イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (965レス)
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764: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2021/05/10(月)01:58 ID:hpQTwtRS0(1) AAS
アントネッリ「よーし…それじゃあ着陸態勢だ、準備はいいか?」

副操縦士「もちろんです」

アントネッリ「よろしい……フラップ!」

副操縦士「ダウン!」

アントネッリ「ランディングギア(降着脚)!」

副操縦士「スリー・グリーン(異常なし)!」

アントネッリ「なるほど、計器は「異常なし」って言っているようだな……ジェメリ、どうだ?」

空軍機「こちらから見る限り異常はない、大丈夫だ」

アントネッリ「作動液漏れも?」

空軍機「見えないな」

アントネッリ「分かった、ありがとう」

空軍機「どういたしまして…そちらが降りるまでお見送りしていくよ」

アントネッリ「それはどうも」

戦術管制「アルチェーレ、こちらコントロール…そちらは間もなくこちらのコントロールを離れ、シニョネッラのタワー(管制塔)が最終誘導を行う」

アントネッリ「了解。コントロール、ここまでの支援に感謝する」

戦術管制「こちらコントロール、礼はちゃんと降りてからにしてくれ」

アントネッリ「了解だ…シニョネッラ・タワー、こちらアルチェーレ1。 間もなくアプローチに入る」

基地管制塔「了解、こちらタワー。アルチェーレ、そちらを確認。高度5000からランウェイ27にアプローチせよ。風は230度から0.3メートル」

アントネッリ「アルチェーレ了解。ランウェイ27にアプローチする……」

副操縦士「機長、また問題発生です。ILS(計器着陸システム)受信機が消えました、反応ありません!」

アントネッリ「…シニョネッラ・タワー、本機のILS受信機が故障、計器進入できなくなった。VFR(目視飛行)で着陸したい」

管制塔「了解、VFRでのランディングを許可」

副操縦士「くそ、このじゃじゃ馬め……えぇい、直りやがらないか」スイッチを切ったり入れたりしている副操縦士…

機上整備士「軽く引っぱたいたら直るかもしれませんよ?」

アントネッリ「…やれやれ、前に私は「飛行機は女性だ」って言ったはずだぞ。せっかく金の翼(ウィングマーク…パイロット徽章)を付けていても、それじゃあモテないな」

副操縦士「そんなこと言ったって…ILSがダウンしたとなると、グライドスロープに乗せるのも手動って事になりますよ? それでなくてもエンジンが「双発半」ってところなのに……」

アントネッリ「なに、こんなのは自転車と同じさ。一度飛ばしたら、身体が覚えているよ……タワー、こちらアルチェーレ。着陸進入灯を確認した」

管制塔「こちらタワー、了解。 そちらの降下角は3度。進入角適正、グライドスロープに乗っている…そのままアプローチせよ」

アントネッリ「了解……少し出力を高めにして着陸するぞ」

副操縦士「了解」

…次第に迫ってくる灰色の滑走路と、次第に緊張の度合いを高めている操縦室や基地の雰囲気とは反対に、穏やかでのんびりした様子の日差しと地中海……すでに滑走路の両脇と誘導路上には消防車や救急車が待機している…

副操縦士「……高度300フィート」

アントネッリ「よし、出力を絞る……ようそろー…」

副操縦士「高度100…50…30……」

アントネッリ「よーし…まだだ、まだ……着陸!」最後に軽くふわっと迎え角を取ると、主脚が軽く「ドンッ…」と滑走路に触れた…

副操縦士「ブレーキ!」

…停止したエンジンがある中でプロペラピッチを変更してリバーサーを使うと、出力の差で機首が振れ地上偏向してしまう可能性があるので、リバーサーはかけない……滑走路の先を見据えつつブレーキペダルをいっぱいに踏むアントネッリ……すると、まるで停止する気がないようにぐんぐん滑走を続けていたオライオンが次第に速度を落とし、滑走路の半分を過ぎた辺りでしずしずと止まった…

副操縦士「と、止まった……」

アントネッリ「…ふぅ♪」

機上整備士「はぁ……寿命が縮まるかと思いました」

アントネッリ「そうか? …で、午後のフライトはどうする?」

副操縦士「勘弁して下さいよ…!」

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