イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (954レス)
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744: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2021/03/05(金)01:53 ID:iR33lOce0(1) AAS
…浴場…
百合姫提督「ふぅ……このお風呂に入ると「帰ってきた」っていう気分がするわね…」
足柄「ええ。タラントのお風呂は少し贅沢すぎたものね……このぐらいの方が気楽でいいわ」
…壁沿いに並んだカランが十数個と、色あせたタイル張りの真四角な浴槽……風呂自体にはかろうじて追い炊きや保温の機能がついているが、それ以上でもそれ以下でもない「横須賀第二」鎮守府の浴場……まるでさびれた温泉旅館をほうふつとさせる浴室ではあるが、艦娘たちにとっては「真水とお湯が自由に使える」というだけでも充分に贅沢だというので、文句が出ることはあまりない……手桶で一つ二つとかけ湯をすると、ほどのいい熱さのお湯にほっそりした身体を沈める百合姫提督…
吹雪「提督」
白雪「…隣、よろしいですか?」
百合姫提督「ええ、どうぞ……」
速吸「では私も…♪」
足柄「ちょっとちょっと、何もみんなして提督の周りに集まることはないでしょう……せせこましいったらありゃしないわ」
比叡「そうです。だいたいちゃんとかけ湯はしましたか?」
明石「…うわ、まーた比叡のガミガミが始まった……」
比叡「何かいいました?」
明石「なーんにも…ね、間宮♪」
間宮「はい…♪」お互いに顔を見合わせ、いたずらっ子のような笑みを浮かべる二人…
比叡「……まぁいいでしょう。それから流しは交代で使って、一人で長く使わないこと」
百合姫提督「はーい…♪」
比叡「あっ、いえ……決して提督に申し上げたわけではありませんので」
百合姫提督「ううん、ちゃんと私も守らないと不公平になるもの……そろそろ身体を洗いましょうか」
雪風「あっ、私が支えます…!」
百合姫提督「あぁ、私は大丈夫だから……ゆっくり浸かっていて?」
電「それに私がいますから…提督、お手をどうぞ♪」
百合姫提督「ありがとう…」
…カランの前に座ると少々ぼんやりした様子で石鹸を泡立て、身体を洗い始めた百合姫提督……長い黒髪は紺ですすきの模様が染め抜いてある手拭いでまとめてあり、酔いと入浴で火照ったうなじが桜色を帯びている…
足柄「…」
松「…」
明石「ごくり……」
百合姫提督「……ふぅ、それじゃあ今度は頭を…と」手拭いをほどくとしっとりとした「烏の濡れ羽色」の髪が滝のように背中へと流れた…
羽黒「提督の髪は相変わらず綺麗ですね……しっとりしていて艶があって…」
百合姫提督「あら、それを言うなら羽黒だってこんなにすべすべ…それに那智も、本当に「那智黒」の名前にぴったりな黒髪で……」羽黒の髪を手のひらですくい上げると優しく撫で、それから碁石で有名な「那智黒」を連想させる、那智の艶やかな黒髪にそっと指を沈めると手櫛で梳いた…
羽黒「///」
那智「…て、提督///」
長門「ふふ、提督はだいぶ聞こし召していらっしゃるようですね……あんまり長くいるとのぼせてしまいますから、頭を洗ったらお上がりになったほうがよろしいですよ」
百合姫提督「ええ、そうさせてもらいます…長門は優しいわ……♪」
長門「い、いえ…別にそういうつもりではないであります///」
明石「…んふふっ♪」
長門「な、何…?」
明石「いいえ……でもいつも帝劇のスタアみたいに凜々しい長門が長州弁で「デアリマス」なんて言うものだから……おかしくって♪」
梅「くくくっ、確かにのう…♪」
長門「…っ///」
百合姫提督「明石、人の訛りを笑ったりするんじゃありません……」
明石「はい、提督」
百合姫提督「よろしい…♪」
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