イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (965レス)
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◆b0M46H9tf98h
[sage saga] 2022/11/18(金)01:50
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853: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2022/11/18(金) 01:50:40.43 ID:7E4+Zff30 …翌日・夕食会… ニッカネン「さぁ、どうぞお入り下さい」 提督「素敵な会場ですね……♪」 …礼装に身を包んだニッカネンに案内されてやって来たパーティ会場はきれいにしつらえられており、床の一部には赤と緑でパッチワーク風の模様に仕上げたフィンランドの伝統織物「ルイユ織り」の絨毯が敷かれ、テーブルには色とりどりの花が飾ってある……それも参加各国をもてなす意味を込めてそれぞれの花瓶に各国の国旗と同じ色が使われていて、カーネーションやカラー、バラに百合、かすみ草といった花をバランスよく組み合わせて、イタリアのトリコローリ(三色旗)の色である緑・白・赤をはじめ、ポーランドの白と赤、スウェーデンの青と黄色、ノルウェーの赤、青、白といった具合に仕上げてある…… ニッカネン「どうしても冬は色がなくて殺風景に感じますから、こうやって花があるのはいいものです」 提督「同感です……」提督はニッカネンと話しながら、テーブルのそばで立っている各国士官の一団に近づいた…… ニッカネン「それでは、改めて紹介しましょう。こちらはウーシマー旅団のミカ・カンキネン大尉」がっしりした体格をした沿岸防衛旅団の大尉は鍛え上げた肉体のために礼服が窮屈そうで、頬の肉が付いているところに赤みが差している様子はどことなくサンタクロースを思い起こさせる…… カンキネン「初めまして」 ニッカネン「こちらは空軍のラウリ・キルピ大尉」 キルピ「お目にかかれて光栄です、アドミラル・カンピオーニ」 提督「こちらこそ……大尉はどんな機種を操縦なさっているのですか?」 キルピ「たいていは「サーブ・ドラケン」です。私も機体も退役するはずだったのですが、深海棲艦のことがあってまだ引退できずにいましてね」戦闘機の操縦士としてはかなり高齢に見えるキルピ大尉はいかにもパイロットらしく、細身の顔とほとんど同じくらいあるがっちりした首をしているが、一度笑うと目尻や口元に笑いじわができて親しげな表情になる…… 提督「なるほど」 ニッカネン「こちらはポーランド海軍のヴァシェフスキ中佐」 ヴァシェフスキ「スタニスワフ・ヴァシェフスキです。どうぞお見知りおきを」 提督「フランチェスカ・カンピオーニです……ポーランド軍の勇敢さについてはよく聞き及んでおります。イタリア人として、お国のドンブロフスキがイタリアで軍団を編成した歴史があるというのは光栄なことです」 (※ヤン・ドンブロフスキ……ナポレオンの下、イタリアで亡命ポーランド人たちを募った「ポーランド軍団」を編成し、ロシア・オーストリア・プロイセンなどに分割されたポーランドを復活させるために戦った。ポーランド国歌「ドンブロフスキのマズルカ」はその際にポーランド軍団の兵士たちが歌った愛唱歌を元にしている)」 ヴァシェフスキ「これはまた、我が国の歴史をご存じで……どうもありがとうございます」風格のあるヴァシェフスキの顔がぱっとほころんだ…… ニッカネン「では、自己紹介も済んだことですし……乾杯にお付き合いいただけますか、少将?」 提督「ええ、喜んで」 ニッカネン「良かった……フィンランドのウォッカは最高ですよ、ぜひ賞味してみて下さい」 提督「そうですか、でしたら」澄み切った液体がなみなみと満たされている小さいグラスを取った…… ニッカネン「では、音頭は私が……キピス(乾杯)!」 一同「「キピス」」 …ウォッカを始め、度数の強い酒を恐る恐る飲もうとするとかえって飲みにくいので、覚悟を決めて一気にあおった提督……いいウォッカだというニッカネンの言葉通り、カッと熱い感覚が喉を流れ落ちるが口当たりは水のようで、当たりの強さやえぐみはまったくない… ニッカネン「いかがですか」 提督「ええ……とってもいいウォッカですね」つばを飲み込み、一呼吸してから答えた…… キルピ「それでも慣れていないと飲みにくいでしょう……キャビアを一緒に食べるといいですよ」小さじで皿にキャビアをよそってくれたキルピ大尉 提督「ありがとうございます」 …度数こそきついが口に入れた瞬間は甘いウォッカと塩っぱいキャビアは確かによく合い、食べた後にかすかに残るキャビアの海くささのようなものを、ウォッカがきれいに落としてくれる… 提督「……なるほど、これはいい組み合わせですね」 ニッカネン「そうでしょう……ところでこれはどうですか? トナカイの燻製ですよ」 提督「これがそうですか、初めて食べます……」赤身が濃くて鹿肉に似ているトナカイ肉の燻製は噛みごたえがあって、あごはくたびれるが、噛めば噛むだけ旨みが沁みだしてくる…… ニッカネン「いかがですか?」 提督「これは……例えば暖炉か何かのそばに腰かけて、じっくり噛みしめて食べる……そうした食べ方が合いそうですね」 カンキネン「おや、なかなか通な意見ですね」 提督「それはどうも……もちろんパルマの生ハムも美味しいですが、このトナカイ肉とは風味や歯ごたえが全く違いますし、同じ物差しでどちらが美味しいとか優れているとか、そういった比較をすることはできませんね……少なくとも、私は美味しいと思いますよ?」 ニッカネン「そう言ってもらえると嬉しいですね」提督の言った言葉に含まれた意味を理解して、ニッカネンをはじめフィンランド軍の士官たちは軒並み苦笑いした…… ヴァシェフスキ「では、今度は私からも乾杯を……カンピオーニ少将、お願いできますかな?」 提督「ええ、分かりました」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1514656546/853
