イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (964レス)
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912: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 2024/02/03(土)02:28 ID:YuI7hGX20(1) AAS
…クリスマス数日前…

提督「お母さまたちとクリスマスを過ごすのも久しぶりね」

クラウディア「そうねぇ……フランカが海軍に入ってからはなかなか会う機会もなかったものね」

提督「これでもクリスマスに休暇が取れるよう毎年頑張ってはいたのだけれど……なかなかそうも言っていられなくて」

シルヴィア「でもフランカは毎年クリスマスカードを書いてくれていたから、クリスマス・イヴになるといつも二人で読んだものよ」

提督「私もお母さまとおばさまのカード、欠かさず読んでいたわ……それにお菓子やプレゼントも贈ってくれたわよね」

クラウディア「ええ、一緒にいられないぶん贈り物くらいはしないと♪」

提督「お母さまたちの気持ちが伝わってくるようで嬉しかったわ。お菓子なんかは士官宿舎で集まって持ち寄りのクリスマスパーティなんかしたときに、ずいぶん好評だったし」

クラウディア「そう言ってもらえると作ったかいがあるわ」

提督「何しろみんな甘いものが好きだから……」と、提督の携帯電話がぶるぶると震えだした……

シルヴィア「電話みたいね」

提督「ええ。緊急呼び出しの番号なら着信音も鳴るようにしてあるから、たぶんそこまでの用事じゃないはずだけれど……あ」

クラウディア「知り合いの女の子?」

提督「ええ、ジュリアだわ。P−3C哨戒機の飛行隊長をしている……もしもし?」

…シチリア島・カターニア…

アントネッリ中佐「やぁフランチェスカ、ご機嫌にしているかな?」

…イタリア海軍航空隊・カターニア航空基地の外、モトグッツィの大型バイクのかたわらで電話越しに提督の柔らかな声に耳を傾けているアントネッリ……黒革のライダースジャケットに筋肉質な脚線美を余すところなく引き出しているぴっちりしたレザージーンズ、オートバイ用のがっちりしたブーツで、黒に近いボルドー色のルージュを引き、冬の低い日差しで目がくらまないように濃いサングラスをかけている…

提督「ええ、おかげさまで……ジュリア、貴女は?」

アントネッリ「ご機嫌さ、ありがとう」

提督「クリスマス休暇は取れた?」

アントネッリ「ああ、今日からね……正確に言えば今からかな。今日の明け方から太陽と一緒に哨戒飛行を済ませてきたところさ。他の連中はフライトスーツを脱ぐなり街に飛び出していったよ……酒を飲んでしまえば緊急呼集がかかっても飛ばなくて済むからね」

提督「なるほどね♪ それで、何事もなかった?」

アントネッリ「ああ、深海のお化けたちもクリスマスはお休みらしい」

提督「それは良かったわ」

アントネッリ「まぁね……私の方は機付整備員たちをねぎらって、それからさっきまで基地司令がよこすしょうもない書類にサインをしていたんだが……今は晴れて自由の身さ。年内は実家かい?」

提督「ええ、その予定よ……もし良かったら泊まりに来る?」

アントネッリ「いいや、せっかくの家族水入らずの時間に割って入るほど無粋じゃないつもりだよ……年が明けたら鎮守府の方にお邪魔するさ」

提督「あら、そう? ジュリアが来てくれたらお母さまもおばさまも喜んでくれると思うけれど……」

アントネッリ「なに、その気持ちだけで嬉しいよ……可愛いフランチェスカ♪」

提督「もう、相変わらず上手なんだから♪」

アントネッリ「事実なんだから仕方ないさ」

提督「今までどれだけの相手にそう言ってきたの?」

アントネッリ「君ほどの美人には一度も」

提督「ジュリアってば……口説いた相手全員にそう言っているんでしょう?」

アントネッリ「いいや? 私が本気で口説くのはフランチェスカ、君と……それからあの青い空だけさ」

提督「まぁ、今どきメロドラマでもそんな台詞は言わないわよ?」そう言いつつも、携帯電話の耳元へささやくように話しかけるアントネッリの声に、思わずどきっとする提督……

アントネッリ「そうかもしれないね……ふふ、とにかくよいクリスマスを」

提督「ええ……ジュリア、貴女もね」

アントネッリ「ああ、ありがとう……チャオ♪」電話越しに投げキッスの音を送ると、通話を終えた……

提督「もう、ジュリアってば……ただ「良いクリスマスを」って言えばいいだけなのに///」

シルヴィア「……この調子だとこれから数日はフランカの携帯電話が鳴りっぱなしね」

提督「それだけは勘弁してほしいわ」想像して思わず苦笑いを浮かべた……
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