イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (955レス)
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68: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2018/02/08(木)02:57 ID:DJ44GQDx0(2/2) AAS
…食後・廊下…

クィーン「先ほどは場をしずめて頂いて感謝しております…」

提督「いえ…私も巻き込まれるのは遠慮したいところでしたから」

クィーン「ふふふ…さてと、それでは食後にまたお話を聞かせてもらいましょうか……大広間は彼女たちが飲んでいますから、別の場所で」…そばに控えている軽巡「カヴェンディッシュ」級と一緒に階段を上るクィーンと提督…

提督「はい……っと…」ドレスの裾で足が隠れているせいか目算を誤り、石の段差にけつまずいてクィーンに腕を押さえてもらった提督…ぬるりとした氷のように冷たい手が腕をつかみ、思わず背筋に寒気が走る…

クィーン「…貴女はずいぶんと熱いのですね…まるで焼けてしまいそうなぐらい……」

提督「ええ、イタリアの女は情熱的なのです…」ぞっとするほど感情のないクィーンの目を見て、慌てて冗談めかしたウィンクを投げる提督

クィーン「ふふ…さ、どうぞお入りなさい……下がってよろしい」

カヴェンディッシュ級「…では失礼します、陛下」

…クィーンの部屋…

クィーン「…いかがですか、余の部屋は」

提督「ええ…大変豪華なお部屋でいらっしゃいます」…映画の幽霊船のようにホコリにまみれクモの巣が張っている部屋を想像していた提督だったが、岩をくりぬいたような部屋には立派な執務机、金の六分儀に宝石を散らしたサーベル、それにふっくらと柔らかそうな布団が敷いてある天蓋付きベッドが鎮座していた…

クィーン「さようですか…さてと、それではお話を聞かせてもらいましょう……」灰色のマントを椅子にかけ、白骨のように真っ白な笏と宝石をちりばめたティアラ(宝冠)を所定の場所らしい台の上に置いた…

提督「えぇ…と、どのような話がよろしいですか?」

クィーン「何でも構いませんよ…イタリア王国海軍、地中海の暮らし……貴女のいる司令部の話でも…いずれにせよ、余が信じるにはそれなりの証拠が必要ですが」

提督「ふぅ…ここに連れて来られてからと言うもの、そうしたことは毎日のように説明している気がするのですが……とはいえ私も身体一つで来てしまったので、何か証拠になりそうな物を示すことが出来ないのがもどかしいです…」

クィーン「さようですか…ところで、この写真ですが……」提督があられもない姿になっている合成写真を卓上から取り上げた…

提督「…うわ///」

クィーン「…帰投してきた折にG級から、そなたの艦隊にいる「艦娘」とやらの話を聞きました……どうやら余、あるいは余の部下たちと同じように娘の姿をしていながら、そなたと夜も共にしているとか…どうも聞き違いでもなさそうですが、説明してもらえますか?」

提督「説明…と、言いますと?」

クィーン「つまり…それは指揮官に対する「信頼」と言う意味なのですか?」

提督「ええ、まぁ…それもあります///」

クィーン「それで寝床を共にする…あるいは情を交わす……どうも理解できかねます…」

提督「えぇと…それはつまり……」

…言い回しの難解なイギリス英語と、提督の言うことを信じようとしないクィーンの頑固な態度…まずい食事のせいもあってワインや高級なウィスキー、ブランディと言ったお酒を飲みすぎた提督は、クィーンの取り澄ましている貴族的な様子にいい加減飽き飽きしてカーッとなっていた…

クィーン「…つまり、どういうことですか?」

提督「つまり……こういうことです…っ!」

クィーン「…んむっ!?」

提督「んっ、んんっ…ぷはっ……分かって頂けましたか?」クィーンの青ざめた冷たい唇に自分の唇を重ね、キスを済ませると手の甲で唇を拭った…

クィーン「…なるほど…確かに余の時代にこんなことは滅多にありませんでした……」

提督「…やっと信じてもらえましたか」

クィーン「ええ…それにしてもなかなか大胆ですね……捕虜が敵国のクィーンたる余の唇を奪うとは」かすかに笑みを浮かべて見せるクィーン…

提督「ここまでしないと信じて下さらないのですから…仕方ありません」

クィーン「…とはいえ、貴女は捕虜の身でありながら余の唇を奪ったのです……それ相応の罰を与えねばなりませんね」

提督「あっ…」(罰ね……きっとマストに吊るしたりするつもりなのね…ごめんなさい、ライモン…もう会えないかもしれないわ……)

クィーン「では、刑を申し渡します……もう一度口づけしてみて下さい。どういうものなのか一瞬では理解できかねましたので」

提督「…え?」

クィーン「聞こえませんでしたか?」

提督「いえ、よく聞こえましたが……本気で…?」

クィーン「余に二度も繰り返させるつもりなのですか、アドミラル?…イタリア人は色恋の戦術には優れていると聞きますが、それも敵国向けの宣伝ですか?」

提督「…いいえ、イタリア人は恋も海戦も一流です♪」ちゅっ、ちゅぅっ…♪
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