イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (965レス)
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842: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2022/08/07(日)01:28 ID:6gTvanY50(1) AAS
提督「……それにしても暗くなるのが早いですね」

ニッカネン「北欧の冬はいつもこうです……まぁ、慣れているとは言え少し嫌になりますね。 早く夏になって日光浴か、さもなければイナリ湖あたりの森でシカ猟でもしたいところです」

…イタリアならまだまだ午後の日差しが暖かく辺りを照らしているはずの時間だというのに、すでに辺りは夕闇に覆われ始め、埠頭の周囲を飛び回っていた白いカモメたちも家路についている…

提督「ああ、そういえばニッカネン少佐は猟をなさるそうですね」

ニッカネン「ええ、カンピオーニ少将も銃猟をたしなんでいるとおっしゃっておられましたが……」

提督「はい、子供の頃から家族に教わりまして……もっとも、任官してからはすっかりごぶさたですが♪」苦笑しながら肩を大きくすくめた

ニッカネン「海軍士官ですし無理もありません……獲物は何を?」

提督「そうですね、場合にもよりますが散弾銃でカモ撃ちをしたり、実家にいたときはコムーネ(自治体)からの駆除依頼を受けてイノシシ撃ちをしたりしていました」

ニッカネン「いいですね……銃は何を?」

提督「そうですね、私はフランキかベネリの12ゲージ(番)や20ゲージが多いですね、ニッカネン少佐は?」

ニッカネン「私は……」

フェリーチェ「失礼、遅くなりました」

ニッカネン「大丈夫ですよ、大尉……用事は無事に済みましたか?」

フェリーチェ「ええ。ご迷惑をおかけしました」

ニッカネン「いいえ……それではそろそろホテルの方に戻りましょう」

………

提督「ニッカネン少佐、せっかくですしもう少し少佐のお話を伺いたいですね」

ニッカネン「それは光栄です……とはいえ明日からは会議が始まってしまいますし、そうなるとなかなか時間も取れないかと……」

提督「そうですね……もし少佐がよろしければ、ホテルまで少佐の車に乗せていただいてもよろしいでしょうか?」

ニッカネン「え? しかし私の車はあのメルセデスと違って乗り心地もあまり良くないですから……」

提督「確かにご迷惑かもしれませんけれど、せっかくですし少佐のボルボ240にも乗ってみたいです……ダメでしょうか?」

ニッカネン「それは……まぁいいでしょう。上からはカンピオーニ少将とフェリーチェ大尉のためにできるだけ便宜を図るよう指示されておりますから……ただ、できればご内聞にお願いします」

提督「ええ、もちろんです♪」

ニッカネン「送迎車の運転手には私から話をしておきましょう」

提督「すみません、ワガママを言ってしまって」

ニッカネン「その程度ならワガママの内には入りませんよ」そう言うとかすかに微笑を浮かべた……

提督「それじゃあ私はミカエラに説明しないと……フェリーチェ大尉」

フェリーチェ「は、何でしょうか」

提督「私はニッカネン少佐と話したい事がありますので、ホテルまでニッカネン少佐の車に乗ります……黒塗りの後部座席に一人だなんて寂しいでしょうけれど、ホテルに戻ったらその分の埋め合わせはするから……我慢してね?」まるで命令を伝えるかのような堅苦しいはっきりした口調で呼びかけると、口調を変えてこっそり耳打ちした……

フェリーチェ「了解しました、少将……まったく、貴女はすぐそうやって女と一緒になりたがるんだから」

提督「ごめんなさいね♪」見送りのため整列している将校や艦娘たちから見えないよう、こっそりとフェリーチェに小さなウィンクを投げた……

フェリーチェ「いいのよ」

ニッカネン「お待たせしました……さあ、どうぞ」

提督「ありがとうございます♪」助手席に乗せてもらい、まるでエアロックのような重くずっしりしたドアを閉める……途端に外部の音がシャットアウトされて、低いエンジン音だけが深い火山の鳴動か何かのようにお腹の底に伝わってくる……

ニッカネン「それでは出しますよ……ベルトは締めましたか」

提督「ええ♪」

ニッカネン「では行きましょう」

…まるで子供のようにわくわくしながら、ニッカネンの運転を楽しむ提督……名ドライバーを数多輩出しているフィンランド人だけあって、ニッカネンの運転は相当上手で、重さのあるボルボをキレのある挙動で走らせる…

提督「……少佐は運転がお上手ですね」道路の前方を見据えて巧みにボルボをコントロールするニッカネンのきりりとした横顔に、つい見惚れてしまう……

ニッカネン「そうですか?」

提督「ええ♪」
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