イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (965レス)
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836: ◆b0M46H9tf98h [saga] 2022/05/21(土)00:55 ID:JH8ZyRRw0(1) AAS
…フィンランド・ヘルシンキ空港…

提督「はー、ここがヘルシンキ……って、寒いわね」

フェリーチェ「無理もないわ。気温を見てみなさいよ」それぞれ現地時間とロンドン時間を表示している二つの時計や各種施設の案内が書かれている大きな案内板……そしてそれに付いているデジタル温度計を軽く指し示した……

提督「うわ、外は氷点下なのね……道理で」

フェリーチェ「暖かいコートで正解ね」

提督「ええ……それにひきかえフィンランドの人ときたら、寒くないのかしら」

…暖房の効いていたフィンエアーのサーブ機から降りてきた提督とフェリーチェは当直(ワッチ)にも使える厚いダブルの軍用コートをきっちり着込んでいたが、それでもなお沁みこんで来るフィンランドの冷気に軽く身震いした……にもかかわらず辺りを行き交うフィンランド人はさして寒そうな様子もなく、一応コートや毛皮の帽子は身に付けているが、当たり前のように歩き回っている…

フェリーチェ「きっと慣れっこなんでしょう」

提督「そのようね……それで、お迎えの士官さんはどこかしら……?」

フェリーチェ「……ゲートの所に二人いるわ、きっとあれがそうでしょう」そう言っている間にも丁寧な雰囲気のフィンランド海軍の士官が歩み寄ってきて、ぴしりと敬礼した……

フィンランド軍士官「お待ちしておりました。ようこそフィンランドへ……本官がお二人を送迎することになっております。どうぞこちらへ」

提督「感謝します」

士官「お荷物は下士官に運ばせますので、どうぞお楽に」

提督「ありがとうございます」スーツケースを運んでくれる下士官にも礼を言うと、メルセデスの後部座席に腰を下ろした……

…所帯が小さいフィンランド軍は、陸・海・空・それぞれの司令官を少将が務めていることもあり、「はるばるイタリアからやって来た将官」という立場である提督に対して、わざわざ前部のフェンダー部分に軍のペナントを立てた立派なメルセデスのSクラス乗用車と随伴車が一台ついた車列で迎えに来てくれていた……ぜいたく自体は嫌いではないが、仰々しいのが苦手な提督としては別にタクシーでも構わなかったが、車内が暖かく乗り心地がいいのはありがたかった…

フィンランド軍士官「それでは、本官がヘルシンキのホテルまでお送りいたしますので」

提督「お願いします」

…滑らかに走り出したメルセデスのシートに深々と腰かけ、窓からの景色を眺めつつフェリーチェに話しかけた…

提督「それにしても北欧は色が少ない感じね。 白と灰色と針葉樹の緑……建物に赤や黄色を使いたくなる気分も分かるわ」

フェリーチェ「同感」

提督「フィンランド海軍の艦娘たちと会う機会はあるかしら? スウェーデンの娘たちとは会えなかったし」

フェリーチェ「それなら会議には随伴として来ているはずだから、きっと会えるわ」

提督「そう、良かった♪」

フェリーチェ「ええ……ところでストックホルムで買い込んでいたクリスマス飾りは鎮守府へのお土産?」

提督「そうよ。スーツケースには着替えくらいしか入っていないし、いざとなったら宅配便で送っちゃえばいいものね」

フェリーチェ「なるほど、フランカも色々と考えてきたのね」

提督「ええ、ミカエラほど旅慣れてはいないけれど……♪」

フェリーチェ「何事にも初めてはあるものよ。 それと、会議の出席者だけれど……」さっと資料を取り出すと、手早くブリーフィングを行った……

提督「ええ」

…数分後…

フェリーチェ「……ざっとこんなところね」

提督「よく分かったわ」

フィンランド軍士官「……少将閣下、もうそろそろホテルに到着します」

提督「ええ、ありがとう」

士官「ホテルではこちらの代表である鎮守府司令官がお二人を出迎える手はずになっております……わが軍のおおよその態勢や状況はその士官からお聞きいただければと存じます」

提督「分かりました、ありがとう」
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