イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (952レス)
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913: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 02/07(水)01:39 ID:aQ++Hmij0(1) AAS
…12月23日…

提督「いよいよ明日からクリスマスね」

(※カトリックの国は教会暦で24日の晩からがクリスマス。クリスマス・イヴは「クリスマスの晩」であって「前夜」ということではない)

クラウディア「そうね……さぁ二人とも、一緒にツリーの飾り付けをしましょう?」

提督「はーい」

シルヴィア「ええ、いま行くわ」

…ここ何年か提督抜きの二人きりでクリスマスを過ごしてきたクラウディアとシルヴィアだったが、今年はひさびさに家族揃ってのクリスマスということで、居間のツリーはしきたりにのっとり、今日まで飾り付けを仕上げないまま立ててあった……暖炉のなごやかな火を見ながら穏やかに、しかし和気あいあいと母娘で飾りつけに興じる提督たち…

提督「……やっぱりうちで過ごすクリスマスっていいものね♪」

クラウディア「そうでしょう。それから明日はちゃんとお魚料理、明後日はアヒルや鴨のごちそうが控えているから期待していてね♪」

シルヴィア「しかもクラウディアが料理するんだもの……考えただけで涎が出るわね、フランカ?」

提督「ええ♪ あ、その飾りはこっちにちょうだい?」

…クラウディアとシルヴィアが年ごとに、また色々な記念に少しずつ買い足していった思い入れのあるオーナメントや飾り物でにぎにぎしく装飾されていくクリスマスツリー……木の葉が揺れ動くたびに青々とした針葉樹の香りがふっと鼻腔をくすぐり、金銀の玉飾りやリンゴを模した木の飾り物、雪の結晶や小さな銀の星が取り付けられてゆくうちに、ツリーが華やかさを増していく…

クラウディア「どう? お星様は傾いてない?」つま先立ちをして人の背よりも高いツリーのてっぺんに銀の星の飾りを載せると、少し下がってシルヴィアに尋ねた……

シルヴィア「大丈夫、真っ直ぐよ」

クラウディア「そう、それじゃあ完成♪」

提督「……本当に、いつ見ても綺麗ね」

クラウディア「ええ、シルヴィアほどじゃないけれど♪ ……それに、こうして祝えるのがなによりね」

提督「そうね」

シルヴィア「それじゃあ賛美歌のレコードでもかけて……二人とも、ヴィン・ブリュレーでも飲む?」

(※ヴィン・ブリュレー…温めた赤ワインに香辛料や柑橘の風味を利かせたもの。グリューワイン)

クラウディア「ええ、いただくわ♪」

提督「私も」

シルヴィア「分かった」

…暖炉の片隅に鍋を置くと赤ワインを注ぎ、砂糖の代わりに地元の農家から分けてもらった蜂蜜を垂らし、ショウガやシナモン、それにオレンジとレモンのピール(皮)を加えて軽く温める……鍋でワインがふつふつと言い始めたところで鍋を火から遠ざけると、めいめいのカップにワインを注いだ…

クラウディア「ん……美味しい♪」

シルヴィア「クラウディアは甘めが好きだから、蜂蜜を多めにしたの……フランカはどう?」

提督「ええ、ちょうどいいわ」

シルヴィア「それなら良かった……ん///」

クラウディア「ちゅっ……どう、美味しい?」

シルヴィア「ええ、とっても甘かったわ」

提督「そうね……お母さまたちがいちゃつく分、蜂蜜はもっと少なくて良かったわ」

クラウディア「もう、フランカってば自分の母親に嫉妬しちゃって……んーっ♪」

提督「ん、んぅ……っ///」

クラウディア「これで機嫌を直してくれる?」

提督「機嫌を直すもなにも……実の母親にキスされたからってどうこうしないわよ///」

クラウディア「あら、残念♪」

シルヴィア「……クラウディア」

クラウディア「なぁに?」

シルヴィア「ん……んちゅっ、ちゅぅ……ちゅる……っ、ちゅ……っ♪」

クラウディア「あっ……ふ……んぅ♪」

シルヴィア「ぷは……フランカは可愛いけれど、せっかくのキスを上書きされたくはなかったから」

クラウディア「……まぁ///」

提督「……やっぱり蜂蜜はいらなかったわ」
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