イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (953レス)
1-

752: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2021/03/27(土)01:16 ID:GmInuUyk0(1/2) AAS


百合姫提督「…と言うことがあって」

提督「ふふ、姫もなかなか大変なようで…でも、慕われているようで何よりね♪」

百合姫提督「ええ。でも艦隊を指揮する上で「艦娘」の娘たちと親しくなりすぎるのもいけないような気がして……その距離感が難しいわ」

提督「気持ちは分かるわ…そういう面では、私は自分のことを「提督にふさわしくない」と思っているもの」

百合姫提督「貴女が?」

提督「ええ。必要とあれば敵に撃沈されることを承知で艦娘を送り込まなければならない……私にはそんな命令を下して、その罪の十字架を背負える自信なんてないもの」

百合姫提督「でも、タラントでの指揮ぶりは見事だったし、そんな風には見えなかったけれど……」

提督「それはそうよ…まがりなりにも「提督」としてベタベタ金モールを付けている以上、まさか艦娘たちの前で真っ青になってガタガタ震えているわけにもいかないでしょう? とはいえ作戦を考えているときは寝付けなくなるし、お腹も痛くなったし……生理のひどいときを思い出したわ」

百合姫提督「フランカも悩んでいるのね…」

提督「もちろん…もっとも、そうやって「うちの娘たちが怪我をしないように」って頭をひねって考えるから、いい作戦が出来上がるのかもね♪」

百合姫提督「そうかもしれないわ」

提督「ね……それでいくと、姫は立派な提督よ♪」

百合姫提督「もう、やめてよ……///」

提督「別に冗談や酔狂で言っているわけじゃないわ…あまりジァポーネの提督に詳しいわけじゃないけれど、姫なら「イソロク・ヤマモト」とだっていい勝負だと思うわよ?」

百合姫提督「もう、私なんか山本長官の足元にも及ばないわ……もっとも、彼の名言は飾ってあるけれど」

提督「名言?」

百合姫提督「ええ。前にも言ったかもしれないけれど有名な言葉で「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、誉めてやらねば人は動かじ」っていう…本当は続きもあるけれど、その部分が一番知られていて……私もその通りだと思うから、執務室の額に入れて飾ってあるわ」

提督「いい言葉ね…ちなみにそういうことなら私も良く実行しているわ」

百合姫提督「本当に?」

提督「ええ…提督として本当にやるべき事は率先して「やってみせ」て、反対にどうでもいいことの時はそれ相応の態度を取るわけ……ふふっ♪」

百合姫提督「何がおかしいの?」

提督「いえ、ね…例えばスーペルマリーナ(海軍最高司令部)発で「鎮守府の規律を守り、綱紀粛正に努めるべし」みたいなしょうもないお達しが回ってきたとするでしょう?」くすくす笑いの発作を起こしながら続けた…

百合姫提督「ええ…それで?」

提督「前にそういうのが来たときにはね……」

………

…数ヶ月前…

アッチアイーオ「提督、ローマのスーペルマリーナから文書が届いているわ」

提督「スーペルマリーナから?」

アッチアイーオ「ええ」

提督「こんな時期にスーペルマリーナからだなんて……何かしら?」

アッチアイーオ「さぁ…とにかく開けてみたらいいんじゃない?」

提督「そうね……って、これだけ?」

アッチアイーオ「何だったの?」

提督「これよ」イタリア海軍の紋章が印刷されている封筒から数枚の紙を取り出してひらひらと振り、それから執務机の上を滑らせて渡した…

アッチアイーオ「前文…はいいとして……「各提督および所属の『艦娘』は鎮守府内における規律向上と整理整頓に努めるべし…」って、なによこれ?」

提督「季節になるとよく来るお説教のお手紙よ…要は「ブーツをピカピカに磨き上げておくこと」の海軍版ね」

アッチアイーオ「はぁぁ…しょうもないわね。この書類を印刷する予算があるんだったら、あのかみ合わせが悪いモンキーレンチでも買い直してくれればいいのに」

提督「ええ、まったく…とはいえ「提督は各鎮守府所属の『艦娘』たちにも周知徹底するべくこれを通達すべし」とあるから、後でみんなに読み上げないとね」

アッチアイーオ「あーあ、ばかばかしい…」
1-
あと 201 レスあります
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル

ぬこの手 ぬこTOP 0.010s