翌日夕食会 ニッカネンさぁどうぞお入り下さい 提督素敵な会場ですね 礼装に身を包んだニッカネンに案内されてやって来たパーティ会場はきれいにしつらえられており床の一部には赤と緑でパッチワーク風の模様に仕上げたフィンランドの伝統織物ルイユ織りのが敷かれテーブルには色とりどりの花が飾ってあるそれも参加各国をもてなす意味を込めてそれぞれの花瓶に各国の国旗と同じ色が使われていてカーネーションやカラーバラに百合かすみ草といった花をバランスよく組み合わせてイタリアのトリコローリ三色旗の色である緑白赤をはじめポーランドの白と赤スウェーデンの青と黄色ノルウェーの赤青白といった具合に仕上げてある ニッカネンどうしても冬は色がなくて殺風景に感じますからこうやって花があるのはいいものです 提督同感です提督はニッカネンと話しながらテーブルのそばで立っている各国士官の一団に近づいた ニッカネンそれでは改めて紹介しましょうこちらはウーシマー旅団のミカカンキネン大尉がっしりした体格をした沿岸防衛旅団の大尉は鍛え上げた肉体のために礼服が窮屈そうで頬の肉が付いているところに赤みが差している様子はどことなくサンタクロースを思い起こさせる カンキネン初めまして ニッカネンこちらは空軍のラウリキルピ大尉 キルピお目にかかれて光栄ですアドミラルカンピオーニ 提督こちらこそ大尉はどんな機種を操縦なさっているのですか? キルピたいていはサーブドラケンです私も機体も退役するはずだったのですが深海棲艦のことがあってまだ引退できずにいましてね戦闘機の操縦士としてはかなり高齢に見えるキルピ大尉はいかにもパイロットらしく細身の顔とほとんど同じくらいあるがっちりした首をしているが一度笑うと目尻や口元に笑いじわができて親しげな表情になる 提督なるほど ニッカネンこちらはポーランド海軍のヴァシェフスキ中佐 ヴァシェフスキスタニスワフヴァシェフスキですどうぞお見知りおきを 提督フランチェスカカンピオーニですポーランド軍の勇敢さについてはよく聞き及んでおりますイタリア人としてお国のドンブロフスキがイタリアで軍団を編成した歴史があるというのは光栄なことです ヤンドンブロフスキナポレオンの下イタリアで亡命ポーランド人たちを募ったポーランド軍団を編成しロシアオーストリアプロイセンなどに分割されたポーランドを復活させるために戦ったポーランド国歌ドンブロフスキのマズルカはその際にポーランド軍団の兵士たちが歌った愛唱歌を元にしている ヴァシェフスキこれはまた我が国の歴史をご存じでどうもありがとうございます風格のあるヴァシェフスキの顔がぱっとほころんだ ニッカネンでは自己紹介も済んだことですし乾杯にお付き合いいただけますか少将? 提督ええ喜んで ニッカネン良かったフィンランドのウォッカは最高ですよぜひ賞味してみて下さい 提督そうですかでしたら澄み切った液体がなみなみと満たされている小さいグラスを取った ニッカネンでは音頭は私がキピス乾杯! 一同キピス ウォッカを始め度数の強い酒を恐る恐る飲もうとするとかえって飲みにくいので覚悟を決めて一気にあおった提督いいウォッカだというニッカネンの言葉通りカッと熱い感覚が喉を流れ落ちるが口当たりは水のようで当たりの強さやえぐみはまったくない ニッカネンいかがですか 提督ええとってもいいウォッカですねつばを飲み込み一呼吸してから答えた キルピそれでも慣れていないと飲みにくいでしょうキャビアを一緒に食べるといいですよ小さじで皿にキャビアをよそってくれたキルピ大尉 提督ありがとうございます 度数こそきついが口に入れた瞬間は甘いウォッカと塩っぱいキャビアは確かによく合い食べた後にかすかに残るキャビアの海くささのようなものをウォッカがきれいに落としてくれる 提督なるほどこれはいい組み合わせですね ニッカネンそうでしょうところでこれはどうですか? トナカイの製ですよ 提督これがそうですか初めて食べます赤身が濃くて鹿肉に似ているトナカイ肉の製は噛みごたえがあってあごはくたびれるが噛めば噛むだけ旨みがみだしてくる ニッカネンいかがですか? 提督これは例えば暖炉か何かのそばに腰かけてじっくり噛みしめて食べるそうした食べ方が合いそうですね カンキネンおやなかなか通な意見ですね 提督それはどうももちろんパルマの生ハムも美味しいですがこのトナカイ肉とは風味や歯ごたえが全く違いますし同じ物差しでどちらが美味しいとか優れているとかそういった比較をすることはできませんね少なくとも私は美味しいと思いますよ? ニッカネンそう言ってもらえると嬉しいですね提督の言った言葉に含まれた意味を理解してニッカネンをはじめフィンランド軍の士官たちは軒並み苦笑いした ヴァシェフスキでは今度は私からも乾杯をカンピオーニ少将お願いできますかな? 提督ええ分かりました
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