イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (965レス)
上下前次1-新
695: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2020/11/23(月)02:04 ID:0tB4BqT30(1) AAS
ディアナ「はい…この車はエンブレムがフィアットの物では無いようですね、絵柄は蠍に見えますが…」黄色とオレンジ色で斜めに塗り分けられた盾の中に、図案化された黒い蠍が入っている…
エミーリア「そうなのよ、実はね……」
提督「…どう、ディアナ? 気に入った一台はあった?」ガレージのオーナーであるおっちゃんとランチアの部品についてやりとりしていたが、必要な話は済んだらしく、ディアナのもとにやって来た…
ディアナ「はい、提督。この車にしようかと思っているのですが…」
提督「あら、フィアット850ね。見た目も可愛らしいし、大きさも手頃だしいいじゃない……って、ちょっと待って?」にこにこと微笑していたが、車体を見て何か腑に落ちないような表情を浮かべ、それからフロントの蠍のエンブレムを見て驚きの表情を浮かべた…
提督「……もしかして、これってただのフィアット850じゃなくて「フィアット850アバルト」なの?」
(※アバルト…イタリアの自動車カスタムメーカー。フィアット500を始めとする各種の自動車をレース仕様に改造して多くの成績を残し、エンブレムの「スコルピオーネ」ともども有名)
エミーリア「ふふーん、さすが海軍さん……その通り♪」ニヤリと笑うと、後部のエンジンカバーを開けた…
提督「うわ…!」
エミーリア「どうよ? 一見するとただの850に見えるけど、エンジンから足回りから、中身はまるっきりの別物…これならオートストラーダ(高速道路)で生意気な顔をしている今どきのルノーだのアウディだのにも負けないわ♪」
提督「驚いたわね…ちなみにおいくら?」
エミーリア「そうねぇ……万リラって話をしてたんだけど」
提督「え、この850アバルトが…!?」
エミーリア「そこはワケありでね……実は前の持ち主がこれで事故ってて「不愉快だから」って手放したってシロモノなの。もちろんフレームは問題ないし、各部もこっちでしっかり直してあるんだけど、どうも売れなくってねぇ…と言うわけで、現金の一括払い……それと整備をうちでしてくれるって言うなら、この値段でいいわ♪」
提督「…いいのね?」
エミーリア「もちいいわ…買う?」
提督「ディアナの気に入ったならね……どうかしら?」
ディアナ「そうですね、お話を聞く限りではかなりの掘り出し物のようですし…わたくしも気に入りましたので、これにしようかと存じます♪」
エミーリア「決まりね!」
提督「それじゃあ私が……万リラは出してあげるわ。それにしてもこの値段で「850アバルト」が買えるなんて良かったわね」
ディアナ「ええ。提督もよろしければ後で試してみて下さいませ」
提督「ありがとう♪」
…それから事務所で契約書類を始め、車検証だの何だのとこまごました書類にサインを書き込んだディアナと提督…
エミーリア「…はい、それじゃあ晴れてあの850はあなたの物よ……よくしてやってね♪」
ディアナ「ええ、ぜひともそうさせていただきます」
エミーリア「良かった…それじゃあお役所の手続きがあるから、12日までにはそっちの鎮守府にお届けするわ」
提督「あら、12日といえばちょうどディアナのお誕生日ね♪」
ディアナ「さようにございますね」
エミーリア「ホント? それならなおの事よかったわ…お父さん、聞いた?」
おっちゃん「おうよ……良かったなお嬢ちゃん。ちょっとばかし型は古いが、いい車だぜ?」
ディアナ「はい…♪」
提督「それじゃあ、当日はよろしくお願いします」
おっちゃん「ああ、まかしときな!」
ディアナ「よしなに」
………
…
上下前次1-新書関写板覧索設栞歴
あと 270 レスあります
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル
ぬこの手 ぬこTOP 0.014s