イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (965レス)
イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/
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845: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2022/08/27(土) 01:46:37.57 ID:WyYZz/100 …またしばらくして… ニッカネン「……では、スウェーデン海軍としては「艦娘」の派遣には応じられないと言うことでよろしいですか?」 ラーセン「……本官個人としてはそちらと協力すべきであるというのは理解しているのですが、残念ながらわがスウェーデン海軍もそこまでの規模を有しているわけではありませんので……ただ、先ほど申上げたように哨戒機による支援は政府の方でも確約しておりますので、実行が可能です」 …きりりとした美しい顔に疲れも見せず、淡々と意見を述べるラーセン大佐……とはいえ、どちらかと言えばフィンランドを「緩衝地帯」として扱って、自国の中立を崩さないよう慎重に振る舞ってきたスウェーデン政府の指示もあるのか、ニッカネンの欲しい……ひいてはフィンランド海軍が聞きたい「艦娘」の派遣や協同での哨戒といった言葉は出てこない… ニッカネン「なるほど……それからポーランド海軍ですが、バルト海北部の哨戒に協力することは難しいと」 ポーランド海軍士官「残念ながら。 我々ポーランド海軍の「艦娘」たちは自由ポーランド軍当時の艦艇……つまりほとんどはイギリスから貸与・提供された旧型駆逐艦であり、かつグダニスクを始め、我が国の港湾都市と海路を維持するために戦力を割かなければならないので、そこまでの支援は難しいと思われます……その分、わがポーランド海軍としてはバルト海南部における航路の維持と海上交通のために尽力しております」 …きちんとした黒いダブルの上着に金ボタンと金モールが映えて、いかにも海軍士官らしいポーランド軍の代表たち……何人かは綺麗に切り整えた口ひげを生やしていて、風格がある……が、やはり上層部の指示か、フィンランド側に対しては煮え切らない態度を取っている… 提督「……まさに「会議は踊る」ね」横に控えているフェリーチェにこっそりささやいた…… フェリーチェ「そうね……まぁ、どこの海軍も自分から大変な哨戒や掃海を請け負いたくはないもの」 ニッカネン「ラーセン大佐、スウェーデン海軍は海防戦艦を基幹に駆逐隊、小艦艇群を有しておりますが……海面の氷が溶ける夏の時期だけでも良いのです、そちらの艦娘たちと共同作戦を行うことは叶いませんか?」 ラーセン「無論、そういった打診があれば検討の上で派遣することもあり得るでしょう。とはいえ先のことはまだ分かりかねます。 その時期になったらまた改めてお国の政府からストックホルムに打診していただければ、具体的な回答が出来るものと思います」 ニッカネン「なるほど、では現状では何も確約は出来ないと?」 ラーセン「先の情勢が予見出来ない以上、本官としてはそう回答するしかありません……」 ニッカネン「……」 …各国の代表から「支援したいのはやまやまなのですが……」と、気持ちばかりで実行はさっぱりという支援案を聞かされ、とうとう黙りこくって四杯目のコーヒーをすすりはじめたニッカネン……ざわつきばかりで誰も意見を言おうとしない中、提督が切り出した… 提督「……すみません、少々発言をよろしいですか?」 司会「え、ああ……どうぞ」 提督「ありがとうございます……イタリア海軍からオブザーバーとして派遣されましたカンピオーニです」長らくだらだらと続いていた会議の間、メモをとりながら温めていた意見を述べる…… 提督「えー、まずはノルウェー海軍のヨハンセン大佐……大佐は先ほど「駆逐隊をバルト海東部まで派遣するのは難しい」とおっしゃっておりましたね」 ノルウェー海軍代表「ええ。 ノルウェー西岸に深海棲艦が出没する可能性がある以上、遠くフィンランド湾にまで艦娘を派遣してしまっては、強力な敵艦の出現があった際これを呼び戻しても間に合わない危険がありますので」 提督「確かに……では、スウェーデン南部ではいかがですか?」 ノルウェー士官「スウェーデン南部、ですか?」 提督「ええ。 例えばカールスクルーナの沖合といった所ですが」 ノルウェー士官「そうですね、それなら……いやしかし、大ベルト海峡の航行に時間がかかる可能性がありますから……」 提督「アムンセンやナンセンを先輩に持つノルウェー海軍の皆さんが、まさか海峡ひとつにそこまでの苦労はなさらないでしょう?」ノルウェーが生んだ偉大な航海者や冒険家を引き合いに出して冗談めかすと、少し笑い声が聞こえた…… ノルウェー士官「それは、まぁ……」 提督「では、ラーセン大佐」 ラーセン「何でしょうか、カンピオーニ少将」 提督「ええ……お国の南部方面に展開する駆逐隊は、基地であるカールスクルーナを中心に、オーランド諸島からエストニア沖、スウェーデン南端のマルメを結ぶ三角形を哨戒しているという認識でよろしいですか?」 ラーセン「おおよそその認識で合っています」 提督「では、例えばマルメからカールスクルーナまでのエリアをノルウェー海軍と協同で哨戒することは可能ですか?」 ラーセン「不可能ではありませんね、すでに演習などで実績があります」 提督「分かりました……では、その分艦娘の行動エリアを北部に移して……例えば哨戒線をエストニア、タリンの沖辺りまで北上させることは出来ますか?」 ラーセン「……ええ、不可能ではありません」しばし熟考してから、ゆっくりと言った…… 提督「では、こうしたらいかがでしょう……バルト海の入り口、カテガット海峡はノルウェー海軍、デンマーク海軍にお任せする……そうすればスウェーデン海軍のうち、イェーテボリに配属されている艦娘たちは手すきになります。 それをカールスクルーナに移せば、フィンランドを支援する戦隊を派遣する余裕が出るのではありませんか?」いわば「玉突き式」に、各国がそれぞれ隣国を支援する形を提案した提督…… 提督「それに移動するのは艦娘たちだけで、フリゲートや潜水艦といった通常戦力を移動させるわけではありませんから、費用もそこまでかからないと思いますが」ついでに海軍の悩みのタネである「予算」を盾にされないよう、先手を打って言い添えた…… ノルウェー士官「ううむ……」 ラーセン「なるほど」 ニッカネン「……」 提督「それはそうと、少し休憩にしませんか? さすがに皆さん疲れが見えますし……いかがでしょう?」 司会「そうですね、では一時休憩とします」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/845
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