イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (952レス)
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920: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 03/26(火)02:14 ID:p10Q7sa80(1) AAS
チェザーレ「……それにしても済まぬな、ディアナ」

ディアナ「と、申しますと?」

チェザーレ「この立派な正餐のことだ」長テーブルの上に並んでいる皿の数々を指し示した……

ディアナ「いいえ、わたくしも皆に喜んで頂きたかったので」

チェザーレ「さようか。提督に代わって礼を言うぞ」

ドリア「……チェザーレ、ディアナ、もう一杯いかがですか?」

ディアナ「ええ、ではもう少しだけ」

チェザーレ「もらおう、リットリオたちはおらぬのだからな……その分を開けても文句は言うまい」

ポーラ「そうですよぉ、クリスマス休暇を先に取っちゃった娘たちや提督の分まで開けちゃいましょ〜う♪」

ザラ「もう、相変わらずなんだから……フランチャコルタ?」

ポーラ「そうですよぉ……以前、提督に見せたら「私の月給の三分の一くらいする……」って言ってましたねぇ〜♪」

…暖炉の火とアルコールで赤みを帯びた頬を火照らせ、ころころと笑いながら値の張るスプマンテを遠慮なく開けるポーラ……しゅわしゅわと軽い音をさせながらグラスに液体が注がれ、注ぎ分けたグラスを持ち上げて乾杯する…

リベッチオ「ねぇねぇディアナぁ……お酒もいいけど、そろそろケーキを切らない?」ディアナのかたわらにやって来て、おねだりをするようにしながら軽く袖口を引っ張った……

マエストラーレ「まったくもう、リベッチオってばせっかちなんだから。ディアナだってお酒は飲みたいし、まだ食事も済んでいないのよ? もう少し我慢しなさい」

リベッチオ「えー?」

ディアナ「ふふ……リベッチオ、もう少しだけ待って下さいましね? そうしたらケーキを出しますから」

リベッチオ「ホント?」

ディアナ「ええ、本当です」

リベッチオ「やったぁ♪ ね、そろそろケーキだって♪」

マエストラーレ「はいはい……♪」

…普段から駆逐艦「マエストラーレ」級の長姉として奔放な妹の手本となるべく、また準同型の「オリアーニ」級の先輩としてもお姉ちゃんらしく振る舞っているマエストラーレだが、嬉しさが顔に出るのは隠しきれない…

アルフレド・オリアーニ「ふふ……マエストラーレったら、こんな時くらいは子供みたいに振る舞ったっていいのに」

マエストラーレ「な、何言ってるのよ……///」

カルロ・ミラベロ「くすくすっ、私たちからしたらみんなお子ちゃまみたいなものなのにね?」

アウグスト・リボティ「ね♪」駆逐艦では艦隊最高齢の小さな「ミラベロ」級駆逐艦、幼い外見に似合わないおませなミラベロとリボティがくすくすと笑った……

ディアナ「ふぅ……さて、それではそろそろケーキを持って参りましょうね」上品に口のまわりを拭うと立ち上がり、厨房へと入っていった……

ピエトロ・ミッカ「それでは私も手伝いましょう」大型潜水艦のミッカを始め、敷設や輸送に縁があった何人かが手伝おうとついていく……

ディアナ「まぁ、それではよしなに♪」

…待つほどでもないうち、ディアナたちがケーキの載った大皿や盆を捧げて戻ってくると、たちまち大食堂に娘たちの黄色い歓声が沸き上がる……同時に誰かが「きよしこの夜」のレコードをかけ、どこからともなく合唱が始まった…

ディアナ「さ、お待たせしてしまいましたね……食べたいものを切り分けますから、どうぞお皿を回して下さいな」

…ディアナが愛車の「フィアット・アバルト850」を飛ばして、鎮守府のお馴染みになっている近くの町のケーキ屋さんで買ってきた大きなスポンジケーキを始め、ディアナやドリアが腕によりをかけて作った、イタリアのクリスマス菓子として定番のパンドーロやパネットーネ、あるいは上から白い粉砂糖をふるったチョコレートケーキや、砂糖漬けの果物もカラフルなタルトと、目移りしそうなほど並べられた…

グラウコ「うーん、どれも美味しそうで決められそうにないです……」

オタリア「本当ですね……迷ってしまいます」

カヴール「ふふ、それじゃあ私が取ってあげましょう♪ ……それにしてもディアナ、ずいぶんたくさん焼いたのですね?」

ディアナ「ええ。何しろクリスマス休暇に入った娘が多かったものですから、注文しておいた卵が余ってしまって……傷ませてしまうまえに使い切ってしまおうと思いまして」

リベッチオ「それでこんなにケーキが食べられるならゴキゲンだよ♪ ね、お姉ちゃん?」皿にケーキを盛り合わせにしてもらうと、脚をぶらぶらさせながらケーキをぱくついている……

マエストラーレ「だからってあんまり食べ過ぎないの」

シロッコ「ふふ、今日くらいはいいじゃないか」

トリチェリ「……はい、先生もどうぞ? あーん♪」

ガリレオ・ガリレイ「うぷっ……もう、鼻の頭にまでクリームを食べさせることはないでしょ♪」

…艦娘たちはそれぞれケーキを食べたり、お酒のグラスをかたむけたり、クリスマスソングを歌ったりしている……暖炉の前に敷かれた絨毯の上ではルチアが骨をかじりながら寝そべり、何人かがブラシで毛並みをくしけずったり撫でたりしながら遊んでやっている…

ドリア「いいクリスマスですね、デュイリオ」

デュイリオ「あら、まだまだクリスマスは長いのよ……アンドレア♪」
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