪)「んぐぐぅ…♪」 メッセ教官「そこまで! カンピオーニ候補生、お前は長身なんだからそうやって押さえこめば相手は動けないぞ。その調子だ…それよりお前はどうしたんだ。いつもより力を抜いてなかったか?」 候補生(金髪)「いいえ、そんなことありません!」 メッセ教官「ふざけているとケガするぞ…諸君、遊び感覚でやるなよ」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/475
476: ◆b0M46H9tf98h [saga] 2019/02/18(月) 22:40:34.67 ID:cVER7DxN0 ずいぶんと投下できずにいてすみませんでした。この一週間近く、この頃はやりのインフルエンザというやつに(ちゃんとワクチン打ったのに…)かかっておりまして…まだトップヘビーの軍艦そこのけにフラフラするので続きは数日後からにしますが……皆さまもよくよく気を付けて下さいね いやぁ、インフルエンザって、本当にツライものです…食事も喉も通らないので、ヨーグルト、すりリンゴ、ゆで卵……とかそんなのばっかりでした… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/476
477: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage] 2019/02/19(火) 14:12:02.77 ID:A6SsrBTBo お、乙。 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/477
478: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2019/02/21(木) 00:53:15.88 ID:THTswjTm0 >>477 どうぞそちらも気を付けてくださいね …それではまたちょっとずつ投下していきます……百合百合しているのあんまり書いていませんが、まぁまたそのうちにやりますので… http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/478
479: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2019/02/22(金) 02:28:41.13 ID:Bu7WLzZG0 …運動後・更衣室… 候補生(金髪)「そう言えばさ、エレオノーラって変わってるよね?」 …トレーンニングウェアを脱いで、濃緑色の軍用スポーツブラとショーツ姿で提督に話しかけてきた金髪ショートの候補生……周囲では数人ずつ「助け合いグループ」だったり「優等生トリオ」、「落ちこぼれ班」や「おしゃべりの噂好き」など、気の合う候補生同士で助け合ったり課題を教え合ったりするグループのような物が出来上がっていて、提督は仲のいいカサルディ提督とは別に「百合・ビアン」グループとも時々おしゃべりする…… 提督「…そう?」 候補生(金髪)「うん、だってどんな女性(ひと)が好みか、とか…聞いたことないでしょ?」 提督「ええ」 候補生(レズ・黒髪ポニーテール)「言われてみれば……フランチェスカはエレオノーラから恋人の話とか、何か聞いたことある?」 提督「んー…特にないけれど、少なくともどっちかと言われたら「そう」だと思うわ」 候補生(黒髪)「あー、やっぱりそう思う…?」 提督「ええ…エレオノーラって親切だけれど異性にモテようとしてベタベタ媚びている感じはないし、メイクも上手いけれどけばけばしくはないし……」 候補生(黒髪)「うぅん…でもそれとなく誘ってみたんだけど、あんまり食いついてこないのよねぇ……」 候補生(金髪)「誘い方が露骨すぎて呆れられちゃったんじゃない?」 候補生(黒髪)「もう、失礼な事言うわね…フィレンツェ人の私がそんな野暮なわけないでしょ?」 提督「まぁまぁ、二人とも……ひゃぁっ///」ぎゅむっ…♪ カサルディ提督「お疲れ、フランチェスカ。さっきは頑張ってたじゃない…それにしてもすっごいね///」背中に身体をくっつけ、柔らかい乳房の下に手を回し、ぽよぽよと軽く跳ね上げる… 提督「もう、ルクレツィアってば…このところちょっと触り方が過剰じゃない?」 カサルディ提督「あー、うん……いや、その…さっきも言いかけたけど……///」 提督「?」 カサルディ提督「えーと、だからさ……あぁもう! …つまりね、おっぱい触らせて欲しかったの///」 提督「…別に構わないけれど?」 カサルディ提督「いや、ちょっとおかしなことを頼んでるのは分かっ……え!?」 提督「触ってみたいのなら構わないわ……あんまり強く握りしめたりしないなら、どうぞ?」 カサルディ提督「いや、そんなあっさり…いいの?」 提督「ええ」 カサルディ提督「そ、そっか……それじゃあ、後で…///」 提督「ん?別にここでいいじゃない。ここにいる二人は大丈夫だから…ね、そうでしょう?」 候補生(金髪)「ええ…それにしてもルクレツィアは意外だったかな♪」 候補生(黒髪)「ふふ、私は最初からそうだと思っていたわ…ルクレツィアはボーイッシュだし、女の子にモテそうだもの♪」 カサルディ提督「…いや、えーと……何の話よ?」 提督「ふふ、気にしないで…さ、どうぞ♪」ぱちりとウィンクをしてカサルディ提督の手に自分の手を重ねると、ずっしりとした自分の乳房に誘導して、優しく揉ませる提督… カサルディ提督「うわ、うわうわうわ……なにこれ、柔らか…っ!」 提督「ふふ、気に入った…?」 カサルディ提督「うん……すっごいね、女性の身体ってこんな具合なんだ…///」 候補生(金髪)「ルクレツィアだって女でしょ…♪」 カサルディ提督「いや…だって私ときたら日に焼けてるから色は浅黒いし、おまけに手は骨ばってるし、おっぱいは堅いしでさ…女の人ってこういう感じなんだね……///」 候補生(黒髪)「ふふ。就寝前の自由時間に私たちの部屋に来てくれたら、他にも「色々」教えてあげるけど?」 カサルディ提督「…いや、それはいいかな。フランチェスカのおっぱいだけでいいし……///」 候補生(金髪)「ぷくくっ……さすが『フィレンツェ人は野暮じゃない』ね、見事な口説き方だことで♪」 候補生(黒髪)「もう、余計なお世話よ…!」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/479
480: 以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage] 2019/02/22(金) 15:13:47.98 ID:QeVqwEAco (レズ)、草 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/480
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