イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」 (952レス)
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921: ◆b0M46H9tf98h [sage saga] 03/31(日)02:21 ID:pRbdUNY+0(1) AAS
…食後…
カヴール「さて、食卓は片付きましたね?」
ガリバルディ「ええ、大丈夫よ」
レモ「今度はなぁに?」
ドリア「あちこちからクリスマスカードが届いておりますから、せっかくですし読み上げようかと」
ガリバルディ「いいわね、どうせ時間もあることだし」
デルフィーノ「そうですね。それにしてもそれぞれ個性があって面白いです♪」デルフィーノは鎮守府に届けられたメッセージカードの山をより分けながらしきりにうなずいている……
カヴール「それでは読みましょうか……♪」おっとりとした貴婦人のような様子で暖炉の前の椅子に腰かけると「鎮守府宛」になっているクリスマスカードの中から、企業の広告や管区司令部からのカードを除いた何枚か手に取った……
エウジェニオ「誰から?」
カヴール「最初は……あら、イギリスのグレイ提督ですね」
…提督の実家とは別に、鎮守府にも送られてきた提督たちからのクリスマスカード……これにもそれぞれの性格や色が出ていて、イギリスの貴族令嬢であるグレイ提督は上品なハロッズ(百貨店)のカードに綺麗な筆記体で「Merry Christmas」とつづってあるのに対し、アメリカのミッチャー提督はコミック風のサンタクロースが描かれたカードに大きな文字で「Merry X‘mas」と、いかにもアメリカらしい書き方をしている…
ガラテア「それで、レディ・グレイは何とおっしゃっています?」美しいガラテアが、カヴールの後ろから乳白色の美しい腕を首元に優しく回す……
カヴール「ええ、今読みますね……「タラント第六鎮守府の皆様、メリークリスマス。このカードを書いている間、あの明るいイオニア海の海原を思い出しました。どうか七つの海が平和でありますよう、そして貴女方が良いクリスマスを過ごせますように」……だそうです」
ネレイーデ「ふふ、あの人は相変わらずですね……♪」
ドリア「それでは次は私が読みましょうか……「メリークリスマス、ガールズ。ノーフォークは北風が寒くって最悪で、サンディエゴやマイアミ、あるいはそっちのナポリみたいな港が恋しいわ。ステイツからプレゼントを贈ったから、喜んでもらえたら嬉しいわ」だそうですよ」
セッテンブリーニ「ミッチャー提督も相変わらずね、プレゼントはきっとダサいセーターと野球帽、七面鳥のローストにチューインガムで間違いないわ」
ドリア「まぁ、ふふっ……♪」
カヴール「それから次のカードは……エクレール提督ですね。フランス語ですから、私が読みましょう」
ダルド(駆逐艦フレッチア級)「ヴァイス提督からのカードは私が読めるわ」
アントニオ・ピガフェッタ(駆逐艦ナヴィガトリ級)「ドイツ語なら私も読めるけどね……途中で代わろう」
ルイージ・トレーリ(大型潜マルコーニ級)「では、百合姫提督のカードは私が読みますね」
…フランスのエクレール提督は香水つきのカードに長々とメッセージを書き、ドイツのヴァイス提督は堅苦しいまでにきちんとした内容を罫線でも引いてあるかのような具合で真っ直ぐに書きつづり、百合姫提督は和紙を使ったはがき大のカードに丸みを帯びた丁寧な筆文字でメッセージを書き留めている…
カヴール「あらまぁ、くすくすっ……♪」
チェザーレ「なにかおかしい事でも書いてあったのか?」
カヴール「ええ、ふふっ♪ エクレール提督ったらエスカルゴの前菜から始まるクリスマスの正餐ですとか、お国自慢を長々と書き連ねてあるものですから……♪」
エウジェニオ「エスカルゴってカタツムリのことでしょ……それがごちそうの前菜なの? カエルやカタツムリを食べるフランス人には困ったものね」
カヴール「まぁまぁ、あれもバター焼きにすれば案外良いものですよ?」
ダルド「そろそろいい? それじゃあこっちも読むわよ……「クリスマス、そして新年おめでとう。レープクーヒェン(ドイツのクリスマスに欠かせないショウガクッキー)を送ったので、ぜひご賞味いただきたい」だそうよ」
ピガフェッタ「レープクーヒェンか……地味な菓子だが嫌いじゃないよ」
トレーリ「それでは次は百合野提督のカードですね、読みますよ……「タラント第六鎮守府の皆様、メリークリスマス。クリスマスカードを送る風習がないものですから、何を書けばいいかずいぶん悩みました。ともあれタラント第六のみんなが良いクリスマスと新年を過ごせるよう、心から願っております。またいつか訪問できる機会を楽しみにしています」とのことです」
カヴール「ふふ、いかにも日本人らしい奥ゆかしい文面ですね」
チェザーレ「むしろ彼女の人柄であろうな……それぞれプレゼントも付いてきたようであるから、少々早いが開けてしまおうか」
(※イタリアではプレゼントを開けるのはイエス・キリストが生まれたとされる1月6日の公現祭(こうげんさい)の日。プレゼントは東方の三賢人の誘いを断り、結果キリストの誕生に立ち会えなかったことを後悔し続けているとされる魔女「ベファーナ」が持ってくるとされている)
フルミーネ「やった♪」
カヴール「まぁ、少し早い気もしますが……クリスマスですからね、提督方の贈り物に限ってはいいということにしましょう♪」
…チェザーレやカヴールたち、留守を預かる「大人組」の許しを得て、クリスマスのメッセージカードに添えて送られてきた包みを喜び勇んで開ける駆逐艦や潜水艦の艦娘たち……娘たちによって人柄がでるのか開け方もさまざまで、待ちきれない様子で嬉しそうに包み紙を破る娘から、ある程度落ち着いてリボンをほどく娘までさまざまだった…
フレッチア「すんすん……匂いからするとショウガクッキーね」
ピガフェッタ「レープクーヒェン、ドイツのクリスマス菓子では定番のやつさ」
コマンダンテ・カッペリーニ「百合野提督の贈り物は……化粧品と手拭いですね」
…日頃から潮風に吹かれ波飛沫を受けている艦娘たちにと、日本メーカーの乳液や保湿クリームといった化粧品の詰め合わせと、銀座の中心地、歌舞伎座のそばにある老舗で売っている、色も柄もさまざまな手拭いがたくさん入っている……かさばらずにお洒落なものをという、百合姫提督らしい気づかいが見て取れる…
トレーリ「柄のいくつか「鎌○ぬ(構わぬ)」と言葉遊びになっていたり「後ろに下がることがない」蜻蛉(とんぼ)の柄みたいに、戦場での縁起を担いでいたりするんですよ」
デュイリオ「まぁまぁ、それは素敵ですね♪」
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