イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (955レス)
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64: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/02/07(水)01:18 ID:fQ2G4qtM0(1/3) AAS
…洞窟の一角…
深海棲艦「さぁ、どうぞ」
提督「えーと…これ?」
深海棲艦「これが何か?…真水よ?」
提督「あー…そうね、海水じゃないだけでも贅沢よね……はぁ…」水が流れている岩の間に木箱が挟んであり、箱にはじょうろのハス口のような細かい穴があけてある…下に立ってかたわらにある紐を引くと、箱から冷たい水が降りかかる仕組みになっている……
提督「その…見ないでいてもらえると助かるのだけど……」
深海棲艦「…脱走しないよう監視せよとの命令を受けている」
提督「…分かったわ……よいしょ……」しゅるっ…
深海棲艦「…」
提督「あの…そんなにじっと眺めることもないでしょう///」
深海棲艦「…その身体は実に興味深いわ」…よく見ると何人かの深海棲艦が食い入るように提督を見つめている……
提督「…わ、冷たっ……」青白かったり蒼白だったりとどれも血色の悪い深海棲艦たちに見られながら冷たい水を浴び、ぶるぶるっと身を震わせる提督…
やせこけた深海棲艦「…先端のサクランボは桃色ね……くふふっ…」
青白い深海棲艦「…ふふ、マカロニの女は柔らかそうね…「アレ」を見た後だとなおの事興味深いわ……」
提督「…もう」身体を舐めまわすような視線を浴びつつそそくさとシャワーを浴びると、用意されていた着替えに袖を通す…
深海棲艦「準備できたわね…ついて来なさい」
…大広間…
クィーン「グ・モーニン……よく眠れました?」豪奢なドレス…あるいはそう見える外装に身を包み、ずらりとそろった深海棲艦たちにかしずかれている…
提督「寝具に着替えと、数々の親切痛み入ります…慣れないベッドでしたがどうにか眠れました……」あてがわれた席に腰かけ、目の前の皿を眺めた……どうやら最近沈没した客船から拾い上げたり、航行中の貨物船から分捕ったりしたものらしく傷んではいない…
クィーン「それは結構…普段はあまり空腹を感じないのですが、今朝は余も朝食の席をお付き合いしましょう」上品にスプーンを取り上げ、料理を口に運んだ…
提督「…あ、ありがとうございます……んむっ…」皿に載せられていた茶色の「何かを煮込んだもの」にスプーンを入れ、おそるおそる口に運ぶ…味は大豆のようだが、もはや形も残らないほどに煮えている……
提督「あー、その…喉ごしのいい食べ物ですね……」皿の上にぐしゃりと盛られている「豆のペースト」を眺め、どうにか失礼でない感想を探す…
クィーン「ふふ、イングリッシュ・ブレックファーストは美味しいでしょう」冗談なのか本気なのかも分からないポーカーフェイスで、口角だけかすかに吊り上げて微笑みらしいものを見せている…
提督「さ、さようですね…」小ぶりなボウルには白いお粥状のものが入っている…そーっとしゃくって慎重に食べる……
クィーン「オートミールはいかがですか?」
提督「え、ええ…」(甘くもしょっぱくもない……おまけに燕麦がごそごそする…)
大柄な深海棲艦「…美味しいでしょう?」
提督「ええ…まぁ……」
大柄な深海棲艦「これこそ我が英国海軍の力の源ですからね…捕虜とはいえ海の者同士で遠慮は無用、うんと食べなさい」ほとんど減っていない朝食のプレートへさらにおたま一杯分の泥土…のようなペーストを盛った…
提督「…」それだけでも十分げんなりしているところへ追い打ちをかけるように、大皿の脇には脂がギトギトで、しかも焦げてチリチリになっているベーコンが数枚と、火をくわえ過ぎてすっかり固くなっている卵二つ分の目玉焼きが載っている……
クィーン「…朝はあまり食が進みませんか?」
提督「……ええ、まぁ」パンも湿っぽい洞窟の中にあったせいか磯臭い臭いがする上にかなり焦げ、そこにこってりとバターが塗りたくってある…
大柄な深海棲艦「さぁさぁ、遠慮はいりませんよ?」
クィーン「…無理強いはいけませんよ、カウンティ級……」
「州」級重巡の深海棲艦「はっ。…申し訳ありません、陛下」
クィーン「分かればよいのです…ですが彼女の言うとおり、捕虜であっても遠慮はいりませんよ」
提督「は、はい…もう充分堪能いたしました」(…全く「イギリス料理らしさ」を充分に味わわせてもらったわ……下手な尋問よりよっぽど効果があるんじゃないかしら…)
クィーン「そうですか、なら食後のお話をしていただきましょう」
………
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