イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (953レス)
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630: ◆b0M46H9tf98h [saga] 2020/02/22(土)02:28 ID:s1SD33Xl0(1) AAS
ティルピッツ「くっ、ソードフィッシュとは……」かつて姉であるビスマルクが撃沈される原因となった「因縁の相手」だけに、少し唇をかんだ…

ヴァイス提督「ティルピッツ、ソードフィッシュの方位と距離を!」

ティルピッツ「目標、左舷45度! およそ300ヘクトメートル!」ドイツらしい精密な10.5メートル測距儀が旋回し、水平線上をなめるように接近してくるソードフィッシュの古めかしい姿を捉えた…

(※ヘクトメートル…普通はあまり使われないが、第二次大戦時のドイツ主力艦では砲戦の際に用いられていたという。1ヘクトメートルは100メートル)

ヴァイス提督「よろしい。A砲塔およびB砲塔を指向、榴弾を装填!」

ティルピッツ「ヤヴォール! A(アントン)およびB(ベルタ)砲塔、目標をソードフィッシュに!」

…灰色の迷彩が施された前部の38センチ連装主砲「SKC/34」が重々しく…しかし意外と素早く旋回し、弾体重量800キロもの巨弾と薬莢(各国海軍の主力艦は金属の節約や装薬の調整がたやすいことから薬嚢を用いていたが、ドイツの主力艦は引火・誘爆の防止を意識したらしく伝統的に薬莢を用いていた)が装填される…

ヴァイス提督「目標を照準!」

ティルピッツ「照準よし!」

ヴァイス提督「よろしい……A砲塔およびB砲塔、よーい…フォイア(撃て)!」

ティルピッツ「撃て!」巨砲が咆えると「ガウ…ッ!」と天地も裂けるような轟音が鳴り響き、海面がブラストで白く波打った…

提督「……ティルピッツが撃ったわ!」

ガリバルディ「…さすがにあれだけの砲ともなるとものすごいわね!」

提督「ええ!」…編隊を組んでいるソードフィッシュの前方でどどっ…と巨大な水柱が上がり、まるでたじろいだかのように敵機がぐらついた……

ヴァイス提督「……目標2上げ、照準!」

ティルピッツ「ヤヴォール!」

ヴァイス提督「撃て!」

ガリバルディ「敵機、射程に入ったわ……前部主砲1番2番、撃て!」

ライモン「…撃て!」

バンデ・ネーレ「撃てっ!」

…距離が2万メートルを切った辺りでガリバルディ、ライモン、バンデ・ネーレの152ミリ主砲が火を噴く……わけてもガリバルディの新型主砲は個別俯仰ができ、散布界を広く取ることが出来る……じりじりと距離を詰めてくるソードフィッシュの周囲に次々と砲弾が炸裂し、黒雲と水柱が編隊を包み込む…

グレイ提督「……エメラルド、敵機の距離は?」

エメラルド「約18000ヤードです」

グレイ提督「そろそろこちらの主砲も有効射程ですわね……A砲塔、B砲塔の射撃用意」

エメラルド「A、B砲塔の射撃用意」

グレイ提督「目標、ソードフィッシュ……撃ち方始め!」

エメラルド「了解…撃て!」

…エメラルドの「6インチ(15.2センチ)MkⅫ」単装砲が旋回し火を噴いた……砲塔とは名ばかりで防楯だけの簡素な主砲ながら、7500トンあまりのエメラルドがそのスマートな細身の船体を30ノット近くの高速で疾駆させつつ射撃するさまは、まさに「軽巡」と呼ぶにふさわしい…

グレイ提督「4インチ高角砲も射程に入り次第撃ち方始め」

エメラルド「アイ・アイ・マイ・レディ」

マエストラーレ「…よーい、撃て!」

シロッコ「撃て!」

グレカーレ「撃てっ!」

リベッチオ「てーっ!」

レジオナーリオ「撃て、撃てっ!」

コラッツィエーレ「撃て!」

ガリバルディ「いよいよ近づいてきたわね……撃て!」駆逐艦の120ミリ主砲をはじめティルピッツの10.5センチ高角砲、ガリバルディたちの100ミリ高角砲、エメラルドの4インチ高角砲…そして距離が縮まるにつれて各艦の高角機銃も火蓋を切り、次第に一機、また一機とソードフィッシュが墜ちていく……

提督「ええ、射点に入られる前に一機残らず撃墜するわよ!」

ガリバルディ「了解!」

………


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