イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (965レス)
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847: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2022/09/12(月)01:13 ID:CXXTcSsw0(1) AAS
…夜…
司会「えー……では、今日の会議はここで一旦中断し、続きは明日の0940時から行います。お疲れさまでした」司会が閉会の挨拶をすると、あちこちでガタガタと椅子を引く音がして、席を立った海軍士官や将官たち……
提督「……ふー、疲れた」会議場の玄関ホールでホテルまで送ってくれる黒塗りの到着を待ちながら、くたびれた様子で長いため息をついた……
フェリーチェ「お疲れさま、フランチェスカ」
提督「ええ……だらだらと続くばかりの会議って嫌いだわ」
フェリーチェ「そんなものが好きな人間なんていないでしょうよ」
提督「確かにね……それにしても、まるで味のないガムを噛み続けているようだったわ」
フェリーチェ「同感ね」
…昼下がりから再び始まった会議ではスカンジナヴィア三国が妥協点を見つけてお互いに歩み寄りはじめた矢先に、今度はロシア海軍の代表がああだこうだと口を挟みだし、それに対してポーランドやバルト三国が反発して、いつ果てるとも分からない不毛な堂々巡りを始めていた……提督も円満に会議がまとまるよう尽力したが、責任も権限もないオブザーバー、しかもバルト海沿岸諸国とは馴染みの薄いイタリア海軍代表という立場では、いまいち各国の代表たちに響かない…
提督「とにかく、ホテルに戻ったら美味しいものでも食べて……それからベッドでぐっすりしたいわ」
フェリーチェ「良い考えね……ほら、車が来たわよ」
…数十分後・ホテル…
提督「あー……これでやっとくつろげるわ」制服をハンガーにかけるとブラウスやタイツを脱ぎ捨てながら、ベッドに腰かけた……
フェリーチェ「服は脱いだようだし、シャワーをお先にどうぞ?」
提督「ミカエラが先でいいわよ?」
フェリーチェ「こういうのは提督が先って決まっているものよ……それに、私は今日のやり取りで気になった部分をまとめておくつもりだから」
提督「そう……じゃあお先に入らせていただくわ」
…ホテルの清潔な……しかし鎮守府の豪奢な大浴場とは比較にならないほどせせこましい浴室でシャワーを浴び、脚の収まらないバスタブに身体を沈めた提督……足裏やふくらはぎは座りっぱなしだったせいでこわばり、心なしかいつもよりむくんでいる気がする…
提督「ふぅ……きっと鎮守府のみんなは夕食を済ませたころね。お風呂から出たら電話でもしてみようかしら」
…数分後…
提督「ミカエラ、出たわよ」ホテルに備え付けの、ふかふかした着心地の良いバスローブをまとい、メイクも落としてさっぱりした提督……
フェリーチェ「そう、なら私も入ってくるわ」
提督「ええ……それと、お湯の栓をひねるときは注意したほうがいいわよ。急に熱くなるから」
フェリーチェ「ありがとう、気を付けるわ」
提督「さて、それじゃあ……と」ペットボトルのミネラルウォーターを三分の一ばかり飲み干すと、ベッドサイドの小机に置いておいた携帯電話を取り、電話帳から鎮守府を選んで電話をかけた……
…鎮守府…
デュイリオ「あら、電話でございますね……はい、こちらタラント第六鎮守府」
提督「もしもし、デュイリオ?」
デュイリオ「まぁまぁ、提督♪ お声が聞けて嬉しいです」
提督「私も貴女の声が聞けて嬉しいわ、デュイリオ。 今日はもう用事もないし、時間があるから電話をしたのだけれど……みんなはどう、元気でいるかしら?」
デュイリオ「あぁ、提督。 それがもうこちらは大騒動でして、すぐにでも鎮守府に戻ってきていただかないと……」
提督「えっ!?」
デュイリオ「そうなんです……ライモンドは提督がいらっしゃらないからとふくれ面、ポーラはキアンティの飲み過ぎですっかりへべれけ、チェザーレは近くの街で人妻と火遊びをして警察沙汰になる始末……シロッコは階段で転んでひっくり返り、ディアナは皿を割り、ルチアは一晩中鳴き続け……ふふっ♪」真面目な口調で言っていたが、我慢しきれなくなったのか含み笑いをもらしたデュイリオ……
提督「もう……からかわないでよ、一瞬本当に何かあったのかと思ったじゃない」
デュイリオ「くすくすっ♪ 申し訳ありません。提督とお話が出来て嬉しかったものですから、つい……こちらは万事順調ですよ♪」と、電話口の向こうからルチアの吠える声が聞こえてくる……
提督「良かったわ……でも、それにしてはルチアが騒いでいるわね? どうしたの?」
デュイリオ「ああ、ちょうどディアナが明日の夕食に出す牛すじ肉のシチューを作ろうと下ごしらえをしているものですから」
提督「それで大騒ぎをしているのね……♪」
デュイリオ「ええ……ところで提督、せっかくですからここにいる娘たちと順繰りにお話でもなさってはいかがでしょう?」
提督「そうね……いない娘たちには申し訳ないけれど、そうさせてもらうわ♪」そう言って、何人かの艦娘たちとたわいもない会話をする提督……
フェリーチェ「出たわよ……っと、楽しいお話の最中だったようね」
提督「ええ……♪」近況や来たるクリスマスの話をしつつ、フェリーチェに向けてウィンクを投げた……
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