イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (965レス)
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689: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2020/11/07(土)01:24 ID:9iMuyVjb0(1) AAS
…しばらくして・グロッタリーエ空軍基地…

下士官「グロッタリーエに到着しましたよ、提督閣下…しかも記録を十分も更新しました!」ローマへと向かう輸送機が待っているグロッタリーエまで送ってくれた軍の「マセラッティ・クアトロポルテ」はエンジンがチリチリと音を立てている…

提督「でしょうね、とても早かったもの」

下士官「ええ、何しろお急ぎかと思いまして」

提督「ふふっ、グラツィエ」ほどなくしてグレイ提督たちを乗せた残り二台のマセラッティも基地のゲートをくぐってエプロン(駐機場)で停車した……と、下士官がドアを開けるか開けないかのうちによろよろと降りてきたティルピッツ……

ティルピッツ「…うぇ…っ……朝食べたものを吐きそうだ……」

ビスマルク「全くだらしない…そんなことで冬のビスケー湾や北海が乗り切れると思っているのか?」

ティルピッツ「いや…姉上の前だが、海は自分で舵を取れるし平気なのだ……だが、人が運転している乗り物となると…」

ビスマルク「あれこれと御託を並べるな! ……ほら、化粧室まで連れて行ってやる」

ティルピッツ「ダンケ……」

ヴァイス提督「…申し訳ありません、少しだけ時間を取らせて頂けますか」

提督「ええ、大丈夫ですよ♪」

チェザーレ「まぁ、致し方あるまい」

ガリバルディ「……あれだけの大戦艦にしてはちょっと「虚弱体質」ってところだけど♪」

提督「ガリバルディ」

ガリバルディ「失礼、口が滑ったわ」

グレイ提督「ふふ……それにしてもイタリア軍のドライバーは、どなたもまるでサー・スターリング・モスのようですわね」

(※スターリング・モス…1950〜60年代に名を馳せた、イギリスの伝説的レーシング・ドライバー)

提督「そこはエンツォ・フェラーリでしょう、メアリ♪」

(※エンツォ・フェラーリ…言わずと知れた自動車メーカー「フェラーリ」の創業者にしてレーシング・ドライバー。第一次大戦のエース、フランチェスコ・バラッカの遺族から許可を得て譲り受けたという「カヴァッリーノ・ランパンテ(跳ねる馬)」のエンブレムが有名)

グレイ提督「ふふふ……あら、どうやらヴァイス中佐たちが戻ってきたようですわ」

ヴァイス提督「お待たせいたしました」

提督「いえ、とんでもない…さ、行きましょう♪」

ティルピッツ「飛行機は嫌だ、飛行機は嫌だぁぁ……」

提督「あー…ティルピッツは大丈夫?」

ビスマルク「なに、心配は無用だ」

提督「そう?」

ビスマルク「ああ……なぁ、ティルピッツ」

ティルピッツ「何ですか、姉上…っ!?」

ビスマルク「…この手に限る」首筋に一撃を叩き込むと、気絶したティルピッツに肩を貸して「ダッソー・ファルコン」のタラップを上った…

(※ダッソー・ファルコン…戦闘機の「ミラージュ」や「ラファール」で有名なフランスのダッソー社が製造している傑作ビジネスジェット機シリーズ。イタリア空軍のは三発エンジン仕様の「ファルコン50」)

提督「…」

…しばらくして・機内…

ティルピッツ「……うえぇ…気持ち悪い…」

ビスマルク「我慢しろ、ローマまでは数時間もかからん…それに酔い止めも飲んだのだから、気持ち悪いなどと言うのは気のせいだ」

ティルピッツ「そんなこと言ったって……」

ヴァイス提督「外でも見て気を紛らわせたらどうだ」

ティルピッツ「いや、外なんて見たら足がすくんでもっと気持ち悪くなる…」

ヴァイス提督「はぁ……なら少しでも良くなるように、具体的な対処法を考えろ。…水でも飲むか?」

ティルピッツ「いや、止めておく……飲み物を飲んだりしたら胸がムカムカするから…」

ヴァイス提督「ふぅ…全く、駄々っ子じゃあるまいにあれも駄目これも駄目と……」
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